艦こレーンAC(更新停止中)   作:主犯

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ちょっと長くなってしまったので、キリの良い所?で切りました。初の前後編…だと思いますけどチャレンジです。


上手く文章を纏めれなかった場合は前中後編になるのだろうか?まだ全編+次の冒頭しか書いてないので自分にも判りません!



邂逅!艦娘とKAN-SEN(前編)

 もう既に肉眼で見えるまでに、艦娘達を含めた艦隊はルルイエに近づいてきている。後は回収用のエレベーターに乗れば直ぐにここに来る事が出来るだろう。

 今現在、俺の周りには各陣営のエース級の娘達が護衛について…おらず、護衛として居るのはエンタープライズのみ。他の娘達には残念ながら通常業務に戻ったり、大鳳を拘束したりしてもらっている。赤城と加賀×2もついでに拘束してもらっている。護衛には見えないだろうけど、ロイヤルメイド隊は全員この場に揃って…あ、シリアス(KAN-SEN)さんはちょっと引っ込んで貰っています。今回の護衛はエンプラって決めてるからね。彼女のスキルだと守備には全く向いてないし仕方ないね。

 

 「指揮官、私の後ろに」

 

 「あぁ、エンタープライズ、頼りにしている」

 

 「任された」

 

 一歩後ろに下がり、エンタープライズから半身を出しながら全員の帰港を待つ。出撃の際は滑り台状の場所から即座に出撃出来るのだが、回収は流石にエレベーターが無いと無理である(海抜5m位)。これは単純に襲撃を少しでも遅らせるという事と、波よけも兼ねての構造なので何も問題はない。エレベーターと言っても、網目状の頑丈なパネルが上下するだけの単純構造だし。話が逸れた…とりあえず、全員揃っており艦娘達も艤装は収納している様だ。金剛型の特徴的な背面艤装も無いし、五航戦は甲板も弓も収納している。さて…

 

 「さて、初めまして皆さん、私がこの艦隊の指揮を執っている指揮官だ。宜しくお願いする」

 

 『…………』

 

 …ん?誰も声を発していないぞ?というか、鳩が超電磁豆鉄砲を食らったような顔をしている。あれ?何か身だしなみで変な所でも…あぁ、帽子を取り忘れていたな。帽子を取って再度挨拶をしようと思ったその時だった。

 瞬きをする一瞬、その一瞬で金剛が一瞬で20m以上はあった距離を詰めてきたのだ。距離はほぼ0に等しい。瞬間で…完全に金剛型が出せる速度を超えている速度で肉薄してきたのだ。エンタープライズでさえ反応出来ない一瞬の間…自分自身は何故かゆっくりとした速度で金剛が目前に迫ってきているのが見える…エンタープライズも、ロイヤルメイド隊も誰も反応出来ていない。

 挨拶すら交わす事無く襲撃をしてくる可能性は考えていた。実際、金剛達がエレベーターを降りて20mの距離ならばエンタープライズがロイヤルメイド隊の誰かしらは反応出来ると踏んでいたからだ。しかし、結果はこれ…か。少々甘く見積もりすぎてしまった様だ。情けない。甘さは捨てたつもりだったが、まだ何処かで信用したいという気持ちが残っていたのか、それともここ数日の間に平和すぎてボケてしまったか…

 

 『…デ…』

 

 金剛が何か言っている。「デ」だけは聞き取れたが、その後の事は判らない。俺の意識はそこで途切れてしまったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…ま!…様!指揮官様!」

 

 声が聞こえる…この声は…ベル?

 

 「指揮官様、しっかりして下さい!大丈夫ですか!?」

 

 「…何とか、意識は戻った。しかし、身体が動かん…一体どうなった?」

 

 「はい、それが…」

 

 ベルが言い淀む。つまり、そういう事なのだろう…彼女達は処分されたという事だろうか?しかし、身体が非常に重い。頭は咄嗟に庇ったらしく、手が痛いだけで済んでいる。腹は…金剛が突っ込んで来た際だろうか?タックルでもされたのが痛むし重い。

 

 『…!…!!…!!!!』

 

 何か言い争う…ではない。声を殺して泣いている様な?守れなかった事を悔やんでいるのだろうか?俺の甘さが招いた結果だというのに…すまない、皆…何とか生きている様なので許してほしい。

 

 「テ゛ェ゛ェ゛ェ゛」

 

 デェ?あの時金剛が言ってたデってデストロイの事か?今も聞こえるなんて耳までおかしくなったのだろ…いや、何か違う気がする。

 

 「テ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ト゛ク゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛」

 

 「…?金剛?」

 

 うっすらと目を開けてみると、そこには涙を流しながら俺にしがみついている金剛の顔があった。…え?一体どうなってるの?あれ?俺金剛に馬乗りになられて…あ、メイド隊の皆が必死に金剛を引きはがそうとしてる。

 

 「えーっと、金剛?どいてくれるとありがたいんだが?」

 

 「嫌デース!せっかく…せっかく会えたんデスよ!?食らいついたからには離さないネー!」

 

 周囲を見渡せば、比叡、榛名、霧島は大人しく拘束されている。翔鶴も瑞鶴も驚いた顔はしているが大人しく拘束されているな。と、いう事は金剛だけ…いや、ちょっと待て。金剛は何て言った?提督?それってつまり…え?マジ?

 

 「金剛…離れないでいいから答えろ。お前は宿毛湾泊地所属の金剛で間違い無いな?」

 

 「ウゥ…ぐすっ。ハイ、そうデース」

 

 「次の質問だ…お前は俺の艦隊の金剛で間違い無いんだな?」

 

 「当たり前デース!提督以外は提督とは認めないネ!帰ってきてるってずっと信じていたんだヨ!」

 

 間違いない…か。今になって分かった…分かってしまったが、確かにこの場に居る皆とは繋がりを感じてしまう。意識しなければ分からない小さな小さなラインが繋がっている様な…

 

 「エンタープライズ、ロイヤルメイド隊に命令。彼女達の拘束を即座に解除せよ」

 

 「…エンタープライズ、了解した」

 

 「…かしこまりました、ご主人様」

 

 その言葉と共に彼女達の拘束は解かれた。あぁ、他の皆も泣きそうな顔になっている…これは事情をしっかりと聞かないと駄目だろうし、色々質問されるんだろうなぁ。

 

 「テイトク?どうしたの?」

 

 「いや、ちょっと話を聞きたいから一旦離れてくれるか?起き上がれん」

 

 「離れたくナイヨ!居なくならないで…お願いダヨ…」

 

 「話をさせて貰うだけだ。とりあえず起きるだけはしないと椅子にも座れん…比叡、榛名、霧島、翔鶴、瑞鶴も金剛を椅子に座らせるのを手伝ってくれないか?」

 

 「は、ハイ!気合、入れて!イキます!」「榛名は…大丈夫じゃありません…けど、判りました!」「…パキンッ」

 あ、霧島の眼鏡にヒビが…力入れ過ぎて割れたな

 

 「翔鶴?瑞鶴?」

 

 あ、こっちは駄目だ。目玉がぐるぐるになって混乱の極みにいるわ。結局、この後金剛達を椅子に座らせるだけで1時間も経過する羽目になった。というか、いまだに金剛がコアラの如くくっついてきていて離してくれない。どうしてこうなった?

 

 

 

 「じゃあ、改めて自己紹介…という必要は無さそうだな。久しぶり…でいいのか?皆」

 

 「…デース」「はい…そうですね」「お久しぶり…です。提督」「お久しぶりです、司令」「提督…ごきげんよう?です?」「提督さん、久しぶり…になるのかな?」

 

 何とか席についてもらったはいいが、カオスだ…なおテーブルと椅子を増やしてもらい、第一、第二艦隊の皆も今現在はここにいる。とりあえずは金剛達に話を聞くので黙っててもらう事になっているが…

 

 「それじゃあ聞かせてくれ。今は…俺が消えてから何年経った?」

 

 「今は…あの夏から3年が経過しています。指令が行方不明になったあの戦いから」

 

 「3年…か。案外こっちでは時間経過が遅いんだな」

 

 「失礼ですが…司令の見た目はほぼ変わっていません。司令は何年離れ離れになっていたのですか?」

 

 「10年だ…あの夏の日…俺は間違いなく敵の砲撃でバラバラになって消し飛んだはずだ。そこから別の世界に何故か転生して…10年間だな」

 

 絶句しているな。しかし、シリアスなシーンなのに正面からコアラの如く抱き着いてきている金剛のせいで色々台無しである。そして涙と鼻水で制服が染みてきて微妙に辛い。

 

 「提督…別の世界に転生…ですか?」

 

 「あぁ、そうだ榛名。こことは異なる戦いがあった世界。今周りにいる彼女達は皆と同じルーツを持つ古の軍艦の魂を持つ存在、KAN-SENだ。艦娘とは似て非なる存在だが…な(恐らく…という注釈はつくが)」

 

 「提督は、別の世界で10年間も戦っていたのですか?」

 

 「実際に戦ってくれていたのは彼女達KAN-SENの皆だ。あくまでも俺がやっていたのはお前達と同じ様に指揮官…提督としての仕事だな」

 

 「えっと、その艦船…ですか?の皆様はここで生活を?」

 

 「肯定だ。このルルイエ泊地…メガフロートの集合体は淡路島に近い大きさを誇る、世界一の泊地だ。移動も可能、かつこの泊地のみで完結した生産ラインを確保している。余剰物資も取り揃えている、まさに動く要塞…というか鎮守府に近いな。実際の戦闘能力だけで見れば、横須賀鎮守府に直接進行しても問題ないレベルの要塞だ」

 

 「指揮官…教えて良かったのか?」

 

 「構わん。彼女達が全員俺の指揮下の艦娘な以上、情報共有は必須だ。彼女達は裏切らないよ…」

 

 「…そうか。失礼した」

 

 「エンタープライズが心配してくれて言ってるのは判る…あと瑞鶴、その殺気を抑えろ。彼女はエンタープライズの名を持つが、お前の敵じゃあない」

 

 「…分かり…ました」

 

 「うーん、こっちの瑞鶴と違って随分攻撃的なんだな?」

 

 「少々子供っぽい所があるけど許してやってほしい。別に彼女も悪気があってやってるわけじゃない。KAN-SENよりも艦娘の方がどうも過去の事柄の記憶が鮮明らしくてな…いや、鮮明というより…うん?」

 

 「どうした?何か思うところでも?」

 

 「あぁ…ちょっとこの話が終わったらまとめてみようと思う。まぁ、先ずは…エディンバラ、待たせて悪かったがお茶の用意を頼む」

 

 「はい、ご主人様。かしこまりました」

 

 「ちょ、ちょっと提督さん、ご主人様って何!?この子達本当にメイドなの?」

 

 「おかしな話だな…本当にメイドだぞ。俺専属の」

 

 「…そっか…本当に別の世界に居たんだ…私達の知らない提督さんかぁ…」

 

 そう言われても困る…というか、俺の所に所属していた艦娘とは気が付かなかったなぁ…ん?ちょっと待て、何故気が付かなかった?そうだ…彼女達は…俺の知っている姿ではない。

 

 「瑞鶴…改二艤装はどうした?」

 

 ビクっと彼女達全員が身体を震わせた。そう、彼女達の今の姿は改…もしくは改すら施されていない状況なのだ。流石に細かい部分までは覚えていないのだが、改と改二の違い位ならば覚えている。

 

 「もう一度聞きたい。改二艤装は…どうした?」

 

 「…れた」

 

 「?」

 

 「奪われたのよ!大本営に!」

 

 「奪われたぁ!?一体何で!?」

 

 「…ッ!」

 

 苦虫を百匹以上は噛み潰した様な表情に彼女達は顔を歪める。奪われた…と、なると可能性は唯一つ。

 

 「俺が死んだ後…俺が纏めて検証していた”艦娘改装論文”か…アレが誰かの目に留まったって事か」

 

 「…えぇ。それで初めて知ったらしいわ。艦娘の経験と艤装の経験が別にあるって事、艤装を取り換えれば再度練度向上による改装が可能な事とかを…ね」

 

 艦娘改装論文…ぶっちゃけて言えば最初の艦これがゲームだった時のWikiとこの世界で検証した内容をすり合わせた論文である。艦娘は基本的に鎮守府に同じ艦娘は所属不可能、励起も不可能と言われていた。しかし、裏技として艤装のみを顕現される事は可能なのだ。この艤装交換により、艦娘本体としての経験はそのままに艤装の練度をリセットする事で、改造時に装備している装備品の量産が可能になる。友永隊とか江草隊の事だな。

 

 「で、その論文が…俺が死んだから遺品整理って事で見つかったわけか?」

 

 「提督さんは死亡じゃなくてMIA…作戦行動中における行方不明扱いよ。死亡確認されたKIAじゃないわ」

 

 「死亡確認出来ないだろうなぁ…身体なんて粉みじんになったろうし」

 

 「……それで、宿毛湾泊地の艦娘の強さの秘密を探りに来た大本営に資料が発見されて、私達の艤装は最前線の艦娘に送られたわ…同型艦のね」

 

 「馬鹿が…論文は最後まで読んでなかったのか?」

 

 「都合のいい所だけ見てたんでしょうね。結局改二艤装の出力に振り回されて、改二艤装は全損・修復不可能…よ」

 

 「そんな事やる馬鹿は…葛原か?」

 

 「主導で行ったのは大本営よ。無理矢理戦力増強の為っていう名目の実験で艤装は回収されたわ」

 

 「それで全員分の艤装が通常状態に戻っているのか…所で、今の宿毛湾の提督は誰だ?葛原の可能性が高く感じてしまっているんだが」

 

 「ええ。葛原と…あとは副提督っていう扱いで2名。合計3名で艦隊運営は行われているわ」

 

 「一応、提督自体は増えてきているのか…あれから3年も経てばある程度の訓練は終わるか」

 

 「宿毛湾泊地の艦娘は全員提督さんの指揮下にまだあるの。だから死亡じゃなくてMIAっていう扱いになったし、艦娘全員がまだ揃っているの…だから艤装だけ回収されたんだけどね。地方鎮守府が持つには大きすぎる力だって」

 

 「あの当時の上の方でそんな馬鹿な発言…根本中将の一派か。随分とうちの鎮守府に無理難題を押し付けてきたっていう思い出しか無いんだが」

 

 「そうね。結局、戦力増強どころか大幅な戦力低下、国防の要を失わせた…提督適正も持っていなかった事も併せて銃殺よ」

 

 「ご愁傷様とは言わないな。どうせ上の連中の失脚を狙ってた連中の後押しもあったんだろうが…腐ってるな。こんな状況で権力争いなんて」

 

 「まぁ、そこはいいんだけど…提督さん、金剛さんがくっついてるせいで、ぜんっぜんシリアスな雰囲気にならないんだけど?」

 

 …言わないでほしい。未だに金剛は抱き着いている。コアラの如く抱き着いているのは変わらないのだ。静かにしてくれるのはいいんだが、いい加減にしないと…うん、引きはがそう。

 

 「金剛、そろそろ離れろ。椅子は用意してあるんだからそっちに行け」

 

 「うー…分かったデース…」

 

 あら素直?流石にトータル2時間もくっついていたからなぁ。疲れたのか?

 

 「あ、お前の椅子はそこな。隣の椅子はエンタープライズと…」

 

 「指揮官、待たされたにゃー」

 

 「…うちの工廠担当の明石だ。だから金剛はあっち、文句言わずに移動する事」

 

 「分かったデース…明石も猫みたいになっちゃってるデース…」

 

 まぁ、確かに明石は猫だな。マタタビ好きだし…まぁ、とりあえず

 

 「いい加減にお茶にしよう。流石に喋りっぱなしは疲れる…後、ちょっと水浸しだから着替えてくる」

 

 あ、空気が緩んだというか白けた気がする。仕方ないだろ…金剛汁で制服べちょべちょにされちゃったんだから




と、いうわけで向かってきた艦隊は主人公の元艦隊でした。MIAは作戦行動中行方不明、もう一つKIAというのがあるのですが、こちらは作戦行動中における戦死といった感じに思って下さい。

死亡と行方不明で異なる事として、艦娘が未だに主人公の指揮下にある為に他の提督の指揮下にいれる事が不可能という事。宿毛湾泊地での活動ならば提督代理という事で聞かせる事が出来る為、葛原と副提督2名が付いている感じです。

宿毛湾泊地の艦娘で轟沈者が出ていない理由としては、万が一作戦行動中において指揮困難な状況に陥った場合はマニュアル準拠の行動を取る事…この場合は上位命令として残っている為、葛原がいくら暴言を吐いたり無理矢理進軍させようとしても命令に従う必要が無いのです。

主人公の甘さで色々と命令を残していた結果として、轟沈者が何とか出ない、補給や遠征任務についてもマニュアル化されていたりという事もあり、この鎮守府は何とか今までやってこれたという感じです…っていうか、葛原+副提督2人は基本的に空気です。
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