ティア「ダメだ……、全く分からねぇ…。ていうか文字化けしすぎだろこのデータ…というか暗号!!!」
今俺はエクシアに内蔵されていたデータをブランと一緒に解析していた。ただ、ほとんどが暗号化されてたり文字化けしてたり、ろくに解析が進んでない。
ティア「ブラン、そっちはどう……」
ブラン「だぁぁぁぁ!!!分かるかこんなもん!!!文字化けしすぎて訳わかんねぇよ!!!!これ作った奴は何考えてんだ!!!」
案の定、キーボードを叩きながら画面に向かって叫んでいた。
ティア「あぁ、やっぱりな……。それにしても…。」
あの日の翌日、各国でも同じようにガンダムタイプが見つかったという。プラネテューヌでは「ヴァーチェ」、ラステイションでは「デュナメス」、リーンボックスでは「キュリオス」、といった感じに地下施設にあったという。ただ、キュリオスだけはガンダムというよりは戦闘機という見た目のようだ。ベールさんも、
ベール「これ、モビルスーツというよりは、戦闘機じゃないんですの…?」
といってたくらいだし…。
ブラン「とりあえず、解析はもうやめましょう。疲れたわ…。がく」
ティア「あ、おいブラン!?」
ブランがキーボードに突っ伏して気絶してしまった。そういやブラン、寝ずに解析してたんだっけか…。
ティア「はぁ、とりあえずブランの部屋まで運ぼう…。」
ティア「よっと……。ふぅ、これでよし…と。じゃ、ゆっくり休めよ。おやすみ。」
ブランをベッドに寝かせ、部屋から出る。と、同時にロムとラムとばったりあった。
ラム「お姉ちゃん、気絶したみたいだけど、大丈夫なの?」
ロム「心配…(ソワソワ)」
ティア「あぁ、大丈夫だ。疲れて寝てるだけだし、ゆっくりさせてやってくれ。とりあえず…」
何か言いかけたところ、ポケットに入れていた通信端末が鳴りだす。どうやらラステイションからのようだ。
ティア「ん、なんだろう…。もしもし?」
ノワール「あ、ティア!?悪いんだけど、今すぐ来て!!やつらが攻めてきたの!!!こっちも迎撃してるけど、いつまで持つか分からないわ!」
ティア「ッ!?…わかった、今すぐ向かう!!それまで持ちこたえてくれ!!」
ロム「どうしたの…?ラステイションになにかあったの…?」
ラム「今、やつらが攻めてきたって…。」
ティア「とりあえず、ロムとラムはブランの部屋にいるんだ。絶対、ブランの傍から離れるなよ!それじゃ!」
ロム「わかったよ!」
ラム「わかった!」
俺はロムとラムに見送られ、急いでエクシアの格納庫へ向かった。
ティア「おやっさん、エクシアは出せるか!?」
おやっさん「おうよ!準備万端だ、いつでも行け!」
ティア「ありがとう!それじゃ!」
俺はエクシアに飛び乗り、システムを起動。おやっさん達は発進準備を急ピッチで済ませてくれた。
整備班「エクシア、発進どうぞ!!」
ティア「了解、ガンダムエクシア、出撃する!」
俺とエクシアは飛翔し、ラステイションへと向かう。
ブラハ「はぁっ!!」
華麗な剣捌きで次々と襲撃者を両断する。半分以下までは撃破したはずだが、全く減っている気配がしない。これじゃ、こっちのエネルギーが…、と、襲撃者ジンクスにいつの間にか背後に回り込まれていた。
ブラハ「しまっ……!きゃぁ!」
飛んできた蹴りをギリギリシールドでガードしたが、衝撃が強すぎてそのまま建物に激突してしまった。
ラステイション兵「ブラックハート様!大丈…うわっ!!」
ブラハ「あっ……。」
こちらを助けに来たフラッグが目の前で落とされた。よくも…!
ブラハ「こんのおおおおお!!!」
ブースターをフルスロットルで吹かし、襲撃者ジンクスをタックルで吹っ飛ばし、ソニックブレードで切り裂く。絶えず襲撃者ジンクスは爆散した。
ブラハ「ごめんなさい…。仇はとるから…!」
撃破されてしまった自国の兵を見つめる。そして、再び空を見る。やはり減っている気配が無い。こちらの機体ももう持たない。それでも……。
ブラハ「無謀だってのは分かってるわ……、それでも…、この国は…、私の国は……、この身がボロボロになっても…、絶対に護る!!」
そういった次の瞬間、襲撃者ジンクスが立て続けに撃墜されていった。
ブラハ「え…?一体何が…、あっ!!」
空の彼方から、白い機体がこちらに向かって来ている。まさか…!
ティア「ノワール!無事か!?」
ブラハ「ティア…来てくれたのね…!」
ティアが、エクシアが来てくれた…。これで、反撃出来る!
ブラハ「皆、まだ生きてるわね?ガンダムが来てくれたわ、さぁ、反撃開始よ!!!」
ラステイション兵達「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ティア「何かやけにテンション高いな……まあ、いい。行くぞ、エクシア!!」
ティア「これで、最後だァッ!!!」
最後の一機を撃墜し、1時間以上続いた戦闘は終わった。
ブラハ「ありがとう、ティア。あなたが来てくれなければ、私たちは今頃…。」
ティア「そんなこと言うなって。皆無事……。」
ブラハ「いえ、1機、落とされたわ……。私を守ろうとして……目の前で……。」
それを聞いて、俺は今言おうとしてた言葉を取り消した。
ティア「ごめん、もう少し早く来ていれば……。」
ブラハ「大丈夫…、気にしないで…。私達は無事だし、彼もきっと報われたわ…。」
ティア「そうか、それなら……ん?あれは…。」
船着き場にかなり人が集まっている。何だろうか。
ティア「ノワール、あの人たちは?」
ブラハ「あの人たちは今から船でリーンボックスに向かうの。こっちが復旧するまでしばらくはあっちに住んでもらう予定よ。」
ティア「なるほどな…。ん?」
一機のフラッグがこちらに近づいてくる。
ラステイション兵「ブラックハート様!緊急入電です!」
ブラハ「何?何かあったの?」
ラステイション兵「たった今入った情報によると、襲撃者の地上部隊がこちらに接近中との事!」
ブラハ「なんですって!?」
ラステイション兵「敵地上部隊は高機動型ティエレン5機編成、内一機は重迫撃砲を装備しているとのことです!」
ティア「重迫撃砲…!まずいぞ!」
ブラハ「ここへの到達予想時間は!?」
ラステイション兵「後5分とのこ…うわっ!?」
背後から爆発音、振り返ると、そこにあった建物が全壊している。既に敵地上部隊がすぐ近くまで迫っていた。
ブラハ「くっ、敵はいつでもこちらを潰せるということね……!」
ノワールのフラッグがブースターを吹かしながら敵部隊に突っ込んでいく。
ティア「ノワール無茶だ!その機体の状態で!」
ブラハ「大丈夫、まだ戦える!」
しかし、敵の対空砲火が激しく、中々接近出来ずにいる。そんな中、重迫撃砲が再び火を吹いた。その先には、あの船が。
ティア「ちぃ、やらせるか!!トランザム!」
トランザムを起動し、急速で船に接近し、シールドを構え、重迫撃砲の弾を受け止める。
ティア「ぐっ……!」
GNフィールドを展開しているとはいえ、重迫撃砲の反動は大きく、機体が少し仰け反ってしまう。
そして再び重迫撃砲から砲弾が放たれる。
ティア「うぐ……!」
ブラハ「ティア!!」
これ以上は…!だけど……
ティア「この人達だけは……!」
そして、重迫撃砲がこちらを捉えた……が、そのティエレンは遠方から放たれたビームによって撃ち抜かれた。
ブラハ「狙撃……!?一体……。」
ブラシス「遅れてごめん、お姉ちゃん!そしてティア!」
ブラハ「その声、まさかユニ!?ということは……。」
ティア「…デュナメスか!!!」
ラステイション郊外に、一機のMSがスナイパーライフルを構えている。間違いない、GN-002、ガンダムデュナメスだ。
ブラシス「狙いは外さない!!!」
再びデュナメスが狙撃し、もう一機を撃破する。敵地上部隊は混乱に陥ったのか、バラバラに逃走を始める。
ブラシス「逃がしはしない!!」
GNスナイパーライフルを3連射、残りの3機を同時に撃破した。流石はユニだ。
ブラシス「これで終わりね……。お姉ちゃん、ティア、無事かしら?」
ティア「こっちは大丈夫だ。だけどノワールが……。」
ブラハ「大丈夫よ、この程度のダメージくらい……。あら?」
ノワールのフラッグが動かなくなってしまった。かなり損傷してるみたいだな…。
ブラハ「そんな…、私のフラッグが……。」
ティア「……ノワール、もう、そのフラッグは眠らせてあげよう。疲れてるんだ、俺達と同じで。」
ブラハ「……分かったわ。」
ノワールがコックピットから降り、自分のフラッグに面と向かって
ブラハ「今までありがとう、お疲れ様。ゆっくり休んで…。」
ティア「さて、そろそろ帰るかな、ブラン起きてるだろうし。」
ユニ「もう帰っちゃうの?もう少しゆっくりしていけばいいのに。」
ティア「はは、また来た時にゆっくりさせてもらうよ。それじゃノワールによろしくな。」
ユニ「うん、またね!」
ユニに手を振られ、俺はラステイションを後にした。
ノワール「ティアはもう帰ったのね。」
ユニ「うん、ん?」
ユニが夕闇の空を見つめていた。
ノワール「ん?どうしたのユニ?」
ユニ「今何か、ルウィーの方向に黒い機体が飛んでいったような……。」
ノワール「黒い機体…?私は見えなかったわ。見間違いじゃない?」
ユニ「そうかなぁ…。」
ーーールウィー基地ーーー
ティア「よし、そろそろ…。おやっさーーん!聞こえるかー?帰ったぞ~!」
おやっさん「おうよ、ばっちり聞こえてるぞ!よし、お前ら、出迎えの準…おうっ!?」
ブラン「ティア!」
ティア「お、ブランか。どうだ?よく眠れたか?」
ブラン「えぇ、よく眠れたわ…。そういえば、ラステイションで何かあったみたいだけど…。」
ティア「あぁ、その件だが解決したから大丈夫だ。怪我人も最小限に抑えられたし。」
ブラン「そう、よかったわ。後、ごめんなさい。気絶しちゃって…。」
ティア「気にするなって。疲れたんなら仕方ないさ。さ、おやっさんに変わってやってくれ。」
ブラン「?あぁ、ごめんなさい、どうぞ。」
おやっさん「大丈夫です、お気になさらず…。さ、お前ら、出迎えの準備だ!!急げぇっ!」
整備班達「おぅ!」
そこまでしなくてもいいんだけどな……。
ティア「さて、俺も……っ!?」
おやっさん「おん?どうした?早く……」
ティア「おやっさん!レーダーに何か反応はあるか!?」
おやっさん「あ?何も反応はねぇが……。どうした?」
レーダーに反応が無いとおやっさんは言ってるが、俺には分かる、何かがこっちに急速接近してくる…!
整備班「!こっちのレーダーに感あり!!エクシアに向けて突っ込んできます!」
ティア「っ!」
気づいた時には、目の前に黒い機体がこちら目掛けて迫っていた。
ティア「ちぃっ!!」
咄嗟にライフルモードで牽制するが、相手は怯まず突っ込んでくる。そして強烈なタックルを受けてしまう。
ティア「うぁっ!」
シールドで防いだのでなんとか地面との激突は免れた。
しかし、黒い機体はまだこちらを見据えていた。
ティア「あの機体…、ジンクスなのか…?それにしてもパワーが……、ぐっ!?」
黒い機体は急速接近し、ビームサーベルを振り下ろす。
こっちもGNビームサーベルで反撃する。と、
???「ガンダム…、ガンダムは殲滅する!!」
ティア「っ!?誰だ!?」
あの黒い機体のパイロットだろう、ガンダムは殲滅すると言っていたが……、狙いはエクシアか!
ティア「お前が何でガンダムに恨みがあるかは分からないけど、この機体は、エクシアは破壊させない!!!」
蹴りで黒い機体の体制を崩し、こちらもタックルで吹っ飛ばす。
???「ぐぅっ……っ!まだだっっ!!!」
しかしすぐ体制を建て直し、こちらに殴りかかってくる。
ティア「しぶといな…っ!このぉっ!!」
機体同士の拳がぶつかり合う。その時、
ティア「っ!?何だ!?頭に何かが……!」
???「うぐ…っ!?何だ、これは……?」
あっちも同じことが起きている…?まさか、共鳴してるってのか……?
「ティア……!」
ティア「姉さん…?」
「お姉ちゃん……!」
???「ティア……?」
ティア、???「「っっっ!」」
お互い、弾かれたように距離をとる
ティア「今の…昔の……。」
???「昔の……記憶……?」
頭がごっちゃごちゃになるが、それも一瞬で整理された。
???「ティア……?その機体に乗ってるのはティアなの…?」
聞き覚えのある声、
ティア「その声、まさか……!」
ノイズが混じって聞き取りづらいが…この声は……!
ホワハ「ティア!どいてろ!」
ティア「っ!?」
間に割って入るようにブランのジンクスがGNハンマーアックスを振り下ろす。
???「ちっ!?」
黒い機体はギリギリのところで避け、そのまま飛び去っていった。
ティア「待ってくれ!!おい!!!」
しかし、既に黒い機体は見えなくなっていた。
ホワハ「ティア、大丈夫か!?」
ティア「……。」
ホワハ「おい、ティア!?」
ティア「え?あぁ、大丈夫だ、機体も大きな損傷は無いし……。」
ホワハ「はぁ、ならいいんだが…。あの黒い機体、何者なんだ……?エクシアと張り合うって相当な奴だぞ…。」
ティア「なぁ、ブラン。」
ホワハ「どうした?ティア。」
ティア「あの黒い機体と拳を交わした時、一瞬昔の光景が見えたんだ。」
ホワハ「昔の…?」
ティア「あぁ……。そしたら、あのパイロットの声が聞こえたんだ……。」
ーーー????ーーー
???「しくじったようだな。」
???「………。」
???「まぁそう気を悪くするな、まだチャンスは残ってるんだからな。とりあえず、早く帰還しろ。ラヴィナ。」
ラヴィナ「…了解。」
母艦との通信を切り、機体を飛ばす。
ラヴィナ「ティア……、あなたとは戦わなくちゃいけないの……?」
ホワハ「声……、ってまさか!」
ティア「あぁ。そのまさかだ。」
もう、もう二度と会えないと思ってた。だけど……、あの黒い機体のパイロットは、間違いない。
ティア「姉さんは、ラヴィナ姉さんは生きてる!!」
姉が生きている。それだけでも嬉しかったティア。それも束の間、今度はプラネテューヌが襲撃を受ける。それに対峙するは、プラネテューヌのガンダム、「ヴァーチェ」
次回 「全てを消し去る光」