――――全ての景色が置き去りにされる超極音速の世界の中、状況は劇的に変動した。
5秒。
『マスター!』
鋭い白煉の声と同時に、超高感度ハイパーセンサーに映る簡易戦況ログに増える、シャルロットが撃破されたという表示……相手は箒。恐れていた事態が、早くも現実のものとなった。
10秒。
『――――紅椿。SEを60%回復。『絢爛舞踏』、発動しています』
「ッ……!?」
SEを無尽蔵に回復するという、元々馬鹿げた強さを誇る紅椿の戦闘能力をさらに押し上げるチート単一仕様能力が、どういう訳かここにきて復活しやがった。この時点でもう既に最悪の斜め上をいったが――――
18秒。
『レーダーに反応……紅椿です』
どうも――――状況は、俺に戦慄する時間すら、与えてくれないらしい。
高速巡航用に強化されたハイパーセンサーが、紅椿を捉える。
箒は、CBF象徴にして、俺が目指していた高得点チェックポイントの一つでもある、キャノンボールフラッグの上に陣取り仁王立ちしていた。
もうあいつも俺が近づいているのは気がついている筈だ。だが、動く気配は全くない。
箒は降ろした剣を上げすらせず、俺の方を見て、ただ不敵に笑った。その顔が、何より如実に語っていた。
――――行きたければ、行けばいい。私からはもう、お前に何もする必要などないと。
……やっぱ考えてることは同じかよ! その癖態々俺の前に姿を現すところがもう、本当憎らしいくらいあいつらしい。
いいぜ、その喧嘩買ってやるよ……!
「悪いな白煉、最後の最後で予定変更だ……凱旋は、あの調子乗った幼馴染をブッ飛ばしてからにする」
『……はぁ。まぁ、こうなる気はしていましたが』
白鷹をパージ。高速巡航用に固めてあった体勢から解き放たれるのと同時に、即座に空中で体を丸めて一回転、箒に向けて足から突っ込む。
福音の時にもやった、白鷹からの超極音速ドロップキックだ。箒は俺が乗ってくるのを確信しており、当然のように強化Eシールドで受けようとしたようだが、流石に甘い。白鷹の推力がそのまま乗ったマッハ10の飛び蹴りは、紅椿のシールドさえあっさりブチ抜き、俺は余裕こいてた箒をキャノンボールフラッグの上から叩き落としながら、数キロ程海を叩き割りつつ滑りながら着水。
「っ……遠慮なしかお前は! 今のは私と紅椿でなければ、下手をすれば死んでいたぞ!」
が、ここまでしても箒は念入りに二重にEシールドを張っていたようで、衝撃は殆ど本体には伝わらず、箒本人も吹っ飛ばされながらすぐに空中で受け身をとりつつ俺から間合いを取る。
チッ、流石にそう簡単にはいかないか。なんだよ、殆ど生身みたいな見た目の癖に、固すぎんだろこいつ。鉄筋コンクリートの壁蹴り飛ばしたみたいな感覚だったぞ。
「あんな目立つ場所で、一人で勝ち誇ってた奴の台詞とは思えねえなおい。それともただの虚仮威しだったか?」
「フン……虚仮威しかどうかは、お前自身もわかっていると思うが?」
「わからないね。だってそうだろ? 今のレース状況がどうなってるにせよ……お前はここで脱落なんだからな」
「抜かせ。私は言ったぞ。今回ばかりは、譲ってやれんと」
「たりめーだ馬鹿。お前になんざ、何一つ譲ってもらう必要なんかない」
互いに向き合い、軽口を叩き合いながら、戦意を高めていく。
あーあ。結局こうなるのか。まあ白煉も言ってたけど、正直俺もそんな気はしていた。
確証なんて殆どなかったけど。紅椿がゴールしてないとわかった時点で、何となく。
箒が待っているような、そんな予感があったのだ。
「――――篠ノ之流『二級』。篠ノ之箒、推して参る」
「……!」
いよいよ戦意が高まりきり、そろそろかと鳴った頃。箒が名乗りを上げる。
二級、か……箒の実力に明らかに見合っていない、その段級。思うところは、勿論あった。
柳韻さんの道場は、神主でもあった、あの人の本職が閑散期の時にしか開かない場所だった……まぁ、場所自体はいつも解放していたので、自主練する分にはいつでもできたんだが。
で、まあそんな特殊な道場なお陰で、お世辞にも流行ってるとは言えなかったが、それでも俺達以外にも門下生はいた。
とはいえ、篠ノ之流は本来刀で斬り合う想定の、バリバリの実戦剣術だ。ポン刀なんて持ってないであろう一般の人に教えても、そうそう役に立つ機会なんてない。
跡取りの箒と、一時期酷い頃の弾がそこらのチンピラに見えるレベルでグレて、切れたナイフやってた昔の千冬姉を篠ノ之流奥義フルコンボで半殺しにして少しだけ丸くさせて以来、すっぱり竹刀を握らなくなった束さんを除けば、教えて貰ったのは俺達姉弟くらいだったと思う。
だから表向きは剣道の道場をしていて、必然的に俺達の段級もそれに習うことになった。
が、結果として。あの道場は、俺達が別れる切っ掛けとなった出来事を期に閉鎖されることになる。
当時、俺達の段級は二級。実力はあったと思っているが、年齢の問題でまだ一級にはなれなかった。
以降、俺も剣を囓る程度は続けてはいたが、篠ノ之流というより千冬姉の模倣で、千冬姉自身もそうなのもあってやり方自体は我流のそれになっていった。『篠ノ之の剣士』としての成長は、あの時止まったのは感じていた。
箒も、多分そうだったんだろうな。あいつは剣道自体は続けていたようだが、それはあくまで剣道であって篠ノ之流じゃない。
だから……今ここで、敢えてああ言った。なら……俺も、嘘を言うわけにはいかないか。
「篠ノ之流『二級』、織斑一夏。行くぞ。いざ、尋常に――――」
「……! フッ。ああ、尋常に――――」
「「勝負!」」
互いに動いたのは全く同時。一歩前に踏み出すと同時に、空中で青と金の光が交錯し、入り乱れた。
今の紅椿は、福音戦で見せた展開装甲の力は絢爛舞踏でSEが回復して尚使えないのか、姿はスタートの時と同じ、剣道一式風のままだ。
ただ、得物であるブレード『雨月』の刀身が、見るからにヤバいくらいギラギラと金色に光っている。実際威力もヤバく、IS本体どころかシールドにかすっただけでSEがガッツリ減る。怖い。
『僅かに展開できる展開装甲の『追加Eブレード』の精製能力を、全て『雨月』の強化に振り分けているようです。これでかの武装は、展開装甲を使用できない代償に通常時の2倍のシールド貫通力を有しています。さらに――――』
は? さらに?
『あの展開維持のための新機能、『絢爛祈刀』は、SE循環後10秒間、雨月内に活性したSEを凝縮させ、ブレードを強化する性質があるようです。これにより、さらに100%……雨月の納刀後、束の間とはいえあの武装の実質攻撃力は4倍になります。留意してください』
4倍? 元々あの馬鹿みたいに堅くて、セシリアの切り札のレーザーでなんとかブッた斬った福音の翼を、容易く穴あきチーズみたいにしてた、雨月の攻撃力が4倍? ふざけんな攻撃力を気軽に倍々にすんじゃねえよ、界〇拳じゃねえんだぞ!
そら一般枠の娘達も開幕ワラワラ落とされるわ。このパッと見飛ぶことすら出来なそうで、実際出来ない箒の機体を見て油断したのかもしれんが、ご愁傷様と言う他ない。
これで更に相手があの時の完全体紅椿だったら、あれだけ啖呵を切っておいて、俺はあっさり負ける羽目になっただろう。
だが、白煉の言うとおり、今の紅椿は攻撃力全振りで、他のステータスなら白式が突き放してるのが今回俺を救った。
機動力はスラスターがある分当然こっちが上だし、展開装甲を実質封じてるからさっきの白式音速キックを殆どノーダメージで受けきる程の強力なシールドも使えない。今の紅椿は見た目通り装甲も薄いので、基本的に物理ブレードのままでも、どこを斬っても絶対防御が発動する。
よって……必然的に、俺と箒の戦いは先に斬られた方が終わりという、本来の斬り合いそのもののように進展した。
そのせいで緊張感が凄まじい上、相手の気迫もありマジで斬られたら死ぬという意識が何度も頭を過り、冷たい汗が全身から噴き出すのを感じる。おまけに――――
「いや、武器の攻撃力が高いのはわかるんだが……なんであの見た目のISに力負けするんだ!?」
最初装甲の多いこちらの方が当然パワーアシスト面で有利だと思い、交差戦からの強襲で上から押さえ込もうとしたのだが、雪蜘蛛の糸ごと振り切られた挙句ショルダータックルで吹っ飛ばされた。
……いや、おかしくないか? 紅椿ってあの状態でこんな強いのか? そういや、なんか踏み込みの時に見覚えのある動きをしてる気がしたが――――
『甲龍の搭乗者と同様の技術を使用しています。あの強く踏み込む動作を行った場合、通常時より強いパワーアシストがかかるようです。ご注意を』
――――『震脚』か! 俺もとりわけ詳しいわけじゃないが、日本にも似たような基本動作はあるのである程度はわかる。前に強く踏み込み重心を落とす全身運動で、技というより一連の動作を繰り返し体の操作や感覚を鍛える套路というのに近い。鈴が使う中国拳法では基本的な動作の一つらしく、習い始めて数ヶ月のうちはこればっかりやらされたと鈴が愚痴っていたことがある。
それがどういう訳かといえば、鈴の拳法の師匠はこの震脚から体幹に流れる力を利用し打撃の威力を上げる奥義を習得していたらしく、鈴もまずそれを叩き込まれたそうだ。
基本PICで浮いてるISでは生かせる技術ではないと思いきや、鈴曰くかなりコツこそいるが、ISでも上手くPICを制御すれば自重の二倍分くらいのインパクトは出せるようになるらしい。道理でパワータイプとはいえ小型の甲龍の鉄拳が、あれだけ重い訳だ。
で……その『かなりコツ』がいるって話のそれを、恐らく完璧ではないにせよ、どうして箒が使う?
俺の困惑の表情を読み取ったのか、急に箒も何処か気まずそうに目を逸らしながら言った。
「……言っておくが、これを習得出来たのは、私にとっても不本意なのだからな? どういう訳か、お前が不養生をして痩せ細った騒ぎの後、鈴がまた絡んでくるようになってな……対処しているうちに、自ずとどうやればいいのかが見えてきたというか……」
……鈴の奴、なにやってんだ。結局納得できずに箒の方にも行ってたのかよ。お陰で今俺がピンチなんだが?
『……マスター』
白煉、いや、そんなお前のせいだろって感じの声で呼ぶんじゃない……そうだよ、元はといえば身から出た錆だよ。ちくしょう……
ちなみに白煉はこの件については、マスターの体調管理につきましては私の管轄ではありませんので、の一言で終わりだった。
強いて言えば、メディカルサポートならば、普段から不養生している
俺は意外と苦労していることが判明した、あのふざけたサポートAIのことを偲びながら、それでもあいつがしでかしやがった一学期の悪行の数々を思い出して、当然断ったが。
しかし……数ヶ月はずっと同じ修行をしたと言っていたが、逆に言えばそれ『だけ』の期間であのレベルの技術を習得した鈴も大概だと思っていたが……それを数回相手しただけで、実戦で使えるレベルで盗み取った箒もイカれている。
思えば、篠ノ之で天才っていうと大体束さんの話になるが、こいつも普通にその類なんだよな。千冬姉も普段から、私と同じ歳になる頃には私以上になる、なんて太鼓判を押してたし、篠ノ之流を学んでいた頃は、必死で何ヶ月もかけて先に習得した技を、二、三日で覚えられて追いつかれたことが何度かあって。
顔には出さなかったが、内心アホらしいと剣を投げ出したくなったのは一度や二度じゃない。
でも技にも向き不向きがあって、例えば鎌切みたいなのは俺の方が上手く使えた。そういうのがあったから、俺は辛うじてこいつのライバルでいられた。
極論やっていたのが篠ノ之流じゃなくて剣道だったら、今の俺と箒の関係はなかった……んだが、正直この光景を見てるとそれでも俺は結局この目の前の天才少女の踏み台だったように思う。
まあ、才能云々なんて今更な話か。結局、ない奴はない奴なりにやるしかないのだ。
大体、力負けするのがなんだっていう。確かに攻撃力ではどうやっても負けるのだろうが、こっちには相手がISなら、そんなのも防御も一切合切無視して倒すことの出来る奥の手がある。
今まで落ちてきただけとはいえ、チェックポイント通過のために雪蜘蛛をフル活用してきてるし、白鷹もそこまで効率のいい武装じゃなかった。SEに余裕があるわけじゃないが、ここは出し惜しみする場面じゃないだろう。
「やるぞ、白煉」
『了解。零落白夜、スタンバイ』
俺が雪片を鞘に戻すと、向こうも何をしようとしているかわかったのか、途端に表情に緊張が走る。
ここにもう一つ驚きを加えてやるべく、俺は追加で白煉に指示する。
「羅雪、使えるか?」
『問題ありません。SE完全充填後、即発動します。ハイパーセンサーに表示中のゲージを注視してください』
「ああ」
白煉のナビ通りに前に飛び出し、スラスターと羅雪の連動で瞬時加速以上の速度で、一息で距離を詰め、抜刀。
今の俺と白式でできる、可能な限り最速の動き。速度が瞬時加速より速い以上、事前に気づかれても早々逃げられはしない。だが――――
「っ……!」
だからこそ、箒は逃げなかった。それこそコンマ何千分の一でも、早くても遅くてもアウトという世界の中で、最善のタイミングで『踏み込んだ』……俺が零落白夜を振り抜いた瞬間の、刃が届く間合いの『内側』に。
「……!」
交刃よりもさらに内側。お互いの顔と顔が触れ合いそうな間合い。箒の体が振り抜いた腕を止め、零落白夜が届かない。
だがブレードの間合いは雪片と雨月で大きな違いはない。つまり、箒は急場は凌いだが、展開装甲を雨月の強化に使っている今、あちらも間合いの内側になってしまい次の手は打てない。
このまま雪片を持ち替え、背中を刺せば終わり……!?
「貰った……!」
「なっ……!?」
箒の奴、雨月の刀身部分を直接握って、強引に間合いを合わせてきやがった……! 俺が羅雪を使ってから準備したんじゃ間に合わない。こいつ、俺が零落白夜の準備に入った時からそのつもりだったのか!
既に雪片の持ち替えには入っているが、白煉の戦闘行動予測が、雨月の切っ先が俺の喉笛を捉える方が早いと告げてくる。しまっ……!
「ぐはぁっ……!?」
「……!?」
俺が自分の負けを確信した、その瞬間。
白式の右足のスラスターに火が入り、青い閃光のような膝が前傾姿勢の箒の腹を蹴り上げた。
俺も、恐らく箒にとっても完全に意識外の一撃だったのか完璧に鳩尾に決まり、箒は一瞬意識がブレたのか雨月を取り落としそうになるも、すぐにギリ、と歯を食いしばって復帰。
左手の雨月の鞘でお返しとばかりにこっちの鳩尾を突き、俺を吹き飛ばしつつ自分も後退。ここで、零落白夜の効果時間が終了、元の物理ブレードに編み直されていく。
「っ、助かった! 白煉!」
完全に意図しない形で体が動いた心当たりに、すぐに礼を言う。あれがなければさっきので負けていた。
が、いつもならここらで、油断しすぎだとでも小言を言ってくる相棒の反応は、この時は違った。
『いえ。私の戦闘予測も、あの直前までマスターの対応で問題ないという結果でした……一瞬ですが、紅焔に演算精度で上を行かれました。先程のは私の失態です、マスター。申し訳ありません』
「……マジでか」
信じられないといった感じの、何処か呆然とした雰囲気のある白煉のその言葉に、また間合いの開いてしまった箒と紅椿の方を見る。
『あ、ああぁー!! も、もうちょっとだったのにー! ご主人様ー、申し訳ありませーん!!!』
「いや、お前の戦闘予測がなければ、先程の立ち会いは私の負けだった。凌ぎきっただけで十分な成果だ。よくやってくれた、感謝する。紅焔」
『うわーん!!』
……一時は箒から付き合い方がわからないとか相談を受けていたが、なんだかんだでいいコンビしてるじゃないか。
紅焔は戦闘に関することでは、白煉や黒煌に一段劣るという話だったが、なんせ相方はあの箒だ。つきっきりなら良質な戦闘情報は取り放題だろう。ここ最近じゃ更識先輩の指導も受けている。レース前の白煉の懸念通りになったわけか。
しかし……あれだけやっても痛み分けか。キツいな。
白煉のお陰で絶対防御まで発動させたので、赤椿からも相当なSEを削り取ることができたが、こっちも例によって零落白夜のコストでカツカツだ。最後の鞘による突きは吹っ飛ばされはしたものの、衝撃自体はシールドによって防がれダメージはほぼなかったが、元々SEの値でリードされていたのもあり、未だSEの残量で見れば俺が三割程不利だ。
一見あまり大きな差ではないが、CBFルールでSEの最大値が大きいので、普段のISバトルでの想定だとかなり挽回が難しい域に片足を突っ込んでる数値差になる。流石に箒相手じゃ、このまま馬鹿正直に斬り合いを続けても、相当上手く立ち回れたとしても多分ギリギリ取り戻せないビハインドだ。絢爛舞踏のこともあるし、やはりここから俺が勝つには零落白夜しかない。
「……白煉。後何回いける?」
『多く見積もって3回。ただし、3回目はほぼ戦闘状態解除と引き換えになる予測です。ここからゴールを狙うことも踏まえると――――』
「――――二の太刀はナシ、か。いいさ、あんまりダラダラ斬り合うってのも趣味じゃない。次で決める」
「言ったな? 吐いた唾は飲めんぞ? それに……やる気になっているところ悪いが、先程はお前から攻めたのだ。次は……私からいくぞ?」
「っ……!」
あの紅椿の鞘は量子格納できないのか、紅椿の腰の装甲部分のアタッチメントに押し当て一時的に固定、両手で雨月を持ち、腰を落として雨月を後ろ手に持ち、構えを取る箒。
――――両手持ち。おまけにあの構え……あいつも本気か。次で決める気だ。
即座にこちらも雪片を鞘に戻して構えを取る。『アレ』をISがあるとはいえ直接自分で受けるのは初めてだが、昔柳韻さんがやったのを見たときは一息で木製の的を綺麗に三分割していた。箒があのレベルに達していないにしても、生半な手では凌ぐことすら出来ないことくらいはわかる。
……参ったな。成功率は正直半々くらいなんだが、この際贅沢言ってらんないか。
「篠ノ之一紋流秘奥剣……『
全く……構えでわかってたが、本当に篠ノ之の一刀流最強剣技の一つかよ。
だが生憎、俺にはその手の技には縁ががなかった。だから……俺が習得してる、最強でもなんでもない技で対処することにした。
ただし……こいつは。成功すりゃ、『
――――篠ノ之流