Fate/Apocrypha×仮面ライダーオーズ 日野映司の物語   作:バーラ18

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やっぱり戦闘シーンは難しい・・・・・


剣士と怪物と力の謎

(・・・・ッ!はやっ!)

 

セイバーの放った一撃を怪物はなんとかバックステップで躱す。

 

剣で受けることも出来たが自分自身の長年の経験による直感は“悪手”と判断していた。

 

最初の一撃を躱した後、剣士から漏れ出る魔力を見て怪物は己の直感が間違っていなかったことを確信した。

 

(あの漏れ出る尋常じゃないほどの魔力量、ジェット噴射のような加速・・・間違いない、あれは魔力放出だ)

 

魔力放出とは武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上するスキルであり、長所としては絶大な能力向上を得られ、短所としては通常の魔力消費とは比べものにならないくらいの負担をマスターが負うことなどがあげられる。

 

いずれにせよそうそう何発も撃てるモノではないため回避に徹していればその内マスターの魔力が切れ必然的に撤退を強いられることとなる。

 

最も・・・・魔力放出のスキルは白兵戦に非常に長けた高位の英霊しか所持していないため、一流のサーヴァントを相手取る技量を最低限持ち合わせてなければたちまち押し切られてしまうだろう。

 

「オラッ、そこだぁ!」

 

剣士の放った蹴りが腹部に命中し、怪物は遥か後方に吹き飛ばされ、小屋に激突し瓦礫の山を作り出した。

 

(ぐ・・・・うう、つ、強い。このセイバーはおそらく黒のセイバーと全く引けを取らないほどの格を持った高名なサーヴァントだな・・・。)

瓦礫の山から何とか這い出した怪物はある決断をした。

 

(しょうがない、あの力をこんな序盤から使いたくはなかったが・・・ここでセイバーを倒しておけば赤の陣営はきっと総攻撃を中止せざる終えないだろう・・・。)

 

たった数舜の攻防で怪物は目の前の剣士が己より遥かに強いことを確信し、出し惜しみしないことを決めた。

 

無論怪物には他の形態で戦う選択肢もあったが、ここまで高位かつ一流のセイバーを相手にするとなると、もはや隙がなかなか存在しないため奥の手を使うしか勝利への道はない。

 

幸いにも両者はシギショアラの無人地帯に入っていたため怪物は奥の手を使ってもそこまで酷い被害にはならないと確信していた。

 

自信の胸に手を当て、中に潜む危険な力へ向かって怪物は語り掛けるように言葉を紡ぎ始めた。

 

「頼む・・・・・俺に力を・・・」

 

「アァ?何ブツブツ言ってやが―――ッツ!!」

 

怪物に対して圧倒的に優位を誇っていた剣士は、怪物が言葉を発し始めた瞬間、己の直感が今までにないほどの警笛を鳴らし始めたため、思わず飛びのいた。

 

(・・・・・・・?なぜ今距離を取った?)

 

怪物は一瞬のことに情報の処理が追いつかず、力の引き出しを一旦中止する。

 

「クソッ!!」

 

その一瞬の隙に剣士は最大級の悪態をつきながら身を翻し夜の闇へと消える。周辺の魔力濃度が元に戻り戦場だった無人地帯は元の廃墟に戻っていった。

 

監視用の使い魔が消えたことを確認し、怪物は装置を水平に戻し元の映司へと姿を戻す。

 

「なるほど、アイツは直感か未来予知のスキルを持っているな・・・一見粗暴そうに見えて油断ならない奴だ」

 

セイバーを逃してしまったとはいえ、シギショアラがあまり被害を出さずに済んだことを映司はプラスと考え、再びトゥリファスへと戻るためライドベンダーの元へ向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

突如怪物から漏れ出た原始的な力に対する恐れとそれに屈した己自身に対する怒りを胸に抱えたセイバーは重い足取りでマスターの元へと向かっていた。

 

歩き出して十分、セイバーのマスターは年代物の建築物に気の抜けた様子でもたれかかっていた。

 

「アーチャーと怪物は撤退したか」

 

セイバーのマスターは決して彼女が怪物を前に逃げたとは言わなかった。

状況的にはセイバーが撤退したのは事実に近いが、だからといって命を懸けて戦った己のサーヴァントに対して心無いことを言うつもりはないようだ。

 

「マスター・・・アイツはなんだ・・・・?」

 

セイバーは思わずマスターに当てつけ気味に問いかける。

 

それも当然だ、彼女はそこらへんの並の英霊ではなく、世界に広く名を知られた大英雄の1人。

 

そんな自分があんなワケの分からないものを相手に撤退を強いられるなどあってはならなかった。

 

だが、もしあの場で己の直感に従わなかったら真の力を解放した怪物を前に成す術なくやられていただろう。

 

なぜ成す術なくやられるという結果になってしまうのかセイバーは納得いかなかったものの、己の直感を裏切るという愚行は行わなかった。

 

「そうだな、俺の予想としてはサーヴァントに対抗できる礼装を身に着けた魔術師か魔術使いだと思っているが・・・お前はどうなんだセイバー?アイツと戦ってみたんなら俺よりも詳細な推測ができるはずだぜ」

 

マスターの問いに答えるため一度怒りを飲み込んだセイバーは冷静に先ほどの状況を振り返る。

 

正直、怪物が力を解放しようとする前はこちらが圧倒的に優位であり、それこそ並の英霊でさえも勝つことは可能だろう。

 

だが、あの力だけは尋常ではなかった。

ブラックホールのような力の奔流を思わせたかのようにおもえば、巨大な虚のように暗い気配を醸し出していた。

 

その力の印象からセイバーは英霊が本来戦うべき強大な敵の気配(・・・・・・・・・・・・・・・・)を感じ取った。

 

「アイツは・・・・いや、やっぱり分かんねえ」

 

「そうか・・・まあ、戦いはまだ序盤に過ぎん。怪物も黒のアーチャーも仕留める機会もまたあるだろうさ。という訳でトゥリファスに帰還するぞセイバー」

 

「あいよ。・・・で、どうやって帰るんだ?行きに使ったバスはもう出てないだろ」

 

「そりゃお前―――借りるんだよ」

 

そういうとセイバーのマスターは大通りに停車されていた乗用車の窓ガラスを叩き割り、ドアのロックを解除した。

もちろん、セイバーのマスターはこの車を返却するつもりは毛頭ない。

 

「ほら乗れ」

 

 

「・・・警察に捕まって聖杯大戦から脱落という結末は避けてくれよ、マスター」

 

セイバー呆れ混じりに嘆息した。

 

 

 

 

 

 

 




いかかでしたでしょうか?
いよいよ赤の陣営と黒の陣営の総力戦が始まります。
果たして映司はどのように戦っていくのか・・・どうぞ楽しみにしてください!
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