何か毎回これを書いてる気がする。
本当なら開店当日の話も書こうと思っていたんですが、一区切り付いたので一旦投稿します。
今日は壊理が寮に来る日。
あらかじめ口田と心操には緑谷が伝えてある。流石に驚かれたが、事情を話すと快諾してくれた。
「今の女の子って何が好きなんだろ?」
「プリ〇ュアとかですかねぇ。私はよく見てました」
「可愛いもの好きなんなら、すくすく達もいるし良いと思うけどな」
『一緒に過ごすし、ゆっくり聞いていこうよ。のんびりと行っても問題ないと思うよ』
と言うわけで、ゆっくりと好き嫌いを聞いていくことにした。
すると、相澤がやって来た。
「お前ら、八斎會の若頭が来たぞ。後、その部下も」
「廻さんが?」
「廻さんだか誰だか知らんが、マスク付けてたぞ」
潔癖症の治崎らしい。
「一応指定敵団体ってことで、プロヒーローである俺達が立ち会うことになった。少々物々しい雰囲気になってしまうが我慢してくれ」
「分かりました」
先生の案内で治崎とその部下、壊理が待ってる場所まで行く。
「お、来たか。お嬢さん、来ましたよ。」
「デク兄、ひー姉!お久しぶりです!」
「わっとと…うん久しぶり、壊理ちゃん!」
「久しぶりだねぇ!あ、その服可愛いね!仁義さんに買ってもらったの?」
執事のような格好をした治崎。
可愛らしい春の陽気が感じられるような格好に身を包んだ姿は、物語に出てくるプリンセスのよう。
駆け寄って飛び込んできた壊理を緑谷が優しく受け止め、1回転。抱っこの形に落ち着いて、地面にゆっくり降ろす。
「うん。服はミミックさんと乱波さんに選んでもらったの」
「え?本当?」
意外な人物の名前が出てきた。
常にキレてる
「ああ。ミミックはあれでも妻帯者で、ちょうどお嬢さんと同じ位の子供がいるんだよ。んで乱波の方は妹がいるらしく、良く世話をしているってさ」
「へぇー。人は見掛けによらないんですね~」
意外な人物の意外な情報を聞いた所で、本題に入る。
「では改めて。死穢八斎會の若頭、治崎廻だ」
「若頭補佐を務めている
「緑谷や渡我の担任をしている相澤です。」
「校長の根津さ!ヒーローとして困っている子を放っておけないからね。当然の事さ」
大人の挨拶が終わり、少し砕けた雰囲気になった。
「廻、あの事を」
「おっと、そうだった」
玄野がそう言うと、急に相澤に向けて頭を下げた。
「急に何を…?」
「「1年前にお嬢さんを助けて頂き、ありがとうございました。死穢八斎會一同を代表してお礼申し上げます」」
「あー…。よして下さい。ヒーローの役割を果たしただけですから」
感謝を述べる死穢八斎會と、述べられるヒーロー。
相澤にしては珍しく焦っている。
「緑谷、相澤先生なんで焦ってんだ?」
「アングラ系ヒーローだから、直接感謝を言われる事はあんまりないんじゃないのかな」
珍しい相澤の姿を見たところで、寮に入って話す事に。
「みんなー、お客さん来たから手伝って~」
「きゅー!」「キュイ~!」「いえっさー!」
号令を掛けると、様々な場所からモフモフ軍団がやってくる。
「実際に見るのは初めてだけど、圧巻だねぇ」
「…」スッ
視界の端でカメラを構えた治崎さんを横目に、お茶とお菓子を用意していく。
すくすく達がお菓子、妖精さんは紅茶、天狐はクッションを持ってくる。
「しかし、この子達は賢いんだねぇ」
「ええ、料理の手伝いもしてくれますし寮の外に作った畑の手入れもしてくれますよ」
皆に行き渡った所でお茶会開始。
「そうだ、ブラドキング先生。ちょっと失礼しますね」
「ん?「「きゅいっ!」」ぬぉ!」
そこにいたのは小さな蝙蝠の翼を携えた2人のすくすく。
可愛らしい帽子に、お姫様のようなふわふわしたロリータファッションのような格好に身を包んでいる。
姉妹だろうか、良く似ている。
妖精さんを呼んで名前とかを聞いてもらう。
「全く気付かなかったな。緑谷にしか見えず、触れると他人にも見えたりするのか」
「ですね。見えない代わりに物に干渉できるみたいなので傍から見たらポルターガイストみたいになるんですよ。この子達もデパートの楽器屋にいて、ピアノを3人で弾いてました」
そう言って頭の上と両肩に乗っているすくすくたちを見せる。
妖精さんに聞いてもらって判明した名前。
買い物に行った時にいたプリズムリバー三姉妹。
頭の上の金髪の子がすくすくルナサ。
右肩の薄水色の子がすくすくメルラン。
左肩の薄い茶色の子がすくすくリリカ。
能力は手や足を触れずに楽器を弾けるというものらしく、楽器店で弾いていたのもその能力。
(原作のそれぞれの能力は無いものとしますby作者)
「いずくさん、かのじょたちのなまえわかりましたよ。うすいむらさきいろのこが、れみりあ・すかーれっと。きんぱつのこが、ふらんどーる・すかーれっとというそうです」
「スカーレット姉妹ってことか。ブラドキング先生の肩にいたのは何か理由があるの?」
「なんでもきゅうけつきのけっとう(血統)らしいですよ。といってもそのち(血)はかなりうすくなっていて、とまとをせっしゅすればいいらしいですよ。ぶらどきんぐについていたのは、ほのかなちのにおいがしてちょっとおちつくらしいです」
「吸血鬼!へぇこの子達がねぇ。蝙蝠の翼で確かにそれっぽい」
玄野さんがボソッと呟いた。
「っていうか吸血鬼ってトマト食うんだな。血液っぽいけどそれでいいのか」
新たなすくすくが加わり賑やかになった。
時間が経つのはあっという間で、死穢八斎會の2人は帰ることに。
「今日はありがとうございました。お嬢さんの事をよろしくお願いいたします」
「いえいえ、我々ヒーローを頼っていただきありがとうございました」
「それじゃあ、お嬢さん。また会いましょう」
「うん、廻兄さん。針兄さん、またね」
そう言うと乗ってきた車に乗り込み、寮を後にした。
「壊理ちゃん、寮を改めて案内するね」
「うん!」
「一緒に行きましょう!」
すると自然と壊理が渡我の左手と緑谷の右手をつなぎ、寮へ入っていく。
『何か親子みたいじゃない?』
「ああ、確かに。新居に入っていく新婚みたいだ」
そんな話をされてるとは露知らず、設備を紹介する。
粗方説明し終わったところで、リビングに集合し飲み物を飲みつつ緑谷が相澤に質問する。
本人の強い希望でその間壊理は緑谷の膝の上にいることに。
壊理はご満悦のようで、ほわほわという効果音が聞こえてくるような雰囲気を出しつつ飲み物を飲んでいた。
「そういえば相澤先生、平日は壊理ちゃんはどうするんですか?」
壊理にお菓子を取ってあげつつ、緑谷が相澤に質問する。
「まあ小学校進学前だし簡単なお勉強とかをしてもらう予定だ。体を動かす体育の時は、すくすくたちにも手伝ってもらう。すくすく達との鬼ごっこなら、壊理ちゃんの速度に合うだろう」
教師らしく受け答えしつつ、しっかりと子供用のドリル等を確認している相澤。
「すくすくたちの運動にちょうどいいですね」
『カフェって今週の土日から、ヒーロー科を対象に行うんですよね?』
「ああ、最初はテストの役割も兼ねて身内で行う。んで、ヒーロー科・普通科・サポート科・経営科に俺達教師でテストを行う。まあ、大丈夫だろうがな」
心操が感想を言って、口田が相澤に質問すると想定していたのかすらすらと答える。
「壊理ちゃんはその間どうするんです?」
「それが問題なんだよなぁ。俺達教師もいつも見れるわけではないからな。いっそのこと、カフェを少し手伝ってもらうか?」
「それが良いかも知れませんね。でも接客とかは俺達がやりますよ。少し盛り付けをやってもらって、すくすく達の面倒を見てもらいますか?」
何の話?と疑問符を浮かべこちらを振り向いて壊理を撫でつつ、「壊理ちゃんのお勉強の話とか、今度僕達がするお店のことを話してるんだよ」と伝えれば、「お店するの?私も手伝いたい!」と笑顔を満開にして元気よく返事をしてくれた。
その場にいた全員がその笑顔の破壊力に悶えつつも話を進めて行く。
「それじゃあ口田と心操でレジ兼接客、緑谷と渡我で調理をしてもらって、すくすく達にもちょくちょく手伝ってもらう感じでいいか?」
「そうですね。そうしましょうか。衣装はどうするんですか?」
「とりあえず雄英の制服の上にエプロンでも付けるか。しばらくはそのままやってもらって、デザインがまとまったら仕立ててもらうかな」
そんなこんなで話を進めていき、開店当日に。
本誌はシリアス真っ只中ですが、こちらはそんな事ありません。
原作&シリアスブレイクしまくります。
それでは次回をお楽しみに~。