転生特典?んなもん、ユウキ生存に決まってんだろ?   作:島夢

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感想ありがとうございました!


今回はですねぇ…まあ、読めばわかりますし書かなくてもいいですね!



ゆっくりしていってね!



















11話 「うん!やっと会えたね!」

 今ALOは定期メンテナンスで入れない…ネットゲームをしている人たちにはよくわかると思うが、普段入り浸っていると、こういうとき大変暇だ。

 

 普段なら暇を解消するための暇つぶし道具を(本とか別のゲーム)を買っておくのだが、定期メンテナンスのことを完璧に忘れていて、本当に暇だ。

 エギルの店に行こうかと思ったが、なんとなく家にいた方がいい気がしたので家にいる…が本当にすることがない。

 

 妹は友達の家へ遊びに行った、母さん父さんは二人とも朝早くに「じゃあ、行ってくる」といって出かけて行った。

 今日も仕事らしい…。本当になんの仕事なんだ?

 

 まあ、いいや…。

 

 ぼーっと天上を眺めていると、ピンポーンとチャイムが鳴らされた…お客さんのようだ。

 

 

「?誰だろう…?」

 

 

 そう思わず呟きながら玄関の方へ行き、扉を開ける…どうやら荷物を届けに来た郵便さんや宅配便さんとは違うようだ…。

 

 扉の向こうには一人の少女がたっていた…妹の知り合いだろうか?それとも母さんか…それとも父さんか…?

 

 いや…でも、どこかで会ったことがあるような…なぜだろう、どこかで見たことがある様な…妙に親近感のわく人だ…。

 

 年齢はおそらく…俺と同い年かそれか少し下だろう…。

 

 長い黒髪で、少し体は細いな…近代的なデザインの松葉杖をついて立っている…。

 

 いや、正確には俺はこの人を見たことがある…。

 でもその人と同一人物なわけがない、その人とはゲームの世界でしかあったことがない…。現実世界と仮想世界で顔が似るなんて、元SAOプレイヤーじゃないんだから…。ありえないだろう…いや、確率はかなり低いだろう。

 

 ということは俺の知り合いじゃない…父さんと母さんがこの子とかかわりを持つとは考えにくい…つまり妹の友達だろうか?

 

 

「あー…すまないけど、妹は出かけてるんだが…」

 

「え? うーん…妹さんに用があってきたわけじゃないんだけど…」

 

 

 どうやら妹の知り合いじゃないらしい…いや、正直なんとなく誰かわかってきたが…まだ確信じゃないし…。

 とりあえず父さんと母さんの知り合いか?

 そう思いつつ言い方を変えて言う。

 

 

「両親は不在でして…」

 

「え? も、もう紹介するの?」

 

 

 何を言っているのだろうこの子は…。とりあえず父さんと母さんの知り合いではないみたいだ…。

 

 というかもうこれは俺の知り合いというしかなくなってる…。

 

 つまり、この子は…。

 

 

「ゆ、ユウキ?」

 

「うん!やっと会えたね!」

 

 

 少しやせている少女…いや、ユウキは満面の笑みを浮かべる。確かに、ゲームの世界のユウキとそっくり…というか、本人の無邪気な笑みだった。

 実際見た目はゲームの世界のユウキが少し痩せて、髪の色を黒くなっただけだ。ゲームの世界と全然変わらん。

 

 

「ほ、本当にユウキか?」

 

 

 思わずもう一度聞いてしまう…。

 

 

「疑うの? ボクと色々したのに!」

 

 

 ユウキは(本気で思ってないだろうが)驚きの顔をして、悲しそうに言う。

 なんだそのなんか誤解を招く言い方は!

 

 

「お兄ちゃん色々ってなに!その病弱そうな子に何したの!?」

 

 

 聞きなれた少女の声がする…だがその声はここにはいないはずの…友達の家に遊びに行っているはずの奴の声だった。

 思わず疑問が声に出る。

 

「なんでお前いんの!?」

 

「今日ははやめに帰ろうと思ったんだよ!そしたらお兄ちゃんがこんな可愛い女の子に…なにをしたのこの子に!」

 

「何もしてねぇよ!」

 

 

 なんだか大変面倒くさいことになったぞ…ちなみに今話している相手は俺の妹、霧上 心(きりかみ こころ)だ。

 

 黒髪で少し長い髪、邪魔にならないようにきられたくらいかな? 運動も勉強もできるし家事も一通りこなせるすごい奴だ。

 だが雷が苦手。

 そして母性の象徴が…乏しい14歳だ。

 

 

「妹さんかな?」

 

「はい、霧上 想夢の妹の霧上 心です。よろしくお願いします。」

 

 

 わが妹、礼儀正しい…。というか、敬語使えたのか…初めて知った…知らん間に大きくなりやがって…。

 

 

「うん、ボクは紺野木綿季。よろしくね!」

 

「待て待て待て待て! 紺野木綿季!?俺も知らない本名をなぜ妹に先に…というか紺野 木綿季って…」

 

 

 紺野 木綿季っていやぁ…確か…。俺の骨髄の移植相手…?だよな…?

 待て、頭が混乱してきた…えぇと、この子はユウキで本名が紺野 木綿季で俺の骨髄の移植相手が紺野 木綿季さんで…。

 

 こんがらがってきたぞ…?

 

 

「まずはソウムにはお礼を言わないとね。」

 

 

 そこで一度区切り、ユウキは見たこともないような真剣な顔をして俺の目をまっすぐ見て言う。

 

 

「骨髄移植…受けてくれてありがとう…。まだ杖なしで歩くのは出来ないけど、ここまで回復できたよ。本当に…ありがとう」

 

 

 突然のことで全然頭が追いつかない…だけどだ、取り合えず俺は想ったことを言う。

 

 

「俺は骨髄を提供しただけであって、そこまでの回復の切っ掛けを作っただけに過ぎないんだ。

 回復したことに関してはユウキが頑張ったんだから、自分自身を誇ればいいと思う」

 

 

 そう微笑みながら言う、ユウキがリハビリとかでそこまで回復したのはユウキ自身が頑張ったからだ。

 なら回復したことに関しては自分自身でこれだけ頑張ったんだよって誇ればいいのさ。

 

 

「でもまあ移植のことに関しては…素直に礼を受け取っておくよ」

 

 

 俺がそういうと、ユウキは顔を真っ赤にして俯いてしまった。可愛い…けれどなぜ赤くなる?

 怒っているのかな?と思ったがどうやら違うらしい…なぜだろう…。

 

 

「お、お兄ちゃんがかっこいい…!」

 

「おい待てマイシスター、普段はかっこよくないみたいな言い草だな」

 

 

 心は俺の言葉を無視してダッシュで家の中に消えて行ってしまった…。

 (まあいい)と心の中で思い、ユウキの方を向く…。

 

 ユウキは赤面から復活していつもと同じような無邪気で元気を与えてくれるような笑いを浮かべている。

 

 

「じゃあ、改めてよろしく、ボクの名前は紺野 木綿季、よろしく」

 

「ああ、改めてよろしくな、霧上 想夢だ。想夢でいいぞ?」

 

「うん、ソウム。ボクもユウキでいいよ?」

 

 

 なんか想夢の発音が違ったような気がするが、まあ誤差の範囲だろう…ユーザーネームで呼ばれてる気がするが、別に構わん。

 

 

「んじゃあ、ユウキ。これからどうするんだ?」

 

「今日はもう帰るよ。まだまだ頑張ってリハビリしなきゃ!」

 

「そうか…無理に引き止めるつもりはないけど…どうやってここまで来たんだ?せめて誰かが一緒にいないと危ないだろ?」

 

 

 ちなみに俺の家は横浜 保土ヶ谷区 月見台というところにある。ユウキが入院していて、俺がよくいく横浜港北総合病院とは確かに近いが、杖をつかなきゃ歩けないような人が来るには大変だっただろう…。

 

 

「大丈夫だよ、ここら辺には土地勘があったから…」

 

「それでもだ。俺が送るよ、どうせ暇だし…」

 

「え?いや、でも悪いよ」

 

「ユウキもわかってるとは思うが…今ALOがメンテ中でな…暇だから、嫌と言われても勝手についていくぞ?」

 

 

 俺は家の中に「ちょっと出かけてくる!」と言い、心の声が「うん、わかったよ!」と聞こえてくる。

 よし、これで出かける準備は整った。

 

 

「はぁ…わかったよ、ボクを無事に送り届けてね」

 

「ゲームの中じゃユウキの方が強いけどな」

 

 

 俺は肩をすくませながらそう返す、ユウキは楽しそうに笑う。

 二人で歩き出す。ユウキの速度に合わせて俺は歩く…。ずいぶん時間がかかりそうな速さだったが、正直そんなことはどうでもいい…。

 もっともっと長引いても、別にいいや、という気分だった。

 

 ユウキと会話をしながら二人で歩く…。

 

 

「ユウキ? 今度出かけるときは誰かと一緒に行けよ?じゃなきゃ危ないからな」

 

 

 俺はさっきユウキが一人で来たことを知ってひやっとしたので、そう忠告しておく。

 すると、ユウキは少し困った顔をする。

 

 

「でも、倉橋さんはお仕事があるし…」

 

 

 ご両親は?とは聞かなかった…移植のときにユウキの事情は大体聞いていたから…。そんなことは口を滑らせても言えなかった。

 まあ、それはおいといて…

 

 

「ああ、倉橋さんとかが仕事で忙しいのはわかるけどさ…」

 

 

 そこまで言って、俺は考えが浮かんだ…(そうじゃん、俺学校さえなければ大体暇だし、一緒に行けるじゃん…これなら安心できるし)と思いそのことをユウキに言うことにした

 

 

「俺は学校さえなけりゃ言ってくれれば行くから…今度からちゃんと俺を呼んでくれないか?流石にまだ杖がないと歩けない可愛い女の子が一人は危ない」

 

「え…?う、うん…わかった」

 

 

 ユウキは驚いた顔をしたが、素直にそういった。よかった…これで安心だな…。なぜか顔を赤くしているが…。

 まぁ、そういうこともあるさ。

 

 

「あっ…!」

 

 

 ユウキは何か考え事をしていたのか躓き、こけそうになる。

 

 

「ッ!!」

 

 

 俺は慌ててユウキを支える。抱きしめたみたいな体制になっていてとても役得だが…これは恥ずかしい…流石に恥ずかしい…。

 道行く人は「え?なにしてんのこいつら…」という顔をしたあと、近くに転がっている松葉づえを見て「あー…なるほど、なんだそういうことか」という顔をする。

 通ったのは一人だけだったので、恥ずかしいは恥ずかしいが人数が少なくて本当に良かった…。

 

 多分足の不自由な子がこけかかったのを支えてこの状態になったと理解してくれた…のだと信じたい。

 

 

「えーと…杖…折れちゃったね」

 

 

 ユウキが顔を赤くしながら呟くように言う。

 俺はどうするか考え…。

 

 近くを見回すが車椅子などはもちろんあるわけもなく…。

 

 うん、仕方ないな。

 

 ユウキを支えたままくるっと背中を向け、言う。

 

 

「おぶっていく。ここからなら病院はそんなに遠くないし…はやく乗ってくれ」

 

「えぇ!?」

 

 

 俺がさらっというとユウキは心底驚いた様子で声を上げる…。この辺は人通りが少ないからこのまま急いでいけばほとんど誰にも見られずに病院に行けるので…恥ずかしくない!

 ユウキもほかに方法がないし、支えてもらって歩くのでは時間がかかりすぎることをわかっているのだろう…だからこんなに迷っているんだろうなぁ…。

 他の方法があったらそれ使っているだろうし…。

 

 

「う、うーん…ほかに方法はないし…。じゃ、じゃあ…お願いするね…?」

 

 

 ユウキはしばらく迷った後、おずおずと俺の背中に体を預ける。ユウキの暖かさが背中に伝わる…。

 ユウキの体はとても軽くてびっくりしたが、むしろ、短い時間でここまで回復できたことを称賛するべきだろうと思った。

 

 

「んじゃあ、行くか」

 

 

 俺はユウキを背負ったまま歩き出す…。松葉杖はユウキに持ってもらっている。

 

 ちなみにユウキの慎ましい胸部の柔らかいものが背中にあたってとても役得なのは…まあ、ご褒美とでも考えておこうかと思う。

 

 ユウキは顔を赤くして俯いたまま何も言ってくれないので、俺も無言で歩く…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あー…もう少しで病院につくなぁ…といったところでユウキがぽつりと…聞こえるか聞こえないかの声量で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソウム…ありがとう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺には確かに聞こえたが、俺は少し笑っただけで何も言わずに歩く。

 

 何に対しての礼だったのか、どんな感情がこもっていたのかはわからなかったけどさ…。でも、確かに聞こえたから。

 感謝の気持ちが伝わったから、それでいいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、何事もなくユウキを送り届け、俺は家に帰り…いつも通りベッドに寝転がり、アミュスフィアをかぶり…。

 

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 定期メンテ…しかも突然のメンテだと結構暇になったりする…本当に。
 それにしても、やっと現実世界で会えましたね~徐々にイチャイチャしだしたしぃ…!
 だがまだまだこれからさ!

 
 感想待ってます!


次回も頑張って編みます!
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