Fate/Apocrypha×仮面ライダーオーズ 日野映司の物語   作:バーラ18

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少し調子の良いので投稿ペースを上げることができました。
もう少しすれば新しい仮面ライダーシリーズの小説を出したいです。

それではどうぞ!


誓いと地獄と覚醒

「悪いが・・・・・とどめだ。」

 

ライダーの槍が怪物の喉を捉える。

 

「あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“!」

 

怪物は“まだ負けてない”と言うようにライダーの足を何度も何度も殴りつける。

 

怪物の喉を押さえつけているライダーの足の力が想像以上に強く、このままでは槍が喉を貫通する前に意識がなくなりそうであった。

 

(ダメ・・・・・・・だ・・・・・・、まだ、まだ・・・・どこにも届いていないのに・・・・)

 

怪物の心の叫びも虚しく意識は徐々に暗転していく。

 

(結局・・・・無力なままだったなあ・・・・オレ)

 

怪物が最後に浮かんだ言葉は命乞いではなくただただ己の無力への嘆きだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エルパちゃんはさ、紛争が終わって大きくなったら何がしたい?」

 

夕暮れ時、日野映司は村への道を少女と手を繋ぎながら歩いていた。

 

彼女の遊び場は歩いていくと村から少し遠い、なので暇つぶしにそんな他愛のない話題を振ってみた。

 

「そうだね!他の子たちはお金持ちとかスポーツ選手になりたいと言ってるけど、エルパはやっぱり村でお母さんになっておばあちゃんになりたい!」

 

「そうなんだ、うん、エルパちゃんならきっとなれるよ。」

 

確かにその願いは大きい夢ではないかもしれない、しかし映司にとっては一番しっくりくるものであった。

 

そんな誰しもが望むささやかな幸せ、それを守るために自分は世界中を旅しているのだと改めて気づく。

 

「エイジのお母さんは二ホンにいるの?」

 

その遠慮のない問いに映司は本当の事を伝えるか頭を悩ませる、しかし今は彼女と二人きりなので真実を伝えることにした。

 

「もういないよ・・・・・エルパのお母さんと同じように悪い奴らに殺されちゃったんだ。」

 

ショックを受けたエルパはうつむきながら目に涙を浮かべる。

 

「ご、ごめんさい、エイジのお母さんがヘータイに殺されたなんて知らなかったから・・・・・。」

 

“こりゃ失敗したな”とエイジは心の底から深く反省する。

 

いくら心の強い彼女でも誰かの悲しい過去を受け流せるほどには成長していないのだと映司は身をもってしった。

 

本当ならここでこの話題は中止するべきではあるが、映司はひとつ訂正しなければならないことがあった。

 

「違うんだよ・・・エルパちゃん、俺の母さんは兵隊に殺されたんじゃない、もっと、もっと、ずっと悪い奴ら(・・・・・・・・・・・・・・)に殺されたんだ・・・・・。」

 

映司は苦い記憶を思い返すように、自分の母親の臓物が飛び散った(・・・・・・・・・・・・・・)自分の顔を撫でる。

 

「でも・・・・、そいつらを憎んでもどうしようもないし母さんは返ってこない。だからこそ、もう2度とエルパちゃんや他の人たちに悲しい思いをさせないために俺は頑張るんだよ。」

 

「エイジ・・・・・。」

 

「エルパちゃんは俺が守るから・・・・・だから君はもう泣く必要はないんだ・・・・。」

 

映司は優しく少女の頭を撫でる。

 

「う“ん・・・・・ありがとうエイジ・・・・!。」

 

少し涙を浮かべたものの、エルパはいつもの日向のような笑顔を向ける。

 

(うん・・・・・やっぱり君はその笑顔の方が素敵だ・・・・俺もこの笑顔を守れるようにもっと・・・・。)

 

映司は少女の笑顔をきっと守って見せると心の中で誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ・・・・・・嘘だ!嘘だ!・・・・こんなの嘘だぁ‼」

 

映司の目の前にはこの世の地獄が広がっていた。

 

藁や木材でできた住居はあっという間に燃え火の海となり、肉と血の焦げる不快な臭いが鼻に突く。

 

村の住民が必死に耕した畑は先ほどの攻撃によって見るも無残に荒らされ、村の平和を願ったシンボルであるオリーブの木はその願いを嘲笑うかのようにズタズタに引き裂かれていた。

 

家々はすべて焼け、生存者は皆無、しかし映司は地獄の中を僅かな希望を求めて進む。

 

(せめて・・・せめて彼女だけでも・・・・・・!)

 

自身も切創と火傷でボロボロになった身体を引きずりながらエルパの家へと向かう。

 

「うぇぇん・・・・・グス・・・グス・・・・。」

 

彼女の家に近づくにつれ、すすり泣く声が耳に入る。

 

「待ってて・・・・・今・・・・行くから・・・・・!」

 

嗚呼、あれほど悲しませないと彼女に約束したはずなのに・・・・・また自分は何もできなかった。

 

すすり泣く声は徐々に大きくなっていく、しかし彼女の家はまだ見えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウ“ウ“ウ“ウ“ウ“ウ”ッ!」

 

怪物は突如唸り声を上げ、左手でライダーの槍の穂先を掴む。

 

「へえ、まだやるかい!そうこなくちゃあなあ‼」

 

ライダーは槍を押し込む力を強くする、しかし怪物の力が相当強く徐々に押し戻される。

 

「なっ・・・・くそコイツどこからそんな力が・・・・!」

 

「何をしているライダー!早く止めを刺せ!」

 

たまらずライダーは両手で怪物に槍を押し込もうとするものの、それでも状況は変わらない。

 

ライダーの筋力ステータスはB+、これはルーラーと黒のセイバーに匹敵する高さである。

 

並の英霊では例え両手を使ったとしても彼らは片手で軽くねじ伏せてしまうだろう。

 

しかしこれはどういうことだろうか・・・・・この状況では怪物が逆に両手を使った筋力B+のサーヴァントを相手に片腕だけで押し返しているのだ!

 

(どうやってやがる・・・!コイツの殺気がいきなり変わって、眼が紫色(・・・・)になった途端急に強くなりやがった!)

 

突如起きた不可解な現象にライダーは気を取られていた。

 

そして大英雄であれ、一瞬の隙は致命的なものであることを忘れてはいけない。

 

「・・・・・ッ!ライダー‼」

 

アーチャーが叫ぶも時すでに遅く、怪物の右手に握られた何かが(・・・)ライダーの左足を大きく抉った(・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
皆さんもお気づきでしょうが、エルパは原作の仮面ライダーオーズに出てくる「紛争地で亡くした少女」の役です。

日野映司も火野映司も2人とも少女の命を奪われ、それが彼らの一生の傷になります。
「何によって少女の命を奪われたか?」これが2人の行動の分岐点となるでしょう。

それでは次回もお楽しみに!
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