転生特典?んなもん、ユウキ生存に決まってんだろ?   作:島夢

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 GGO編は介入させるか正直迷ったんですけどね…。
 少しだけ介入させることにしました。

 介入させなくてよかったのに…と思う方もいらっしゃるかもしれません、申し訳ないです。

 


第15話

 ――ピンポーン。

 と、家のチャイムの音がする。今日は来客の予定はないはずだが…。

 特に用はないが、適当にOSS開発に勤しもうとリンクスタートしようとしたときに丁度チャイムとか…俺にリンクスタートさせたくないのか!

 ちなみに俺の妹である心は今日、リーファやリズ、シリカ、アスナと一緒になんか狩りに行くらしい。

 キリトはなんかリアルで用があるとかなんとか…。

 俺が行かなかった理由はなんか俺一人男なのもなぁ…と思ってやめといた。

 そんなことを考えながら家の玄関を開ける。

 そこにいたのは――

 

 

「あー、菊岡さん。今日はうちの親二人とも仕事で出てるんだけど」

 

「ああ、わかってるよ。でもね、今日は君に用があって来たんだ。想夢君」

 

 

 菊岡誠二郎。俺がSAOの中に入るその前から家にちょくちょく来ている。

 うちの両親となんか仲が良いらしい、あと仕事の話とかもするようだ。同僚かと聞いたらそうでもないらしい。

 というか菊岡さんは公務員らしい。

 総務省の高級官僚らしい…。人生の勝ち組ってやつだろうか?

 SAO事件対策チームの中心人物だったらしく、俺のというか被害者の搬送先となる病院の受入体制を整えてくれたらしい。

 らしいばっかりだが、全部本人から聞いた話なので間違いはないはずだ。

 

 俺ともたまに雑談していたり、そんなに悪い人ではないし、嫌いでもないんだけどなんだか胡散臭いと思ってしまう、そんな感じの人。

 

 

「んー、まぁ、暇だからいいけど…」

 

「本当かい? なら、ちょっと来てくれるかな、結構大事な話があるんだ。キリト君もいるよ?」

 

「キリト…? そりゃまたなんで?」

 

「まぁ、詳しくは目的地についてからで…」

 

「目的地ってどこですか?」

 

「喫茶店だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、喫茶店にてなぜか男三人で同じ机を囲い、ケーキをつついている状況。

 絶対高いだろこの喫茶店とか思ってメニュー表見て水を吹くかと思った。すごい高かった…。

 菊岡さん流石公務員、お金持ちだね。

 何が楽しくてこんなことしてるんだ…。それはそうとケーキはすごい美味い。あれだけ高いのだから当然か?

 だが会話の内容はそんなほのぼのとした内容じゃない。

 

 

「死銃…ね」

 

 

 何回か前のMMOストリームで、ゲストとして呼ばれていたガンゲイルのトッププレイヤーが、いきなり落ちるというトラブルがあった。その時にガンゲイル・オンライン、通称GGO内の酒場で、中継されていたテレビ画面の向こう側にいるそのゲストに向って発砲したプレイヤーがいる、と。

 それ以来、そのゲストさんは姿を見せなくなり、また似たようなケースが過去にも一度会ったこと、そして何より、発砲した本人が名乗ったことから、密かに噂されていたのだ。

 死銃、デスガンの噂…。

 うん、ネーミングもうちょい考えろとか思った俺は悪くない。

 

 んでまぁ、その銃撃されたプレイヤーがリアルでも死亡していた、と。

 しかも脳に損傷がなく、心不全という死因で、だ。

 

 

「まぁ、これまでの会話を纏めると」

 

「結論、ゲーム内からの干渉でプレイヤーの心臓を止めるのは不可能。『死銃』氏の銃撃と二人の心臓発作は偶然、じゃあ、俺は帰る」

 

 

 だよなぁ…普通に考えてゲーム内からの干渉で心臓が止まるわけがない。

 ナーヴギアならともかく、アミュスフィアだしなぁ…。

 

 でも、ゲーム内じゃなくて、ゲーム外からの干渉ならどうだろう?

 ゲーム内であらかじめ銃撃の時間を決めておいて、ゲームの外でプレイヤーを殺す。

 それなら出来るんじゃないだろうか? ゲーム内で撃たれたということはプレイヤーはダイブ中で無防備極まりない状態だろうし…。

 とはいえ、心臓が止まって死んでいて外傷がないのならそれはおかしいかな?

 それに、ダイブするときくらい鍵はかけるよな? 普通。

 というかそもそも住所なんざわからんだろうし…。

 協力者が必要だしな。

 

 なんか俺が色々考えてるうちに菊岡さんとキリトの話が進んでるんだが…。

 

 

「キリト君は嫌なのかい、じゃあ、ソウム君はどうだい?」

 

「んあ?」

 

「だから、GGOに言って死銃氏と接触してくれないか?って話。強くなきゃいけないから僕じゃ無理なんだよねぇ…」

 

「HAHAHA! キリト、菊岡さん頭がおかしくなっちゃったみたいだね。HAHAHA! 無理に決まってんだろ」

 

 

 菊岡さんが俺を煽ってるとしか思えない発言をしやがった。

 ふざけんな! 菊岡さん明らかに俺を煽ってるだろ!

 

 

「ふむ、これまたどうして」

 

 

 OKOK、どうしてと来ましたか。

 順を追って説明してやろう。

 

 

「菊岡さん、俺のメインウェポンは?」

 

「拳?」

 

「その理由は?」

 

「距離感が掴めないから?」

 

「つまり銃は?」

 

「使えません」

 

「はい、これが理由、もう論議は終わりだろ? じゃあな。帰りにどっか寄ろうぜキリト」

 

「そうだな」

 

「待って、待って!」

 

 

 なんか菊岡さん必死だなおい。

 

 

「もちろんただでとは言わない! 協力してくれるならこれくらいは出そう」

 

 

 そういって三本指をたてる菊岡さん。

 三? 三万? 三十万? ……う、うーん…。欲しい…。

 実は最近色々あってお金がない。

 主にアミュスフィアを買ったりALOを買ったり、としたせいでな。

 ちょっと前の宝くじが当たっていたが、あれは出来るだけ使いたくはない。

 

 だが、問題は…

 

 

「だからさ、菊岡さん、GGOじゃキリトはともかく、俺はあんまり役に立たないと思うんだよね…」

 

「そんなことないと思うけどね、君の対人での戦闘技術はGGOでも使えると「そういう問題じゃなくて」…?」

 

「昔の某有名漫画にもこんなセリフあるでしょ? 『銃は剣よりも強し』、それと同じで銃は拳よりも強いんだよ。銃はおろか、剣すら使えない俺じゃ役に立ちそうにないだろ?」

 

「俺はともかくってなんだよ…俺も飛び道具は苦手だぞ?」

 

「GGOは確か剣あるだろ?」

 

「マジで!?」

 

「ってことで、キリトだけに頼んだ方がいいと思うよ菊岡さん」

 

「ううーん、じゃぁ、こうしよう、ソウム君はGGOの下見のようなことをしてくれないか? キリト君がGGOに行ったとき、楽に行動しやすいようにね、BOBのことについても調べてくれるとうれしいかな。ちなみにキリト君はもちろん、BOBに出てもらうよ」

 

「はぁ…まったく…」

 

 

「そんなんで金貰うのもなんかな…」

 

 下見って、そこそこGGOやってる人と話してBOBのこととか武器とか死銃のことを色々聞くだけだろ?

 その程度で金を貰うのはなんか悪い気がする…。

 

 

「GGOに行くってことは、死銃に会う可能性もある。しかも死銃のことについても調べてもらうつもりだ。まぁ、ほぼ無いに等しいけど、命の危険もある。当然、最大限の安全措置を取る。でも、お金を払うのは当然だよ」

 

「うーん…じゃあさ、調べるだけなら俺じゃなくてもいいだろ?」

 

「少しくらいは死銃に会う確立を上げておきたい、君は僕なんかよりプレイヤースキルが数段上だからね、銃が使えなくてもさ。だから、死銃にはキリトくんより先に君が会うかもしれない」

 

「なんで俺がそんなに過大評価されてるんだか…」

 

 

 普通に考えて、SAO時代のキリトなんかより数段弱いし、ユウキにも負ける。今のキリトにも俺は負けてるレベルだ。

 今のキリトとは同じくらいかもしれないけどさ…。

 そりゃあ、一応ALOじゃトッププレイヤーだとは思うけどさ。でもそれはSAO時代のデータがあるからだし…。

 

 

「まぁいいや、俺もほんの少しだけど、VRゲームの中で人が殺されるって話は気になるし、まぁ、報酬もあるわけだから、OK、菊岡さんに乗せられるみたいでいやだけど、乗ってやるよ、キリトはどうする?」

 

「はぁ…。ほとんどソウムと同じだ、乗ってやる」

 

「それはよかった! いやほんとに!」

 

 

 でも、本当に死銃さんとやらは実在するのだろうか?

 ネットの都市伝説、ってだけならここまで真剣になってる俺らは単なる笑いものだな。

 まぁ、人が死んでるようなことだ、笑いものでもなんでも単なる都市伝説の方がいいけどさ…。

 

 と、考えてるとキリトは俺と同じことを思ったようで…。

 

 

「でも本当に接触できるかわかんないぞ? そもそも実在すら疑わしいんだからな」

 

「言わなかったっけ? 最初の銃撃のとき、偶然居合わせたプレイヤーが音声ログをとってたって、そのデータを圧縮して持ってきている、どうぞ聞いてくれたまえ、ソウム君もね」

 

「「わざわざどーも」」

 

「君たちは変なところで気が合うね」

 

 

 ああ、単なる都市伝説じゃなかったか…。

 少しくらいは期待したんだけどな、だってそうだろ?

 VRゲームでの殺人なんて、起きない方がいいんだ。

 もうすでに四千人はVRゲームで亡くなってるんだから…もうたくさんだ。

 

 そのうちの6人は………

 

 っと、いかんいかん、今はちゃんと音声を聞かなければ…。キリトと仲良く一つのイヤホンを左右で一人ずつ耳に突っ込みながら音声を聞く。

 

 

『これが本当の力、本当の強さだ』

 

『愚か者どもよ、この名を恐怖と共に刻め』

 

『俺とこの銃の名は、“死銃(デス・ガン)”だ』

 

 

 その声はどこか金属的で、非人間的な響きだった。

 全身が総毛立った。体が固まった。

 何故ならその声はどこかで聞いたことがある感覚で、そして…本物の殺戮を求めている、そんな感覚だったから…。

 俺はこの声の雰囲気を知っている。あの空に浮かぶ百層からなる城の中で、たった数回しか話さなかった人種だが、深く脳裏に刻まれたそいつらの雰囲気に酷似している。

 

 この声の主が本当にあいつらと同種の人間なのかはわからない、けれど…用心しておくに越したことはない。

 

 

 俺よりキリトの方が危険、いや、会う確立が高いのだが…キリトは怖くないのだろうか?

 キリトの顔を見ても、キリトは何かを考え込んでいるようには見えても何を考え込んでいるのかはよくわからなかった…。






 本編で書いたように、ソウム君はBOB本戦には出ないと思います。
 
 少しだけGGOで下調べして、知り合い作るくらいです。
 情報は大事ですからねー。
 
 ソウム君は事件のことを考えているとき答えの近く、というかほぼ答えまで行き着きましたが、問題点がいくつも見つかったのと突然菊岡さんに話しかけられたので思考が流れてしまいました。
 まぁ、次の話あたりに菊岡さんに電話をかけたりしてこのことを一応知らせたりすることになりますが。

 次回こそはユウキ出しますんで、ユウキを見たくて来たという方たちは少しだけ待ってくだせぇ!
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