ガンプラビルダーズ・フレンズG-Next   作:いすた

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ダイズが住むマンションの近くに、

住宅が立ち並ぶ区画の中に、一件のレストランがある。

「Friends」と看板がかけたれた、北欧風のおしゃれな建物のドアを開ければ。

テーブル席3つ、カウンター席8つの小さめな内装に

ピークタイムが過ぎてまばらな店内には、テーブル席に家族が一組とカウンターに二人。

従業員は店内に控える若いウェイトレス一人と、

カウンターから良く見えるキッチンの中の二十代中頃の男性が一人。

Yシャツにジーンズのラフな姿に、フレンズと店名が刺繍されたオレンジのエプロンを身に着け。

名札には『モービル』と、どう見ても横文字だが、

緑がかかった短い髪とよく似合う童顔の顔つきは、まちがいなく日本人だ。

彼、モービルは入店してきたダイズの顔を見て、柔らかく微笑んで迎えてくれる。

 

「いらっしゃいダイズ君」

「お邪魔しまっす、モービルさん」

 

レストラン、フレンズの店長モービルもこの名は偽名だと公言しているが。

この人が悪い目的で名を偽っているわけではないと、料理を食べた者が満場一致で否定しよう。 

いつもの席、カウンター席の一番右に座ると、コトリとお冷が置かれる。

ウェイトレスの恰好をした二十歳ぐらい女性は。

 

「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」

 

愛想のないマニュアル口調。

長く伸ばしてよく見えない前髪が、さらに愛想の無さを助長している。

名札には『懸樋 獣李(カケヒ ジュウリ)』と書かれている彼女は、

3か月より少し前からここでアルバイトしているとダイズは記憶している。

前髪からちらちらと覗き見える顔は、愛想がよければ満点の美人さんだろうに。

なんて思いつつも余計なお世話かと言葉を飲み込んでから。

メニューは見ないで空で考え。

 

「最近パスタばっかだったかんなぁ、うし、今日はトンカツ定食ごはん大盛りにするぜ!」

「トンカツ定食おひとつですね。店長、トンカツ定食一つです」

「うん、少し待っててね」

 

モービルは相変わらず、年齢24とは思えぬ無邪気な笑顔を見せながら、調理を始める。

その腕前は一流ホテルのベテランコック長に劣らないと評判で、

調理師学校の生徒時代ですら、あちこちのホテルや料亭からお呼びがかかっていたそうだ。

ところがモービルは「僕が極めたいのは家庭料理です」と誘いを全て断り。

住宅街のど真ん中に小さな店を構え、

一人で応対できるだけの客数に、最高の家庭料理を提供するレストランを建てたらしい。

偽名を使っているのもそのあたりの関係だろうというのが、この店を利用する客達の推測である。

 

「おまたせ、トンカツ定食だよ」

 

モービルからジュウリに、

ジュウリからダイズの元へと運ばれた器から漂うソースと油の極上の香り。

 

「おっほたまんねぇ! ゴチになります!!」

 

千切りキャベツの座布団の上に鎮座する、肉厚かつジューシーなトンカツを例えるならば大将軍。

モービル手作り自家製ソースは、盤石なる完璧な執政を表現していた。

左大臣の白米に、右大臣の味噌汁が組み上げる組織は盤石なる幕府だ。

トンカツを箸で一切れつまんで持ち上げれば、切り口からポタリと滴る肉汁は百万石の御恩。

口の中に広がる、油で揚げながらもさっぱりとした口当たり。

下処理を丹念に施された豚肉は柔らかく、

噛めば肉汁という名の絶対権力が、舌を屈服させて繁栄をもたらす。

いい肉作るよ鎌倉幕府。願わくば、食べつくした後に口が応仁の乱を起こさぬように。

待て、歴史が飛んだ、だって美味すぎるのだもの大政奉還。

脳内で妙なテンションの食レポが行われるのはさておき。

ダイズは家柄の関係で、家庭料理というものにはトンと縁がなく。

初めて食べたのが高校生になってから、このモービルの家庭料理だった。

それは不幸な事だった。なにせ初めて食べた家庭料理が最高の品であったがゆえに。

全国チェーン店のファミリーレストランで同じ物を食べた時、なんだこれはと愕然としたからだ。

ダイズが外食をするならばココだと、決めて変わることは考えられぬ。

そんな極上の家庭料理を満喫するダイズの足元に置かれた、

透明のビニール袋と、見える黒い箱にモービルは気が付いた。

 

「あれ、ダイズ君、それは?」

「ん? ああこれっす? ガンプラっすよ!」

 

嬉々としてモービルに箱を見せるダイズ。

 

「いやぁ、近くのゲーム屋で買おうと思ったら、

 あそこプラモの取り扱いやめちゃったんで、

 ちょっと離れた模型屋までいくハメになっちまったすよ」

 

確かゼブラゾーンっていう店だったっす、と弾んだ声で自慢するみたいなダイズ。

それを見ていたジュウリは、どうも店にダイズが入ってきた時から気になっていたらしく。

前髪の隙間から覗く瞳は心なしか輝いて見える。

 

「君、ガンプラしてたの?」

「いや、これがはじめて。

 え~っと、買ったのは、……ギャロップだったっけか?」

「……『ギャプラン』。機動戦士ゼータガンダムに登場した、オーガスタ製のモビルアーマー」

「おお! 詳しいな姉ちゃん! いやぁ、ガンプラって予想以上に量があって何買おうか迷ったんだけどさぁ。

 パッと見なんかコイツがかっこいいし、飛行機に変身するってあったんで、俺の初ガンプラにしたってわけ!」

 

ガンプラを始めるなら、まず自分がかっこいいと思ったものに決めよう。

そう聞いた通りにダイズはガンプラを選んだ。

モービルは少し意外だといった様子で、ダイズとガンプラを見比べながら。

 

「でもどうしたの? 急にガンプラだなんて」

「いや、急ってわけじゃないっす。

 実は俺、バーチャルアイドルのアマミヤ・ネコトちゃんの大ファンなんっすっけど――」

 

ガチャン!

突然、ジュウリが金属製のお盆を落としてしまう。

 

「ご、ごめんなさい!」

「あはは……。うん、僕も知ってるよ、ネコトさん」

「モービルさんもっすか! あのコめちゃくちゃ可愛いっすよね!

 で、ネコトちゃんがいっつも楽しそうに話してるガンプラってどんなモンか、

 この機会に触れてみようと思ったんっすよ」

 

満面の笑みで、ギャプランの箱を揺らして語るダイズ。

次に、食事以外でこの店に来た理由を切り出す。

 

「それで、俺に店の裏にあるガンプラ工房を貸してもらえないっすか?

 今は奥さんがいないんでレンタル休止中って話っすけど、

 俺、工具とか持ってなくて……」

 

レストランの裏にはモービルの妻が所有するガンプラ用の工房があるとダイズは知っていた。

奥さんは界隈ではとても有名なモデラーだそうで、

彼女が居る時は工房の貸し出しも行っている。

今は海外出張中で不在のため閉鎖しているが、使わせてもらえないかと頼み込むダイズ。

ああ、そういうことならとモービルは悩む素振りも見せず。

 

「是非、使っていいよ。

 ユリカさんも新しいガンプラビルダーに使ってもらえるならきっと喜ぶから」

「やったっす! いやぁ、さすがはガンプラ……マイニングだっけ? の奥さんっす!」

「ガンプラマイスターよ」

「そう! そのガンプラマイスター!」

 

そうと決まればさっそくと、手早く、しかし味わって極上の料理を平らげて。

 

「ごちそうさまっす! じゃあモービルさん、工房お借りしまっす!」

「あ、ちょっと待ってねダイズ君」

 

モービルは走り出しかけたダイズを一旦呼び止め、次にジュウリの方を向き。

 

「ジュウリさん、ダイズ君にガンプラを教えてあげてくれるかな」

「えぇ!? 私がですか!? で、でも……」

「お店の事なら大丈夫だよ。お給料もプラスしておくから、ね?」

「うぅ……わかりました」

 

この店で一人しか雇っていないアルバイトのジュウリを付けてくれるとは。

さすがモービル店長、料理も人も優しいお人。

 

「んじゃ、頼むぜ姉ちゃん!!」

「はいはい……うぅ、なんで私が……」

 

ジュウリのブツブツつぶやく文句も、気分が高揚しっぱなしのダイズには届いていない。

レストランから出ていく二人の背中を見送ってから、

モービルはキッチンの上、”そのため”に設置された棚に置かれた白と橙のガンプラへ向け語り掛ける。

 

「新しい仲間ができるね、パワード」

 

そう呼ばれたモービルの相棒は、

物好きがまだ居たんだな。

と、10年前からかわらぬ悪態をつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カケヒ・ジュウリにとって、レストラン・フレンズの常連、ジケイ・ダイズという少年は苦手なタイプだった。

まず、一目で自分は不良ですと主張する、鎖をじゃらつかせた改造制服。

こういう、いわゆるヤンキーに、良い思い出はない。

次に、190センチはあるだろう長身。

いらっしゃいませと出迎える時に、身長差40センチともなると、首をあげないといけないし。

目つきも鋭く、気が強い方ではないジュウリは委縮してしまいがちだ。

おまけにこの顔。

強面だが、少女漫画の定番台詞「おもしれー女」とか壁ドンされながら言われたら、

尻軽な女ならコロッと落ちてしまう程度には整っており。

このヤンキー君、おそらく日頃から女を漁って喰ってとっかえひっかえを繰り返しているに違いない。

特にロマンスもなく高校を卒業し、大学にもいかずにフリーターとなって、

この店でアルバイトをして生計を立てつつ、グッズ収集に勤しむ生粋のオタクのジュウリからすれば、

こういうリア充オーラ全開のタイプはどうにも好きになれない。

まぁ嫌いなだけならそれで、アルバイトとして鉄皮面に徹すれば終わりだったのだが。

そうもいかない理由がひとつ。

尊敬する店長、モービルの料理を食べる姿勢は、前述した外見的特徴も一発で吹き飛ぶほど綺麗で。

マナー講師共が優越感のために定めたテーブルマナーも、

彼が食事をしているだけでどこか芸術品のような錯覚を受けてしまうのだ。

モービルもそんな彼の上品ながらもおいしそうに食事をとる姿に、作り甲斐があると嬉しそうに語るほど。

まとめると、ジュウリにとってはこの上なく苦手なタイプである。

良いとこのお坊ちゃん。別に料理にクレームもつけずに、トラブルも起こさず、無害な優良顧客。

繰り返すが、苦手なタイプである。

故に今日入店する際に、見慣れたビニール袋に見慣れた黒いパッケージを持っているのに気が付いても、

なかなか声をかけられずにいた。

モービルが気づいて問いかければ、彼はガンプラを始めてみるという。

ガンプラは歴史が長い。長すぎるぐらいだ。

今はブームの低迷期に入っており、新しく始める人は珍しい。

理由が気になる。――さすがモービル店長。ちゃんと聞いてくれた。

 

「実は俺、バーチャルアイドルのアマミヤ・ネコトちゃんの大ファンなんっすっけど――」

 

不意打ちにも程というものがある。

いや、程を超えるから不意打ちが成立するのだけれど。

思わずお盆を落としてしまったジュウリを、モービルはちらりと見やり苦笑を浮かべている。

 

「あはは……。うん、僕も知ってるよ、ネコトさん」

「モービルさんもっすか! あのコめちゃくちゃ可愛いっすよね!」

 

平常心、頬が緩みそうになるのを必死にこらえるジュウリ。

話が進み、ダイズは店の裏の工房を貸してほしいと願い出た。

モービルの性格ならばすぐにOKと出すとわかってはいたので、

思うところがあるとすれば、初心者が作業をするには最高すぎる環境だと羨ましいぐらいか。

モービルの妻、ガンプラビルダー最高の称号ガンプラマイスターを持つ、

『トウジョウイン・ユリカ』様の工房の充実ぶりは、近隣の工房を覗いたってそうそう及ぶものはない。

まぁとりあえず素組を頑張ってと見送ろうとしていたジュウリに、モービルが。

 

「ジュウリさん、ダイズ君にガンプラを教えてあげてくれるかな」

 

こっちも不意打ちだ。

ジュウリは彼に苦手意識があるからあまりお近づきになりたくないのに。

――しかし断ろうにも。

 

(ネコトのファンって言われちゃうとなぁ)

 

無碍には、できない。

ダイズを連れてやってきたのは、店の裏のガンプラ工房。

複数人で作業ができるようにと用意されたスペースは広く、

10人は余裕で作業ができるだろう。

各種工具はもちろん、塗装ブースに乾燥ブース。

軽食用にポット、電子レンジ、IHコンロまで備わる至れり尽くせり。

壁面の大ショーケースにはここで生まれた作品達が多数展示されており。

今日初めて工房に入ったダイズはそこから漂うオーラに惹かれて駆けより。

 

「うっひょー! これ、全部ガンプラなのかよ!?」

 

色とりどり、百種百様のガンプラはどれひとつとっても、素人のダイズですら魅了するクオリティ。

Y・Tのイニシャルが製作者に記載されたガンプラが一番多いが、

『レイヴ・D・ヴァンキッシュ』『クリムゾン・シルエット』『アッシュ・スワロー』と、

今をときめく著名ガンプラビルダーの作品も多数収められており、

有識者であればこの棚一つにつく価値に、くらりと目を回すことだろう。

ジュウリも最初はそうだったと、三か月前の事を懐かしみながら。

 

「すごいよね。この作品達のどれにも、あふれんばかりの愛が込められている。

 その愛を、他者の視覚から心に訴えかけるテクニック。

 憧れてしまうなぁ」

「こんな俺にも、すげぇってのが伝わってくるからな!

 いやぁ、こっちの棚のガンプラもかっこええ!

 ミナセ・ミナモさん。タカイ・クミさん、それからこっち――うおぉぉぉぉぉ!!」

 

ダイズがこれまでで一番の声をあげた場所。

そこはつい最近作られたガンプラを展示する場所だが。

 

「ね、ネコトちゃんのガンプラだぁぁぁぁ!!」

 

少し前にネコトが動画で公開していた、ジャイオーンというガンプラだ。

宝石の如く輝くターコイズカラーはまちがいない、これはあの動画で見た、生作品!

キラキラ輝く、ガラスに穴が開きそうな熱視線をそのガンプラに注いでから、

次に工房を見回して。

 

「ここ、ネコトちゃんも使ってるのかよ!?」

「そ、そうみたいね。わ、私は会った事ないけど……」

「よっしゃテンションあがってきた! 俺もガンプラ作るぜ!!」

 

モチベーション、フルボルテージ。

作業台に飛びつき、買ってきたガンプラ、ギャプランの箱を開ける。

ポリ袋に詰め込まれた中に、ランナーと呼ばれる枠にびっしりと収められたパーツ達。

片面カラー印刷の説明書と、色分けでは再現しきれなかった箇所を補足するホイルシール。

ほうほうとそれらを眺めるダイズの前に、ジュウリは必要な工具を収めた箱を置き。

 

「とりあえず、まずは普通に組み立てましょう。

 プラスチック用ニッパーに、デザインナイフ、紙ヤスリ。

 この3つがあれば、素組は大丈夫ね」

「素組?」

「ガンプラの説明書通りに組み立てる事よ。

 ネコトみたいに色を塗ったり改造したりするのはもっと後」

「そりゃ道理だな」

「説明書をよく見て、必要なパーツだけをランナーから切り離していくのよ。

 慣れないうちに先のパーツまで切り離してしまうと、あとでわからなくなってしまうから」

「へー。ネコトちゃんは最初に全部切り離してたけど」

「あれは、いちいち説明書とランナーを交互に見るのが面倒だからやってるの。

 言っとくけど、あれが出来るようになるまでかなり時間がかかったんだから」

「――かかった?」

「っ――! わ、私も組む時は全バラ派だから。

 ネコトとは色々とやる事が被ってるみたいね!」

「なるほど。そういや姉ちゃん、声もなんとなく似て――」

「た、他人の声似ってやつよ!!」

 

ジュウリも自分でかなり苦しいと自覚はあるが、どうやらダイズはあまり深く考えてはいないようだ。

ほっと安堵の息をつき、ジュウリはパーツの切り離し方や、組む時の注意点などを細かく説明していく。

 

「んー、説明書って割に、文字が少なくね?」

「国外需要も狙って作ってる商品だからね。

 ギャプランが発売された頃は、とにかく記号表記だけの時だったかしらね。

 ちなみに、そこから15年もすると、今度は日本語と英語表記が一緒になって、文字が米粒みたいになるわよ」

「説明書からも時代の変化がわかるってのも、なんかすげーな」

 

ガンプラが組みあがり、人の形を成してくにつれて、ダイズの横顔の喜色はコントラスト鮮やかに。

初めてガンプラを組む楽しさは、何物にも代えがたい。

ジュウリも初めての頃を思い出す。

あの頃と同じ気持ちを、今目の前の少年が感じているのならば、それは喜ばしい事だ。

いつしか苦手意識も薄らいで、ダイズのすぐ隣に座る事への抵抗もなくなっていくジュウリ。

……それにしても、ガンプラを組む時ですら姿勢が良い。

よほど厳しくしつけられて、無意識にしている事なのか。

などと考えている間に、ダイズのガンプラ、ギャプランは完成した。

 

「うっひょー! 実物だとまたカッコイイじゃねぇか! ギャプラン!」

 

写真で見るのとはわけが違う、360度、前後左右どちらからでも鑑賞に堪えうるプロポーション。

鋭角で構築されたデザインに、巨大な両足と、

両腕から伸びるムーバブル・シールド・バインダーはシルエットだけでも個性を生み出し。

登場作品のゼータガンダム放映から30年以上経とうとも、この魅力は色褪せない。

 

「さっそく変身! ええっと、もびるすーつ、から、もびるあーまー、って言うのか」

 

付属のスタンドも組み立てて、説明書の手順通りに変形させれば、

縦にパタンと畳む変形で、ガラリと変わるデザインは今にも飛び出してしまいそう。

 

「ほー、変身、じゃなくて変形か。こうもガッチリデザインが変わるたぁ、すげぇデザインセンス」

「まぁこの時代の頃が際立ってるけどね。やっぱり、ゼータシリーズの機体デザインはオーパーツよ」

 

新鮮な驚きを見せるダイズに。

ガンダムオタクらしい意見を述べるジュウリ。

初心者とベテランが同じキットを、違う視点で眺めながら。

たっぷり10分、二人でギャプランを眺めて眺めつくしてからダイズは口を開き。

 

「いやぁ、ガンプラバトルっていうの、やってみてぇなぁ」

「まぁ、ガンプラを作った次はもちろんそうなるわよね」

「モッチロン! え~っと、この近くに設置してある店舗はどこだったけなっと」

 

『ガンプラバトル』。作りあげたガンプラを使い、仮想空間でバトルをするバーチャルゲーム。

PODと呼ばれる専用の筐体を使って遊ぶため、筐体が設置してある店舗まで行く必要がある。

確かこのガンプラを買った店舗、ゼブラゾーンにはあったなと記憶を探るダイズだが。

ジュウリは、いちいち移動する必要はないと。

 

「ここにあるわよ」

「えぇ!? あの筐体結構高いって、ネコトちゃん言ってたのに!?」

「まぁそこは、モービル店長とユリカ様に感謝よね。遊びたいんでしょ?」

「もち!」

「じゃあ、付き合ってあげるわよ」

 

仕方がないとでも言いたげなジュウリだが。

さて、遊びたくてたまらないのはどっちか。

ガンプラを組むダイズの笑顔にあてられた彼女は、乾燥ブースを開き、自分のガンプラを取り出した。

ギャプランに比べて小柄ながらも、マッシブな体系が特徴で。

ガーネットのように深く赤い輝きを放っているガンプラを手の中で転がしながら。

 

「まだ塗装途中だけど、初心者君と一緒に遊ぶには十分でしょ。

 私も、この『ダハック』の試運転になるしね」

 

 

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