UNDERMYTH   作:零崎記識

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過度な期待はせずに気楽に見ていくことをお勧めします。
感想・批評は歓迎ですが暴言・悪口は炎上の原因となりますのでおやめください。



女神日記

α月(+V+)キュピーン日 天気 まぁ晴れ

 

ヘファイストスが「これで自分の行いを省みなさい」と日記を渡してきたので、今日から日記をつけることになった。

 

ボクの事だから三日坊主になってすぐやめちゃうだろうと思うけど、親友のためにできるだけ続けていこうとは思う。

 

とは言っても、ボクの一日と言ったって特筆すべきことは思い浮かばない。

 

朝起きてご飯食べて、昼まで二度寝するだけのグーたら生活に態々取り立てて書くようなことは無い。

 

とはいえ、流石に最初くらいは何かしら書いておくべきだろう。

 

「きょうは なんにもない すばらしい1にちだった」

 

とかどこぞの夏休みTASじゃあるまいし、それはボクでもちょっとテキトーすぎると思う。

 

取り敢えず自己紹介でもしておこうか。

 

ボクはヘスティア。

 

ギリシア神話における炉の番人にして家庭の守護者。

 

オリンポス12神の1柱に数えられることもある。

 

そして……他の神々と同じく暇を持て余して下界に降り立ち、人の子たちと同じような不自由な暮らしを選んだ神の1柱だ。

 

今は友神のヘファイストスの家に居候している。

 

他の神々は自分のファミリアを作ったりしているそうだけど、ボクにはイマイチ興味がわかない。

 

ヘファイストスは「いい加減ファミリアを作って自立しろ」と毎日のように言ってくるし、ボク自身もそうしなきゃなとは薄々思うけれど、今の生活に慣れてしまっているせいか、どうにもやる気が出ない。

 

でもまぁ、このままヘファイストスに寄生して財産を食いつぶすだけなのは流石に心苦しいから、どうにかして自分で稼ぐ方法を探すべきだろうか。

 

よし、そうと決まれば明日から頑張ろう。

 

明日から本気出す!

 

 

β月(〇lvl〇)ヤァ日 天気 恐らく晴れ。

 

ヘファイストスに追い出された。

 

毎日毎日自堕落な生活をしているボクにとうとう堪忍袋の緒が切れたらしい。

 

流石のボクもこれには凹んだ。

 

しかしまぁ考えてみれば当たり前のことだ。

 

友神だからと頼り切って自分で生きていこうとする努力をしない穀潰しなど追い出して当然だろう。

 

というか、追い出されてから何が悪かったのか日記を見返してみたら、そりゃ追い出されるよねと言うしかなかった。

 

追い出されて初めてボクは自分のしてきたことを客観的に見ることができた。

 

ヘファイストスがボクに日記を書けと言ったのも、自分の自堕落さを日記にすることで気づかせようと思っての事だったのだろう。

 

それをボクは追い出されてようやく気付いたという訳だ。

 

もう何もかもが遅すぎた。

 

ヘファイストスは何度も僕に対して警告をしていたというのに、ボクはそれを聞こえないふりをして問題を先送りにしていたのだ。

 

愛想尽かされるのも無理はない。

 

いきなり路上に放り出されても文句は言えないようなことをボクはしてきた。

 

そうせずに最後の温情として今ボクがいる廃教会の地下の隠し部屋を住居として紹介してくれたことは彼女の優しさ故だろう。

 

ヘファイストスにはいつか謝らなければならない。

 

ファミリアを作って、生活を安定させたら、ちゃんと頭を下げに行こうと思う。

 

 

β月(+v・)日 天気 多分晴れ

 

今日ギルドに正式にファミリアの創設登録をしてきた。

 

そう簡単に団員が集まるなんて甘い考えは捨てたけれど、千里の道も何とやらだ。

 

兎に角歩き出さないことには始まらない。

 

とはいえ、ほぼ一文無しのボクには早急にお金が必要なので、取り敢えずバイトを探すことにした。

 

一日中オラリオを歩き回って、ようやくじゃが丸君を販売する屋台のバイトをすることになった。

 

どこに行ってもボクを子供扱いするものだからかなり苦労した。

 

うぅ……この小さい体が恨めしい…。

 

胸ばっかりじゃなく、少しは背丈も成長すればよかったのに。

 

これだからロキのやつに『ドチビ』とか言われるんだ。

 

そんな不毛な話はさておき、明日からはバイトの合間に団員を探してみよう。

 

見つかるといいけど……そう簡単にはいかないことくらい流石に分かる。

 

でもヘファイストスに胸張って会うためにも絶対に団員を見つけるんだ。

 

 

β月(・_・}日 天気 晴れという疑惑がある。

 

新しい住処である廃教会の地下室で目が覚める。

 

何となく「知らない天井だ……」と呟いてみる。

 

まぁ別にそれだけなんだけれどね?

 

本当になんとなく言ってみただけ。

 

ヘファイストスが用意してくれたこの新しい塒はさほど広いとは言えないものの、住居としての機能は十分に兼ね備えている。

 

既に棄てられた建物の一室にもかかわらず、それほど老朽化しているわけでは無く、ボクと団員一人くらいなら普通に暮らせそうだ。

 

流石にこの部屋に3人以上となると窮屈になりそうだが、一人も団員がいない現状でそれはまだまだ先の話だ。

 

しっかり身支度を整え、昨日ついでに買っておいたじゃが丸君を片手に廃教会を出る。

 

バイトの時間にはまだ余裕があるので先ずは団員探しをする。

 

まぁ……結果はお察しのとおり。

 

出来立てほやほやの新興も新興ファミリアと言えば多少は印象は良いけれど、実際はただの弱小零細ファミリアだ。

 

新興ゆえに実績がない。ヘファイストスのように鍛冶ができるわけでも無く、神の力の殆ど全てを封印したボクなど只の小娘同然で、冒険者たちに対して特別何かしてやれるわけでは無い。

 

要するに、ボクのファミリアには冒険者たちへアピールするためのセールスポイントが何一つない。

 

強いて言うならボク自身だろうけれど、ボクよりずっと綺麗な女神など沢山いる。

 

現にフレイヤの所は彼女の美貌に魅了された実力者たちが数多く所属していてオラリオ最強のファミリアとか言われている。

 

それでもボクの所に来る冒険者など、幼女趣味の変態ぐらいだろう。

 

選り好みできる立場じゃないのは重々分かっているけど……それは流石にちょっと……入団させることにはかなり抵抗を感じる。

 

ファミリアの規模が大きくなってくるとある程度冒険者たちの多様性というか、個性を広く認める寛容さも必要になってくるかもしれないけれど、最初の1人くらいはちょっと慎重になりたい。

 

大人数の所は一人が暴走しても周りが止められるが、片手で数えられる程度の所はストッパーが少ない。

 

せめて一人くらいは常識的な冒険者を団員にしたい。

 

とまぁ、ただでさえ入団者がいるか絶望的なのにそこから絞り込むようなことをするから探せど探せど一向に見つからない。

 

やっぱり贅沢かな……。

 

いや、やっぱり多少時間をかけてでもしっかり探すべきだろう。

 

最初の一人というのは重要だ。

 

何せ、二人目から入団する者にとって既に入団している一人目はそのファミリアの事を知るために重要な材料になる。

 

その人柄によって「ここはそう言うファミリアなんだ」という印象を与えることになる。

 

それを最初に変態を迎え入れたらボクのファミリアはロリコンが集まる変態ファミリアという不名誉すぎるレッテルを貼られてしまう。

 

それだけは避けたい。

 

高潔な人物が良いなんて贅沢は言わない。だけどせめて最低限の常識を持った冒険者に入団して欲しいところだ。

 

今日会った中ではバイト中に会ったあの白髪赤眼の少年とかかなり理想的だろう。

 

彼とは軽く話をしてみたが、何でもつい昨日オラリオに来て冒険者登録をしたけれど、ファミリアに入団しようにもどこもかしこも門前払いで今日一日中探し回ってもまともに取り合ってすらもらえなかったんだとか。

 

ボクもバイト探しの時に同じ苦労をしたが、1日費やしたのに話すら聞いてもらえなかったとは流石のボクも同情せざるを得ない。

 

だが無所属のフリーな冒険者は団員が欲しい身としては都合がいい。

 

彼は是非ともボクのファミリアに迎え入れたいところだ。

 

あの固い意志を感じさせる眼光を宿した赤眼にはただならぬものを感じたけど、性格に難があるわけじゃない。

 

お互い新米ファミリアと新米冒険者同士だし、一緒にゼロからやっていけたらなとか思うけれど、その時はバイト中だからファミリアの話をするわけにはいかなかった。

 

世間話を装って泊っている宿を聞き出したから明日タイミングを見て彼をファミリアに誘ってみようと思う。

 

 

β月(^ω^)日 天気 晴れという可能性が大きい

 

昨日彼から聞き出した宿泊場所へ早朝から向かう。

 

昨日初めて会ったばかりの人の宿泊場所に早朝から押しかけて「ボクと契約して眷属になってよ」などと持ち掛けるなど我ながら非常識なことをしている自覚はあるが、こればっかりは急を要するのだ。

 

一日費やしてどこも門前払いとはいっても折角はるばるオラリオまでやってきて冒険者になったのだ、そう簡単にファミリア探しを諦めたりしないだろう。

 

きっとまた彼は今日もオラリオ中のファミリアを巡って入団できる場所を探そうとするはず。

 

それを悠長に構えていてはボクの所に勧誘する前にどこか別の場所に入団してしまうかもしれない。

 

故に一刻も早く彼に会う必要があるのだ。

 

宿へ着くと、ちょうど宿から彼が出てきた。

 

まさか鉢合わせると思わなかったボクは面食らって何を思ったのか近くの物陰に隠れた。

 

完全に声をかけるタイミングを逃したボクは再び彼に声をかけるタイミングを見計らうためコッソリ彼を追うことにした。

 

いや、改めて書くと何をやっているんだボクは……。

 

これではまるでストーカーだ。

 

変態は遠慮したいとか言っておいてこれではボクの方が完全に変質者だ。

 

そう言うこともあって、ボクは中々彼に声をかけることができず、結局一日中彼を尾け回す羽目になった。

 

彼も彼で行くとこ行くとこ全て門前払いされている様子は傍から見て同情を禁じえなかった。

 

ボクなら確実に心が折れてると思うくらい取り合ってもらえなかった。

 

結局最初ボクが抱いた懸念は杞憂に終わった訳だが、それはそれで彼があまりにも哀れだった。

 

それでも全く消沈する様子もなく根気よくファミリアを探し回っている姿からは強い決意を感じた。

 

ボクにしてみれば何故皆彼を門前払いするのかよく分からなかった。

 

あの意志の強さならきっと良い冒険者になると思うんだけどなぁ……。

 

彼を門前払いしたファミリアは凄くもったいないことをしている気がする。

 

まぁ最終的にボクが彼を引き入れられたのもそのおかげなのだからボクは寧ろ感謝するべきかもしれないが。

 

日が暮れて宿に戻ろうとする彼にようやくボクは彼をファミリアに勧誘することができた。

 

彼は暫し考えた後、入団を承諾してくれた。

 

早速ボクは彼を拠点に案内し、契約をした。

 

ファミリアの拠点が廃教会の隠し部屋だと知った彼の微妙な表情にボクはちょっと申し訳ない気分になったが契約は恙なく完了した。

 

その時の彼のステイタスがこれだ。

 

 

【ベル・クラネル】

 

Lv.1

 

力 :I 0

耐久:I 0

器用:I 0

敏捷:I 0

魔力:I 0

 

《魔法》

 

【】

 

《スキル》

 

決意(レッド・ソウル)

 

・世界に対するセーブ&ロード権

 

・早熟する

 

・獲得経験値極大補正

 

・強敵との戦闘時決意の丈に応じステイタス上昇

 

・戦闘時決意の丈に応じ攻撃力上昇

 

・討伐経験のある敵との戦闘時能力大幅向上

 

・決意を新たにするたびに自動回復

 

・決意の折れぬ限り効果持続

 

 

内心驚愕しながらもなんとか表面上は平静を保ったボクを褒めて欲しい。

 

基本アビリティは良い、契約したばかりの初期値で何もおかしなところはない。

 

だがスキルが異常だ。経験値補正にステイタス補正、自動回復など見たこともないような反則的な効果のオンパレードで、中でもこの『世界に対するセーブ&ロード権』などという詳細は不明だが世界そのものに影響を及ぼす明らかに人の域を超えた正体不明の力が発現している。

 

ハッキリ言ってこんなスキルは異常極まりないし、全冒険者の中でも類を見ない恐らくは彼、ベル君だけの稀少(レア)中の稀少(レア)スキルだ。

 

こんなものが他の神々に知れたらとんでもないことになる。

 

神というのはとにかく退屈を嫌う。それこそ退屈しのぎのために自分のほぼすべての権能を封印し人の子と同じレベルにまで態々降りているような奴らだ。

 

そんな奴らにこんな超超超レアスキルの存在なんて知られたらそれは飢えたライオンの群れに生肉を放り投げるのと同義だ。

 

確実にベル君はその標的として面白半分にちょっかいを出されることになる。

 

いや、それだけならまだいいが、この最早人を超越したスキルの存在を危険視する神々や、逆に陰謀に利用しようとする神々の間のイザコザに巻き込まれることだって十分考えられる。

 

ボクはベル君の主神として神々の都合からベル君が振り回されないように守る義務がある。

 

弱小も弱小の零細ファミリアだが、それでも入団させた以上ベル君はボクの眷属であり、家族(ファミリア)だ。

 

ならば主神として、家族として、ボクはベル君を守らなければならない。

 

それにファミリアの規模は関係ない。

 

だからボクはスキルの存在をベル君に教えないことにした。

 

物事を秘密にするには知らないことが一番だ。

 

知っていればどこかで秘密が漏洩するリスクがあるが、知らなければない。

 

ボクから秘密が漏れるリスクもあるが、それでも二人分のリスクより一人分のリスクに抑えたほうが単純計算でリスクは2分の1だ。

 

きっとベル君は必ずこのオラリオでも1、2を争う冒険者になるだろう。

 

ステイタスとは、その人間の素質や、願いを反映したものだ。

 

だからベル君のスキルだって彼自身の素質を反映した結果だ。

 

即ちオラリオの冒険者の中でも随一の冒険者になるであろう素質が、彼にはあるということに他ならない。

 

だが、今の彼は未熟も未熟、孵化の時を待つ黄金の卵だ。

 

ならばその卵を破り、空を羽搏けるようになるくらいに成長するまでは秘密にしておこう。

 

そして誰からも守られる必要が無いほど彼が強くなったら改めてこの秘密を明かそうと思う。

 

その時はきっとくる。それまでの間、ボクはこの秘密を守り、ベル君を守ろう。

 

ボクの全てをかけて、ベル君を守ると誓おう。

 

ボクの最初の家族を、誰にも傷つけさせはしない。

 

 

 

*かけがえのない家族を守る誓いを胸に、彼女は(She's)決意に(filled with)満たされた(DETERMINATION)

 

 

 

 

 

 




どうも、零崎です。

すばらしいチートに仕上がったとは思わんかね?(ムスカ並感)

いやぁ我ながら盛りに盛ったなぁ……。

ベル君のスキルはアンテのケツイの力を使うことで起こることを私なりの解釈で盛り込みました。

それもキャラクターだけではなくプレイヤー側に起こることも含めて設定しましたのでとんでもないチートに仕上がりました。

ですが正直に言いましょう。

ベル君がチートになったのは私の願望だ。だが私は謝らない。(所長並感)

実は私ALL YOU NEED IS KILLみたいな何度も死に戻りして無双する話が大好きで、このスキルもその影響をかなり受けています。

ですから、基本的にそう言うのがダメと言う方にはあまりお勧めできません。

それでもいいよと言う方や、筆者みたいに死に戻り無双大好物だぜと言う方は気長に更新をお待ちください。

ではまた次回!
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