ボクとカノジョと召喚獣   作:気分は少年

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論文の合間に書いたのでupしてみました。
すいません。優子少ししか出てません


第6話 戦後対談と木下家

「Dクラス代表戦死により勝者Fクラス」

 

 その瞬間Fクラスからは歓声、Dクラスからは悲鳴が聞こえた。

 

Fモブ「やった―、これであの教室とおさらばだ!」

   「これでDクラスの設備は俺たちのもんだ!」

   「坂本ってやっぱり凄い奴だったんだな!」

   「姫路さん万歳!」

 

   『姫路さん!!坂本!!姫路さん!坂本!!姫路さん!坂本!!姫路さん!』

 

 テンションMAXのFクラスは雄二、姫路さんコールを始めた。

 

Dモブ「お、俺たちが負けるなんて・・・」

   「なんで姫路さんがFクラスにいるんだよ・・・・」

   「最低でもあと3カ月は廃墟で過ごすのかよ・・・」

  

 Dクラスの生徒たちは膝をつき、悔しさを顔に滲ませていた。そんな中、雄二は平賀君のもとにむかう。

 

雄二「平賀、そろそろ戦後処理の話し合いに入ろうか。」

 

平賀「ああ、ルールに則りDクラスの設備はFクラスに明け渡そう。ただ、時間もかかるだろうし作業は明日でもいいか?」

 

 クラス代表は勝てば英雄、負ければ戦犯、今回は僕らが勝ったが負けていれば雄二は僕たちの手により今頃は裏山に埋められていただろう。ちっ、運のいい奴め。

 

雄二「その必要はない。俺たちはDクラスとは設備の交換はしない。」

 

明久「雄二っ、何言ってるの!!せっかく勝ったのに。」

 

雄二「忘れたか?俺たちの目標はAクラスの設備のはずだろ?」

 

明久「それと設備の交換をしないのは関係ないだろ!!」

 

 雄二のいう通り、僕たちの目標はAクラスだ。だけど設備の交換をしない理由にはならない。

 

雄二「設備の交換はしないが、その代わりにDクラスにはやってもらいたいことがある。だから設備の交換はしない。」

 

平賀「・・・何だ、俺たちにやらせたいこことは」

 

 平賀君は少し警戒気味に尋ねる。

 

雄二「そう身構えるな、大したことじゃない。俺が指示をだしたら、窓の外にあるBクラスの室外機を壊してほしいだけだ。教師には睨まれるかもしれないが、3ヶ月間あの廃墟で過ごすよりはいいと思わないか?悪くない取引だろう?」

 

 雄二のいう通り、これは平賀君たちにとって悪くない取引だ。事故に見せかければ厳重注意を受けるだけで済み、Fクラスの設備へのランクダウンも避けられる。

 

平賀「こちらとしては願ってもない取引だが、なぜそんなことを?」

 

明久「そうだよ雄二。Bクラスの室外機なんて壊してどうするのさ。試召戦争とは関係ないと思うけど?」

 

雄二「ところがそうでもない。次のBクラス戦で勝つための作戦に必要ことだ。」

 

 

 

平賀「よくわからないけど、ありがたくその取引に応じさせてもらうよ。」

 

雄二「タイミングは後日詳しく話す。今日のところはここまでだな。」

 

平賀「ああ、わかった。Bクラス戦の健闘を祈ってるよ。」

 

 平賀君はそう言って去って行った。

 

雄二「さて、みんな!今日はご苦労だった。明日は点数の補充を行うから、それに備えてゆっくりと休んでくれ。解散!!」

 

 雄二の号令でみんな帰りの支度のためクラスに戻っていく。

 

明久「雄二、僕らも帰ろう。」

 

雄二「ああ、さっさと支度して帰ろう。」

 

 教室に戻るため、僕たちは歩きだした。

 

明久「雄二。さっきの取引だけど一体何のために室外機を壊すの?」

 

 教室までの道すがら、雄二に尋ねた。

 

雄二「さっきも言っただろ。次のBクラス戦に備えての下準備だ。まぁ、ほかにも理由はあるがな。」

 

明久「理由?一体どんな?」

 

雄二「明久、俺たちの目標は何だ?」

 

 コイツ、わかりきってることを何で聞いてくるんだ。そんなの決まってる。

 

明久「Aクラスに勝って豪華な設備を手に入れることでしょ。」

 

雄二「その通りだ。いいか、さっきDクラスと設備の交換をしたらクラスのやつらはどんなふうに考えると思う?」

 

明久「嬉しいと考えると思うけど?」

 

 Aクラスの設備と比べたらDクラスは普通すぎる設備だけど、Fクラスと比べれば天国だろうから皆嬉々として喜んだだろう。

 

雄二「そうだろうな。だが、それが落とし穴なんだ。人間ってのは妥協しちまう生き物だからな。」

 

明久「落とし穴??妥協??どういう意味?」

 

雄二「つまり、Dクラスの設備を手に入れちまうと、クラスの連中は『廃墟から脱出できたからもういいんじゃないか』とか考えるだろ?それだと戦争への意欲が削がれて、Aクラス戦を反対するやつらが出てくる可能性がある。負けたら設備のランクも下がるしな。」

 

明久「なるほどね。」

 

 雄二のいうとおり。僕たちFクラスの士気が高かったのは廃墟のような教室から抜け出したいという思いがあったからだ。それが達成されてしまえば士気も下がるだろう。意外にいろいろ考えている。

 

明久「それで、室外機を壊す意味は結局何なの?」

 

雄二「それは次の作戦会議のときに説明する。まぁ、俺に任せておけ。」

 

 ・・・・結局教えてくれないのか。

 

明久「わかった。もういいよ。」

 

 このまま食いついても教えてくれなさそうだったので、作戦会議まで待つことにしよう。それにもう教室に追いたし。

 

 2人は教室に入り、帰り支度を始めた。

 

秀吉「明久、雄二。ワシはこれで失礼する。」

 

 支度を終えた秀吉が僕たちに挨拶して帰ろうとする。すると雄二が秀吉に声をかけた。

 

雄二「秀吉。明日は姉の方をなんとか連れてきてくれ。点数を補充して次の試召戦争には戦力に加わってほしいからな。」

 

秀吉「うむ、心得た。姉上は必ず連れてくる。」

 

 そういって秀吉は教室から出て行った。

 

雄二「さて、帰るか明久。」

 

明久「・・・・・・」

 

雄二「おい、聞いてんのか?」

 

明久「ゴメン雄二!!用事思い出した。先に帰るね。」

 

 僕は立ちあがって急いで教室を出た。後ろから「おいっ!」と雄二の声が聞こえたがそんなの気にせず秀吉を追いかけた。

 

 

 

 玄関に着くと秀吉が見つかった。

 

明久「秀吉。ちょっといい?」

 

秀吉「なんじゃ明久?」

 

明久「あのさ、今から秀吉の家に行ってもいい?」

 

秀吉「姉上の件かの?」

 

明久「うん。試召戦争のとかこの間の事について話しておきたいんだ。お姉さんのことも心配だしね。」

 

 あの時のことを知ってるのは、ボクと秀吉と木下さんの他には雄二だけ。

 木下さんも、この事はあまり知られたくないだろうし、誰かに聞かれるかもしれない学校で話すより、この方がいいだろう。

 

秀吉「・・・ワシは構わんがその・・なんというか・・・のう・」

 

 秀吉の歯切れが悪い、どうしたんだろう?やっぱりいきなり押しかけるのは迷惑だったかな。

 

明久「秀吉、都合とか悪いなら諦めるけど?」

 

秀吉「いや、都合が悪いとかではなく・・・むしろ姉上と話してもらった方がいいんじゃが・・・いや、しかのう・・・うむむむ。」

 

 頭を抱えて考え込む秀吉。そんなところもかわいらしい・・・っじゃなくて。

 

明久「秀吉!?どうしたの?」

 

秀吉「明久、もしワシの家で何か信じられないものを見たとしても、誰にも言わないでくれるかのう?いや、もし話せばお主の命にも・・・」

 

明久「ひっ秀吉!!いきなりなにを言い出すの!?。」

 

秀吉「そろそろ行くかのう。もしかすれば、何事もなく済む可能性もある。」

 

 そして歩きだす秀吉。

 

明久「待ってよ!!秀吉の家に行くのになんでそんなに深刻なの!!一体秀吉の家に何があるの―――――!!!」」

 

           

 

 

 

 

 

 そして僕たちは木下家に到着した。見た目は普通の住宅だがこの中に一体何があるのだろう。

 不安ばかりが胸に立ち込める。

 

秀吉「では、明久。ついてくるのじゃ。」

 

 そして、秀吉は玄関を開け入っていき、僕もそれに続く。

 

明久「お、お邪魔しま~す。」

 

 控えめに挨拶しながら慎重に入る。見た感じ、玄関には特に変わったところはない。

 そして廊下を歩き、リビングに入る。ここも特に変なところも無く、ごく一般的であると思う。なぜ秀吉はあんなことをいってたんだろう。

 

明久「秀吉ったら、あんなに脅かすからどんな家かと思ったけど、ごく普通の家じゃないか。」

 

秀吉「う、うむ。そうじゃのう。(家自体に問題はないのじゃ。問題は・・・)」

 

明久「それで、僕はここで待ってればいいかな?」

 

秀吉「うむ、ワシは姉上を呼んでくるゆえここで待っておれ。動いてはいかんぞ!」

 

明久「う、うん。」

 

 秀吉は僕に念押しし、リビングを出ようとした。すると奥の方から階段を下りてくる音がした。

 

明久「誰か下りてくるみたいだね。お姉さんかな?」

 

秀吉「っ!!」

 

 僕はそう尋ねたが、秀吉はかなり慌てていた。

 

秀吉「明久!!すぐにここから出るんじゃっ、急いで!!」

 

明久「えぇ!!いきなりどうしたのさ?」

 

 秀吉は僕をリビングから出そうと、背中を押してきた。

 僕は理由がわからず混乱した。

 

秀吉「頼むのじゃ!!早く!!」

 

 秀吉が余りにも必死だったので僕はとりあえずリビングから出ることにしたが、その時向かいの方の扉が開いた。

 

優子「あら、秀吉帰ってたの・・・・えっ!!」

 

明久「えっ!!」

 

秀吉「間に合わなんだか・・・」

 

 その瞬間、僕が目にしたのは、上は少し大きめのジャージを着ていて、下は下着姿の木下さんだった。

 

明久「き、き、き木下さフゴォ!!」

 

 そしてその瞬間、目の前に拳が突き出され、顔に衝撃が走り、僕は意識を失った。

 

 

 

 

 




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