没理由としては活動報告を読めば分かる通りモチベ低下と多忙によって書き続けることが出来なくなったのが大半です。
あとMSの動きとか参考に出来そうなものとかあんましなくて難しいね。
以上
装備はオリジナルと変わりません。
没理由としてはこの話を書くためにMGガンプラをそれぞれ買ったけどそっちに時間を使い過ぎて執筆を始める頃に燃え尽きてしまったからです。
サンダーボルトはキャラもMSも格好良くて好きですわ
「死ねぇぇっ! 義足野郎ぉぉぉっ!」
ズタズタに破壊されたコロニー内で、雷をバックに死闘を繰り広げる二人の姿。
ダリル・ローレンツとイオ・フレミング。彼らは、切っても切れない『絆』で結ばれていた
「クッ!」
ダリルの駆る真紅のIS
───『サイコ・ザク』は、バックパックにこれでもかと装備された武装とプロペラントタンクからザクマシンガンを二丁取り出し、遥か虚空の敵へ構える。コロニーの壁へ落下しながら上空の敵ISへ斉射。
マシンガンが火花を散らし、一秒に何発も撃ち出される度に鳴るタイプライターのような音が響く。
「俺はあの日、思い出したく無かった! 俺達は殺し合う運命だと言うことに!」
嘆くダリル。モノアイが光るヘルメットに隠れたその目は、激しい憎悪に満ちていた。
「でもよぉ、俺達は一度魅入られちまった! 戦いに! 血で血を洗う戦場の空気、そして殺し合いにぃっ!」
激昂するイオ。ツインアイが光るヘルメットに隠れたその目は、激しい怒りが燃え上がっていた。
しかし、二人が嘆けども、怒れども、あの日に戻ることは未来永劫、ない。
どちらかが死ぬまで、この戦いは、終わらない。
イオの駆るモノクロの重装甲IS
───『フルアーマーガンダム』は、ゴーストタウンの大通りをホバー移動しながら距離を取り続けるザクに対して肩部ビームライフルを放つ。
ズギュゥゥンという独特の音と共に、その高エネルギー弾はサイコザクを通り抜け、後ろの廃ビルを木っ端微塵に破壊した。
宙に舞う瓦礫。地に降り立ったガンダムは、止まっていた廃車を蹴散らし、また飛び立つ。青白いスラスターの残光を残しながら。
「思い出したからには、もう元には戻させねぇ! 今度こそお前に…勝つ!!」
肩部のミサイルポッドから放たれる多弾頭ミサイル。白い軌跡を残しながら、分散する。
ザクはマシンガンをバックパックに付いたサブアームに託し、ジャイアントバズーカに持ち替える。マシンガンを真後ろから迫るミサイル群に向けて、射撃。廃ビル群の頭上でミサイルがことごとく爆砕される。
その先にいる筈のガンダムが……いない。
警告。
ビーッという甲高いアラーム。
頭上にはビームサーベルを構えたガンダム。
咄嗟にバズーカを捨て、ヒートホークで切り結ぶ。
ダリルは歯ぎしりする。
「絶対に殺す……殺してやる!!」
「うおおおおおおおお!!」
ホバー移動のまま右に左にジグザグと動く。触れ合った切っ先から火花を散らす。
「ぐううっ!」
イオは唸り、ザクのヘルメットを掴んで抑えた。もう片方の手でサーベルを構え直し、相手の胸に突き立てようとする。
ビームサーベルの光を捉えるザクのハイパーセンサー。火器の反応を知らせるアラームが鳴り続ける。
「ッ!!」
ザクは咄嗟に相手の手首を掴み、振り払い。
両者転がって受け身をとった先で、またも二人の顔が歪む。
ザクマシンガンとロケットランチャーが火を吹き、至近距離で大爆発を起こした。
前面を四枚のシールドで防御しながら煙から抜け出すガンダム。上空に後退し、安全を確保した後、左腕のシールドをパージしてサブアームのシールドに付け替える。
同じくザクも、離脱した後、背部に接続された大型プロペラントタンクをパージ、ザクマシンガンのマガジンを捨てて収納。ビームバズーカへ持ち替える。
大型バックパックから青い光を吹き出し、ザクへ迫るガンダム。正面から狙ってくるビームを避け、二連ビームライフルをザクへ照準を合わせる。
射撃。爆発。手応えは
───軽い。
ハイパーセンサーは確かに爆発の光を捉えた。イオはそこを重点的に見やる。
爆発したのは、先程パージしたプロペラントタンクだった。
「頭上!」
叫ぶイオ。その言葉通り、頭上にはビームバズを構えたサイコ・ザクが。砲門が光る。
光芒がまた現れ、そして消える。
「ぐっ!」
イオは唸りながらも、辛くも避ける。
お返しと言わんばかりにランドセルに搭載された大型ビーム砲を放つ。
(俺は…お前より、上だ……!)
一瞬、イオの頭に過るビジョン。脳裏に焼き付いた、シュツルム・ファウストが放たれるそれを振り払い、追加で多弾頭ミサイルを三つ放つ。
ダリルも険しい顔でジャイアントバズを放ち、ミサイルを一つ落とした後、身を翻し後退。ザクを通り抜け眼前に躍り出たものをマシンガンで破壊する。
残った多弾頭ミサイルは展開し、弾頭が散開。白い軌跡を残しながら空中で乱舞する。
全方位から迫るミサイルをスレスレで躱し続けるザク。ダリルは冷や汗を感じながら、ジャイアントバズを取り出し、マウントバズーカ射撃。
爆発。ミサイルを一つ落とすが、本命はガンダムであり、ミサイルは射撃を阻む壁だった。もう一発撃つが、ミサイルの雨に阻まれ、ダリルは舌打ちする。
マシンガンを乱射、ミサイル群を一層したが、左方から、ガンダム。
「っ!?」
振り向く。が、遅い。
「でぇやぁっ!!」
スラスターを更かして急接近。そしてビームサーベルによる一閃。それは、ザクが装備していたバズーカの砲身を叩き斬った。
バズーカを手放しマシンガンを斉射。が、弾切れ。
シールドで防御していたガンダムだったが、一転、ビームサーベルを逆手に持ち、ザクに肉迫する。
「運が悪かったな!」
「うっ!」
咄嗟にヒートホークで受け流す。が、ヒートホークの動力パイプを焼き斬られた。
ヒートホークを捨て、シュツルム・ファウストを放ち、距離を取るザクだが、逃がすまいとガンダムは二連ビームライフルを向ける。
距離五○○メートル。確実に当たる距離。
「当たるっ!?」
世界がスローに変わる。どんよりとした何かが流れる。ダリルは目を見開いた。
イオはトリガーを引き、銃口から眩い光が───
ピシャァン!!
「!?」
何かが空から落ちた。ビームはザクの背後のビル状のデブリを破壊する。が、ザクにその二筋の光が当たることは無かった。
雷。
空から落ちた雷が、ビームを捻じ曲げた。
「チッ!」
イオは舌打ちする。苛立ちが募っていた。
「今だ!」
一瞬驚いたダリルだったが、この光景は一度見ている。すぐに冷静さを取り戻し、サブアームから右腕にビームバズーカを拝借。両腕でしっかり構えてトリガーを引いた。
「ぐうううううっ!」
ビームバズーカの一撃を、シールドで防ぐ。爆発。シールドが破壊され、ガンダムはそれを捨て去り、右サブアームのシールドを左腕に装備。
燃料の切れたプロペラントタンクを捨て去り、地面を背に滑るように移動しながら二連ビームライフルのトリガーに指をかける。
壮絶な撃ち合いが始まった。
バズーカを発射、緊急回避すると共に、さっきまでいた場所に赤いビームが突き抜ける。
ガンダムがトリガーを引くたび、そしてザクもトリガーを引くたびに轟音が轟き、建物が破壊され、コロニーの壁に大穴が空く。
両者が、倒すべき敵へ向けて武器を構え、トリガーを引き、相手の攻撃を回避する。
建物の影に隠れ、大型ビームキャノンを放つ。離脱、上昇して更に一発。バックパックに搭載されたミサイルポッドのミサイルを全て放ち、バックパックをパージする。
先程まで隠れていたビルはバズーカによって跡形もなく爆破されている。
バズーカを二発放ち、後方宙返りをして二連ビームライフルの光芒を避ける。バズーカを更に放つ。
三点バーストをデブリを盾にして避け、下部プロペラントタンクをパージ。バズーカのマガジンを換装する。
「「はあああっっ!!」」
吠えた。
ザクは左腕にビームバズーカ、右腕にジャイアントバズを構え、サブアームには二丁のザクマシンガン。全てをガンダムに向ける。
負けじとガンダムも増加装甲のミサイルハッチを全て開く。
全弾発射。
山嵐を超える弾数のミサイルが飛び、ザクを包囲。
ダリルは歯を食いしばり、ミサイルを避けながらザクマシンガンをガンダムに向かって放つ。
と、ミサイルのうちの一つがバズーカに命中、破壊される。
続けざまに光芒。二連ビームライフル。ミサイルの合間を縫って放たれたそれは、ビームバズーカもろとも左腕を破壊。
バランスを崩すザク。ダリルは歯から血が滲み出る。だが、それでも食いしばってシュツルム・ファウストを命中させ、シールドを破壊した。
「ここで決着をつけてやる……!」
ダリルはそう一言、ザクマシンガンを捨て去り、バズーカを右腕に、建物の影に隠れる。
「義足野郎ォ……!ここがお前の墓場だ…………!」
同じくガンダムもコロニー外へ後退し、二連ビームライフルと増加装甲をパージ。右腕に巨大な窪んだ跡のついたシールドをつけ、左手はビームサーベルを構える。
建物から身を曝け出し、バズーカを放つザク。それをガンダムはスクリュー回転して避けるが、シュツルムファウストが左足に命中、左足を失った。
「この野郎!」
唇を噛み締めながらビームサーベルを振り払い、両足を何とか破壊する。
ザクは制御を失い、失った右腕から煙を出しながら不安定な挙動を見せ、コロニー内に姿を消す。
ガンダムはイオが相当息を切らしており、ザクがコロニー内に入っていく様子を荒い息を吐きながら見ている。
長きに渡る二人の宿命が、終わりを告げようとしていた。