僕のセラピーアカデミア   作:メタス

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今回もご都合主義全開です。

矛盾やら何やらが出てくるかもしれませんが、広い心で見てくださいね。


モフっとしたい

受験当日。

 

あ、壊理ちゃんや廻さんとはちゃんと遊んだよ。

今回の受験で使う良い写真が撮れたし、みんないい笑顔になってたし良かった。

 

「デク、大丈夫なのか?」

「うん、かっちゃんや皆のお陰で良い写真撮れたしね」

「それなら良かったです!」

 

雄英の正門の前に集合した僕たち。

かっちゃんはヒーロー科、トガさんは僕と同じ経営科を受けるらしい。

 

ヒーロー科は特別な会場で、経営科は雄英の教室で受験。

 

「じゃあ、また後で」

「おう、頑張れよ」

「頑張りましょう!」

 

かっちゃんと別れて会場に入る。

教室に入ると既に何人かが席についていた。

 

筆記用具を用意して、勉強したノートを見つつ集中を高めて行く。

少し時間が経過すると、担当の先生が入ってきた。

 

「はい、時間となりました。では今回の入試の説明をした後に、試験を開始していきます」

 

担当の先生の説明を受けて、試験が開始した。

 

~試験後~

 

「はい、終了です。筆記用具を机の上に置いてくださいね」

 

ふう、何とかなったかな?いくつか分からない部分があったけど、許容範囲内だと思う。

 

「えーでは、昼休憩後に面接を行います。順番は受験番号順に2人ずつ行います。面接が終わりましたら帰っていただいて構いませんので、帰る際は忘れ物にご注意ください」

 

受験番号順…ってことは僕達が一番最後?!

トガさんと連番だったから良かった。

ふと隣を見ると、瞳に決意を宿したトガさんがいた。

それにかっちゃんと約束した。ここで躓く訳にはいかない…!

そうこうしているうちに僕達の番が回ってきた。

 

「受験番号129番、緑谷出久です」

「受験番号130番、渡我被身子(トガヒミコ)です」

「どうぞ」

「「失礼します」」

 

教室に入ると白いネズミ?のような人や、ブラドキングなど名だたるヒーロー達がそこにはいた。

1人の無精髭を生やした人は分からないけど…。

 

「じゃあ、自己紹介をお願いします」

「はい。市立折寺中学校から来ました、緑谷出久です」

「はい。市立折寺中学校から来ました、渡我被身子(トガヒミコ)です。

「うん、それでは座ってください」

「失礼します」

 

椅子に腰掛けると、先生方が書類をパラパラと捲りつつ何か小声で話していた。

 

「例の…子達…ですか?」

「うん…そこだけ聞こうか…君?」

「その…合理的ですね…」

 

断片的にしか聴こえなかったけど、どんな内容かは分からなかった。

すると、白い先生が話始めた。

 

「では、始める前に自己紹介を。僕はこの学校の校長です。それでは緑谷出久君に渡我被身子さん。こちらから質問する内容は1つです」

 

「「はい」」

 

「まずは緑谷君に聞きます。履歴書に志望動機を書いてもらったんだけど、この『ストレスフリーな社会を作りたい』って具体的にはどうやって目指すつもりだい?」

 

「はい。その事なのですが私の個性が関係してくるので、こちらで作成した資料をお配りしてもよろしいでしょうか?」

 

「うん、良いよ」

 

「ありがとうございます」

 

先生方に皆で作り上げた資料を配る。

 

「この生物は?」

 

「まず私の個性は癒しの存在を引き寄せるというものです」

 

「癒しの存在を引き寄せる…?」

 

「具体的な例なのですが…セラピー効果をもたらす生き物を引き寄せるといったものになります。

お手元の資料を捲って頂くと小人がいると思います。私達は妖精さんと呼んでいますが、色んな物を作ったり直したりしてくれます」

 

「この子達は君が作り出した訳ではなく、君に引き寄せられて来たということかい?」

 

「はい、皆…とは言っても喋ることが出来るのが妖精さんだけなので、他の子がどうかは分かりませんが概ねそのような感覚だったそうです」

 

以前に妖精さん達にどこから来たのか聞いてみたけど、色んな場所(世界)?を旅してたみたい。

で、気が付いたらこの世界にいたそうだ。

 

妖精さんがいた場所は海の上で女の子が戦ってたらしい。

 

天狐がいた場所は巨大な刀や鎖鎌を操ってモンスターと戦ってたって。

 

すくすくがいた場所は直接戦うことは禁じられていたから、その代わりに綺麗な弾幕?を使ってその美しさで競ってたようだ。

すくすくはそこにいた女の子達に似ているらしいけど、何で似ているのかは分からないって。

 

「うん、どのような個性かというのは分かった。ではどうしてこの夢を持ったんだい?」

 

「はい、私自身の考えなのですが…現在犯罪が発生する主な理由はストレス過多によるものだと考えました」

 

「そうだな…確かに(ヴィラン)の動機を聞いたらストレスが貯まったとか、そんな理由が多かったな」

 

「それに個性に関する問題もあると思うんです」

 

そう言うと先生方は頭上に?マークを浮かべた。

 

「私の友達にずっと個性の事で悩んでいた友達がいるんです。その子は親や友達にすらも相談できませんでした」

 

「…俺も同じような事で悩んでいたことがあったな。本気で何もかもが嫌になって、全てが敵に見えていた」

 

「あの…もしかして抹消ヒーロー・イレイザーヘッドさんですか?」

 

「?!良く分かったな」

 

「以前雑誌のコラムで読んだことがありまして…すごく心に残ってたんです」

 

「そうか…随分前に取材を受けたことがあったが、それを覚えてくれていたのか…ありがとう」

 

「いえいえ!?そんなとんでもないです!」

 

当時、ヒーロー雑誌を読んでいたら小さなコラムの欄があった。

ランキング上位のヒーローのプロフィールのみを重点的に見ていたから、細かいところまで見てなかった。

イレイザーヘッドが監修していたから、何となく読んでみたらすごく引き込まれる内容だった。

 

その中の一文を紹介しよう。

 

『自分で言うのも変ですが、私の個性は敵向きな物です。その事でイジメの様な事も受けました。ですが、そんな俺を友達と呼んでくれる奴がいました。普通の個性の人からすると、何気ない一言かもしれませんが当時の私はその一言で救われた。それ以来個性の事で悩んでいる人々の役に立ちたいと思い、ヒーローになりました』

 

「個性の事に限らず、様々な悩みを抱えている人はその大小関わらずに多くいるはずです。一人でも多く、その悩みについて一緒に考えつつ、解決をしていける社会を作りたいと思いました」

 

そう締め括ると、校長先生が相槌をうった。

 

「分かりました。では次に渡我被身子さん。志望動機は『個性による偏見や差別を無くしたい』との事ですが、これを目指したいと思った理由は何ですか?」

 

「はい、これは私自身が体験した事です。履歴書にも記入しましたが、私の個性は擬血。人の血液を飲む事で、その人そっくりになるという個性です」

 

「俺と同じような個性か…」

 

ブラドキングがそう言ったが、少し違う。

擬血は血液を飲む事で変身出来るが、ブラドキングの個性は操血。彼自身の血液を操り敵を捕縛したり出来る個性だ。

 

「私はこの個性の事でずっと悩み続けてました。そんな中出会ったのがここにいるでk…緑谷さんです。」

 

トガさんがそう言うと、先生方は瞠目して僕の方を見た。

 

「詳細は省かせていただきますが、当時の私は自分で何もかもを背負って、壊れる寸前でした。そんな時緑谷さんと出会ったんです。個性を伝えても怖がったりせず、むしろ励ましてくれました」

 

「…」

 

先生方は相槌をうちながら、トガさんの話に聞き入っている。

 

「当時の私はその言葉や行動が嬉しくて、その場で泣いてしまいました。その後は、緑谷さんの助けもあり、友達が増えていき、以前とは比べものにならないくらいの幸せな日常を掴む事が出来ました。その経験もあり、私と同じような悩みを持っている人達を1人でも多く救いたいと思いました」

 

「うん、よく分かりました。ではこれにて面接を終了します。退室してください」

 

「「ありがとうございました」」

 

椅子から立ちあがり礼をして退室する。

 

その後荷物を置いた教室に戻り、整理して正門に向かった。

 

「おう、お疲れさん」

「かっちゃんお疲れ!」

「お疲れ様です!」

 

一足先に試験を終えていたかっちゃんと合流した。

 

「試験ってどんな感じだった?こっちは筆記があって面接があったけど…」

 

「会場は違ったが、俺も同じだな。ただ、実技試験としてロボットをどれだけ壊したかがあったなぁ。最後にはビル位あるロボが出てきたから、足止めしつつ避難誘導してたわ」

 

「実技というか、ほとんど実戦に近いじゃないですか?!」

 

すごいな…ロボットを制作するだけでもかなりの経費が掛かったりするのに、各会場に何体も用意するなんて。

そういえば…壊す?ヒーローの本質は助ける事だから、それ以外にもポイントありそうな気がするけど。

 

「まあ、やることはやったし後は結果を待つだけだね」

 

「ああ。そうだ、うちの母親が野菜のお礼ってことで、特製のピリ辛炒めを作ったらしいから後でデクとトガにもおすそ分けするわ」

 

「ありがとう!あれご飯が進むちょうどいい辛さなんだよね~」

 

「えぇ~?すごく辛いですよあれ!食べた後は汗だくになりますし…」

 

あ、そういえば…

 

「面接してくれた先生の内の一人がブラドキングだったんだけど、見間違いじゃなければ両肩にすくすくが乗ってたんだよね」

 

「そうなんですか?!すくすくって出現した場所の特徴に関係する子が出てくるんでしたよね?確かブラドキングの個性って操血でしたよね?」

 

「じゃあ、吸血鬼とか?すくすく達がいた場所って、色んな種族がいたって言ってたしありえそうじゃねえか?」

 

「「ああ~確かに」」

 

でもこれ以上すくすくが増えちゃったら、費用がねぇ…。

その辺も出来るなら相談してみようかな?

 

~三人称視点~

 

ここは雄英高校の会議室。

オールマイトを始めとした雄英で教鞭を振るっているヒーロー達が集まっていた。

 

「では、今回の入試での合格者を決めていきます」

 

イレイザーヘッドの主導で会議が進められていく。

プロジェクターに映し出されたのは爆豪の顔だった。

 

「敵ポイント並びに救助ポイント1位は爆豪勝己。個性は爆破。掌から爆発を生み出すことが出来るそうです」

 

「うん、文句なしの首席だね。様々な状況にぎこちないながらも対応していたし、何よりも安全を優先していた。彼は良いヒーローになれるね」

 

次に画面に出てきたのは、4人の生徒。

 

「彼らは?」

 

「この子たちは新しい可能性を秘めている」

 

面接を担当したヒーロー以外は頭上に?マークを浮かべていた。

イレイザーヘッドが続ける。

 

「今まで私たちは敵を倒し、人々を守り抜くことだけを考えていた」

 

「それがヒーローなんだから当たり前では…?」

 

そう言ったのはセメントス。

セメントを操る事が出来る個性で、都市部での戦闘や救助で凄まじい力を発揮できる。

 

「いや、我々は犯罪が起こってからの対処は行っていた。だが、起こる前の対処はしていなかった。カウンセリングなどはあまり触れてこなかった」

 

「彼らならそれを補う事が出来ると?」

 

「ああ、俺達はその可能性を見た」

 

「そこでだ!新たな試みを今年から始めようと思う!」

 

根津校長が掲げた案について驚愕しつつも、議論は白熱していった…。

 

~視点が戻ります~

 

「そろそろごうかくつうちがくるころではないですか?」

「きゅー?」

「キュイ?」

 

「うん、受験から1週間弱経ってるしそろそろだと思うんだ「出久!雄英から荷物来てる!」けどってすごいタイミング!」

 

慌てて階段を駆け上がってきた母さんが持ってたのは、雄英高校の封筒が届いた。

 

「これって、ここのボタンを押せばいいのかな?」

 

ひし形の機械の頂点に押せるようなボタンがあったので押してみる。

 

『やあ!面接以来だね!校長の根津さ!』

 

「おお、凄い…!ホログラムで合格発表してくれるんだ!」

 

「はえー、さすがですね。ひーろーをいくせいするこうこうなだけあって、さいせんたんのぎじゅつがつかわれてますね」

 

「きゅー?」

 

「キュ?」

 

妖精さんはその技術に感心しつつ、すくすくや天狐が不思議そうにホログラムに触れようとしている。

 

『さて、まず緑谷君。あることを告げなければならないんだ。君には経営科を受験してもらったよね』

 

「何か不穏な感じが凄くするのは気のせい?」

 

「きぐうですね、わたしたちもです」

 

『結果は…経営科は不合格(・・・・・・)さ!』

 

「へぇあ↑!?…経営科は?」

 

「なんかふくみをもたせたいいかたですね」

 

一瞬心臓が止まったかと思ったけど、その後の言葉で何とか持ち直した。

 

『実は前々から計画されていたことがあったんだ。雄英に新しい科を作ろうというね。普通科やサポート科があるのに、市民を癒す科が無かったんだ。そんな時に君達が現れた!』

 

「新しい科?というか君達って?」

 

『名付けてセラピー科さ!急なことで申し訳ないが、セラピー科に編入してもらうことになった!さあ、おいで!君達を歓迎しよう!』

 

「きゅー!」

「キュー!」

「やったであります!」

 

「ちょ、皆一斉に来たら…!わぁっ!」

 

「出久、どうだった…?…!フフッ、その様子じゃ合格したようね。お母さんも混ぜて!」

 

その日、家には笑い声が響いた。




ヒロアカの4期や映画のPVも公開されているのに、今だに入学すらしてないですが温かく見守って下さいな。

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