皆さん生暖かい目でご覧ください。
リアルが忙しく、不定期更新になることをご了承お願いいたします。
(ああ…私は死んだのか)
神秘の石、インフィニティストーンの力を使いサノスの軍勢を宇宙から消し去り人類は勝利を収めた。
そして最後の一手を担った代償としてトニー・スタークの意識は暗闇の中にあった。
(だが、まあ宇宙全体を救った代償としては安かったかもな。ペッパー…すまない、モーガン…3000回愛してるよ)
残してきた妻と娘に思いを馳せる。
自分の半生は波乱に満ちていたが、悪くはなかった。
天邪鬼な自分だが今は素直にそう思える、そんな満足感に浸っていた。
(スティーブ…戦いの後で君はどんな人生を歩むだろうか、ナターシャ…君にはこれから会えるかもしれないな。ソー、ローディ、ブルース、ネビュラ、ロケット、他の皆も…我々はいいチームだった。心残りはあるが…後悔は、無い。そして…ピーター。君には大きな責任を負わせることになるかもしれないが…後のことは頼んだぞ)
死に際して思い出されるのは、アイアンマンとしての戦いの記憶ばかり。
だが、不思議と達成感と満足感だけがあった。
このまま消えゆくのみか、そう覚悟したその時。
『まだ、その覚悟は早いな。トニー』
聞こえてきたのは聞き覚えのある声。
(スティーヴン?どういうことだ?私は死んだのだろう?)
それは付き合いこそ短いものの、最後の勝利に大きな影響を与えた時と多元宇宙に干渉しうる至高の魔術師『Drストレンジ』の声であった。
『確かに君はインフィニティストーンを使用した代償で一度は死んだ。それは間違いない。私が見た唯一の可能性そのままにな。皆の代表として改めて礼を言う。おかげで宇宙は救われた。君を犠牲にすることでしか我々の勝利する未来はありえなかった。すまない』
(よせ。私が自ら選択して得た勝利だ。決して自己犠牲の賜物なんかじゃない)
『君らしい答えだ。そんな君だからこそここでその人生を終わりにするのは惜しい。だから勝手ながらこの勝利の果てには君の魂を新たな世界に生まれ変わらせる結末を含ませてもらった』
こともなげに言うストレンジだが、内容はとんでもないものであった。
(おい、待て。生まれ変わるってそんな勝手に決めるんじゃない!もういいんだ。私は自分の人生に充分満足している!!)
『残念ながらその苦情は受け付けられない。君の転生こそがこの勝利に含まれた真の結末のひとつなのだから』
そんなこと知るか!
トニーはそう叫びたかったが、急激に意識が混濁していく。
『さらばだ、トニー。願わくは君のこれからの人生に平穏があらんことを』
ストレンジの最後の声が届いたかどうか。
トニー・スタークの意識は新たな世界に旅立っていった。
『…もっとも、君のことだ。平穏無事な人生に興味はないかもしれないが…すべては君次第だ。自由に生きたまえ、トニー・スターク』
苦笑しながらつぶやくDrストレンジ。
運命は変わり、巡ってゆく。
これは自分の生命と引き換えに宇宙の半分の生命を救った偏屈な英雄の、次なる物語である。