Fate/WhitePage 第四次聖杯戦争編   作:バッグクロージャー

3 / 5
どうも、バッグクロージャーです。

今更ですがタグに"独自設定"を付けました
ムーンセルと白野辺りがそりゃもう設定変えまくってるので。

とはいえそこまで無敵設定かと言われればそうでもありません。勝手につけたマイナスをゼロにするような調整程度です。



二話:懊悩の一時

光が収まり、自分がようやくそのシルエットを見ることが出来た。

 

艶がかった黒髪は腰まで垂らし、前髪の右側を後ろで簡素にまとめている。背は自分より頭一つ下。無感情そうに見える吊り目は、あたかも自分以外の人物を視界に入れることを許容していない。

 

 

ハッキリ言おう。ツンツン系黒髪ロング美少女であると。

 

 

「---あなたが私のマスター?」

 

 

少女は問う。

 

 

「ああ、そうだ」

 

 

怖じけずに目を見て答える。第一印象は七秒で決まると聞いた。そこで弱そうなマスターだとは思われたくは無い。

 

 

「そう。ここに契約は成立したわ。必要な時に呼んで頂戴」

 

 

そう言うと彼女は傍にある適当な岩に背を預け、膝に顔を伏せた。

 

霊体化はしないのだろうか。殆どのサーヴァントは霊体化が出来る。性格上霊体化を好まないサーヴァントもいるとは思うから、恐らくそのタイプだろう。

 

暫く反応が無さそうなので、じっくりと観察を始めようか。

 

 

まず服装。サーヴァントには不相応な現代の私服。深紅のロングシャツに黒のワンピースの様な服を上に着ている。

 

基本サーヴァントになる英霊は華美な服装だったり武装していたりするものだと思っていたが、今回は大分近代の英霊を召喚したらしい。

 

てか現代レベル?

 

 

「なぁ」

 

 

少女に話しかける。まだ自分は知らないことが多い。端末にあるサーヴァント情報は何故か"NotAvailable"のエラーが出ていて使えない。

 

少女はワンテンポ遅れてから顔を上げた。

 

 

「君のことを教えてくれないだろうか。クラスとかスキルでいい」

 

「......別に、いいけど」

 

 

長考の末、どうやら教えてくれるみたいだ。

 

 

「クラスは暗殺者(アサシン)。以上」

 

「えっ、もう少し教えてくれても」

 

「悪いけど、あなたが信用出来る人かどうか分からないから詳しく教える義理はないわ。」

 

「あ、はい」

 

誰だ第一印象は七秒と言ったやつ。あの七秒で自分が信用出来ない人という印象を与えてしまったらしいじゃないか。

 

ともあれ、クラスが判明しただけでも充分だ。クラスさえ分かればそれに応じた戦術を考えればいい。

 

アサシンといえばユリウスと李書文かな。流石にあそこまでのことは出来ないけど、近い立ち回りを考えるか。

 

 

「ねぇ、それ...」

 

「ん、この端末がどうかした?」

 

 

彼女の興味は自分が持っている端末らしい。

 

 

「いえ、暇潰しが出来るものがあればいいと思っただけ」

 

「そうだな...」

 

 

何かあっただろうか。暇潰しのものと言ったら戦術書か恋愛小説くらいだろうか。流石に戦術書を渡すのは気が引けるので恋愛小説の方を渡す。

 

 

「ごめん。これくらいしか無くって」

 

「......構わないわ」

 

 

長考したあと、彼女は本を受けとる。その本を手に取ったとき、彼女の口元がほんの少し緩んだのは気のせいだろうか。

 

 

ピピッ

 

 

生気のない電子音が響く。端末を確認してみると、サーヴァント情報のページが正常に動作していた。

 

判明しているのは、クラスと一部ステータスだ。他は"censorship(検閲)'とエラーメッセージが表示されている。

 

 

クラスは彼女が伝えたとおりアサシン。ステータスは...

 

筋力:E

耐久:E

敏捷:E

魔力:censorship(検閲)

幸運:E

宝具:censorship(検閲)

 

自分が今まで見てきたサーヴァントの中でも基礎ステータスは最低値を記録している。

 

恐らく宝具重視なサーヴァントではあるだろうが、その宝具のランクは見ることが出来ない。宝具が強力であることを前提に戦いに挑むのは下策だ。

 

 

「せめてこの検閲をどうにかしないと...」

 

 

そう独り言を呟くと

 

 

「...私のことについて"見る"ことは出来ないわ」

 

 

と彼女が話す。

 

 

「それはどうしてだ?」

 

「さあ?考えてみたらどう?」

 

 

自分の問いかけにイタズラっぽく返してくる。いや、どちらかと言えば答える気が無いように思えた。

 

 

「わかった。なら考えてみるよ。」

 

 

会話を切り上げ、彼女のスキルを推察する。

 

このスキルの影響でステータスが開示されないのだとしたら、情報戦においてはかなり有利に立てる。

 

加えて、最初はステータスすら見れなかった状態からステータス開示に至るまでの変化が起きたということは、彼女の情報を開示するには"打ち解ける"ことが肝要ではないだろうか。

 

彼女の素顔を知れば知るほどステータス開示に繋がるというなら、お安いご用だ。

 

 

悩みの種は取り払えた。今までと変わらない。ただ前に進めばいい。

 

そう心に決め就寝の準備をする。

 

 

「...結論は出たのかしら」

 

 

少女は本から顔を上げ、自分に問いかける。

 

 

「うん、出たよ。まずは君の事を知る。そこからかな。」

 

「なにそれ。言っておくけど、私からあなたに話すことはないから。」

 

 

彼女は知られることを否定するかのように自分に釘を刺す。

 

 

「そうかな。目は口ほどにって言うだろ?持っている端末に興味あったり、小説を手に取ったとき口元が緩んだように見えたし、それだけでも知れる事は多いよ。」

 

 

「...!あなた、デリカシーは無いのかしら!」

 

 

流石に動揺したらしく、怒声を浴びさせられる。ジロジロ見たのは不味かったかな。

 

 

「気を悪くさせたならごめん。でもこれから聖杯戦争を生き抜くパートナーだから、知っておきたくて。」

 

「素直に謝るのは殊勝な心掛けね。あなた、よく女の敵だとか言われない?」

 

 

え、何故それを知ってる。確かに一級フラグ建築とか女難の相とかもよく言われるが。

 

 

「その目、図星ね。まぁ、いいわ。そんなのに構ってたら聖杯戦争で共倒れだもの。大目に見てあげる。」

 

 

許された。

 

 

「...もういいでしょ?私と関わってる暇があるならその時間を睡眠に回したどう?」

 

「それもそうか。わかった、今日はもう寝るとするよ。」

 

 

それは関わって欲しくないのか、それとも遠回しな優しさなのか。でも今はそれに甘んじて寝るとしよう。

 

英霊の召喚といい、歩きっぱなしだったこともあり寝袋に入った途端一気に疲れが襲い、そのまま泥のように眠った。

 

 

「...あなたみたいな人は嫌い。その真っ直ぐさが、あの人を思い出させるから。」

 

 

そう、誰かが呟きが静かな鍾乳洞に響いた。

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか。

英霊召喚回、まずはほんのジャブ程度。

サーヴァントの情報に関しては彼女のスキルによって開示されない模様。まだここまでだと真名はわからないかなと思います。

感想、誤字脱字報告等いただけると幸いです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。