ボクとカノジョと召喚獣   作:気分は少年

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どうも~お久しぶりです。
2月中に更新予定でしたがパソコンが壊れてしまい、更新ができませんでした<(_ _)>
タグで追加しましたが、オリキャラを2人ほど加える予定です。
では、続きになりますがその前に

ハーメルンよ、私は帰ってきた!!

すみません、言ってみたかったので


第8話 木下家にて(後半)

木下母「それじゃあ、落ち着いてきたところで状況説明をしてくれる?」

 

 あの後、突然の木下母の介入により、明久は一先ずことなきを得る。

 そして木下母は3人をリビングの移動させ、事の顛末を訪ねた。

 

明久「は、はい。実はですね。」

 

 僕が木下家に来てから起きたことを秀吉と一緒に説明した。

 (説明は省きます)

 

秀吉「そして今に至るわけじゃな。」

 

 

木下母「なるほど。だから優子はあんな様子なのね。」

 

秀吉「そういうわけじゃ。」

 

 優子さんはまだ怒っているようで、僕の方を恨めしそうに睨んでいる。

 

木下母「でも、秀吉も何で携帯で優子に連絡を取らなかったの?そうすれば回避できたでしょ?」

 

明久「そうだよ秀吉!!僕たちには携帯という素晴らしい連絡手段があったじゃないか!!」

 

秀吉「ワシの携帯は、昨日母上が洗濯と一緒に洗ってしまったじゃろう?それゆえ連絡できなかったのじゃ。」

 

木下母「そ、そういえばそうだったわね・・・・って、それなら吉井君に携帯借りればよかったんじゃない?」

 

秀吉「母上は、姉上やわしの電話番号とアドレス、覚えておるか?」

 

木下母「・・・・自宅なら覚えてるわよ。」

 

秀吉「自宅のも普段使わんから番号を覚えておらんのじゃ。」

 

木下母「なら仕方ないわね。」

 

秀吉「仕方ないのじゃ。」

 

 秀吉の言う通り、電話帳に登録すればいちいち番号を入力する必要もないから、自分の以外覚えてる人は少ないよね。

 金欠で僕の携帯が今使用できないのは、言わなくてもいいだろう。すべては文明の発達が原因なんだから。

 

 

木下母「うーん、結局は『不運な事故』ということになるのかしら?」

 

秀吉「そういうことになるのう。」

 

木下母「でも吉井君にとっては、幸か不幸かどっちかしらね(ニヤニヤ)」

 

明久「え、えっと、そのgfれおfひpfひh」

 

秀吉「明久、日本語どころか言語になっておらんぞ。」

 

 いきなりの話題転換にせっかくさっきまで忘れていた記憶が僕の脳内にフラッシュバック!!

 意外に意地悪な秀吉のお母さん。

 見てください、あなたの娘さんが顔を赤くしてプルプル震えながら、僕を睨んでますよ!!

 誰かっ、ヘルプミー!!

 

優子「お母さん!!蒸し返さないでっ!!」

 

木下母「なにいってるの、重要なことでしょ。あなたの生活態度が招いたことなんだから、これを機に改めなさい。」

 

優子「っっっ・・・・・」

 

木下母「大体私が何度いっても・・・・・」

 

 秀吉のお母さんは木下さんにお説教を始めてしまった。

 僕と秀吉は、すっかり蚊帳の外になってしまったで、さっきからいろいろ疑問に思っていたことを秀吉に聞いてみた。

 

明久「ねえ秀吉、どうしてお姉さんはあんな恰好してたの?話を聞いてると普段からそうしてるように聞こえるんだけど。」

 

 どうも、しっかりとした優等生というイメージがついているから、未だに違和感がある。

 

秀吉「明久は、学校での姉上のイメージはどんな感じじゃ?」

 

明久「明るくて社交性のある、まじめな優等生ってイメージだよ。」

 

秀吉「そうじゃろうな、姉上はそんな優等生を演じておるからのう。」

 

明久「優等生を演じる?」

 

秀吉「うむ、以前わしも気になって姉上聞いたのじゃが、その時『演じるのは木下家の性分でしょ』と言っておったのじゃ。」

 

明久「性分?」

 

秀吉「そう、わしは舞台で役を演じるが、姉上は日常生活で優等生を演じる、といった具合にのう。まぁその反面、わしは勉学が疎かに、姉上は家での生活態度が堕落するということになっておるが・・・・」

 

明久「成程ね。確かに学校で無理に優等生を演じるなんて疲れちゃうよね。」

 

秀吉「まぁ、それが原因でこうなってしまったわけじゃが。」

 

明久「そうだね。それよりあっちの方は、まだ終わらなさそうだからもう少し何か話してようか。」

 

 

 聞きたかったことも聞けたので、秀吉のお母さんの説教が終わるまで、僕たちは雑談して時間をつぶした。

 

 

 

木下母「大分待たせちゃってごめんなさいね、吉井君。」

 

 お説教が終わるころには、もう日も暮れ、夕飯時の時間になっていた。

 

明久「いえいえ、気にしないでください。」

 

木下母「もうこんな時間だし、よかったら夕飯食べていかない?」

 

明久「え、いいんですか?でもご迷惑なんじゃ?」

 

木下母「そんなことないわよ。この前のお礼も兼ねて、ということでどうかしら?」

 

 この申し出はかなりありがたい。今日の夕飯は、塩水をおかずに砂糖という予定だったため、きちんとした食事にありつけるのは、願ってもないことだ。

 それにまだ木下さんともちゃんと話せてない。ここはご厚意に甘えさせてもらおう。

 

明久「では、お言葉に甘えさせてもらいます。」

 

木下母「さて、それじゃあ張り切って作っちゃおうかな。」

 

 そういうと木下母、台所に入って行った。

 明久、秀吉、優子の三人を残して。

 

 その場には言葉も無くただ沈黙が漂っていた。

 

秀吉「明久、夕飯までに目的を果たしたらどうじゃ。」

 

 どうしようかと考えていたとき、秀吉が提案する。

 

明久「そうだった、すっかり忘れてたよ。」

 

 いろいろあり過ぎて、ここに来た理由を忘れていた。夕飯をごちそうになる前に話しておいた方がいいだろう。

 

明久「あの、木下さん。実は話したいことがあって、きたんだけどいいかな?」

 

優子「・・・・何かしら?」

 

 まだ、木下さんの機嫌は悪いようで、少し言動が冷たい。仕方がないとは思うけど・・・

 

明久「試召戦争の事もあるけど、木下さん今日休んだでしょ。秀吉から振り分け試験の時のことまだ気にしてるって聞いて、やっぱり一度話しておいた方がいいと思って来たんだ。」

 

優子「確かにあれから吉井君と話せてなかったわね。一先ず、あの時の助けてくれてありがとう。あと巻き込んでゴメン。」

 

明久「どういたしまして。あと、試験の事なら気にしなくていいよ。設備は・・・まぁともかく秀吉やムッツリーニ、ついでに雄二も一緒のクラスだったし。だからそんなに気にしなくていいよ。」

 

 僕は自分が思っていることを正直に伝える。

 

優子「・・・そう言ってもらえて、あたしも少しは気が晴れたわ。ありがとう。」

 

 木下さんは、そう言ってわずかに笑みを見せる。

 でも少し表情に影が差しているように思える。

 まだ心の中では気にしているんだろうか、それなら・・・

 

明久「木下さん、実は僕たちFクラスは、Aクラスに試召戦争を仕掛けるつもりなんだ。」

 

優子「・・・・あたしの聞き間違いかしら?Aクラスに試召戦争を仕掛けるって聞こえたんだけど?」

 

明久「聞き間違いじゃないよ。僕たちFクラスは、Aクラスに試召戦争で勝って、その設備を手に入れるつもりなんだ。」

 

優子「いや、無理でしょ。」

 

明久「そんなあっさり!!」

 

 木下さんは僕の言葉を冷静に何の迷いもなく切り捨てる。

 確かに普通に考えれば、僕たちがAクラスに勝つなんて、できるはずはないだろう。

 それでも、可能性は0じゃない!!

 

明久「無理じゃないよ!!今日だってDクラスに試召戦争で勝ったんだ!!」 

 

優子「えっ!Dクラスに勝った?今日は登校初日で、振り分け試験の時の点数がそのまま反映されてるのに!!」

 

 木下さんは、信じられないといった顔で驚いていた。

 

秀吉「まぁ、にわかには信じられんじゃろうが、勝ったのは事実じゃ。」

 

優子「それなら今日の試召戦争、どうやって勝ったの?Dクラス相手とはいえ、点数の差は結構あったと思うけど。」

 

 事実を確認するためか、木下さんは質問してきた。

 

 僕は今日のDクラス戦を思い起こす。

 雄二の作戦や美波の前線での奮戦などあるが、やはり決定的だったのは・・・・・

 

明久「えっとね、決め手は姫路さんがいたことかな。」

 

優子「えっ!!なんで姫路さんが出てくるの?」

 

明久「うん、実はね・・・・」

 

 僕は姫路さんがFクラスの理由と、どうやって勝ったのか説明した。

 

優子「そっか、そんなことが・・・」

 

秀吉「姫路も姉上と同じく、災難であった。」

 

明久「木下さんも姫路さんも本来ならAクラスに行けるだけの実力があるのにね・・・・・」

 

優子「起きてしまったことは仕方ないわ。それより話を戻すけど、Aクラスはあたしや姫路さんレベルの人たちばかりよ。やっぱり勝ち目は無いと思うけど?」

 

明久「何も考えずぶつかれば勝てないだろうけど、作戦と準備しだいで勝つ見込みはあるはずだよ。」

 

 戦力の差は、雄二のたてる作戦と僕たちの気合いで補える!!

 レベル1でもボスクラスの相手に勝つ方法があるように(例:ポケモンBW シロナ戦)、FクラスでもAクラスに勝てる方法が必ずある!!

 

優子「・・・なんで吉井君はそんなに試召戦争にこだわるの?」

 

明久「どうしたのいきなり?」

 

 突然の質問に僕は意味がよくわからなかった。

 なぜそんなことを聞くのだろうか。

 

優子「あたしは無理って言ってるけど、吉井君は勝てるって言いきってるし、どんな目的があるの?」

 

 僕が試召戦争にこだわる目的、それは・・・

 

明久「えっとさ、木下さんは僕を巻き込んだこと気にしてるでしょ?そのせいでFクラスになったこととか。試召戦争で勝っていい設備を手に入れれば、木下さんの気も晴れるんじゃないかと思ったんだ。」

 

 

優子「ふぇっ!?あの・・・つまり吉井君は、あたしのために・・・・その・・試召戦争を?」

 

 もじもじしながら僕に尋ねる木下さん。

 頬も若干赤く染まり、なんだかとても可愛らしい。

 その姿を見てるとなんだかドキドキしてきた。

 

明久「あ、うん、それに姫路さんも、あの教室だとまた体調を崩しちゃうんじゃないかと心配になっちゃって。」

 

 『ピシッ』

 

 その瞬間、何かが壊れる音がした・・・・

 

優子「あら、そう。吉井君は、姫路さんのため(・・・・・・・)に試召戦争に臨んでるのね。」

 

 木下さんはなぜか急に不機嫌になった。言い方にもなにか棘がある。

 

明久「あの~木下さん?なぜ急に不機嫌に?」

 

優子「あたしは別に不機嫌じゃないわよ。吉井君は、なにを言ってるのかしら?」

 

 イエイエ、思いっきり不機嫌じゃナイデスカ。

 

優子「と・に・か・く試召戦争は、あたしもきちんと協力するから、安心しなさい。」

 

明久「は、はいっ!ヨロシクオネガイシマス。」

 

 ここは波風を立てないように、気をつけて対応しよう。

 別に、彼女の気迫に押されたわけじゃないんだからね!!

 

優子「それよりまだ時間もあるし、せっかくだから皆で勉強でもしましょうか。」

 

明久「へぇ、さすが木下さん。勉強熱心だね。秀吉、邪魔になるといけないし、僕たちは部屋で遊んでようか。」

 

秀吉「そうじゃのう、姉上の邪魔にならんようにせねばのう。」

 

 僕たちは、急いで秀吉の部屋に向かうため、歩き出す。

 木下さんの勉強の邪魔にならないように、静かに遊ぶとしよう。

 

優子「逃げるなっ!!」

 

 グイッ

 

明久・秀吉「「ぐはぁっ」」

 

 素早く離脱を試みたが、木下さんに襟を掴まれ、あえなく失敗する。

 

優子「聞こえなかったかしら?みんなで(・・・・)勉強するって。」

 

 まずい、なんとか誤魔化して勉強を回避しなければ

 

明久「えっと、今日は試召戦争の疲れもあるし、明日の補充試験に備えて頭を休ませないと。」

 

優子「それなら、少しでも点数を上げるために勉強しないとねぇ。」

 

秀吉「いやいや姉上、また根を詰めても体調を崩すだけじゃろうて。」

 

優子「あんた達2人は殆ど戦ってないし、問題ないでしょ。問答無用!!」

 

明久・秀吉「・・・・はい(なのじゃ)。」

 

 こうして、ご飯ができるまで僕と秀吉は、木下さんに勉強を教えてもらった。

 

 

 

 

木下母「それじゃあ、召し上がれ。」

 

 そういわれ、ふるわれた食事は

 

明久「これって、もしかしてビーフストロガノフ!?」

 

優子「なぜにロシア料理!?」

 

秀吉「名前はよく聞くが、実物は初めて見たのじゃ。」

 

 予想の斜め上を行くチョイスだった。

 

木下母「おかわりはたくさんあるから、吉井君も遠慮せず食べてね。」

 

明久「あ、はい。それでは遠慮なく。」

 

明久・優子・秀吉「「「いただきます。」」」

 

 久しぶりのまともな食事ということもあり、気付けば4杯もおかわりしていた。

 

 

明久「ごちそうさまでした。とてもおいしかったです。」

 

木下母「そう言ってもらえると作った甲斐があったわ。」

 

 ご飯、野菜、肉がそれぞれ大量に摂取できて、正直とても助かった。

 明日は、姫路さんと美波がお弁当を作ってきてくれるし、次の仕送りまでなんとかもつだろう。

 後はここで手に入れたカロリーを、なるべく消費しないよう、家に帰ってゆっくり休むとしよう。

 

明久「それじゃあ、「勉強を再開しましょうか。」・・・はい。」

 

 さりげなく帰ろうと試みるが、木下さんに先手を打たれ、勉強は再開された。

 

 

 

 

 

 

優子「うん、時間的に今日はここまでね。」

 

明久「お、終わったぁ~。」

 

秀吉「頭を使いすぎたのじゃ。」

 

 僕と秀吉は、力を使い果たし、床に寝転がった。

 

優子「2人ともこれくらいで疲れすぎ。普段から勉強してればこんなには疲れないわよ。」

 

明久「返す言葉もこざいません。」

 

優子「まずは一度習慣を付けることね、そこまで苦にならなくなるから。」

 

明久「勉強の習慣か・・・(正直続けられる自信ないや)」

 

優子「わかんなかったりしたらあたしが協力するし、頑張ってみない?」

 

明久「えっ、でも木下さんの勉学に支障をきたさない?」

 

優子「誰かに教えることは、自分の勉強にもなるから問題ないわよ。それとも、あたしじゃ不満かしら?(二コリ)」

 

明久「イエマッタクモッテフマンナドゴザイマセン。」

 

 さっき教えてもらった時もわかりやすかったし、ここはお言葉に甘えさせてもらおう。

 

秀吉「それより、もうそろそろ帰った方がよいのではないか?」

 

 そういわれ時間を確認。確かにもう帰って明日に備えた方がいいだろう。

 

明久「うん、そうだね。それじゃぁ、木下さん、秀吉また明日。」

 

 

 そして僕は木下家をあとにした。

 




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