東方仮面時王異聞~Another Time Decade~   作:放仮ごdz

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筆が乗れば早いもので。さっそく投稿出来ました放仮ごです。

今回はアナザーキバ登場とアナザーゼロワンとの決着。そして厄災の正体も判明?楽しんでいただけたら幸いです。


第九話:解放(緋想)的で浮世離れした天人

 私は天人の総領娘である、という運命に囚われている。自信過剰で好戦的で野心的、尊大な態度を取り敵ばかり作り、勘当されてもほとぼり冷めたら戻ればいいと考えるほど楽天的で、天人であることを自慢する自信家の不良天人、それが私だ。でも私は親の七光りで天人になり地上から離された、天人になりきれない天人でその在り方はつまらない。人としても天人としても中途半端な誰からも愛されないであろう人間だ。そんな自分から解放されたい。心からの自分として、生きたい。

 

「そうだ、己であることは何よりも大切だ。他者からそうあれと定められた運命の鎖など解き放て。目に見える不安を数えて止まるな。目に見えない繋がりを信じて動き出せ。今日からお前がキバだ」

≪キバ!!≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気に入ったわ!私と結婚しなさい!」

 

「ええ…」

 

 

本心からさとりに求婚してきた少女、比那名居天子に唖然とするさとりたち。側でアナザーゼロワンとアナザー鎧武が戦っている中で、1人だけ別世界にいる様に気にするそぶりを見せず、厄災を押し潰した要石の上でキラキラと目を輝かせて手を伸ばす天子に、さとりは我に返って全力でツッコんだ。

 

 

「い、いきなりなんですか!?」

 

「いきなりってひどいわね。これでも私、貴方が地上に出てからずーっと見て来たのに」

 

「ストーカーでしたこの人!?」

 

「あら随分不敬ね。でも貴方の言う事だし許すわ!」

 

「…とりあえず、今貴女が何を潰したのか分かってます?」

 

「え?厄災でしょ?貴方が死にそうだったから思わず助け舟出しちゃったわ。決してここで助けに入れば一目惚れするに違いないとか考えていたわけじゃないからね」

 

((考えてたんだ…))

 

「があ!?」

 

 

 手を引っ込め勝手に暴露する天子に呆れるさとりと大妖精だったが、そこに変身が解かれたチルノが吹き飛んできてアナザーゼロワンがすぐ目の前に着地し、天子を一瞥する。

 

 

「貴方もスーさんを傷つけたわね?許さないわ!」

 

「貴方が一番散らしてると思うのだけど?まあでも、私の愛する人をこれ以上傷付かせるわけにもいかないわね」

≪キバ!!≫

 

 

 アナザーゼロワンの跳躍からの拳を要石の上から宙返りで回避し、着地すると同時に帽子を外すと中からアナザーウォッチを取り出して起動。黒い繊維に包まれて異形へと変貌する天子。全身ステンドグラス状の紅い蝙蝠と薔薇を模した姿で、ステンドグラスが罅割れた黄色い顔には赤眼から緑眼に染まって発光する瞳が見え、自制心という仮面が壊れて本能をむき出しにしているかのようであり、背中から生やした羽には右にKIVAと、左に2008と記されていた。

 

 

「女王の判決を言い渡すわ。Go to hell!!ありがたく思え!絶滅タイムだ!」

 

「貴方を止めれるのはただ一人!私よ!スーさんの仇!」

 

 

 突然変身した天子に狼狽えるさとりを余所に、アナザーゼロワンの拳とアナザーキバの回し蹴りがぶつかり、火花を散らす。そのままアナザーキバは紅いエネルギーで形成された蝙蝠の集団を出して攻撃し、アナザーゼロワンも分裂してそれを迎撃。蝙蝠と飛蝗が殺し合い、無傷のアナザーキバと違いダメージを受けたアナザーゼロワンがその場に転がる。

 

 

「ま、まだまだあ!」

 

「中々やるじゃない。なら…来なさい!」

 

 

 アナザーキバが蝙蝠を消したのを見るとアナザーゼロワンは高速で直線状に跳躍するのを繰り返して何度もアナザーキバに体当たりを浴びせ、怯んだアナザーキバが指を鳴らすと三体の怪人が姿を現す。青の狼男ガルル、緑の魚人バッシャー、紫の大男ドッガだ。

 

 

「バッシャー、来い!」

 

 

 ガルルとドッガが殴りつけてアナザーゼロワンに対抗する中、バッシャーを呼んだアナザーキバの手にバッシャーが変形した銃バッシャーマグナムが握られ、銃身に噛みつくアナザーキバ。すると鈴蘭畑が水浸しの水面状態「アクアフィールド」に変化、アナザーゼロワンの足を取るとその周りを滑走し、ホーミングする水弾を連続射出してアナザーゼロワンを追い詰めていく。

 

 

「このおおおお!」

 

 

 アクアフィールドで足を取られて動けないアナザーゼロワンは再び飛蝗の群れに分離、アナザーキバに襲いかかるがホーミング弾幕で撃ち落とされ、それならと集合し巨大な飛蝗を形作ると何度も何度も跳躍してアナザーキバを押し潰さんと迫る。

 

 

「ドッガ、来い!」

 

 

 すかさずバッシャーマグナムを投げ捨てバッシャーに戻したアナザーキバは今度はドッガを呼び寄せ変形した拳型の大槌ドッガハンマーをまるでバットの様に握って振り回し、巨大飛蝗に叩きつけるとアナザーゼロワンに戻って吹き飛ばされた。その体には紫雷が奔り、動けなくなったことが見て取れた。

 

 

「さあて、どうしてくれようか?私の愛しい人を殴りつけてくれた礼はさせてもらおうかな」

 

「ひう!?か、勝てる気がしない…こ、降参です!許して!」

 

 

 戦意喪失して変身が解けてしまったメディスンに、倒さなくても戦意喪失させることでアナザーライダーを止めることはできると知って驚くさとりだったが、ひとまず場を納めることにして大妖精にチルノを任せ、おずおずとアナザーキバに近づいた。

 

 

「あ、あの!天子さん、もうそれ以上は…」

 

「ん。貴方が言うなら許そうかな。結婚してくれる?」

 

「………一旦保留で」

 

「命の恩人…!」

 

「なに私より先に抱き着いてんのよ?!」

 

 

 もはやカオスなことになってる現状に頭を痛めながら、引っ付いてきたメディスンに殺気のこもった目を向けるアナザーキバに溜め息を吐く。と、その瞬間だった。

 

 

「…………アナザーゼロワンが使えない奴だったのはまあいい。だが、なんのつもりだアナザーキバ」

 

「私には天子って名前があるのだけど。愛する人が襲われて守らない奴はいないっての。例えそれが私を解放してくれた貴方でもね、厄災さん」

 

 

 要石を吹き飛ばし、再び姿を現したバッファローロードの問いかけに、さとりを守る様にドッガハンマーを手にガルルとバッシャーと共に構えるアナザーキバ。その様子に心変わりがないことを悟った厄災は、一枚のカードを取り出し腰に出現したディケイドライバーに似たベルトに装填、その姿を変える。

 

 

「いいだろう。邪魔者はまとめて始末してやる…!」

≪カイジンライド・鎧武!!≫

 

「我が名は、メガへクス…!!」

 

 

 厄災が変身したのはメガへクス。かつて仮面ライダードライブと鎧武の二大ライダーを追い詰めた機械生命体である。メガへクスは機械的なクラックを開き、そこから自身の分身体を出現させて襲撃。さとりは咄嗟にディケイドに変身し、メディスンにチルノと大妖精を任せると迎え撃った。

 

 

≪カメンライド・ディケイド!!≫

「メディスンだったかしら、貴方はあの二人を守って頂戴!」

 

「い、命の恩人の頼みなら…」

 

「初めての共同作業ね、ちょっと嬉しいわ」

 

「貴方が何でそこまで私を好くのかわからないけど、後ろは任せたわ!」

 

 

 飛びかかってきた分身体をライドブッカーで斬り裂き、アナザーキバがドッガハンマーで吹き飛ばし、ガルルがその爪で引き裂き、バッシャーが口からの水弾で撃ち抜き、メディスンが再度変身したアナザーゼロワンが飛蝗型の光弾で撃墜させていくも、メガへクスの数は一向に減らない。無尽蔵であることが強みの彼らを倒すには、やはり本体を狙わなくてはいけなかった。

 

 

「やはりそうくるか、ならば」

≪カイジンライド・キバ!!≫

 

「そちらの戦力ももらうぞ!」

 

「なっ!?」

 

 

 そうしてメガへクス本体が分身体を残しつつ再びベルトを出現させてカードを投入し変身したのは、カブトムシの意匠を持つファンガイア、ビートルファンガイア。ビートルファンガイアはガルル・バッシャー・ドッガを吸収して胸部と両肩にステンドグラス状に取り込むと絶大なパワーを持ってディケイドとアナザーキバをエネルギー波で吹き飛ばした。

 

 

「私はキバになる気はないが、ここでひねりつぶしてやろう…!」

 

「守るべき者を得た私は強いぞ!」

 

 

 吹き飛ばされたところに襲いくるメガへクスを蝙蝠の群れを飛ばして迎撃し、殴りかかってきたビートルファンガイアを真正面から受け止めるとがっしりと掴んで逃げられないようにするアナザーキバ。その間にカードを投入するディケイド。

 

 

「これでどうかしら!」

≪ファイナルアタックライド・ディディディディケイド!!≫

 

「ぬう!?」

 

 

 そのまま背中からディメンジョンスラッシュが叩き込まれ、ビートルファンガイアはガルル達三匹を輩出しながら鈴蘭畑に転がり、その変身が解除されて同時にメガへクスの大群も消滅。そして、その顔が露わになる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さとりside

「…見ない顔ね」

 

 

 アナザーキバがそんな感想を呟くと、怒りで身を震わせる厄災。変身が解けた厄災はローブ姿の時よりも小柄で、灰色のマントを着込んでいた。それには不釣り合いの金髪と赤いリボンが異彩を見せ、こちらに顔を向けた瞬間、吐き気がこみ上げてきた。

 

 

「おのれ…おのれディケイドォ…!貴様の、貴様のせいで…私が、否定された!」

 

「ッ!?」

 

 

 その心をうっかり読んでしまった。変身が解ける。世界への恨み、ディケイドへの恨みでいっぱいのその感情は常人ならばメンタルブレイクしてしまうほどで、そんな感情に慣れている私でも気分の変調をきたすほどの黒い感情だった。他の恨みの感情でそれ以外はまるで読めなかったが、名前だけはわかった。

 

 

「なんて世界の恨み…冴月麟。貴方のなにが駆り立てるの…」

 

「…はっ!初めて私の名を呼ぶのが、ディケイドであるお前とは。なんたる皮肉か。そうだ、私は冴月麟!幻想郷にさえ忘れられた異端者だ!二度と私の存在を否定するな!特にアナザーキバ…お前は許さない、絶対にだ」

 

「だから天子だって。自分の名前を憶えて欲しいならアンタも憶えなさいよ」

 

「逃げれるつもりでいるのかしら、この状況で?」

 

 

 私の変身は解けてしまったが、私に惚れたとかで味方してくれるアナザーキバとそのお供三匹、私に助けられたことで恩義を感じてるらしいアナザーゼロワン、体調が戻ったチルノが変身したアナザー鎧武と逃げ切れる数ではない。すると冴月鱗はマントをなびかせ不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「貴様がどんなに仲間を集めようとディケイド!お前は全てを破壊する。妹もペットも仲間も自分さえもだ!ハハハハ!アナザーキバ以外にも予想以上の怪物に成り果てたアナザーライダーはたくさんいる!貴様はいずれ、それらにひき潰されるか自ら命を絶つことになる!それが楽しみだ!」

 

「逃がすか…!?」

 

 

 アナザー鎧武が突撃するも、次の瞬間冴月鱗はマントに包まれてまるで手品の様に姿を消した。残された私達を沈黙が支配する。……ひとまずだ。

 

 

「…なんで私に求婚するのか、そこがわからない」

 

「貴方切り替えるの速いわね、好きよ」

 

 

 この求婚魔をどうするか決めなくてはいけない。私の旅は新たに仲間を増やして続いていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーto be next another time




あっさり風味に終わってしまって不完全燃焼です。もっと書きようがあったはず…

というわけで我が小説初登場、冴月麟が厄災でした。その力の正体は今のところ謎。さとりの読心能力さえ遮る世界への恨みは凄まじい。

天子/アナザーキバ。束縛、という共通点から配役です。解放されたらどうなったのか。何故かさとりに惚れてるデンジャラスガール。戦闘能力だけでアナザーゼロワンを降参させてしまいました。決め台詞は色々ミックスしたもの。

アナザーゼロワン新たな能力、巨大飛蝗。メタルクラスタ変身時のあの飛蝗がモデルです。飛び跳ねるのはライジングホッパー変身シーンから。それでも完全攻略されてさとりに助けられる羽目に。命の恩人感謝永遠に。…どこぞのおもちゃの影響ですね、はい。

厄災もとい冴月鱗の能力、カイジンライド・アギトでバッファローロードに変身し、カイジンライド・鎧武でメガへクスに変身、カイジンライド・キバでビートルファンガイア。どういう力なのかはまだ不明ながら強大な力です。ディケイドに酷似している様ですが…?マントを使った逃走など、一筋縄ではいかない相手です。

次回は新たな仲間を加えて新たな場所へ。次回も楽しみにしていただけたら幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などをいただけたら嬉しいです。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。むしろ感想くださいお願いします。

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