Kozmoのわくわく世界旅行記   作:ごと

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第10話 「因縁の奴」

 

「いやーあいかわらず工場しか見えないわねそもそも天使の国って直接行けるの? 間に何個国があるかくらい聞いておけばよかった!!」

 と、今更自身の行いを反省し始めたドロッセルに対し、別の意味で驚いていたのはスリップだ

<え? お嬢? もしかして知らないんすか? この世界の構造>

 はえ? 構造とはなんぞやという顔のドロッセルに対し説明するスリップ

 どうやら、この世界は各種族達が自分達で管理する国家の別に魔法罠や誘発などのどこにも属さない汎用札が暮らすセントラルという空間があり、そこを中心として周りに各種族の国があるのだ

<つまり、国の端っこに行けばとりあえずセントラルに着くはずなんで、そっからすぐ天使族の国に行けるはずです>

 ふーん、そうなんだ

 と納得したのか理解できてないのか、とりあえずそんなに遠くないということはわかったようである

 というかここまできてようやくそういうことが固まったらしい

 

 とかなんとか言ってるうちにとうとう端っこまで到達したようで、なにやら巨大な門の前にモンスター達が集まっている

「お、お願いします! 門を開けてください」

 

「すまないね、最近は治安が悪くて多種族間の交流は制限させてもらっているんだ、ある程度実力のあるテーマじゃないと通すことはできない」

 そう答えるのはかつて機械族デッキに100%に近い採用率を誇っていたマシンナーズフォートレスその人である

 まさに門番役にはピッタリだ

 

「ねぇ、通してもらっていいかしら」

 

「君は.kozmo-ドロッセルさんだね

 うん、"kozmo"なら大丈夫だろう、サイバーシティからも許可は下りているし、通っていいぞ」

 なんとあっさり行くものか

 というかここでも手を回してもらっているとはサイバーさまさまである

 

 分厚い門が開き、そこを通った先には様々な魔法罠・誘発カード達が通りがかる強豪デッキ達に自らを売り込み、デッキへの採用を狙っていた

 その声は当然ドロッセルへもかかる

 

「お! 君はkozmoだね、僕を入れないかい? 僕の天使の羽なら君をもっともっと輝かせられるよ!」

 

「オネストはもう入ってるわ」

 これまでも何度となく使用している

 実際優秀である

 

「それなら私はどーお?」

 

「うららを入れるスペースなんてないわ」

 実際貫通されまくるし1枚で足りないなら使う必要も薄い

 

「じゃあ私だ! 妨害だけでなく君のデッキのギミックとも相性がいい!」

 

「抹殺の指名者ねぇ〜

 妨害にも使える上に、棺と違って速攻だし悪くはないんだけど効果発動できないのがねぇ〜」

 かなり迷った

 というか採用していた時期もあったが、墓穴で十分なのと、やはり完璧に相性がいいとまではいえないのがマイナスである

 

 

「じゃあ俺を!」 「いやいや僕を!」

「私をデッキに入れてみな!」

 etc.

 ここまでくるともはや活気があるというより鬱陶しいだけである

 流石にげんなりしたのか、最後はいらん! と一喝した後話しかけるなオーラ全開でセントラルの中央へと進むドロッセル

 

 と、その道中で少しばかり因縁のあるカテゴリを見かけたようで、すぐさま呼び止める

 

「ねぇ! ちょっとそこのあんた! ツラ見せなさいよ」

 声をかけられた主は怯えた様な声を出すと、ドロッセルの前へと出てくる

 

「は、はぃ

 な、なんでしょうか.」

 巨大な刃を獲物とし、サラブレッドの様なしなやかな身体を持つ青年、"十二獣サラブレードである

 あるはずなのだがどこかやつれた様子で、かつて環境を荒らしに荒らした姿はどこにも見えない

 

「あんたなんでこんなとこにいるのよ

 もう汎用でもなんでもないでしょ、あんた達のこと嫌いだから早く獣戦士のとこに帰りなさいよ」

 

 〜ここからリアル話です〜

 酷い言い草であるが、彼女が十二獣をここまで嫌うのには理由がある

 まず、ここまで彼女達"kozmo"というカテゴリについて整理しよう

 2015年7月の海外版クラッシュ・オブ・リベリオンにて初登場し、2015年10月制限頃から翌16年9月の制限まで環境トップを走り続けた等海外で圧倒的な実績をみせていた

 こうした背景から昨年の彼岸と同じ様に来日したら

「環境トップ間違いなし!」 「俺kozmo組むはwww」

「もうこれ無敵だろwwww」

 と、このようにネットの住人からも圧倒的な支持を受け、誰もがエクストラパック2016で来日した"kozmo"が環境を支配すると信じていたのだ.

 彼らの情報が出るまでは

 

 時は過ぎてエクストラパック発売日が近づいた2016年9月某日、とあるカテゴリの情報が公式Twitterより公開された事で彼らの輝かしい未来は狂ってしまう

 10月8日発売のレイジングテンペストで初出した"十二獣"である

 彼らの出現を受けてネットの住人の反応は冷たかった

「環境トップ間違いなし! kozmo? 相手にならんわ」

「俺十二獣組むはwww」「kozmoとかオワコンww」

「もうこれ無敵だろww」

 と、手のひらを返したようなバッシング

「出てくる前が一番盛り上がった」

 9/10と10/8という発売日の差から

 "1ヶ月天下" "暫定王者" "王者がいない間にイキッてただけ"

 などなど、実際汎用性の塊な十二獣の前に手も足も出ず負けてしまった為こうした汚名を払拭することも出来ず、一応ちょこちょこ入賞していたものの環境からは一歩後退した位置に甘んじ、かたや十二獣は最強の汎用ギミックとして大暴れしていくのであった

 

 

 .が、そんなのはもう過去の話

 今はもう汎用札でもなんでもなく、十二獣から十獣へとダウングレードした彼らをサブギミックとして使うようなデッキはないはずだが、何故ここにいるのか

 そんな疑問に答えるようにサラブレードが口を開く

「僕達もモルモラット制限・ドランシア禁止・ブルホーン禁止・会局禁止によって汎用の役目を終えて獣戦士族の国へ帰ろうとしたんですが.」

 ほわんほわんといった擬音が聞こえてきそうな感じでうまーく回想フェイズへと移行する

 

「は? 今更どのツラ下げて帰ってきてんだよ!」

 

「ブルホーンの禁止も! 炎舞-天キが規制されたのも! お前たちのせいだろ!」

 

「俺たち獣戦士族の国にお前たちの居場所なんてないんだよ!」

 

 ほわんほわんほわんほわんという擬音とともに現実へと引き戻す

「と、まあこんな感じで国に居場所がなくて」

 覇権を取ったカテゴリのなんと悲しいことか、やはり彼らの活躍の裏で厳しい規制を受けた獣戦士族達の恨みは深かった

 その点では登場直後に十二獣が来たため環境にはいたがさほど目立たずカテゴリ内の規制が一切なかったkozmoは美味しい立ち位置だったと言えるだろう

 その上、こんな話を聞かされた大体のカテゴリの反応は以下の通りである

 

「あっはっはっはっはwwww

 ざまぁぁwwwwww調子に乗って環境を好き勝手してる天罰だろwwwwww」

<全くもってその通りっす! 同情の余地ナーシwwwwあんだけ巻き込んで規制受けたら当たり前だろうがwww>

 

 惨めな姿を晒しても結局同情はしてもらえない

 実際巻き込んで規制された数多のカード達を見渡せば当然といえば当然だがまあ悲惨といえば悲惨な末路である

 最もドロッセル達に取ってはただの笑いの種でしかなかったようだが

 

「うぅ.誰に話したっめ結局そうやって馬鹿にして笑うんだ.

 たしかに僕達は暴れたけど出張してたのは糞鼠と蛇とエクシーズ体だけで僕らはそもそも使われず、それなのにヘイトだけは受けるなんて酷いよ!」

 普通に正論をぶちかますサラブレードに対して流石に悪く思ったのかバツの悪い顔を浮かべると口を開く

「はぁ〜しょうがないわねぇ

 言うて私も一時期真竜十二kozmoを組んでたし、あんた達が獣戦士族の国に帰れる様にしてあげようじゃないの!」

<え!? 天使族の国はどうするんすか!? >

「だってこっちの方が沢山のデッキと戦えそうじゃない? 十二なんて認められるかー! って襲ってきそうだし」

 

 決闘をする為の理由付けの為に十二獣を利用すると言うむしろ彼女こそが巨悪なのではないかと思うような邪悪な思惑を堂々と話すとサラブレードに向き直る

 

「と、言うわけであなた達を国に帰してあげるわ! 

 ただし! それはそれとして今のよわーいあんた達をボコして積年の鬱憤を晴らすからデュエルよ!」

 

「本当ですか! ありがとうごz.なんて?」

 お手本のようなリアクションとともに開いた口が塞がらないようすのサラブレードをよそにデュエルディスクをセットするドロッセル

 

「さっさとしなさいよ! これはあれよ! 禊よ! 私が勝ってあんた達の罪を赦す、これはその為の禊よ!」

 もっともらしいようなそうでもないような御託を並べて更に急かすドロッセルに、まるで死人のような目を浮かべながらデュエルディスクをセットするサラブレード

 まるで、始まる前から勝負が決まっているかのようだった

 

「決闘!」 「でゅえる.」

 

 十二獣-サラブレード

 vs

 kozmo-ドロッセル

 

「あ、あの〜

 僕達後攻からワンキル狙いに行きたいんですけど.」

 

「は? このゲームは先行有利なのよ? やさし────ーい私が譲ってやってんだからさっさとしなさいよ! 文句あんの?」

 モルモラット・会局の規制によって展開力を削がれ、サラブレードの効果(正確にはサラブレードを素材にした十二獣xyzモンスターの効果)を軸にワンキルを狙いに行く構築なのだが、ドロッセルの"優しい優しい配慮"によって先行を押し付けられてしまう

 

「うぅ.それじゃあ僕は手札から炎舞-天キを発動して十二獣ヴァイパーを手札に加えます」

「そして十二獣-クックルを通常召喚、そのままハマーコング→ワイルドボウの順でエクシーズ召喚

 最後にカードを2枚セットしてターン終了です

 

 サラブレード 手札:2枚 場:ワイルドボウ(素材2枚) 伏せ2枚

 

「ふーん、フカシかと思ってたけどどうやら先行展開は本当に不得手になってるようね」

(とは言っても地味に厄介ね〜、手札にヴァイパーは確定してるし素材にしているクックルの効果で対象に取るモンスターの効果は無効にされてしまう

 サイドラとかブラホとか引けないかな〜)

「私のターン、ドロー

(引けてないしーめんどくさすぎー)」

 露骨に不機嫌な顔を浮かべたかと思うと展開を始める

 

「最初にダイナレスラー・パンクラトプスを特殊召喚」

「その後手札からフォルミートを通常召喚し、そのまま効果を発動するわ」

 

「チェーンはありません」

 

「じゃあ効果でkozmo-エルファイバーが着地して、バトルフェイズへ移行する!」

「とは言ってもやる事は変わらないしパンクラの効果を発動! 自身をリリースしてワイルドボウを対象にとって破壊する」

 

「うーやっぱりそうきたか

 僕はクックルを素材に持つワイルドボウの効果を発動! ORUを1つ使い、その効果を無効にします」

 

「では更にその効果にチェーンしてエルファイバーの効果を発動! ライフを1000払い、その効果を無効にして破壊させてもらうわ!」

 エルファイバーの暗黒のフォースがワイルドボウを包み込み、そのまま消し去っていく

 これこそが相手のモンスターの除去を念頭に置き、2段重ねの除去によってヴァイパーを使われる事なく相手モンスターを破壊してダイレクトアタックを通せる状況を作った戦術の賜物である

 しかし、まだサラブレードの手札にはヴァイパーが見えている他、2枚の伏せも健在である以上油断はできない

 

「それじゃあエルファイバーでダイレクトアタックしてバトルフェイズ終了

 そのままターンを終了するわ」

 

 サラブレードlp 5800

 

 ドロッセル 手札3枚 場 エルファイバー

 伏せナシ

 

「それじゃあ次は僕のターンだ

 ドローします」

「手札から十二獣ヴァイパーを召喚! 

 そのまま一体でエクシーズ召喚をタイグリス→ワイルドボウ→ライカの順で行います」

「そしてバトルフェイズへ移行します

 十二獣ライカでエルファイバーを攻撃します」

 

 攻撃力の低いモンスターでの攻撃

 ドロッセルもよくやるこの手のコンバットトリックは、当然後手型デッキである十二獣でも成立する

 

「そして、攻撃宣言時に罠発動"十二獣の方合"! 

 その効果でデッキから十二獣サラブレードをライカの素材とする! 

 それによってライカの攻撃力は天キの100とヴァイパーとサラブレードの合計、2900となる」

 罠によった強化により、エルファイバーをすり抜けてその攻撃力を上回り、手にしたチャクラムから強力な一撃が振り下ろされる! 

 

 

 この一連の流れはkozmoお得意のオネストと比べて明確な違いがある

 確かに罠による打点強化によってエルファイバーの効果はすり抜けることが出来る

 しかし、方合の効果はあくまでデッキからエクシーズ素材を増やす効果であって打点強化は間接的なものに過ぎない

 つまり、ダメージステップには発動が制限されることとなり、それは当然"チェーンが可能である"ことを意味している

 

「ふふふ、詰めが甘いわね

 ダメステじゃないパンプなんぞ怖くもなんともないわ! kozmo-ダークエルファイバーの効果を発動! 自身を除外して手札からkozmo-ダークシミターを特殊召喚する! 

 当然巻き戻しの処理が起こってシミターの効果でライカを対象にとって破壊をするわ」

 

 ライカの攻撃が振り下ろされた時、既にそこにエルファイバーの姿はなかった

 代わりに現れたのは銀の機体に漆黒のフォースを放つkozmoのエース"ダークシミター"であった

 

「そ、そんな! 

 これじゃあもうどうしようもないです

 ターンを終了します」

 

「ふふんっ! キルラインに到達してないのに手札のリソースを切るのは素人、と、いうか十二獣なら方合は警戒するでしょ〜

 シミター握ってて倒しきれないなら握っておくわよ」

 

「残念だったわね! ここで決めさせてもらうわ私のターン、ドロー!」

 相手の行動を許さず、意気揚々とドローをしたところまではいいものの、相手のライフは5800、彼女の手札にあるエメラルドポリスを使用してフォルミート・エルファイバー・ダークシミターで攻撃したとしても合計攻撃力は500+2200+3000で5700となり、倒しきれないのだ

 手札にkozmoも握れず、ドロー札もない為に他の手段もなく、こういう作品で相手のライフを100残すことが怖すぎるのである

 ワンチャンとしてエメラルドポリスの1の効果でフォルミートを手札に加え、2の効果でフォルミートをデッキにもどすことでドロッセルか緊急テレポート(合計5枚)を引き込むことが出来ればゲームが終わるがそんな冒険は.とかなんとか言ってる内に気づく

 

(1.よくよく考えたら手札にツインツイスターがあるやん! 

 2.手札も都合よく3枚あるからポリスを切ることなく発動できるやん! 

 3.ポリス割ってドロッセル持ってこればそれで済む話やん!)

 気づきました、ワンキルルート

 ついでに相手の最後の伏せ札も割れるしこれは勝ったなと自信が満々な様子である

 

「待たせたわね! ちょっとめちゃめちゃかんがえてたわ! 

 早速手札のkozmo-エメラルドポリスを発動するわ!」

 と、脳内で考えた通りまずエメラルドポリスを発動する

 しかし、今まで使われてない伏せカード

 使われていないということは使う機会に恵まれなかったということである

 そして、今回のエメラルドポリスがドロッセルがこの決闘で初めての場に残るカードの発動である

 

 

「それを使われるわけにはいかないですよ

 速攻魔法発動! "コズミック・サイクロン"

 ライフを1000支払ってエメラルドポリスを除外します」

 サラブレードによって宇宙からの竜巻がkozmo達の街を襲い、異次元の彼方へと押し流す

 

「いや、それはマジでヤバイからダメ! 

 チェーンしてツインツイスター! 手札を一枚捨てて効果発動! 私のエメラルドポリスを対象に取って破壊する! 

 逆順処理によってチェーン3のツインツイスターの効果が最初に発動する為エメラルドポリスは破壊されるわ!」

 

 まさに間一髪のところでツインツイスターが間に合ってエメラルドポリスを除外ゾーンではなく破壊して墓地へと送る

 こうすることでなんとか効果を使用することが出来た

 

「いやー危なかった! 破壊されたエメラルドポリスの効果によってドロッセルを手札に加えて召喚

 後は殴るだけよ」

 これには対応できず、サレンダーを選択

 ここに、kozmoと十二獣とのわだかまりは(少なくともドロッセル側は)完全に解消されたのである

 

 ──────────────────────────────────────────────────────────────────────-

 

「で? 具体的に誰をぶっ倒すわけよ、月光? 炎星?」

 決闘が終わって、一呼吸着いた後

 サラブレードに詳しい事情を聞くドロッセル

 

 その話によれば獣戦士族は他の鳥獣族・獣族と統合されており、その中でも特に力の強い鳥獣族の"RR""BF" 獣戦士族の"月光" 各種族混合の"剣闘獣"が特に力を持っていること

 逆に力の弱い獣族を虐げていること

 十二獣が規制に追い込んだ天キやブルホーンなどのサーチ札が少ないことが今回の件の原因になっていると思われることを聞いた

 

「ふーん、じゃあそいつら全員ぶっ飛ばすわ

 あ、でも月光とやるときは私に後攻ちょうだいね」

 

「いや、それはちょっと.多分無理かと.」

 楽観的なドロッセルをみて、呆れると共に本当に故郷に帰してくれるかもしれない希望を胸に、こんな空気感もそれはそれでありなのかもなぁと思いつつドロッセルとサラブレードの旅が始まったのである

 そんなこんなで天使族は何処へやら、次回からは驚きの新展開! 

(鳥獣族・獣戦士族・獣族)混合の獣の国編!!!! です!!! 

 ちなみに水族・魚族・海竜族

 植物族・昆虫族・爬虫類族

 は一緒くただよ

 

 

 

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