今作において一番問題が発生するであろうカルテットが産声を上げました。絶対こいつら、シリアスに戻ってもギャグ回のノリでやらかしてくれそうな予感があります。
※タグに色々と追加しました。
「所で明石さん、これをどう思います」
「うーむ…これは…流石だにゃ、明石」
「夕張さん、じゃあここをこうすれば…」
「うむ、夕張…そなたの着眼点も中々良いな。ならばこちらをこうすれば…」
カオスである。明石と明石、夕張と夕張がつい先日完成した総合工廠で悪だくみ…もとい改装設計案やら実験を行い始めてはや数日。ついにその実験結果を披露する事になろうとしていた。
「理論的には可能にゃ…これは指揮官の為でもあるから問題ないにゃ」
「許可は取ったんですか?」
「駆逐艦清霜の励起…ちゃーんと許可は貰ってるにゃ」
「清霜ちゃんですか…あの夏の戦いで拾ったものの、結局励起する事なく今までいた子…ですね」
「あの豚野郎は何故駆逐艦を励起せんかったのじゃ?何か考えでもあったのかのう?」
「いえ、ただ単に駆逐艦を増やしても戦力の増強にならないからと倉庫に放置していたんです」
「馬鹿かにゃ?」「馬鹿だのう」
「まぁ、補助艦艇は重要ですからねぇ」
「違うにゃ。指揮官なら確実に駆逐艦と巡洋艦は率先して励起させるハズにゃ」
「そうなんですか?まぁ、一人目という事もありますし…」
「違うニャ。単純に駆逐艦の回避能力と燃費、そして魚雷によるズバ抜けた瞬間火力は、抗堪能力と装甲の薄さを補って余りある戦果を出せるからだニャ。明石も演習でゼロ距離魚雷を食らった事があるけど、もうアレは食らいたくないニャ」
「あー…でも簡単に近づける距離でもないんですよねー。戦艦とかに撃たれればあっという間に大破しちゃいますし」
「まぁ、その辺りは指揮官の運用能力次第じゃからのう…あの豚野郎ではそこまで考えて指揮が出来なかったんじゃろ?」
「まぁ、そうなんですけどね…さて、ここに清霜ちゃんの艤装の欠片が『2つ』あります…先ずは…」
「KAN-SENと艦娘の違い…その大きな差を埋める実験を始めるニャ!」
駆逐艦清霜…誕生前から受難が始まろうとしていた。なお事の発端は工廠完成から二日程経ったある日の事…
「しかし、明石達と夕張達は仲が良くなった珍しい例だな」
「そうですね…私達とKAN-SENの人達はまだまだ溝が深いです。秘書艦同士で交流がある私達はまだ違いますが…(チラッ」
「ん?どうした大和、私の顔に何かついているか?」
「いえ、ビスマルクさんやプリンツさんと秘書艦という仕事をしている私達はまだ多少はしこりも解消されましたが…」
「艦娘って子達は頭が固いのねぇ…重桜の子達とは違って」
「いえ…重桜の人達は頭が固いというより、フリーダム過ぎるのだと思うんですけど…ね?」
「まぁ、重桜の娘達はアレが持ち味だからな…長所と短所、どちらもあるし欠けてはいけないものだ…もう少し抑えてくれると助かるのは事実だが」
「指揮官?あまり重桜の子達に構ってないで、私達も構ってよね?あまり女を放っておくもんじゃないわよ?」
「プリンツ…それは判るが、手を動かしてくれ。マジで…まだまだ仕事はあるんだ」
「はいはい、了解よ」
「………」
「大和もそんな目でプリンツを見ないの。瑞鳳や由良を少しは見習って…ん?」
カチーン コチーン
「…またか。見なかった事にして仕事をしよう」
瑞鳳と由良はフリーズしていた。まぁ、大和以外はどうもまだ鉄血の2名含めKAN-SENと大和の間で繰り広げられる嫉妬合戦に割りこめるほど、勇気はない模様だ。実際、ビスマルクの副砲、プリンツの主砲が直撃すれば即轟沈クラスのダメージを受けるので仕方ない。何よりも…
キシャァァァァァァァ
ビスマルクは艤装ではなくドレス姿だが、プリンツはいつもの艤装を展開した姿である。鉄血の子は生きている艤装という関係で、よく艤装を展開したまま生活する子達が多いのだ。今は慣れたが最初は大和も
「深海棲艦!?」
と勘違いするレベルで鉄血の艤装は禍々しかった。これでフリードリヒ・ディア・グローセ辺りが出てきたらどうなるのだろう?アレはもはや海域ボスと見間違わんばかりの禍々しい艤装である。イベントでのラスボスと言われても納得できる辺りがまた…
バタン!!
「提督!大変です!」
「どうした夕張!また重桜の誰かと艦娘の誰かが衝突でもしたか!?」
「違います!工廠が稼働したので調べていたら…」
「調べていたら?」
「清霜ちゃんの艤装の欠片が2つ発見されました!」
「…清霜って今、居なかったよな?」
「はい」
「清霜って、あの夏の進行の時に拾った奴?」
「はい」
「あの屑って励起してなかったの?」
「…はい」
「…2つ?」
「はい」
「…………えーっと、どうしよう?今の状態で励起していいのか?」
「えーっと…」
「ちょっと緊急案件だな…少し時間が欲しいから、工廠組には後で通知する」
「あ、了解しました。じゃあ工廠に居ますので何かあったら言って下さいね」
「あぁ…確かに緊急だったからノック無しは不問にしよう。だが…ドアは直してから帰れよ?」
「…………了解しました」
悲報:ドア先輩また敗北。
一応擁護すると、ドア先輩は艦娘がルルイエに来てから1日1回のペースで敗北を続けたので流石に新しいタイプの扉にされた。蝶番ではなく、スライド式のドアに変更されたのだが…今回は押し入ってきた為にドアが曲がってしまったのだ。尚、一応これ特殊合金製の防弾ドアです。
この後、秘書艦会議の議題にあげた内容としてはこんな感じになった。
・流石に今の状況での励起は危険なので中止
・艦娘とKAN-SENの大きな違いを清霜の艤装の欠片で実験する(艤装励起で実験)
・清霜本人の励起は艤装実験終了後、艦娘とKAN-SENの不仲が収まり次第励起予定
といった感じになった。艤装のみとは言え、貴重な資料には成り得る。という事で工廠カルテットが実験をしていたのだが…ついにその実験も最終段階に差し掛かろうとしていたのだ。
「フフフ…この実験が成功した暁には、指揮官から色々と便宜を図ってもらうニャ」
「悪い顔してますねぇ、明石さん。でも、楽しみですねぇ…わくわく」
「メンタルキューブ、メンタルコア、…そして”開発資材”…か」
「メンタルコアにキューブなんて私達は知りませんでしたからねー。一体どうなるのかが楽しみです。わくわく」
「じゃあ、おさらいするニャ。艤装励起の前に開発資材とメンタルキューブの合成照射実験…これはもう完了しているニャ」
「完全に黄色っぽい色のキューブになりましたね。アレは色々びっくりしました」
「特性はまだ完全に解明されていないけど、必ず何かしらの変化があるはずだニャ」
「メンタルコアは…限界突破素材でしたね?励起前に入れて大丈夫なんでしょうか?」
「最悪艤装は駄目になっても構わないと指揮官も言っていたからのう…まぁ、あくまでもこれは実験じゃ。良い結果が出るにしても悪い結果が出るにしても、必ず収穫はあるはずじゃ」
「じゃあ、最終確認ニャ。この艦娘励起装置とKAN-SEN建造装置…この二つを合成させた仮称『励起照射実験装置』を使って艤装を励起させて、その艤装を調べる…これで間違いないかニャ?」
『間違い無いですね!』
「よし…じゃあ、さっそく動かして」
「あー!明石さんずるいですよ!私だってやってみたい!」
「わらわもやりたいぞ!一人抜け駆けは許さんぞ、明石!」
「私だって色々試してみたいんですよ!」
ぎゃーぎゃーわーわーと工廠内はやかましかった。なお、妖精さんは現在寮の作成にかかりっきりなのでここには居ない…助かったね!
『あっ!』
お約束発動。メンタルキューブ改(仮称)が艤装の欠片とメンタルコア、そして何故か近くにあった近代化改修用の資材を巻き込み、大きく発光を開始する。『バチバチバチッ!』と大きな音とプラズマ光が光り輝き清霜の艤装励起予定資材と融合を始め…
ドーン!
お約束の様に大爆発を起こした。被害状況としては…
・メンタルキューブ改×2個
・メンタルコア ×100個
・近代化改修素材艤装×2個
・・・そして
「どうも!夕雲型の最終艦、清霜です。
到着遅れました、よろしくお願いです!」
清霜が励起されてしまったのだった…なお4人は強制的に懲罰房逝きである。
「清霜…私がこの艦隊の指揮官だ。宜しく頼む」
「しれーかん!清霜だよ!宜しくねっ!」
その清霜は大きすぎた…いや、姿形じゃなくて艤装がね。
「うふふー♪戦艦っ♪戦艦っ♪」
近代化改修用素材×2個(陸奥とロドニーの艤装)と、偶然あったメンタルキューブ改が2個(中身はメンタルキューブ2個と開発資材10個)、そしてメンタルコア100個が触媒となったのか…ここに大戦艦清霜が誕生した。
(開発資材20個…照射による消費金額1500…そして巻き込まれたビッグ7の艤装…励起した駆逐艦清霜…を大型建造した結果?いやいやいや、偶然…必然?いかん、判らん)
「とりあえず清霜…これからよろしくな」
「うん!よろしくね!どお?清霜カッコイイ?強い?」
「強さは…まぁ、これから演習したりしてからだな。みんなに挨拶しに行こうな」
「はーいっ!えへへへぇ…憧れの戦艦になれた~」
なお、清霜(大戦艦)のステータスはこんな感じ
耐久:1116(駆逐艦清霜は16)
火力:68/348 (10/30)
雷装:24/80 (24/69)
対空:30/160 (9/39)
装甲:重装甲 (6/19)
回避:47/80 (47/80)
速力:35.5ノット (高速)
運 :34 (12)
消費:15固定 (15)
ざっと見ただけだが…完全に艦娘とKAN-SENが融合している。お互いの数値が低いものを補っている感じである。尚、唯一の例外という点で見ると装備補正が全て100%となっている事と、KAN-SENと同じく装備スロットが主砲・副砲・対空砲・オプション2個となっていた点だろうか?艦娘ならば改造していない状況だと2スロット、改造して3スロットのはずなので(仮に戦艦だとしても4スロット)おかしい。
そして燃料消費15…これは夕雲型駆逐艦の燃料消費量(最大燃料)だ。この点は弾薬を消費しない都合でKAN-SEN側に合わされて1戦毎に15固定という事なのだろうか?混ぜるな危険カルテットのせいで…一応だが問題解決の道は出来たのかもしれない…が、いろんな意味で頭が痛くなる案件になったという事は事実だろう…
ちなみに、イメージとしては清霜が陸奥(KAN-SEN)の艤装を背負っている感じ。元々重桜の陸奥は小さいので艤装もそれに伴い大きいが駆逐艦サイズ(艦娘側)と常識的…いかん、頭がこんがらがってきた。
と、兎に角この世界の清霜は大戦艦清霜として生まれた…生まれてきてしまった。駆逐艦の回避能力を持つ戦艦とか反則すぎる…上に呼び方どうすればいいんだろ?やっぱり艦娘とKAN-SENの融合した娘だからKAN娘なんだろうか?といった事を考えながら、今後の事を考え頭痛がする指揮官だった。
「へっへー。清霜かっこいい?強い?ふっふーん♪」
どうしてこうなった?
プロットの段階では存在すらしていなかった大戦艦清霜が爆誕してしまいました。なお今現在の状況でも武蔵と互角以上に戦える模様。
大戦艦清霜は装備制限が発生しており、主砲は41センチ(16インチ)制限、副砲は駆逐艦主砲まで、魚雷は雷装値こそ持っているものの装備不可能(単装魚雷)
未記入ですが一応スキルも持っていたり…スキル名は大戦艦清霜(赤)と夕雲型戦艦(黄)という謎のスキルを所持しています。ツッコミ所しかありませんが、この小説ではそういうものなんだと思って下さい