「黒」のアサシン   作:爆焔特攻ドワーフ

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ぼるてる様。高評価ありがとうございます。励みになりました。


聖杯大戦 初戦

                  トゥリファス郊外道路

 

 深夜ではあるが、道路上に等間隔で設置された街灯があたりを明るく照らしている。

そこを歩く女性が一人。金糸のような髪が街灯に照らされうねり、美しくきらめいている。

ルーラー。今回の聖杯大戦にて召喚された特殊クラスであり「裁定者」のクラスを預かるサーヴァントである。

彼女に対峙するのは、街灯の上に立つ偉丈夫。

 

 白き髪と同じような肌、胸には紅玉が埋め込まれ、両手足には金属の鎧を纏っている。

右腕には凝った意匠が施され溢れんばかりの神秘を溢す槍。

背後には燃え立つ炎を体現したかのようなモノが漂っている。

彼を毅然と見つめながら、ルーラーは誰何する。

 

「貴方は、赤のランサーですね?」

 

その質問に少し頷き返して

「ああ。その通り、オレは赤の陣営に所属するサーヴァント・ランサーである。」

 

そして、彼は槍をルーラーに向けて構えた。

 ルーラーはその動きに警戒を示し、強い声で諭すようにランサーへと言葉を投げかける。

 

「ルーラーへの敵対行為は、そちら側に後ろめたいことがあると見なしますが、何かお伝えしたいことがあればお聞きします。もし、その事柄の説明をしないというのなら明確な敵対行為と判断して赤の陣営側にペナルティを課させていただきますが、よろしいですか?」

 

「構わん。オレの主はルーラーを排除せよと言われた。だから、オレはそれに従うまでだ。」

 

そういい捨てて、ランサーは槍を構えルーラーを食い破らんと構える。

ルーラーも手に旗を取り出し構える。

と、ランサーの視線がルーラーから逸れる。その視線に先にはルーラーとランサーの場に走ってくる一台の車の姿があった。

 ルーラーとランサーの目の前でドリフトしながら急停止した車からは、黒の陣営のマスターであるゴルド・ムジーク・ユグドミレニアと黒のセイバーが車から降り立った主を守るように出現する。

 

 「危ないところでしたな、ルーラー。我が名はゴルド・ムジーク・ユグドミレニアと申します。此度の聖杯戦争には『黒』のセイバーのマスターとして名を連ねております。」

 

ゴルドはランサーへと指を突き出し、その顔を憤怒に歪め言葉を吐き出した。

 

「『赤』のランサーよ! お前がルーラーを殺害しようとしたのを我々は確かにこの目で見た! 聖杯戦争を司る英霊の抹殺を謀ろうとは究極のルール違反であろう! 罰則程度で済まされることでは断じてない! 大人しく我がセイバーと…」

 

彼は大げさな身振り手振りでランサーを弾劾し、表情を緩めてルーラーに向き直ると

「彼女の沙汰を受け入れるがいい! 」

と言ったが、ルーラーは首を振り

 

「いえ、私が両陣営同士が戦うことに異存はありません。 私は介入しませんのでご安心を。」

とゴルドに返した。

 

「え?」

 

「私の命が『赤』のランサーに狙われることと『黒』のセイバーが『赤』のランサーと戦うことは全く別の案件です。私はルーラーとしてこの戦いの規律を守る義務があります。」

 

 予想外の返答に、ルーラーを引き入れようとしていたゴルドは固まったが、すぐさまセイバーに向き直ると

「セイバー!殺せ!あの『赤』のランサーを何としてでも叩き潰すのだ!」

 

 セイバーにランサーと戦うように指示した。

そのゴルドの慌てふためきようは見ていて滑稽だったのか

 

「ふむ、二人がかりで戦うことでオレを倒そうと企んだのか…?お前が求めるものはそんなことで得られる勝利か?何とも浅ましいが、それも一つの戦い方だ。オレはそれでも構わんが。」

 

「ッ!!!」

 

 その言葉でゴルドの顔が憤怒一色で染まる。『赤』のランサーの言葉はゴルドの憤怒の炎にガソリンを投げ込んだかのような結果を引き起こした。

「令呪を以て命じる!セイバーァ!あのランサーを殺せぇぇぇぇぇぇ!!! 」

 令呪が1画消え失せ、聖杯から膨大な魔力がセイバーへと行き渡り力がみなぎる。

セイバーは膨大な魔力に押し出されるように、ランサーへと駆け出し剣を振るった。

 

 

 

         英雄と英雄の人知を超えた戦闘がここに開幕した

      この戦闘並びに戦争はどちらかの陣営が撃滅するまで続く大戦争

                聖杯大戦初戦

 

 

      『赤』の陣営所属・ランサーVS『黒』の陣営所属・セイバー

       

                 Open Combat




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