魔法の世界のアリス   作:マジッQ

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タイトルの「反逆」

二つの意味を持ってます。一つは当然アンブリッジに対して。
―――さて、もう一つは?


反逆

魔法省は、ホグワーツに新たな職務を取り入れた。

“ホグワーツ高等尋問官”。それが新たに加わった職務であり、高等尋問官はホグワーツの教師を査察し、場合によっては停職・解雇する権利を持つという役職だ。そして、その高等尋問官に選ばれたのがアンブリッジである。

 

アンブリッジは尋問官になってからというもの、時間が許す限り他の教師の授業へと足を運び続け、偏見と悪意に溢れた査察を行っていった。その影響を最も受けたのは、占い学のトレローニー先生だろう。私は占い学を取っていないため、アンブリッジがどのように査察を行ったかは又聞きに過ぎないが、他の教師に比べて相当印象が悪かったらしい。魔法生物飼育学にしても、本来の教師であるハグリッドは長期休暇ということで査察から外れているが、もしも教師に復職した場合にはアンブリッジの査察を受けることになる。ハッキリ言ってしまえば、ハグリッドはトレローニー先生同様に厳しい評価を受けるだろうことは想像できる。それは授業内容がどうこうではなく、ハグリッドの教師としての責任感が問題だろう。ハグリッドはどんなに危険な生物であろうと、面白いや楽しいという理由だけで生徒の前へと持ってきてしまう。それが十分に安全対策を行った上でのことならば問題はないが、ハグリッドはその安全対策を軽視し過ぎているのだ。去年の尻尾爆発スクリュートがいい例だろう。自身も満足に生態が把握できていない生物を生徒に育成させたのだから。

 

ともかく、アンブリッジは魔法省という権力を背に、ホグワーツで大きな顔をしているのが現状だ。特に自身に反する生徒への対応は厳しく、十点以上の減点や一週間の罰則は当たり前といった風だ。このような状況になると、フレッドやジョージといった愉快犯以外の生徒は被害を受けないように大人しくしていようとするものだが―――

 

「―――で、ハリーは懲りずにまた罰則をもらったと」

 

図書室で宿題を片付けていた私の元へハリー達三人がやってきた後、そのようなことを聞いたので確認がてら尋ねてみたのだが、ハリーの反応で事実だと言うのは分かった。

 

「罰則をもらうことが分かっていてやるなんて……本当は罰則を受けたくて態と反発しているんじゃないでしょうね?」

 

「そんなわけないだろう!?」

 

ハリーが大声を上げて抗議の声を上げた。図書館に響き渡るほどの声を上げた後、しまったと言わんばかりに顔を歪めて周囲を見渡すハリー。だが、周囲にいる生徒はおろか図書室の守護者とまで言われるマダム・ピンズすら無反応であることに、三人も疑問におもったようだ。

 

「どうして? みんな、私たちのことに気がついていない?」

 

「どうなってるんだ?」

 

「―――からかった私も悪いけれど、もう少し声を小さく出来ないかしら? 魔法で認識を阻害していなければマダム・ピンズが飛んできて、図書館から追い出されているところよ」

 

以前、ホグワーツ特急でも使っていたのと同じ認識阻害の魔法を、ハリー達がきてから展開している。これによって、私たちの会話は他の者からは認識できない。

 

「アリスの魔法なの? すごい、これ相当高度な魔法じゃない?」

 

「そうでもないわ。確かに学校では習わない系統の魔法だけれど、難易度的にはそれほどでもないわ」

 

ハーマイオニーの問いにそう答える。尤も、魔法自体の難易度であって、精度の話となると別問題になるわけだが。

 

「やっぱりアリスは凄いわ、こんな魔法が使えるなんて。ね! アリスに声をかけて正解だったでしょう?」

 

そう言ってハーマイオニーはハリーとロンへと視線を投げかける。二人も何か納得顔―――いや、ハリーは渋々といった感じか? ―――で頷いている。

 

「一体、何の話かしら?」

 

「あのね、実は私たち闇の魔術に対する防衛術の自習活動をしようと考えているの。アンブリッジの授業は塵ほども役に立たないわ。それなら、自分たちで積極的に身を守る術を磨こうと話し合ったの」

 

「そうなの? いいんじゃないかしら。良案だと思うわよ」

 

確かに、アンブリッジの授業には何の期待も出来ないのは明白だから、自分たちで自習したほうがいいというのは至極真っ当な考えだ。

 

「でしょ! それでね、何人かの有志を募ってやろうと思っているんだけど、肝心の防衛術を教えてくれる先生がいなくて困っていたの」

 

「―――何となく、ハーマイオニーの言いたいことは分かったけど、一応確認しておくわ。先生役ならハリーでも十分なんじゃないのかしら?」

 

ハリーは同世代―――いや、上級生と比較しても技量、経験ともに優れているのは確かだ。精神的に問題はあるものの、教師という役に限っていえば十分の技量は持っているといえる。

 

「勿論、ハリーにも協力してもらうわ。この後セドリックにもお願いするんだけど、アリスにも先生として協力して欲しいの。正直言うと、私の知る中で一番腕の立つ人と聞かれたらアリスやハリー、セドリックくらいしか思いつかないわ。勿論、ダンブルドアといった人たちを除いてよ」

 

「そう―――引き受けてもいいわ。ただし」

 

了承の返事と共に喜びを露わにしたハーマイオニーを続く言葉で抑える。

 

「ただし、私にも都合というものがあるから、必ずしも参加できるとは限らないわ。それでもいいなら、出来る範囲で協力してあげる」

 

「そう、ね。アリスは騎士団に入っているから、そっちとの都合も合わせないといけないわね」

 

私がそう告げると、ハーマイオニーは難しい顔をしながらも納得をしてくれたようだ。とはいえ、理由に関しては若干のすれ違いはあるようだが、まぁ全く違っている訳でもないので、よしとしておこう。

 

「それじゃ、詳しい会合の場所や日時が決まったら連絡するわ」

 

そう言って、ハーマイオニーはハリーとロンを引っ張って図書室から飛び出て行った。その際に、マダム・ピンズが三人へと非難の声を上げていたが、そのときには既に三人は図書室から出て行った後だった。

 

「先生、ね」

 

まさか、私が誰かに教えることになるとは。確かに、魔法の腕には相応の自信は持っているが、それが誰かのために使われることになるとは思ってもいなかった。今まで呪文を習得し、知識や技術を磨いてきたのは全部自分の為であったから。

まぁ、身に付けた知識や技術を広めるというのも悪くはないだろう。広められない知識や技術というのも多分にあるが、それを差し引いても教えられることはあるはずだ。それに、私が防衛術を教えることでハーマイオニー達が身を守り、死ぬようなことにならずに済むかもしれない。自分自身が一番優先するべきことだと考えてはいても、友人がみすみす死んでいくような事態は御免だ。どうしようもない事態というのもあるだろうが、回避できるものならば手を貸すのも悪いことではないだろう。

 

「さてと、そうとなればアレを作っておきましょうか。もし密告でもされたら面倒だからね―――一応、ダンブルドアにも伝えておいた方がいいかしら」

 

万が一、アンブリッジに知られた場合に最初に被害を被るのはダンブルドアだろう。アンブリッジなら、生徒の学生生活の監督不行届きという理由だけで校長職から引きずり落とすことくらいはやりそうだ。だが、予めそういうことが起こりえる可能性を知っていれば、ダンブルドアなら何とかするだろう。

 

 

「マーガトロイド」

 

どのようにして、ダンブルドアに話を伝えようかと考えながら寮へ向って歩いていると、人気がなくなったところでスネイプに呼び止められた。

 

「話がある、着いてきたまえ」

 

それだけ言って、スネイプは音も立てずに歩き出した。突然のことに一瞬呆けるも、とりあえず着いていくために、スネイプの後を追っていく。暫くの間無言で歩いていると、スネイプは校長室へと続くガーゴイルの石像の前で立ち止まった。

 

「フィフィ・フィズビー」

 

スネイプがそう言うと、ガーゴイルは生きているかのように動き出し、その背に隠していた階段への道を開いた。階段を登り校長室へと入ると、奥の机にダンブルドアとマクゴナガルが立っていた。

 

「よく来たの、アリス。今回君を呼んだのは、君がマクゴナガル先生に出した魔法薬について聞きたいからでの」

 

そう言ってダンブルドアが視線を向けたのは、机の上に置かれている一つの小瓶。小瓶には淡い金色の液体が半分ほど詰められたもの―――真実薬の解毒薬だ。

 

「一連の事情はマクゴナガル先生に教えてもらった。よくぞアンブリッジ先生の仕込みを防いだ。あの時、もし君がアンブリッジ先生に騎士団の秘密を明かしてしまっていたら、わしらは少なからず窮地に陥っていたじゃろう。じゃが、彼女の思惑が大きく外れてしまった以上、より強引な手段で君に秘密を明かさせようとするかもしれん。用心するのじゃ」

 

そこで、ダンブルドアは一度話を打ち切り、机の上に置かれていた小瓶を手に取る。

 

「君が用いたというこの解毒薬じゃが、スネイプ先生に分析してもらったところ、本当に“真実薬”に対する解毒作用を含んでいるようじゃ。さらには“真実薬”だけではなく、“生ける屍の水薬”や“狂乱薬”、“愛の妙薬”、“安らぎの水薬”、“退化の化け薬”、“血霧の毒薬”、“針刺しの呪薬”、その他数多くの魔法薬に対しての解毒作用があるというのが、スネイプ先生の分析結果じゃ」

 

マクゴナガルに解毒薬の調合法を渡してからそう日にちは経っていないはずだが、既に分析を終えたとは。流石はスネイプ先生といったところだろうか。

 

「“真実薬”の解毒薬ということでも驚きのことじゃが、一つの薬にこれほどの魔法薬に対する解毒作用を持たせるとは。知ったときには年甲斐もなく驚いてしもうた。なにせ、どの薬も一つだけで非常に強力な魔法薬だからの」

 

「―――見事な薬だ」

 

一旦話を終えたダンブルドアが解毒薬を机の上に置き、今度はスネイプがそれを手にとって話し始めた。

 

「実に見事な薬だ。素直に賞賛を送ろうではないか。既存にはない薬でありながら、既存の薬を遥かに上回る力を秘めている。この薬を生み出したという事実だけで、歴史に名を刻み込むだろう。この薬が世に広まれば、今までの常識を変化させ得るものだ」

 

普段は決して言わないだろう賛辞を言うスネイプに内心驚きながらも、だが、という言葉に気を持ち直す。

 

「これほどの薬……学生の身で作り出せるとは到底思えん。豊富な材料、充実した環境、資料、時間。どれも一介の学生では得難いものだ―――聞くが、この薬は本当に一人で作ったのかね? マグル生まれである君が、これだけの薬を作れるだけの力と知識と場所を提供した何者かがいるのではないかね? 加えて言えば、君の持つ人形だ。あの人形が急激な進化をしたのは、二年から三年にかけてだというのは皆が知るところ。我輩の考えでは、その時期に君へと魔法の知識を与えた存在がいると思っているのだが……どうかね?」

 

スネイプが疑心に満ちた視線で見てくる。隙あらば“開心術”を掛けてくるあたり、スネイプにとってこの問答はかなりの重要性があるようだ。当然、私も“閉心術”でスネイプの介入を防いではいるが、正直言って煩わしいと思わざるを得ない。

無言の応酬も何時までも続けるわけにはいかない。スネイプが何を言いたいのかは理解できる。私に魔法の知識を与えたものは、闇に属する者。飾らずにいえば、ヴォルデモートの手の掛かった者ではないのかと、そう言っているのだろう。ヴォルデモートが私を狙っていることは、スネイプも当然知っている。騎士団の一員であるというのもそうだが、スネイプはヴォルデモート陣営にも属しているからだ。騎士団の情報をヴォルデモートに流しながらも、ヴォルデモートの情報を騎士団へと流している、所謂二重スパイである。その、両陣営にとって最も深いところにあるであろうスネイプが知らない情報は限りなく少ない。

スネイプが本来属している陣営は騎士団側なので、ヴォルデモートに不要な情報を与えないよう、騎士団の不利にならないように、出来る限りの情報を把握しておきたいのだろう。スネイプは常に生と死の境界線に立っているのだから、当然といえることだろう。

 

―――尤も、この解毒薬に関しては本当に自作である。ヴワルという環境を除いて。

 

「セブルスよ。そのことについては、詮索は無用と申したはずじゃが?」

 

私がスネイプの事情を考えて、少しの情報を明かす必要があるかと考えていると、ダンブルドアがスネイプに視線を向けながら、私を庇うように割り込んできた。

 

「ですが校長。この一件には、非常に強力な力を持った魔法使いが関わっている可能性があります。闇の帝王が復活した今の状況において、このような不確定要素は見過ごすべきとは思えませんが?」

 

「君の言いたいことも解る。君が、アリスに協力しているであろう人物が、ヴォルデモートに与する、君も知らぬ何者かという可能性を懸念していることもじゃ。ヴォルデモートは彼女のことを欲しておる。それ故に、自らの陣営に引き入れる為に策を講じておるのではと考えておるのじゃな」

 

「その通りです。故に、マーガトロイドの背後関係を把握しておくこそ重要ではないですか? ―――尤も、校長がそれを把握しているというのであれば、これ以上私からは何も言いませんが」

 

「うむ、それならば問題はないじゃろう。わしは今彼女と接している者の中では、最も事情を把握しておる。故に、彼女はヴォルデモートとは一切繋がってはおらんと保障しよう」

 

ダンブルドアの言葉にスネイプは暫し沈黙を保っていたが、「校長がそうおっしゃるならば、信じましょう」と言って校長室を出て行った。マクゴナガルも仕事があるらしく、スネイプに続いて出て行き、部屋には私とダンブルドアだけが残された。

 

「さて、スネイプ先生にはああ言ったものの、実際には完全に把握できてはおらんのじゃがな。まだ、君の師については教えてもらえぬのかの?」

 

ダンブルドアは椅子に座りながらそう尋ねてくる。

 

「―――いえ、そろそろ大丈夫でしょうし。教えても構いませんよ」

 

今まで秘密にしていたことを、教えても構わないと言われるとは思っていなかったのか、ダンブルドアは目を見開いた。

確かに、私の師であるパチュリーは人に知られることを嫌う。とはいえ、その理由は静かな時間を邪魔されるかもしれないということが大部分で、絶対に邪魔されないとなれば知られようがどうなろうが興味はないのだ。そして、今回ダンブルドアに教えても構わないと言ったのは、パチュリーが旅に出てから既に一年以上が経っている。パチュリーといえど、相手がダンブルドア並みの魔法使いであれば逃げ続けられるものの追跡を振り切るということは難しいらしい。返り討ちにしてしまえばその限りでもないようだが、それはそれで色々と面倒があるらしいので、自分には一切関わっては欲しくないようなのだ。だが、一年も時間が経てば、パチュリーを探すことなど不可能に近い。僅かに残っているだろう魔法の痕跡すら消滅しているだろうし、色々と工作を施すことも十分に可能な期間だ。

 

故に、今回ダンブルドアへと教えることは問題ないことと判断した。知られようとも、それを嫌がっていたパチュリーに接触不可能ならば、教えても教えなくても同じなのだから。

なお、これはパチュリー本人に言われたことなので、弟子が師匠の情報を売っていることにはならない。

 

そして、私は話した。二年生になる前にパチュリーと出会ったこと。パチュリーに気に入られ、その知識を学ぶ機会を得られたこと。パチュリーの協力によってドールズを生み出したこと。彼女が去年に旅立ち、今の行方は知れぬこと。その際に、彼女が所持していた住処であるヴワルを受け継いだこと。そのパチュリーが、私の母の弟子であったことなど。

ヴワルの存在自体は夏前に言ってあったが、それでも今回私が教えた事実に対して、少なからず驚きを感じているようだ。特に、一番に食いついてきたのはパチュリーのことについてだ。

 

「―――なるほどの。君の年齢離れした力や知識を得た経緯は、こういうことじゃったか。確かに、これだけの条件が揃っていれば、ありえんということではない。いや、むしろ今の時代に君が生まれたことを含めると、運命というべきなのか。出来るならば、ヴォルデモートに対抗するために彼女の力を借りることができたならばよかったのじゃが」

 

「それは無理でしょうね。パチュリーは基本的に、他人のことには無関心ですから。今まだイギリスにいても、ヴォルデモートを倒す力になってくれる可能性は皆無ですね」

 

私も自分のことが第一主義で他人のことは三の次だが、パチュリーのそれは私以上だ。極論すれば、自身の目的を果たすためならば他の一切の犠牲にすることすら厭わない。幸いにも、今までにそういった行動に移す事態にはなってはいなかったようだが、必要があれば躊躇いなく実行できる。パチュリーとはそういう存在である。なので、例えパチュリーに助力を願い出たとしても門前払い、運が悪ければ逆に殲滅させられるだろう。そう考えると、パチュリーが旅に出たことは都合がよかったのかもしれない―――世間の安寧的な意味で。

 

「そういえば―――」

 

ハーマイオニーに提案された防衛術の訓練についてダンブルドアへと話す。

結果としては、防衛術の訓練は快く承認された。今のご時勢、生徒が結束して一つのことに取り組むのは良いことらしい。活動は無理の起こらない範囲で行い、安全を第一にするようにと言われただけで、あとは自由にやるようにとなった。

 

 

 

 

「なぁ、本当にその人形で大丈夫なのかい?」

 

ロンがいぶかしむような顔で私を指差しながら見てくる。それに対して、私を腕に抱えるハーマイオニーがロンの言葉に反論した。

 

「仕方がないでしょ。アリスはホグズミードに来ることが出来ないんだから。アリスが言うには、この子はアリスと一番長く付き添ってきた子らしいから、アリスと同じ価値観で同じ判断が出来るって言ってたわ。それに、後で記憶の共有っていうのも出来るって言っていたから問題はないって」

 

「―――改めて考えると、アリスの人形って常識離れしてるよね」

 

ハリーの言う言葉にロンとハーマイオニーの二人は無言で頷いていた。ハリーの言った失礼な発言に、暇つぶしに作っていた雪玉を眼鏡目掛けて投げつける。雪玉は見事ハリーの眼鏡に命中し、視界を悪化させることに成功した。ハリーが文句を言ってくるが、失礼な発言をしたハリーにこそ非があることは明白なので、抗議の言葉を全て無視する。

 

現在、私―――ドールズの長女こと上海は、ホグズミードへ行けないアリスに代わり、代役として向かっている。というのも、ハーマイオニー達が企画している防衛術の訓練を行うための会合が今日、ホグズミードの一角で行われるからだ。学校では、あのピンクルクル蛙のおばさんの目があるということで、ホグズミードを選んだそうだ。

だけど、アリスはホグズミードへ行くことが出来ない。保護者に記入してもらうべき許可証がないからだ。でも、教師として参加するアリスも今回の会合の詳細は知っておく必要があり、どうするかとなったところで私へと白羽の矢が立ったというわけだ。私ならドールズの中で一番アリスに近い考え方が出来るし、記憶の共有だって出来る。何より、自分で話して意見を言えるということもあって、この場にはもう一人のアリスがいると言っても過言ではない。

 

ハーマイオニー達の話を聞きながら、初めて見るホグズミードの景色を眺めていると、いつの間にか目的地である会合の場所へと到着していたようだ。パブみたいだけれど、さっき見た三本の箒っていうお店と比べて、ずいぶん古ぼけている建物だ。窓ガラスは曇っているし、壁に蔦は生え伸びているし、お店の顔と言うべき看板は何とか文字が読めるといった感じにまでボロボロとなっていた。

古ぼけた建物―――ホッグズ・ヘッドへと入ると、外の澄んだ空気と異なりカビと埃の充満した空気が襲ってきた。アリスが作ったこの身体は優れたもので、食べ物の味を感じることも出来れば音も聞こえるし、匂いだって感じ取ることが出来る。つまり―――

 

「―――嫌な臭い」

 

このお店のカビと埃の空気の臭いも感じ取れてしまうのだ。お店の扉が閉じると、臭いは一層と強くなり、カウンター席に座っている男の吸っているものが原因なのが、妙な異臭が漂ってきた。

 

「ハーマイオニー。本当にここで会合をするの?」

 

バーテンから飲み物を貰い席に着いたハーマイオニーへそう問いかける。というのも、この場所は明らかに密会をするには不適切な場所だからだ。人は少なく静まり返っているここは、小声であろうと盗み聞きが出来る。これでは、これから行う話し合いをどうぞ聞いてくださいと言わんばかりだ。

そうハーマイオニーに伝えると、ハーマイオニーはハッと目を見開いた後、失敗したというような顔をした。

 

「どうするんだ? ハーマイオニー。今回の会合は中止するか?」

 

「駄目よ。今日を逃したら、次いつ集まれるかわからないわ。あぁ、でも場所を変更しようにも、それを皆に伝える手段がないし。集まってから移動したんじゃ、かえって目立ってしまうわ」

 

ハーマイオニーが頭を抱えながら唸っているのを見ながら、服の下から一つの魔法具を取り出す。私達ドールズの服の中―――具体的にどこかは秘密―――には“検知不能拡大呪文”が掛けられており、色々な道具が収納してあるのだ。

今回取り出した魔法具は、置いておくだけで一定範囲内の会話を、周囲には雑音にしか聞こえないようにするものである。私達が持っている道具の殆どはアリスの手作りによるものだが、この魔法具自体は市販でも流通しているものだ。尤も、希少らしく値は張るらしいから、アリスが自分で作ってしまったけれど。

 

「ハーマイオニー、これ使って」

 

「これは?」

 

「魔法具。私達の会話を周囲には雑音にしか聞こえないようにするの。置いておくだけで効果を発揮するから、テーブルの上にでも置いておけばいいよ」

 

「そんな魔法具があるの!? で、でも、こんな魔法具どうしたの!?」

 

「アリスから預かった」

 

この魔法具がアリスからのものだというと、三人はどことなく達観というか呆れというか、そんな感じの顔をしていた。そんな三人を気にも留めずに魔法具をテーブルの上へと置き、ちゃんと効果が出ているかを確認してから、話し合いが始まるまで机の上で静かに座っていることにした。

 

 

 

 

 

「そう。一応、会合は何事もなく終わったのね」

 

ホグズミードから戻ってきた上海と記憶の共有を行い、ホッグズ・ヘッドでの話し合いの内容を得る。最初、ホッグズ・ヘッドという場所で秘密の話し合いをすることに危機感を覚えたが、そこは上海が上手いことやってくれたようだ。

 

会合では、途中話が何回か脱線しかけたようだが、集まった全員で防衛術の訓練をするということでまとまったようだ。ただ、何人かの人はこの訓練への参加を渋っているようすだった。一緒に来た友達が参加するから仕方なく、雰囲気的に断れないといった感じである。そのような反応をした人は注意しておかないといけない。ちょっとしたことが切欠で、離反してしまうことが容易に考えられるからだ。その場合、不満を感じていればアンブリッジへと密告する可能性も否定はできない。

―――尤も、そのようなことをさせないために、一工夫させてもらったのだが。

 

「上海、訓練に参加することになった人たちは、間違いなくあの羽根ペンを使ったのね」

 

「うん。ちゃんと全員、用意した羽根ペンで羊皮紙に書いたよ。」

 

なら問題はない。

今回の会合で、訓練に参加する人には羊皮紙に名前を書いてもったのだが、その羊皮紙及び使用した羽根ペンは私の特別製だ。一種の魔法契約書として作ってあるそれは、名前を書くことで対象を縛るもの。その契約書に記入をしたが最後、その人は生涯に渡って、あるいは解約の条件が満たされるまで契約を破ることが出来なくなる。契約の媒介には契約者本人の血を用いているので、その拘束力は最高クラスといっても過言ではない。

学生が行う秘密の会合に、そこまでする必要があるかという問題もあるだろうが、やるからには徹底的にやるべきだ。ここで中途半端な呪い程度で抑えていれば、何かしらの裏をかいて密告者が現れる可能性も十分にありえる。それに、元々秘密にすることを誓って参加しているのだから、最初から秘密を曝け出そうとしない限り問題などないはずだ。

 

 

数日後、アンブリッジによる新教育令による団体活動への規制で一騒動あったが、防衛術の訓練に関しては続行するということとなった。その際に、訓練を行う場所をどこにするかでハーマイオニー達が頭を悩ませていたが、ネビルが必要の部屋を発見したようで、そこを活用することになった。

 

 

「最初にリーダーを決めましょう。リーダーは勿論ハリーとアリス、セドリックだけど、皆でちゃんと投票して決定することで権利が明確になるわ。それに名前も必要ね。いつまでも防衛術の訓練じゃ話し辛いし、格好がつかないもの」

 

第一回目の訓練では、ハーマイオニーが言ったようにリーダーの公式な選出と会合の名前を決めることから始まった。リーダーに関しては予め全員が承知していたことなので、揉めることもなく私とハリー、セドリックに決定した。名前に関しては多少揉めたものの、“防衛協会”と“ダンブルドア軍団”を掛けた“DA”に落ち着いた。

 

「それじゃ、早速始めようか。最初に君達に教えようと思ってるのは“武装解除”の呪文だ。基本的な呪文だけれど、これは本当に役に立つ―――アリスとセドリックはどう思う?」

 

「うん。僕もそれでいいと思うよ。杖を奪うということは、相手の戦力を丸ごと封じるに等しいからね。勿論、杖を奪っただけじゃ絶対に安心というわけではないけどね」

 

「私もいいと思うわよ。“武装解除”は相手の杖を奪うという単純な呪文だけれど、術者の力量によっては、杖を奪う際に衝撃を与えて吹き飛ばすことも可能になる優れた呪文だしね。難易度的にもそこまで難しいものじゃないし―――なにより、相手の杖の忠誠心を勝ち取ることもできる」

 

私の最後の言葉が理解できなかったのか、ハリーを含めて全員が首を傾げた。セドリックだけは知っていたのか首を傾げずにいる。その中で、ハーマイオニーが杖の忠誠心について質問をしてきた。

 

「杖というのは、その全てが持ち主に忠誠を誓っているの。杖作りの間では、杖には意思があり杖が魔法使いを選ぶと言われているわ。実際に試してみるとわかるけど、自分が持つ杖と他人が持つ杖では、使用者や使用する呪文が同じでもその威力や精度に大きな差が生じる。自分の杖と違い、相手の杖から忠誠を得ていないからね」

 

「それじゃ、武装解除で奪われた杖は使うことができないの?」

 

「まったく使えないというわけではないわ。たとえ奪われても、杖の忠誠心は前の持ち主に対してある程度は残っているらしいからね。といっても、それは義理立てのようなものであって本来の忠誠心ではないから、それまでと同様の力では呪文を扱うことは出来ないでしょうね」

 

私の説明に全員が「ほ~」と声を漏らしている。ここら辺の知識は杖職人から聞くか、杖に関する専門書を読んでいないと知りえないことだから、皆が知らないのも無理はないだろう。ハーマイオニーですら、杖の忠誠心に関しては知らなかったようだし。

 

「あれ? ちょっと待って。奪われることで杖の忠誠心が移ってしまうなら、武装解除呪文の練習なんかして大丈夫なの? 必然的に相手の杖を奪ってしまうんじゃない?」

 

パドマの疑問に全員が不安な表情をするが、それについては問題ない。

 

「あぁ、それについては大丈夫よ。杖が奪われても、奪った側が杖の持ち主であることを放棄するか、忠誠心を相手に戻すよう強く念じれば、杖の忠誠心は再び本来の持ち主へと戻るから。でなければ、武装解除呪文の練習なんて出来ないわよ」

 

それからも幾つかの質問に答えていき、残った時間は全部呪文の練習へと当てた。練習法は単純で、只管に実践あるのみである。二人一組になって交互に相手の杖を奪い合うものだ。

時間ギリギリまで呪文の練習をし、一通りの片付けを終えた順に各自寮へと戻っていく。その際に、ハリーが指示を出していたので尋ねてみたところ、それは“忍びの地図”というものらしい。ホグワーツ内の地図が描かれており、地図の上を名前が書かれた足跡が動くというのもだ。私の持つ“本の虫”と同じ力を持つ“忍びの地図”をハリーが持っていることには驚いたが、話を聞く限りでは“本の虫”程の機能満載というわけではないようだ。どこで手に入れたのかと聞いてみたが、昔にフィルチの没収棚からパクッたらしい。とはいえ、この地図を作ったのがハリーの父親やシリウス、ルーピン、ピーター四人組であるらしいので、ハリーが持つこと自体には問題はないだろう。

 

それからも決して多くの時間が取れているとは言えないものの、何回かの訓練を行った。訓練を続けていくうちに、私とハリー、セドリックで役割が決まっていき、ハリーが身に付けるべき呪文の知識と基礎を教え、ある程度上達した人、あるいは上達が芳しくない人にセドリックがコツや応用、修正などを行うこととなった。私は二人のサポートという形になり、ハリーの手が足りなければハリーを、セドリックの手が足りなければセドリックをといった感じだ。

教師役が三人ということもあって効率も上がり。殆どの人が“武装解除”“妨害呪文”“失神呪文”“盾の呪文”を中心とした呪文を身に付けることが出来た。その中でも特に秀でていたのはルーナとジニー、それにネビルで、特にネビルは今までの成績から考えるとかなりの上達ぶりを見せていた。これには当の本人も驚いているようで、呪文が成功するたびにはしゃいでいた。

 

 

とはいえ、全てが順調に進んでいるというわけでもない。今シーズン初めて行われたクィディッチの試合であるグリフィンドール対スリザリンでのことだ。グリフィンドールは、前キーパーであったオリバー・ウッドが抜けた穴にロンを加えて試合に臨んだのだが、スリザリンのロンを狙った悪質な応援によってロンの動きが固まってしまい、スリザリンに容易く得点を奪われてしまったのだ。それだけなら初試合ということもあるだろうし、状況が状況であるので問題はなかっただろう。問題は、ハリーがスニッチを取って試合が終了した直後に起こった。スリザリンのビーターとして今年からチームに加わったクラッブが、試合終了後にハリーを狙ってブラッジャーを当てたのだ。そこからマルフォイが挑発で畳み掛けて、ハリーとジョージがマルフォイへと暴行するに至ってしまう。この件で、二人に罰則を与えようとしたマクゴナガルの処置にアンブリッジが新たな教育令を携えて介入し、ハリーとジョージ、さらにフレッドの三人をクィディッチのプレイから永久禁止という処罰にされてしまったのだ。対してスリザリン側には、罰則は与えられたものの、書き取りという、あってないような罰則だった。

 

また、ハグリッドが騎士団の長期任務から帰還したことでホグワーツを騒然とさせた。というのも、ハグリッドの全身―――特に顔に重度の怪我をしていたからだ。私はハグリッドが騎士団の任務で巨人族の集落へと赴いていたということを知っているために、ハグリッドの怪我の理由もある程度はわかるのだが、そうでない生徒は新学期が明けても姿を見せなかったハグリッドが怪我を負って現れたということに驚きを隠せないようであった。

ホグワーツに戻ってきた以上は職務に復帰するということでもあり、今まで魔法生物飼育学の代理を務めていたグラブリー・プランク に替わって授業を行った。当然、その授業にはアンブリッジが査察に訪れたようで、そのとき授業を受けていたスリザリン生からあることないことを聞き出していたらしい。

 

 

 

クリスマス休暇前の最後のDA会合では、今までやってきたことの復習を行った。次は休暇が明けてからになるので、三週間も空いてしまうことを考えれば、新しい呪文を習得するよりも、今までに身につけた呪文を確実なものとすることの方が有効的だという判断だ。

訓練は滞りなく終わり、メンバーが順番に帰っていく中部屋の片づけをしていると、背後に気配を感じたので振り返る。

 

「ネビル? どうしたの?」

 

振り返ったところにいたのはネビルだった。部屋を見渡しても誰も残っておらず、私とネビルしかいないようだ。

 

「えっと―――アリスにお礼が言いたくて」

 

「お礼?」

 

「うん。僕がこんなに魔法を身につけられたのはアリスのお陰だと思ってる。勿論、ハリーやセドリックにも感謝しているよ。でも、僕の中では、やっぱりアリスに教えてもらえたことが大きいんだと思う」

 

「そういえば、ネビルってよく私のところへ来ていたけれど、ハリーやセドリックの方にはあまりいっていなかったわね」

 

ネビルの言葉に訓練風景を思い返しながら答える。ネビルは一つの呪文を習うにあたって、常にというほどではないが、他の人と比べると私のところへと来ていた気がする。

 

「うん。アリスはハリーとセドリックの両方のサポートをしていたから、それなら出来るだけアリスの指導で教わりたかったんだ。ハリーもセドリックもとても魔法が上手だったけど、魔法を使う感覚とか違うと思って。それなら、出来るだけアリスに教えてもらったほうが、その、効率よく上達できると思って」

 

なるほど。確かにネビルの考えは正しい。魔法というのは体系化されているので誰が使っても技術に大きな差は生じない。だが、いくら体系化されていようと、それを使うのは人間だ。この世に同じ人間がいない以上、魔法一つ使うにもその人特有の感覚があるのは当然といえる。ハリーに教わった魔法行使のコツや注意が、セドリックと同じものであるとはいえない。それならば、最初から最後まで一人に指導を受けることで感覚を統一するというのは、間違いなく賢いやり方だ。それに加えて、私も出来るだけ相手に合った感覚を見つけ出して教えていたので尚更だろう。

 

「ふふっ―――そう、そういうこと。ネビルもよく考えているのね」

 

思わず笑みがこぼれる。今までの訓練を思い返しても、ネビルと同じ考えを持った人は誰もいない。あれだけの人が集まった中で、普段劣等性として認識されているネビルだけが、誰よりも効率のよい訓練をしていたというのは、実に面白いことだ。

 

「うん。本当、僕にしてはよく考えたことだと思う。でも、そのせいでアリスに余計な負担を掛けてしまったんじゃないかと思ってたんだ。でも、それで謝るのは、ちょっと違うかなって思って。だから、お礼を言いたかったんだ―――ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

本当にネビルは成長したものだと思う。初めてホグワーツ特急で会った時は、ペットのトレバーが逃げただけで半泣きだったのに、今では誰よりも早く力を身につけている。といっても、それは今まで身につけてこれなかったことを急速に身につけているだけであって、早いうちから力を身につけていたハリーやハーマイオニーと比べるとまだまだであることは確かだ。でも、このままの成長速度で力を身につけていけば、そう遠くないうちにハリーやハーマイオニーを超えることも出来るのではないかと思う。

 

「ん?」

 

話が一旦途切れると、頭上から植物の枝や蔦が生えてきていた。それはよく見るとヤドリギで、私とネビルを囲むように垂れ下がっている。

 

「―――ッ!?」

 

「?」

 

何かネビルが顔を真っ赤にして固まったけど、どうしたのだろうか―――ん?

 

「雪?」

 

ヤドリギが生えた次には雪が降ってきた。ふわふわした雪がゆっくりと降ってくる。不思議と冷たさを感じないのは、この雪が恐らく必要の部屋によって再現されただろう雪だからだろうか。

 

「ア―――アリスッ」

 

ネビルに話しかけられて上に向けていた視線を戻す。何やら決意をしたような覚悟を決めたような、そんな雰囲気を感じさせる顔をしているけれど―――そういえば、クリスマスの日にヤドリギの下では異性に対してキスしてもいい、何てことを聞いたことがあったが。てっきりマグルだけのものだと思っていたが、まさか魔法界でもそうなのだろうか?

ということは―――。

 

「ア、アリス。その―――前から、き、君のことが―――す、す……」

 

あれ? 違う?

てっきり、状況的に考えてキスをしてくるのかと思ってたけれど、これはむしろ―――。

 

「――――――好きなんだ!」

 

「―――ふぇ?」

 

すきなんだ?

スキナンダ―――数寄―――隙―――好き?

 

「あの日、汽車の中で君に初めて会って、嫌な顔一つしないでトレバーを探してくれて。その時からアリスのことが目から離れなくて。アリスのことを考えてると胸が熱くなって」

 

何かネビルが恥ずかしい独白を続けているけれど、止めるタイミングを逸してしまったせいで、止めるに止められない。

 

「それからは、あんまり話す機会もなかったけど、去年のパーティーでアリスと踊って、話して。やっと自分の気持ちに気づいたんだ―――アリス、君のことが好きなんだ」

 

「あー、えー、まぁ。その―――うん」

 

なんて答えたものか。生憎とこういう経験が一切ないために、どういった反応をすればいいのか分からない。とりあえず、何かしらの返事はしないといけないんだろうけど。

 

「へ、返事は今すぐじゃなくていいから! ぼ、僕の気持ちだけ知っていてくれれば、今はそれだけでいいから―――そ、それじゃ! おやすみ!」

 

私が何て答えるか思考をフル回転させている間に、ネビルは物凄い速さで部屋から出て行った。残された私は呆然としながらも、とりあえず時間も時間なので寮へと戻っていった。

 

―――気温は凍えるほど寒いのに、顔だけはやたら熱を持っていたが、それは出来るだけ気にしないようにした。

 




【高等尋問官】
アライグマの威を借る蛙
[アライグマ→ご機嫌伺う手もみ的なアレ]

【罰則ハリー】
優秀なんだ。
優秀なんだけど―――堪忍袋の緒が切れるのも優秀なんだ。

【防衛術の先生】
この作品で実力と知識があり、主人公組みとそれなりの仲であれば、避け得ぬこと。
トラックに轢かれたら転生するくらいには当然のこと。

【アリスの手作り解毒薬】
残念ながら非売品。
真実薬のみならず色々な魔法薬に対して解毒してくれる。現状、アリスの奥の手の一つ。
いつか解毒効果の後に幸運を招くようになるかもしれない。だって、毒盛られるって状況は結構ヤバイと思うんだ。そんな状況から逃れるには運が必要なのは確定的に明らか。

【スネイプン先生】←誤字にあらず
アリスへの疑惑の視線。
でも責めないで! スネイプンは誰よりも命を張ってるんだから!

【パチュリーが逃げた】
逃げたパチュリーを捕まえるのは、逃げられたor倒した伝説(スイクン系じゃなくサンダー系)のポケモンを正攻法で捕まえるくらいの難易度。

【上海】
シャンハーーイ!!

【認識阻害的魔法具】
ハイレベル魔法薬を作ったアリスからすれば、この程度は朝飯前。
スキル化すれば[道具生成A]ぐらいにはなりそう。

【アリスお手製 魔法の羽根ペン&羊皮紙】
正式名称:自己強制証文(セルフギアス・スクロール)
専用の羽根ペンを使うことで、使用者の血をインクとして使用する。当然ながら無痛。
魔術的記述? 隠蔽しない状態で使うわけがない。

【呪文の補足説明】
ハリーの説明に加えて補足を加えるアリスとセドリック。
しょうがないじゃない! 基礎知識に差がありすぎるんだもの!

【本の虫 > 忍びの地図】


【ドラコ・マルフォイ】
「ふぉい~ん」
「違うっさ! ふぉい~ん じゃなくて にょろ~ん さ!」
「―――ふぉい~ん」
「……にょろ~ん」

【ネビル・ロングボトム】
これが”反逆”のもう一つの意味だ。
―――アリスへの告白を許可してやったぜ! 凡人には出来ないことをやってくれる。それがネビル・ロングボトムである!
思えば、汽車の中で二人を初めて邂逅させたのは、全てこの瞬間のためだったのかも(大嘘)。

雪降るヤドリギの下である故に、キスも許そうかとおもったが、残念なことに物語の中ではクリスマスではないし、現実でもクリスマスではない。よって却下した。
残念だったな、ネビル。あと一日遅ければ考慮してやったものを!

【アリス・マーガトロイド】
・「―――ふぇ?」
・内心焦ってる
・赤面

さて―――どう収拾をつけたものか。
あっ、ネビルに対して呪詛は送らないようにお願いします。

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