転生特典?んなもん、ユウキ生存に決まってんだろ?   作:島夢

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やっとGGO編。
更新遅くて申し訳ありません。

あと今回、一応原作キャラですがほぼオリキャラになっているキャラが出てきますので不快に思う方はブラウザバックをお勧めいたします。


第17話

「どうも、はじめまして」

 

「どうも、はじめまして、貴方が想夢君ね。眼鏡の役人さんから話は聞いてるわ。私の名前は安岐 ナツキ。よろしくね」

 

「よろしくお願いします」

 

 

 安岐さんは挨拶が終えるとじーっと俺を見る。

 なんだろう? と疑問に思うと同時にとても整った清楚な印象を受ける顔が俺をじーっとみて来るのでなんだか気恥ずかしくなってしまう。

 

 

「あ、あの…何ですか?」

 

「いやぁ。桐ケ谷君に聞いてたのとは少し印象が違うなぁと思ってね」

 

 

 桐ケ谷…、桐ケ谷? どっかで聞いたことのあるような気がするな。

 少し頭の中で桐ケ谷、という名前を何度か唱えてみると、だんだん浮かび上がってくる顔が…!

 黒髪で飄々と笑みを浮かべる青年の顔だ。

 

 

「って桐ケ谷ってキリトのことか。忘れてた」

 

 

 そうだ、桐ケ谷はキリトの名前だ。あいつの名前は確か桐ケ谷 和人だ。名前と苗字をきってあわせてして作ったのがキリトというアバター名だったはずだ。

 キリトとしか呼ばないから忘れかけてた。

 ちょっと待てよ? なんで目の前にいる正に白衣の天使然とした女性がキリトのことを知っている?

 奴め、まさかまたフラグを建てるだけたてていたのか?

 こんな年上まで手を出しやがって! ええい! 奴のフラグ建築技術は化け物か!

 

 

「私、桐ケ谷君のリハビリを手伝ってたの」

 

 

 俺の「なんでキリトのことを知っているんだ?」という視線に気づいたのか、キリトとの関係を教えてくれる安岐さん。

 なるほど、リハビリか…。あれは割とつらかったなぁ。

 でも俺のリハビリなんかよりユウキはもっとつらいリハビリをしたらしいし、あの程度で弱音吐いちゃあなぁ?

 ユウキは三年間動けず、更に治ったとはいえ体は弱ったままだったものを、松葉づえをついて俺の家までこれくらいにまで回復したのだ。たった数か月で。

 そのリハビリは尋常じゃなく辛かったはずだ。

 ならばそんな辛いリハビリをしたユウキを知っている俺としては自分のリハビリが辛かった。とは言いづらい。

 

 

「あっ、ごめんなさい」

 

 

 と、なんだか思考が脱線していたのだが突然安岐さんが謝罪をしてきた。

 あまりにも唐突すぎてびっくりしてしまった。

 

 

「あの事件のことを思い出させるような不用意な発言をしてしまって、ごめんなさい」

 

 

 そういいながら安岐さんは頭を深く下げる。

 

 

「いやいやいや!! 大丈夫ですよ? なので頭をあげてください!」

 

 

 慌てて俺は頭を上げるように言いながら頭の中で考える。

 どうやら俺の思考がそれて少しの間返答が途切れてしまったことでSAOのことを思い出してショックを受け、言葉が出ないと勘違いさせてしまったようだ。

 いやいや、そんなことはない。

 

 

「俺、別にSAO事件のことでトラウマ抱えてたりするわけじゃないですから、SAOのこと思い出してショック受けてたわけじゃないです。ちょっと思考がそれちゃって答えるのが遅れただけですよ」

 

 

 別に俺はSAO事件でトラウマがあるわけじゃない。

 確かに色々、本当に色々あったが…。

 

 でも、今の俺があるのはあの事件があったからだ。

 あの事件で、たくさん出会いがあった。

 俺は十三の頃にあの空中に浮かぶ城に閉じ込められた。

 元々転生の影響で性格が大人びているとか背が伸びるのが早くて、実年齢より大きく見られていたが、あの二年間で精神的に成長したのか、実年齢より大きくみられることはさらに多くなった。

 

 

「そりゃあ、割り切れないことだってありますけど、少し思い出した程度でショックを受けて固まるほどではないです」

 

「そう、なの?」

 

 

 安岐さんは何かを確かめるように俺の目を見る。

 その状態でしばらく見つめ合った後、安岐さんは少しだけ目を伏せ、ふーっと息を吐くと。

 

 

「強いのね」

 

 

 少し悲しそうにそう言った。

 何が何だかわからないんだが…。

 

 

「あの、安岐さん?」

 

「なに?」

 

「結局、なんで安岐さんがここにいるんですか?」

 

「あ、ああ! 説明を忘れてたわね! 」

 

 

 忘れてたのか…。

 いや、俺としても大体想像はつくけどさ…。

 あれだろ? 菊岡さんが言ってた「当然、最大限の安全措置を取る」ってやつだろ?

 外から何か細工をされるかも…とかは一応俺の考えをキリトと菊岡さんの二人に離しておいたし、病院なら心拍数とかもモニタリングできるもんな。

 

 

 

「じゃあ、改めて説明を始めます」

 

 

 こほんと咳払いをしたあと説明をはじめる安岐さん。

 

 

「私は想夢君の身体情報のモニタリングを任されています。貴方がVR空間にダイブしている間。貴方の安全は私が守ります。だから安心してダイブしてきてね!」

 

「はい、わかりました。お任せします」

 

「あら、随分あっさりね。はじめて知り合ったのに。確かに可能性は低いとはいえ、一応は命を預ける相手よ? もっと真剣に考えた方がいいんじゃない?」

 

「大丈夫です。安岐さんはいい人っぽいですし、それに仮にそういったことがあっても疑って裏切られるより信じて裏切られた方が気分的によくないですか?」

 

「その考え方、あの中でもしてたの?」

 

 

 少しだけ不審げに眉を顰めながら安岐さんは俺に聞く。

 あの中というのはSAOの中ということだろう。

 

 

「ええ、今も昔も変わりません」

 

「それで死んじゃったら…どうするつもり?」

 

 

 安岐さんが真剣な表情になって俺にそう尋ねる。

 なんとなくで誤魔化すのは難しいかな…。にしても今日あったばっかりの俺にここまで心配してくれるとは…。

 いい人だなぁ、安岐さん。

 

 

「運がなかった。間が悪かった…。ですかね」

 

 

 どうせ、一度死んだ命なのだ。

 この世界が最初の他の人たちの命よりは軽いはずだ。

 本当なら二度目などないというのに手に入れてしまった二度目の命だからな。

 

 ……思考が変な方へ行くのは俺の悪い癖だな。

 少しだけ反省しよう。

 

 

「貴方の命は、そんなに軽いものじゃないでしょう? 今日会った私がこんなこと言ってもあんまり重みがないかもしれないけど、身近な人が死ぬのって、悲しいのよ? とってもね」

 

「そう、ですね…。心に留めておきます」

 

 

 そうだなぁ…。俺が死んだら、自惚れじゃないなら、心や父さん母さんは悲しんでくれる。

 多分、キリトたちも…。そしてユウキも。

 そんなみんなに悲しんで欲しくなんてないからな、今回も死なない程度に頑張ろう。

 

 

「でも、騙されたとしても、裏切られたとしてもそう簡単に死んでやるつもりはないですけどね。さて、電極張るんでしょう?」

 

 

 寝台? らしきものの横に置いてある電極を指さしながら俺は言う。

 

 

「上半身だけでいいですよね? 脱ぐの」

 

「ええ」

 

「わかりました」

 

 

 そういいながら上着を脱いで、服をがばっと脱ぐ。

 思い切りがいい? こういうのは恥ずかしがったら負けなのだ!

 一度恥ずかしがると脱ぐまでに時間がかかるからな!

 

 

「思い切りがいいわね、桐ケ谷君だったら赤くなってのろのろ脱ぎそう」

 

「あー、そうですね、あいつは恥ずかしがるでしょうねぇ」

 

 

 キリトはなんだかんだ言ってヘタレだからな!

 うん? 待てよ、俺はキリトほどヘタレてはいないが、キリトと違ってモテない。

 つまり、ヘタレていた方がモテやすいのか!?

 

 なーんて、そんなわけない…よな?

 単純にキリトの方が顔がいいし、頭もいいし、性格もいいし、スペックが高いからモテるんだろうさ。

 

 あー、やめやめ! キリトがモテる理由なんて考えてたら答えが出るまでにどれくらいかかるかわかったもんじゃない。

 

 電極を張りアミュスフィアをかぶり、寝台に寝転がる。

 

 

「では、俺の体よろしくお願いします」

 

「はい、任されました。行ってらっしゃい」

 

「行ってきます」

 

 

 いつもと状況は違うし、いつも行くところとは違うところに行くが、なんの気負いもなくいつも通りにその言葉を口にする。

 

 

「リンクスタート」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うぅむ?

 なんか視点が低い気がする…。

 ってちょっと待て、視線が低いのもそうだが、こ、これは…。

 色んな疑問が沸き上がるが、取りあえず落ち着いて目の前にある恐らくアバター確認用に設置された鏡を見る。

 

 

「なんじゃこりゃぁぁぁああああああああああああああああああああ!? ってか声高っ!? 目くりっくりじゃないですかやだー! 髪綺麗だな畜生! 待て待て待て待て」

 

 

 やばい、頭が混乱してきた。

 え? どういうことこれ。

 俺どうなってんの? まさかの性転換? ないない、ふざけんな意味わからんやめてくれ頼むから。

 

 動揺しながらも服の上から胸を触る。

 膨らんではいない。性転換ではなさそうだ。

 つまり見た目だけのなんちゃって性転換。男の娘というやつか?

 改めて目の前の鏡を見てみる。

 

 うぅむ、くりっくりの碧眼。セミロングくらいの綺麗なライトグリーンの髪。

 文句のつけようもないほど整った顔。

 誰がどう見ても女の子です本当にありがとうございました。

 

 

「おい、あんた。どうした?」

 

 

 背後から声をかけられた。

 

 

「ん? 俺のことか?」

 

「そう、あんただよあんた、そこの可愛い顔した子」

 

 

 可愛い顔…。

 もういいや、確かに自分でも可愛い顔してるとは思うし。

 これキリトに見られたら絶対バカにされる、あぁ~。ユウキにみられるのはなんか嫌だな。

 リズにみられるのはキリトにみられるよりやばい気がするなぁ…。

 一番見られるとやばいのはアルゴだよな…。

 

 

「お~い、無視か? 無視なのか?」

 

「ああ、えっとはい。なんでしょう」

 

 

 さっきは初対面の人に思わずため口で返事をしてしまったからな、ちゃんと敬語を使わなければいけない。

 マナーのなってない奴とか思われたくないしな!

 

 

「女の子なのに一人称俺なんだな」

 

「俺は男です」

 

「………」

 

「………」

 

 

 互いに沈黙。

 

 

「………………………」

 

「………………………?」

 

 

 さすがに長いなこの沈黙。

 俺から何か言おうか?

 そう考えた瞬間、目の前の男は壊れた。

 

 

「うひょぉぉぉおおおおおおおおおおお!? 男の娘ってやつか!?マジか!萌えを理解してるねぇあんた!まさか現実でこんな存在を目にすることが出来るなんて!最高だぜおい!わかるか!?今あんたは男の娘になっているんだぞ!?男の娘とは何か!その基準とは何か!男の娘の詳細な定義は極めて難しく、人によって違うと言ってしまっても過言ではないだがしかし今俺の目の前にいる彼は俺の定義に当てはめれば間違いなく男の娘だ! 萌えとしての代表格とはいいがたいが根強い人気があるジャンルであることに変わりはなくかく言う俺も確かに男の娘というジャンルは好きだ! 大好きだ! あと自己紹介忘れてた俺の名はペイルライダーこれからよろしくなそんなことはどうでもいいんだ大事なことは現実に男の娘という萌えの権化と言っても過言ではないあんたが目の前に存在してるってことさ!昔馴染みの古参プレイヤーにあんたみたいな男の娘になっちまうアバターもいるって聞いてたけどすげぇ確立低いらしくてさ一度でいいから見てみたくてたまにここに新規プレイヤーを確認しに来てたんだが今日こそ運命の日だったぜ!ちなみにあんたのアバターの型はM9000番代って言うらしいぜ他にも9000番代には黒髪ロングの男の娘とかもいるらしい一度でいいからそっちも拝んでみたいもんだな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いや現実じゃなくね?」

 

「ごめん、取り乱した」






ペイルライダーさん、彼の動きはアニメで見て("゚д゚)ってなりましたね。
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