トリガー使えば『宝具擬』が可能な説   作:癒しを求めるもの

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お久しぶりです<(_ _)>

久々にサイト開いたら感想に続きを、とあったので現実逃避気味に書きました。
息抜きのつもりですが頭痛によりナーバスな中書いたので「何的外れなこと書いてんだコイツ」と思ったら言ってください。<(_ _)>

では|ω・)




高所恐怖症になる『壇ノ浦・八艘跳』

 

最近、僕は自分が変化しているとよく実感する。

 

特に趣味について。

これまで無趣味な面白みの欠けらも無い男だと心の中で公言しているが、果たしてそうだろうか。

勧められたとはいえ始めたFGOは、気がつけば配信されたストーリー及びイベントはクリアしていた。しっかりキャラ育成も行い、シナリオまで読んでいた。

 

果たしてこれは趣味だろうか?

 

僕にとっては暇つぶしだったが、今は宝具の模倣をすることを楽しみにしている。楽しみにしていることは趣味なのか?いや、そもそもこれはボーダーの活動中の延長だ。趣味ではない。しかし、別に宝具に拘らなくても、むしろ拘らない方が現実味のある開発ができるのでは?趣味じゃないな。でも、趣味じゃないとするなら趣味以外に当てはまる言葉が見つからない。ならば趣味じゃない?いや、話の流れでは趣味になる。間違えた。いやいやでも………

 

うむ、わからない。

とりあえず、僕の無趣味な男は嘘だという証明は出来なかった。

しかし、僕の思考が昔の仕事一色のものから一変した柔軟なものになっていることは示せただろう。

 

 

では次。

 

趣味関連で例え話をしよう。

前世で新入社員の紹介があり新しく二人がやってきた。

『そーっすねー、ゲームが趣味っすかね草』と自己紹介をする新人がいた。

最後の草が物語っている。

彼は陽キャと呼ばれる人種だ。

昨晩の残業を言わせない笑顔で大人の対応をした僕の頭には、彼が言うゲームとはサッカーゲームなのだろうと感じた。

だって金髪だったし。オールバック完璧に固めてたし。

ちゃんと仕事してくれるかと不安だった。

 

しかし、次に自己紹介を始めたもう一人の新人は『えーと、その、自分はゲームが趣味です、はい』と言う。

前後の反応でわかる。

彼は陰キャと呼ばれる人種だ。

下手に会話をして嫌がられないよう気をつけながら、彼が言うゲームはギャルゲーなのだろうと思っていた。

だってオタクだし。ぼさぼさ頭のメガネだったし。

まあ、真面目に働いてくれるだろう。

 

 

だが、そんな予想とは裏腹に、前者の新人は様々なゲームに手を出していて、後者の新人は銃撃戦だけを好んでいた。

 

金髪くんは優秀で、僕が頼むことは最後まで責任をもって取り組んでくれるいい新人だった。その優秀さを買われて上の会社にハンティングされていた。

逆に、オタク君は酷い。入社数ヶ月で慣れてきたのか態度が大きくなっていた。仕事を任せると嫌な顔をしてやりますと言う。振り返った時には舌打ちが聞こえ、仕事が間に合っていないじゃないかと問えば逆ギレされた。

 

 

つまり、ここで僕が言いたいのは、趣味とは相手に対して自分を知ってもらう手段にすぎないのだ。

しかも、今回のように相手の人物像を読み違えることもしばしば起こえる。

 

 

そうなると自己紹介に意味はない。

 

 

必要ないったら必要ない。

 

 

『ふふふ、笑顔の練習をするますたぁは可愛かったですよぉ?』

「…そもそも、何故英語の授業の、しかもこの時期に自己紹介をしないといけないんだ」

『より高度な英文を使った高校生らしい内容ですよぉ?』

「…笑顔を作るのは高校生らしい内容なのか」

『小学生で身につきますぅ』

 

 

基礎ができていないとね、分かります。

 

このように、昔は社交辞令として覚えた笑顔がなくなった。

全く仕事しない表情筋を羨ましく感じるが、働かなかったらそれはそれで面倒ごとは必ず付きまとうと僕は知っている。

 

今日も、海外経験のあるネイティブな発音をする先生にとてもとても目を合わせられながら笑顔の練習をさせられた。

正直、元社会人の僕にとって二度目の高校生は辛いものではない。そこそこの大学に行って勉強はそこそこできていたため苦労は特にない。むしろ優秀と言われるくらいだ。

だから、今日は久しぶりに疲れた。授業は一時限目しか受けていないのに。

 

 

『防衛任務を平日の午後に入れても学校側が何も言わないのはますたぁの人格ですねぇ』

「…学校が僕を見ていないということだ」

 

 

ほんと、こっちはサボる気満々なのだが教師は何も言わない。

大人しく成績も優秀。

 

見せかけは大事なのだ。

だから前世の偽オタク君。取り繕わないと昇進できないぞ!これこそ大人の社会の常識だ。

 

 

『何だかんだ言って、結局ますたぁは真面目なんですよぉ』

 

 

やれやれ。

出会って数日で僕を理解することなど難しいのだ。

 

 

「…僕は本心で楽をしたいと思っている。真面目にしているのは周辺が慌ただしいだけだ」

 

 

───ピクっ

 

どうやら自分でフラグを建てたらしい。

サイドエフェクトが反応している。

 

 

それも、珍しく全身を駆け巡る特大の厄介事を知らせる感じがする。

 

 

足を止めた僕は携帯を取り出して連絡を待つ。すると数秒後、忍田本部長から着信が。

 

 

「…ネイバーですか」

『察知したか。阿宮、今何処にいる?』

「…ウチの高校からボーダーに向かう道の中間です」

『やはり君が一番現場が近い。中学校へ向かってくれ。イレギュラーだ』

「…了解」

 

 

即座にトリガーを使い、目的地を目指す。

 

 

「…ダイヤ。お前はこのイレギュラーな(ゲート)について知ってるか」

『ごめんなさいぃ。私ぃ、本国の情報は基本的なことしか知らないんですぅ』

「…いや、むしろ嫌なことを思い出させてすまなかった」

 

 

走り出した僕の後ろに引っ付いている自立型ブラックトリガーのダイヤは近界(ネイバーフッド)のものだ。

故にいくつかの情報を事前に聞いていた。もちろん、彼女をブラックトリガーに変えた───アフトクラトル───その情報も。

虫酸が走る話だが、実験体とされてきたダイヤにはアフトクラトルの詳しい内部情報は伝わらない。

故に今回の襲撃の真髄はわからないとのこと。

そして、当時を思い起こす質問をしてしまったことに謝罪した僕に対して、ダイヤはねっとりとした笑い声を漏らしていた。

 

 

「…阿宮、もうすぐ到着です」

『先ずは学生及び教職員の避難を優先してくれ。今、嵐山隊が向かっている』

 

 

トリガーを使ったため連絡に携帯はいらない。

インカムから本部に連絡を取ると市民の避難を優先とのこと。

しかし

 

 

「…ネイバーが一体倒れてます。他の隊員は?」

『何っ?阿宮以外に隊員は到着していないはずだ』

「…報告は後で」

 

 

校門に着くと多くの学生が避難をしている。

事前に出現したのは二体のモールモッドだと聞いていたが、これまた何故か一体はトリオンが体から漏れて動いていないのを目視で確認した。

これを倒したのは誰か、という追及は後でいい。

 

今は任務を遂行するだけだ。

 

 

「…ボーダーの者です。中に残っている生徒はいますか」

「あ、あの!同じクラスの、三雲君が!残ってネイバーの足止めを……!」

「…三雲?」

「ボーダーに入ったばかりだったはずで……」

 

 

僕の質問に、一人の女子中学生が答えた。

彼女の言葉が本当ならば、その三雲君というC級隊員が今現在ネイバーを相手しているのだろう。

……いくつか思うことはあるがこれも置いておく。

 

 

「…了解した。君も早く避難を。情報感謝する」

「は、はい!三雲君をお願いします!」

 

 

息がまだ整っていないのか、女子中学生は顔を赤くして避難を再開した。

 

ちょ、ダイヤさん僕の服の中に隠れるのはいいですけど羽でつんつんしないで。先端意外と痛いです。

 

 

『…まぁ、夢見る少女にとって理想の展開ではありますねぇ』

「…何の話だ」

『とにかくぅ、今ぁ、私は激おこなのでぇ力は貸しませんよぅ?』

「…もとよりそのつもりだ」

 

 

そう言うとダイヤはふーん、と言って黙ってしまった。

 

さて、もたもたしてられない。

 

速攻で処理しよう。

 

 

「…見つけた」

 

 

人影とともに、モールモッドの姿を発見した。

場所は校舎の二階。

わざわざ階段を登る必要は───宝具と認定された奥義には必要ない。

 

一瞬。

 

そう、一瞬でその身体を真っ二つにしよう。

 

 

「…グラスホッパー改」

 

 

標的との距離は約100メートル。

その間に二つのグラスホッパーを設置した。

しかし、ただのグラスホッパーじゃない。珍しく実用性を考えて編み出した強化版グラスホッパーだ。

 

孤月を手にした僕は刀を構えて足場を整える。

初動に準備をかけるようじゃこの奥義は腐ってしまう。

瞬く間に標的を倒す流れを完成させた。

 

 

「……っ!」

 

 

そして、グラスホッパーに足を乗せる。

 

すると、全身に強烈な風圧が襲う。

 

そう。このグラスホッパー改は試作した結果、制御が困難としてお蔵入りしようとしている。

跳躍力が増したことで移動速度は上がったがその分身体への負担が大きく、そしてバランスを崩しやすいのだ。

 

 

───だから、僕はグラスホッパー改を二つ用意した。

 

ギリギリだったが二つ目のグラスホッパーの上に来た。

後は、二つ目を蹴る僅かな間に態勢を整えればいい。

相手との距離は──5メートル。

 

右手に携えた孤月の剣先は相手を貫かんと補足し、肩付近にまで手を引いて貫かんと力を蓄える。

 

モールモッドが二人の学生──片方はトリガーを持っているがトリオン体ではなく、もう片方は白髪赤目でこんな状況なのに落ち着いている───に注目しているが、例え僕の方を見ていたとしても、今の僕の動きを捉えることは出来ないだろう。

 

一瞬、気のせいかもしれないが白髪の学生と目が合ったことに驚きはしたが、これで留めだ。

 

 

「…『壇ノ浦・八艘跳(だんのうら はっそうとび)』」

 

 

彼の有名な源義経──幼名、牛若丸の逸話を元に生まれた宝具に認定された奥義。

八艘跳してないじゃんというのはなしにして、その出力は強大だ。

 

グラスホッパー改により敏捷を上げた一撃はガラス窓を突破して易々とモールモッドの身体を真っ二つにし、加速しすぎた僕は壁に激突する前に何とか止まることができた。

 

いやー、やっぱこれ失敗だわ。扱いずらい。あと空中に放り出されるのとか怖すぎる。

高所恐怖症になるわ。

 

 

先程までとは打って変わって静まった学校の廊下。

黙ってこちらを見る二人に気遣い、僕は尋ねた。

 

 

「…無事か、少年」

 

 

なんか、迅さんみたいで鳥肌たった。

 

あ、別に迅さんを馬鹿にしたんじゃありませんよ?ホントホント。

 

 

 

 




牛若丸かわゆい(・ω・)

次回の更新は………下手したら受験が終わる来年?

一応、受験生なのです。

はい、勉強します。

リメイク予定ですがこっちの更新も必要?

  • 必要!
  • いらない!

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