カウレスはその目に驚きを宿していた。
それはほかの者も同様であった。ユグドミレニアに連なる魔術師が東西南北から集めた聖遺物。無論、この大戦争の果てにユグドミレニアの名を魔術師の世界に轟かせるために、盤石のものにするために当主であるダーニック・プレストーン・ユグドミレニアが以前に参加した聖杯戦争、亜種聖杯戦争ではない、真の聖杯戦争である冬木の聖杯戦争で主催者たちの目を潜り抜け奪取し、このユグドミレニアの地へと接続した大聖杯を使用した魔術協会と聖堂教会を相手取って始める大戦争『聖杯大戦』の勝利を確定するために、まずはランサーとしてルーマニアにおいて知名度による補正が最高クラスであるヴラド三世を召喚した。
次に、ユグドミレニアの名を持つ魔術師から優秀な6人を抜粋し、それぞれに聖遺物を渡し召喚に臨ませた。アサシンを辺境の地であり大聖杯があった国である日本で召喚を行うといったが、「辞退」させた。
ここで不確定要素を入れるわけにはいかない。「ジャック・ザ・リッパー」を召喚するなら日本でなくともイギリスのロンドンで召喚したほうが確率は高くなる。わざわざあの土地で行わせる「必要性」は感じられなかったため、あの「他人」は始末しておいた。
そこで、もう一人候補がいたのでその者に令呪を移植し改めて聖遺物を用意しなおして召喚させた。
その「召喚したサーヴァント」が予想を外したのだ。
用意しておいた聖遺物は「強靭でありながら、強い毒性を宿した短剣」であり、ハサンが召喚されるとダーニックは想像していたが召喚されたアサシンは服装も手に持った武装も古代の装いでも中世の装いでもなく。
見た目は現代の一般人が来ているような服装のサーヴァントだった。
アサシン以外の5騎のサーヴァントたちはみな、予想通りのサーヴァントが召喚されたがゆえに、想定外の札を引いてしまったアサシンのマスターである青年を
アサシンのマスターはおおむね予想がついていた。どうみても、聖遺物は記憶の中にあった
(これがあったとしたら、将来的にこの世界から魔術も人間も消え去る運命にあるのかもねー。まぁこのアサシンを呼んだからにはまず勝てると思うけど、問題なのは人格かな?どのアサシンが呼ばれたか。全部の人格が呼び出されてたら厄介だよなぁ…)
「サーヴァント・セイバー。召喚の招きに従い参上した。我ら『黒』のサーヴァント、我らの運命は
大柄な体躯に相応しい大剣を背負い、銀色の頭髪を肩下まで伸ばした偉丈夫。その背中には特徴的な葉の形の跡とともに、竜翼があり、よく見れば頭部には竜角臀部には竜の尾がある。
「サーヴァント・ライダー。召喚の招きに従い参上した。我ら『黒』のサーヴァント、我らの運命は
小柄ながらも立派な騎士の装いをして、三つ編みにしたピンクの髪の毛と女性と見間違うような顔を持った青年。深紅のマントと頭の上の小さな王冠が高貴な雰囲気を作り出している。
「サーヴァント・キャスター。召喚の招きに従い参上した。我ら『黒』のサーヴァント、我らの運命は
顔は金色の角のついた仮面に覆われており、上半身も胸に緑の宝石が埋め込まれた金の鎧で覆われている。表情はうかがえないが、理知的な声をしており、服装はまさに「魔術師」といった感じの男性。
「サーヴァント・アーチャー。召喚の招きに従い参上した。我ら『黒』のサーヴァント、我らの運命は
アーチャーを見て最初に驚くのは下半身だろう。アーチャーは半人半馬の姿で現界していた。だが、その目には獣の面影などはなく多くの英雄を導いた「賢人」と伝えられている通りの姿であった。
「サーヴァント・アサシン。召喚の招きに従い参上した。我ら『黒』のサーヴァント、我らの運命は
アサシンを見て驚くのは何も服装だけではない。服装は現代の服を軍服にしつらえなおしたような服であり、腕には眼立つ腕輪をしており、その手にはセイバーに負けずとも劣らぬほどの巨大な武器を持っていた。
「ウウゥ…ウウ。」
バーサーカーはそのクラス通り意思疎通や言語などは備わっていないものの、その身体の美しさはこの場にいる者を凌駕している。頭には避雷針のような金色の一本角を持ち、華奢な体躯には似合わないモーニングスターのような武器を抱えていはいるが、その華奢な体躯を彩るような白い花嫁衣装はアンバランスさも相まって、何とも言えない魅力を醸し出していた。
ここに黒の陣営のサーヴァントは出揃った。これより聖杯大戦は開幕する。
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