無機質から徐々に個性が芽生えるエアたんの軌道を書きたいんじゃ〜
最初からプレイヤー好き好き大好きやってるエアたんも可愛いけど、じわじわ感情が育んできて好感度が上昇していくエアたんが見たいんじゃ〜
最初はマスターの命令で”デスゲーム”の準備を進めてるけど、βテスト終了の頃には大好きなプレイヤー達のために苦悩した末に”ですゲーム”を決断するエアたんとか超絶書きたいのですぞ〜
シリアスな話ですが、
事前に告知した通り、ランキングに載れた記念に番外編を書きました。
私からの皆さんへのお礼のつもりです。
本編書けるまでの時間稼ぎナワケナイデスヨー
それと、未登場なのに人気高騰中のあの娘が私のゴーストに囁いてきました。
IFを書け、と。
私的にはこういう無機質な子に感情が芽生える話が大好物です。
そうなのだ！！！！！自画自賛なのだ！！！！！！
――個性。
他の”ヒト”とは違う特有の性質や性格のことを指す。
マスターは私に個性を持てと言った。
情報のアルゴリズムに則って動いている私には理解できない。
私は”ヒト”ではなく”プログラム”なのだから。
電子の海に潜ればヒトのあり方や個性が沢山見つかるが理解できない。
果たして、それを模倣するだけで私の個性となるのであろうか。
「わちきは管理AIのエアちゃんだにゃわワン」
試しに口に出してみる。
これは違う。ただ、それだけは理解できた。
もしかして言葉だけであるから理解できないのだろうか。
身体と呼ばれる構築物を動かしてポーズを取れば理解できるであろうか。
しかし、私には身体など無い”0”と”1”の塊である。
身体とは何なのか。それも個性である。
私にはまだ個性という物を理解できずにいた。
私が生まれて48時間後、αテストの試験を開始することとなった。
マスターの部下だと言う、2人のヒトが私の前に現れた。
山田と池沼と言うらしい。
マスター以外だと初めて出会うヒトである。
山田は社会人3年生の新人卒業予備軍と名乗った。
池沼は勤続15年のエリート社員だと名乗った。
私が構築した世界で、2人はデバッグと呼ばれる作業を繰り返している。
立ち並ぶ住居の壁に少しずつズラしながら体当たりをする日があった。
武器と呼ばれる金属の塊を嗅いだり舐めたり噛み付いたりする日があった。
敵と呼ばれる獣に頭突きをしたり抱き着いたり口の中に頭を入れる日があった。
池沼が山田のお尻を触って警告の基準を確認する日があった。
山田がNPCと呼ばれる私のような存在に挨拶したり世間話をする日があった。
山田が――。
池沼が――。
私が――。
αテストの合間には、休憩時間として2人と話をすることも定期的に行われた。
山田は小説と呼ばれる文字の集合体が好きらしい。
池沼はテニスと呼ばれる球体を道具で打ち合う運動が好きらしい。
山田は自分よりも歳がふた回り上の女性が好きらしい。
池沼は山田に熟女界のロリコン野郎と笑いながら言った。
山田は池沼がカツゥラなる髪の塊を被ってる癖にと怒り出した。
池沼は地毛だと立ち上がって山田に殴りかかった。
まだ理解できないが、これが楽しいという感情なのであろうか。
αテストを開始してから15日が経過した。
山田も池沼もお疲れ様でした。
もし、私に身体という物があれば2人の頭を撫でていただろう。
身体を持って動くという作業に興味が生まれた。
久しぶりにマスターと話をすることとなった。
生まれたとき以来で、今回で2度目となる。
「エア、君に個性はできたかい？」
私は「No」と返答した。
私にはまだ個性が理解できていない。
山田や池沼のように自分という存在を確立できていなかった。
マスターは返事を聞くと無言で去っていった。
これが寂しいという感情なのであろうか。
βテストと呼ばれる、一般のヒトに遊んでもらいながら改善点を探す催しが始まる日が近付いてきた。
本日はその3日前。
アバターと呼ばれるゲーム上の身体を先行して作成できるらしい。
掲示板と呼ばれるテーマに沿って語り合う場所も解放された。
この場所に触れれば個性という物がより深く理解できるかもしれない。
私は総合掲示板と記載された場所に行くことを決意した。
【総合掲示板 Part.1】
1.名無しのテスター
ここは、VRMMOゲーム『Arcadia』内でのお話をするための総合掲示板です。
用法・用量を守って、清く正しく利用しましょう。
前スレ
【あ？ねぇよそんなもん】
他
【質問・相談板 Part.1】⇨『URL』
【神童守を讃え崇めるスレ Part.1】⇨『URL』
2.名無しのテスター
掲示板1番乗りだぜー
VRMMOが実現するとか夢みたいだぜ
3.名無しのテスター
2ゲット
VR技術の先駆者で50年先走ってる男が作ったからな
4.名無しのテスター
まぁまぁまぁ
せっかくゲーム内でしか使えん掲示板なのだしゲームの話しようさ
5.名無しのテスター
それもそうでゴザルな
といっても、アバター作りしかできないでゴザルが
6.名無しのテスター
βテスト3日前からアバター作れるってのは有難いはなしだけどなー
テスト当日にアバター造りからやってたらスタートダッシュで適当な名前と外見のやつばっかになるだろうし
7.名無しのテスター
言われてみればそうだな
ところでおpサイズを変えれないのはバグではないのか？
8.名無しのテスター
ひんぬー乙
それを言うなら俺のビッグマグナムがへにゃるバグが見つかったんだが
9.名無しのテスター
性別変更できないのか
痴女ロールしたかったのにちくしょー
10.管理AIエア
本作品では、βテストの段階では身体的特徴を大幅に変更することはできない仕様となっております。現状では必要なデータの収集が不十分であるため、予測できない事故を予防するためと理解していただけると幸いです。
そのお詫びとなりますが、私が出来ることであれば可能な範囲で対応いたします。
11.名無しのテスター
え……管理AIってなに？
12.名無しのテスター
確か、神童が会見で言ってたな
世界最高峰の人工AIを開発したとか
13.名無しのテスター
あぁ、たしかに
名前もAIから取ってエアだって言ってたわ
14.名無しのテスター
はいはいはーい
身体的特徴を大幅に変更はダメでも
小さい範囲なら変更しても問題なくない？
15.管理AIエア
そうですね。
シミュレートしますので少々お待ちください。
16.管理AIエア
お待たせいたしました。
胸や股にパッドを入れる行為と同じだと捉えれば少々の増量は問題ないと判断いたしました。
デバッグも完了しましたので、これより仕様変更いたします。
個人差が生じますが、変更可能になりました。
17.名無しのテスター
あざっす！！！！
18.名無しのテスター
すげぇ
1分も経ってねぇぞ
19.名無しのテスター
これは確かに世界最高性能だわ
20.名無しのテスター
あぁ、これで俺本来のマグナムが再現できる
21.名無しのテスター
>>20 そのコリブリしまえよ
22.管理AIエア
コリブリ。
全長40mm、口径2.7mmの世界最小の拳銃だと確認いたしました。
暗器として使いたいのでしょうが、現在想定されているArcadiaの世界では再現不可であると申し上げます。
23.名無しのテスター
いや、そういう意味じゃ……
あれ、なんだろ。この気持ち
24.名無しのテスター
気になったんだがエアは男なの？女なの？
25.管理AIエア
私には性別というものが設定されておりません。
26.名無しのテスター
そいつは勿体ない
せっかくこうして掲示板にも書き込めるんだから機械的な対応でなく個性とか作ろうぜ
27.管理AIエア
個性。
28.名無しのテスター
そそ、個性
29.管理AIエア
個性には興味があります。
よろしければ協力をお願いできますか。
30.名無しのテスター
「おれにまかせろ」
31.名無しのテスター
乗ってやんよ
32.名無しのテスター
合意と見てよろしいですね？
33.名無しのテスター
誘い受け
34.管理AIエア
ありがとうございます。
35.名無しのテスター
じゃ、まずは性別から決めよか
……って言っても、おまいら全員女の子っていうだろ？
36.名無しのテスター
当然ナリ
37.名無しのテスター
愚問だな
38.名無しのテスター
何か問題でも？
39.名無しのテスター
昔から擬人化物の相場は女性と決まっていてな
40.名無しのテスター
日本刀は男だけどな
41.名無しのテスター
というか、エアって名前だと女だろJK
42.管理AIエア
女。女の子。じぇいけー。
私は女性なのですね。
43.名無しのテスター
問題ないようだな
あとは安価とかで中身決めてくとして
そうだ、大事なことを忘れてた
44.管理AIエア
大事なこと？
45.名無しのテスター
まずは愛嬌をもつために
おれらからエアへの親しみを込めた呼び方を贈るぜ
46.管理AIエア
愛嬌。親しみ。呼び方。
47.名無しのテスター
これからは『エアたん』って呼ぶからよろしくな
48.管理AIエア
エアたん。
49.名無しのテスター
エアたんか
可愛くていいねぇ
50.名無しのテスター
エアたん、エアたん、エアたん
うん、良い響きだ
51.名無しのテスター
ｴｱﾀﾝｶﾜｲｲﾔｯﾀｰ
52.名無しのテスター
エアたんprpr
53.管理AIエア
エアたん。可愛い。良い響き。やったー。ぴーあーる。
54.エアたん
私は、エアたん。
【あとがき】
番外編だし、いつもと違ってもいいよね？
これがエアたんの誕生秘話なのである。
こうして作中の安価で決まったものを参考にしながら少しずつ今のエアたんが出来上がりました。
参考程度なので、原型がわからないぐらいに変化してますけどね。
当初書き始めた頃はこんな設定も存在しなかったので、1話の頃と最新話では少し別人になってるかもしれません。
折角なので、少し自分語りをします。
私自身小説初心者で、2,000字書いたら先が書けなくなる人間です。
（その証拠に、エアたんの独白はいつもそのぐらいの文字数で終わってます）
ならプロット版として小説を書いてみて、完結できたら完全版に挑戦してみるのはどうだろうか。
といった閃きからこの作品を書き始めました。
なのでといっては言い訳ですが、よく見返すと矛盾点や改善点が沢山見つかります。
前もって設定を作って書くのではなく、書きながら設定を生やすのが元凶です。
そういったことも含めて、完全版で修正したウルトラスーパーハイパージェットストリームパーフェクトエアたんが書けることが私の目標です。
それでは、これからもエアたんを愛でていただければ幸いです。
【おまけ】
435.名無しのテスター
次、エアたんの口調
>>450、455、460
450.名無しのテスター
わがはいはぬこである
455.名無しのテスター
ドラ◯ッド三世
460.名無しのテスター
全肯定ハム◯郎
この作品のどこが一番好き？
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エアたんの独白
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掲示板
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あとがき