東方仮面時王異聞~Another Time Decade~   作:放仮ごdz

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どうも、東方ロストワードを消してやり直している放仮ごです。メディスンがかわいくて辛い。

今回は初の番外編、というか前回のラストで判明した厄災の正体について。そのためいつもよりかなり短いです。過去作要素がありますがご了承ください。楽しんでいただけたら幸いです。


第零話:幻想少女~新たな世界の破壊者~

「…………私は、冴月麟」

 

 

 忘れないように今日も呟く。一体ここに来てからどれぐらいたったのだろう。自分の名前すらおぼろげになってきた。誰にも呼んでもらえない、私の名前。最後に名前を呼んでもらったのは何時だったか。誰だったのか。覚えてるのは自分の名前と、自分がいた居場所だけ。友人たちの顔すらもう思い出せない。もうなにも、思い出せない。

 

 

「幻想郷のみんなは、元気かな」

 

 

 誰一人覚えていないけど、仲の良かった人達がいたことだけは覚えている。最後の記憶は、紅い霧が広がった空。苦しむ人々。解決しようと乗り出した私たち三人。深い闇。凍り付いた湖。色彩鮮やかな弾幕。無限にも思える本の山。静止した世界とナイフの束。紅い悪魔。狂気の破壊。そして――――楽しい宴会。

 

 それが最後の記憶。いつの間にかここにいて、そして数えきれない年月をふわふわと漂っている。ずっと一人と言う訳ではない。随分前にここに1人飛ばされてきた。緑色の髪が綺麗な見覚えのあった妖精の女の子で、まるで死んでしまった様に眠り続けている。最初は起こそうと頑張ったが何をしても起きないので諦めた。私もこの子も、何でこんなところに飛ばされてしまったのだろう。問いかけてみるが答えてくれる者はいない。

 

 

寂しい、寂しいよ。会いたい、貴方達に会いたいよ。■■、■■■。………ああ、もう。友人たちの名前も顔も思い出せない。このまま自分の名前も忘れてしまうのだろうか。

 

 

 

 

――――そもそも、私の顔って、どんな顔だったっけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからしばらくして。白衣の男を筆頭に、この空間にたくさんの人が現れた。この空間の外で大規模な戦争のようなものが起きたらしい。ならここは死後の世界か、と納得してたら白衣の男が否定してきた。曰く、ここは虚数空間と呼ばれる場所で、存在できなくなった物が最後に訪れる墓場なのだとか。彼らはクロノスと言う神様に焼かれてここに来たんだとか。

 

 つまり私は、忘れられたものが集う幻想郷にさえも存在を無かったことにされたということか。その事実はあっさりと受け入れられた。その反応を見て白衣の男は

 

 

「なんだ、奴と同一人物だから期待したがその程度かつまらん」

 

 

 そう、心底残念だと肩を落としていたが、長年ここで過ごしているとこうなって当然だろう。そう思って、前を向く。そこには見覚えのある気がする顔があった。

 

 

「あ……れい、む…?」

 

 

 咄嗟に口から零れた名前は目の前の少女のものだろうか。しかし彼女は私の事などいない様に、新たに現れたやっぱり知ってる顔の金髪の少女に「私を忘れるな」とツッコんだ。なんで、私だけ…?

 

 

「存在を忘れられたのと、クロノスに焼かれた人間は違うってことだな。例えるなら炎に投じて焼かれた記録用紙と、データを消された記録の違いだ。無い物は認識できない、俺は異世界の人間だから違うんだろうけどな?」

 

「ドクマリ?なにを独り言喋ってるのよ」

 

「勝手に持論を述べただけだ。気にするな、博麗霊夢」

 

 

 白衣の男が懇切丁寧に説明してくれたけど、わからない。わからないよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、クロノスとかいうのが倒されたのか白衣の男を筆頭に彼女たちは戻って行く。私を置いてかないでと手を伸ばすが、当然届かない。そう思っていると、掴めたものがあった。それは、青いバーコードが刻まれ変な顔?と「DECADE」と描かれたカードだった。

 

 

『おのれディケイド…お前も私を置いていくのか、フランドール…』

 

「…あなた、は?」

 

 

 曰く、自分も忘れられここに置き去りにされたのだという。ディケイドと言う人物が自分のいない道を辿ったことで己の物語が無かったことにされ、そのディケイドの変則的な存在として世界に存在を刻み付けてやろうとしたら、そのディケイドを受け継いだ少女にも無かったことにされてしまったらしい。

 

 理不尽にも存在を無かったことにされた者同士、私達は意気投合した。そして怒りが湧いてきた。なんで私なのだと。知らず知らずのうちに心に抱いていた、私を忘れた世界への恨みが彼と触れたことで溢れ出してきたのだ。無気力になっていた自分が、恨みと言う炎を得て燃え出した。妖精の女の子が今更起きて止めようとしてくるが知ったことか。

 

 

「……私達も、ここから出よう。力を貸して、■■■」

 

『いいだろう…我々を忘れてのうのうと存在し続ける世界とディケイドへの復讐だ』

 

 

 カードを握ると、私の腰にバックルとベルトが出現。私は誰に言われることなく、カードをバックルに投入した。

 

 

『「変身」』

≪カイジンライド・ディケイド!!≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アナザーディケイド…スウォルツの力。私達なら使える」

『ならば、仮面ライダーを奴等から奪ってしまおうか』

 

 

 虚数空間を破壊して抜け出して、手始めに行ったのは、幻想郷の人間から私達に勝てる力を奪う事。一緒に出て来た妖精の女の子に気を取られていた見覚えのあるかもしれない氷精から手始めに奪い取り、妖精の女の子に植え付ける。アナザー電王と化した妖精の女の子を対処している間に背後から次々に奪い取っていった。

 

 霊夢からもオーズの力を奪い取り、その目の前で彼女の妹だという仮面ライダーウィザードから力を奪い取って怒りに満ちた視線を上機嫌に受けていたら、「あなた、誰?」などとのたまう物だからキレた。力を奪うだけじゃすまない。考えうる限り最も残酷な手段でこの幻想郷を滅ぼしてやる。

 

 奪い取ったウィザードの力からある存在を知った私はオーロラカーテンで少し過去に戻り、妹を最強のライダーのアナザーライダーにしてやった。これは置き土産だ。この幻想郷はこれで勝手に滅びるだろう。いい気味だ。私の代わりに存在していたらしい霊夢の義理の妹が幻想郷を滅ぼすのだ。いい気分だ。仮面の下で涙が流れるが、ただの感傷に決まってる。私の存在を忘れるからそうなるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから旅立った私達は、異世界を通りすがるたびに私の存在がないことを知ると幻想郷にアナザーウォッチをばら撒き、現代と過去をめちゃくちゃにして歴史を歪ませ崩壊に進ませることを繰り返す。たまにジオウと名乗るライダーが止めに現れたが、一蹴してやった。ディケイド以外に我らを止めることが出来るものか。ディケイドだとしても私がいる私達を止めることなどできない。

 

 自分たちを無かったことにした幻想郷全てに復讐を。そうだ、私は通りすがりに世界を破壊する破壊者、誰にも止められない「厄災」だ!誰かが私の名を呼んでくれる世界が見つかるまで、私は…!

 

 

 

 

 

 

 そうして辿り着いた、私の名を初めて呼んでくれた存在がディケイドだったことはなんたる皮肉だ。嬉しさと怒りと恨みで狂ってしまいそうだ。おのれディケイド!お前はどこまで私達を苦しめる?!この世界、確実に破壊せねばなるまい。…そうだ、奴を連れて来よう。最強のアナザーライダーを。

 

 

 

―――古明地さとり。私はお前を、破壊する。しなければならない。私が私であるために。

 

 

 

 

 

 

 

ーーto be next another time




そんなわけで冴月鱗は過去作「東方ウィザード」シリーズの舞台、仮面幻想郷の冴月麟でした。アナザーウォッチのライダーの力は全てそこで奪ったということでその実力が分かります。

東方紅魔郷の紅霧異変直後に存在をなかったことにされた少女の、十何年と言う期間を一人で過ごし続けて発狂することなく怒りを溜めこんできた結果が厄災。自分の存在しない幻想郷に対する怒りの化身と化しています。そこに謎のカードがやってきて…そのカードの正体はおいおい。ディケイド、存在をなかったことにされた、カイジンライド、でだいぶぴんと来ている人しかいないんでしょうがおいおい。

東方ウィザードについては読んでいなくても分かる様に書いて行くつもりではありますが、どのあたりか気になった方は「神・最終章」を参照。

そして次々回辺りの伏線。最強のアナザーライダーとは如何に。次回も楽しみにしていただけたら幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。むしろ感想くださいお願いします。
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