前回、もっと強くなりたいという思いに支配され
この世界でも絶対的な強者であるドラゴン族に魂を売ってしまったサイバー・ドラゴンは
"鎧獄竜サイバー・ダークネス・ドラゴン"へと姿を変えてドロッセルへとリターンマッチを挑む
「フハハハハ、ドラゴン族の力を得た私はもはや無敵! 最高最強の"サイバー・ダーク"で叩き潰してやるわ」
ドラゴンの展開力が上がれば上がるほどドラゴン族を装備しその攻撃力を上げるサイバー・ダークにとって、
たしかに展開をドラゴンに任せ、サイバー・ダークは詰めにのみ使えば勝率は上がる
しかし、ただ一点"サイバー・ダークを使わない方が勝率はさらに上がる"ことに目を瞑ればだが
「わかったわ! そこまでいうならあなたのデッキを、私のkozmoで粉砕してあげる!
全力で来なさい」
先ほどマッチが終わったばかりだと言うのにすっかりと元気を取り戻したドロッセルはディスクを構える
「「決闘!!」」
「ははは!!! ドラゴンの力を得た我に後攻は不要だ! 我の先行! ドロー!」
「手札から化石調査を発動し、デッキから魂喰いオヴィラプターを手札に加える」
「魂喰いオヴィラプターを通常召喚し、効果でカーボネドンを墓地へ送る」
「カーボネドンの効果発動! デッキからガード・オブ・フレムベルを特殊召喚!」
.ここまでの展開を見てドロッセルは気づく
このデッキは"ドラゴンリンク"であると
"ドラゴンリンク"は現在環境の一角を成す展開系デッキであり、本来ならガンブラー・ドラゴンまで繋げ
展開途中で出すΩと合わせて5枚のハンデスを行う後手型デッキの天敵だが、このデッキがサイバー・ダークだとするとEXデッキ が合わない
一体どうなっているのか.
.とここまで思案していたドロッセルが盤面に目を戻すと、やはりと言うべきかドラゴンリンクではなかったことを知る
盤面にはハリファイバーを装備したサベージ・ドラゴンと攻撃力3200のアポロウーサが一体のみ
そして永続魔法の聖遺物の守護竜が貼られていることから恐らく最終盤面であることが確認されるが
"不純物がデッキに混じって いるせいで本来の展開を阻害しているためであろう
いくらドラゴンリンクが理論上手札1枚から先行6ハンデスが可能な展開力お化けだとしてもそのデッキの枚数を絞り
"不純物"を入れてしまっては動くものも動かない
その典型例と言えるだろう
「くそっ! なぜこの程度の盤面しか貼れない! ターンエンドだ!」
「私のターン、ドロー!
まずは強欲で金満な壺を発動するわ」
「待った! 使う! サベージの効果を使う! 強金の効果を無効にする!」
手札増強カードに対して焦り、すぐさま唯一の魔法罠無効効果を消費してしまうダークネス・ドラゴン
理想盤面から程遠かったことがよほどショックなのか、プレイングにも粗が目立ち始める
「まだ何が起きるかもわかっていない状況で唯一の妨害を切るなんて、話にならないわね、正直サイバー・ドラゴンの方が何倍も強かったわ」
ため息をつきながら心底呆れ返った様子で呟くと、自分の手札を見つめ、またため息をつく
「はぁー手札じゃ倒しきれないってさ、1ターン待ってあげるわ」
「私はアポロウーサをリリースして手札からガメシエルを相手の場に特殊召喚」
「その後シーミウズを召喚してバトルフェイズへ効果ですぐさまシミターを特殊召喚! その効果でガメシエルを破壊する!
その後シミターは攻撃力3700のサベージドラゴンへ攻撃!! 、当然破壊され、効果で自身を除外しドロッセルを特殊召喚!
もう一度サベージへ攻撃!」
「この瞬間! 手札よりオネストを捨てて攻撃力を3700アップする!」
「ドロッセルが戦闘ダメージを与えた為効果を発動! 500ライフを払いデッキからシミターを加える!
その後ドロッセルの効果でシミターを出してダイレクトアタックをしてバトルを終わるわ」
デストルドーを出してなくてよかったわね
サブギミックに縋るがあまりメインを疎かにし、結果盤面の格も落としたダークネスに対して厳しい言葉を投げかけるドロッセル
「私はこの後エメラルドポリスを発動し、ライフを800払ってシミターを手札に加える
ターンエンドするわ」
ドロッセル 手札1枚 ライフ8000→自殺分700+コスト分1300→6000
ダークネスドラゴン 手札4枚 ライフ8000→4500→3500
「クソが! なめやがって! このターンで決めてやる! ドローだ」
もう後のないダークネスは、もはや正常な判断を行えなくなっていた
彼の墓地にはたしかにドラゴン族は溜まっているが、肝心のサイバー・ダークがいない為自身を出すことは叶わない
そして、先行1ターン目のあの後、クイック・リボルブを使用していたため手札は4枚
そこからの立ち回りは
「手札からサイバー・ダーク・カノンを捨て、デッキからサイバー・ダーク・エッジを手札に加える」
「エッジを召喚してカノンを装備! バトルにはいって1200ダメージを直接攻撃で相手に与える!
この瞬間! カノンの効果でEXデッキからキメラフレシアを墓地に送る」
「その後サイバー・ダーク・インフェルノを発動して.ターンエンド!」
最早、形成は明らかだった
しかし、最後まで抵抗の意思を示すダークネスに対して遂にドロッセルが感情をぶちまける
「私のターン、ドロー」
「私はまずエメラルド・ポリスの効果でライフを300払って私を手札に加えるわ」
酷く冷静な初動、しかし
次の瞬間大きな声が響く
「あんたね! 此の期に及んでピーチクパーチクうるさいのよ!
やれドラゴン族が最強とか結局自分達の枠が圧迫して動けてないし自分にも相手にも迷惑かかってるって分かんないの!?」
「決闘ってのは競技なの! 真剣勝負なの!
相手とのギリギリの駆け引きの中で一手一手をみんな真剣に考えてるんだ!
自分の好きなカードで戦いたいだけの独りよがりな決闘なら壁とやってろバ──────カ!!!!!」
「自分の好きなカード使うなら勝てるように頭ひねって考え続けるんだよ!
逆立ちしたって勝てない相手に1%でも勝つ確率を上げるために考えるんだよ!それが決闘だろ!
思考停止して強いギミックに自分のカテゴリ突っ込んだだけの粗大ゴミに私たち"kozmo"が負けるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
感情の全てをぶちまけたドロッセル
決闘で世界一になるため、考察と研究を続け
使いたいギミックを我慢して勝利を追求し続けてきた彼女にとって思考停止のくだらないデッキなど許すことができないのだ
一方、ここまで好き勝手言われたダークネスは最早言い返す気力すら残っていないようだった
「はぁ、これで、終わりよ!
ドロッセルを召喚! 効果を発動してシミターへ! 効果でエッジを破壊!」
「エッジは効果でカノンを墓地へ送ることで破壊をまぬがれるためそのままバトル!
ドロー効果は勝手にやってなさい!」
「シミター2体で攻撃!
エッジ貫通分の2200とダイレクトの3000で私の勝ち! いいわね!」
常勝不敗
プレイングの巧さに加え、事故率の高いkozmoというデッキを安定して動かす構築力
そのどちらも彼女の凄まじい努力が支えていた
努力に裏付けされた自信
それこそが彼女の力の源だったのだ
≪ちょっとー負けちゃったよ?≫
≪まああのデッキじゃあそうでしょうよ≫
≪暇つぶしだと言ったのは貴様らだろう、もう帰るぞ、興味も失せた≫
また空から響く話し声が聞こえると、やがて消え
空には青空が戻り、サイバー・ドラゴンも正気に戻っていた
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「ご迷惑をかけたようだね、ドロッセル君
大変申し訳無い気持ちで一杯だよ」
「ほんとっすよーオレなんて台詞すらなかtt「スリップうるさい」
スリップライダーの茶々を軽くいなし、サイバー・ドラゴンへと向き直る
「それで、あの変な空のモヤモヤはなんなんですか?
取り憑かれたようになってましたけど」
「ああ、アレはドラゴン族だよ
今この星は絶対的な環境と呼ばれる者が不在でね、各地で激しく争っているんだ」
「普段は我々や閃刀姫など強豪カテゴリが守っているのだが.君との決闘に負け、精神が不安定になっているところを狙われてしまったようだ」
すまなかった、と再び深く頭を下げるサイバー・ドラゴン
「事情はわかったわ! それじゃあ私達も旅を続ける間に戦ってる奴らを見つけたら片っ端から喧嘩売ってやめさせるわ!!!」
本当にわかっているのか、的外れな回答をしたあとすぐにスリップへと乗り込む
「いや、そういうのはちょっと.」
言いかけたサイバー・ドラゴンであったが
彼女は既に地平線の彼方へと消えていた
自由気ままな様を見て、彼はもしかしたら彼女なら本当に片っ端から倒して世界を平定するのではないかという思いを抱き
地平線の彼方を見つめるのだった
次回! ようやく日常回!!!
機械の国だけど機械族じゃないです
サイバー・シティを後にしようとしたドロッセル達! しかしどうやらシティへの出入国には手続きが必要のようで.!?
次回! 第5話「お前ら機械じゃないじゃん」
ダークネスの先行1ターン目の展開として、あの形にするだけならいくらでもできます
ガチのドラゴンリンクに比べて工程もかなり少なくていいので展開ルート考えるのは楽でした
ただ、現実でこんなデッキを組んだとしたらロクなシナジーないし完全に不純物ですね