この世界は俺に優しくない   作:天乃天

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短く刻んで申し訳ないのですが第6話です。


第6話

《やっぱり付近にノイズは見当たらないです》

「そうか、すまなかった響くん。戻ってきてくれ」

《了解です》

 

やはり今回もノイズの目撃報告はあれど、レーダーに反応はなし。シンフォギア装者を現地に向かわせても、付近にノイズの姿は確認できない。

虚偽報告かと疑われるが、我々はひとつ心当たりがある。強化に励んでいるが未だにレーダーに反応しないこと、そして人的被害が出ていないこと。このことから導き出されることは、いくら調べてもわからないあの変異体ノイズだろうということだ。

 

「また、ですね」

「やはりあのノイズでしょうか?」

「だろうな。翼はどう見る?」

 

不意とはいえ何度か遭遇できている翼に話を振る。

 

「十中八九ヤツの仕業でしょう。人から逃げるノイズなどヤツしかいません」

 

何度も逃がしてしまっていることを悔いているのか険しい表情になる翼。あの様子だと今回の現場にも行きたがっていた翼ではなく、響くんを行かせたことで不機嫌になっているのもあるか。年頃の娘というのはなんとも難しいものだ。

 

《でもそのノイズって人を襲わないんですよね?》

 

現場が本部から近いこともあり、歩いて帰ってくるという響くんが会話に加わる。

 

「そうか、響くんはまだ遭遇したことがなかったな」

《はい》

「今のところそれらしい報告があった際に被害の報告は聞いていない。また我々との数少ない遭遇でも全て逃げに徹していた」

「かといってレーダーに反応しない脅威はかわりありません!いつ何時襲いかかってくるか……。それに、報告がないだけで被害が出ている可能性も!」

「それは全力で調査をして一切結果が出ていないことから見てもないだろう。翼、落ち着くんだ」

「くっ……」

 

悔しそうに唇を噛みながら視線をそらすように俯く翼。

 

《分かり合うことはできないんでしょうか?》

「生物のような形態をしていることから過去に何度かコミュニケーションを取る試みが行われたが、その悉くが失敗している」

《でも!》

「確かにヤツは特異なノイズかもしれないが、翼の言う通り今後も襲わないという保証はない。未知数な部分が多いというのに、そんな危険な試みは司令として許可できない」

 

今までにない人を襲わずに逃げる特異なノイズ。響くんの言うようにコミュニケーションが取れる可能性は無いわけではない。どちらかといえば、俺個人の意見は響くん寄りだ。しかし、響くんはまだシンフォギア装者として新米だ。実力も経験も足りていない。危険過ぎる。

実行するにしても交渉者の実力やあのノイズについてもうしばらく調べてからだろう。

 

《え……》

 

通信をしたままだったが故に拾えた響くんの呟き。そして本部内に鳴り響くアラート。

 

「ノイズ出現!」

「位置特定!こ、これは……!?」

「響ちゃんのすぐ側です!」

「なん、だとォ……!?」

「周辺の映像モニターに出します!」

「出撃します!」

「待て、翼!」

 

翼は制止も聞かず飛び出してしまった。無理もない。モニターに映ったのは驚いて固まる響くんと、たった1体だけの人型ノイズなのだから。




SAKIMORI語録。
いつ何時→読みは「いつなんどき」正確には漢字で書くと何時何時となる。
以下ネット辞書より引用
( 副 )
〔「いつ」を強めた言い方〕
いつ。不測の事態の起こる時期が全くわからないさま。 「 -大地震が起こるかわからない」


次回もまた読んで頂けると嬉しいです。
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