Fate/WhitePage 第四次聖杯戦争編   作:バッグクロージャー

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バッグクロージャーです

Fate/EXTRAのリメイク発表があったので久々すぎる更新

原作Zeroのタンカー戦です。
白野がいるということは、必然的に彼も来る訳で...
ここからは大きく原作から離れていく、オリジナル展開になります。


台詞が原作通りでないかもしれません。ご容赦を。

そんな感じで、よろしくお願いします




三話:開戦

---夢を見た。

 

 

空を見上げる。視線の先には雲のような白い"何か"が動いてる。

 

それらは数を数えるにはあまりに途方で、一つの鱗雲のように流れる。

 

 

ときおり、空からの贈り物のように一つ、また一つと地上に"降りて"くる。

 

降りて行くそれは距離が遠く、ハッキリとした姿は見えないが...

 

 

 

---底知れぬ恐怖心を感じるのは、何故だろうか?

 

 

 

 

...意識が現実へと引き戻される。体が熱い。

 

汗をグッショリとかいていて気持ち悪い。急いでバックパックを開け、タオルで汗を拭う。

 

 

「...おはよう。最悪そうな目覚めね」

 

 

自分が起きたのに気づいたのか、アサシンが挨拶してきた。

 

 

「ああ、おはよう。酷い夢を見ただけだから、心配しないで」

 

 

「...そう。」

 

 

自分の言葉に納得したか否か、アサシンは先程までいた場所に戻る。

 

 

さて、今日はどうしようか。偵察に向かうのが良さそうかな。

 

夜になれば聖杯をめぐる戦いが行われるだろう。高い魔力を探知(サーチ)すればいいから下準備の時間は少なくていい。

 

 

彼女の能力はその大半が検閲されていて見れない。つまり彼女自身の特徴を活かした戦い方はできないだろう。

 

なら、アサシンのセオリー通り奇襲がメインになる。そうなれば情報戦は必須になる。

 

相手に気取られず、相手の情報を探る。難しいが、これまでやってきた聖杯戦争の経験を活かせば問題はないだろう。

 

 

(よし、そうと決まればまずは腹ごしらえだ)

 

 

そう決め込み、バックパックからカップ麺を2つ取り出す。

 

赤と緑のパック。それぞれうどんと蕎麦だ。

 

なぜ2つ取ったかと言うと...

 

 

「アサシン、どっちか食べる?」

 

 

と、アサシンに確認を取る。もちろんサーヴァントに食事は必要ない。それはそれとして美味いものは良い、とか青い槍兵あたりが言いそうだ。

 

 

「あなた、サーヴァントは食事が必要ないって知らないの?」

 

「知っている。でも、それはそれとして美味しいものは食べた方が元気でるかなって」

 

 

そう言ってから、自分は2つのカップ麺の袋をビリリ、と開ける。

 

それを見てか聞いてかアサシンが

 

 

「はぁ...わかったわ。あなたのわがままに付き合ってあげる」

 

 

とカップ麺の側まで近寄る。

 

アサシンは一切の躊躇いなく赤いカップ、うどんを手に取る。

 

 

「...これにするわ」

 

「わかった。なら自分は蕎麦で」

 

 

そんな会話をした後、大空洞に響くのはパチン、と木が割れるような音と麺をすする音だけだった。

 

 

 

 

 

PM 10:00

 

町で一番大きな橋の近くのコンテナ置き場で、戦いの火蓋が切り落とされた。

 

自分とアサシンが索敵をしている最中、閑静な場所に似合わない金属音が響いたため、音のする方へ向かっていった。

 

 

コンテナ群に面した土手に、姿勢を低くして観戦する。

 

暗殺者のクラスなら気配遮断があり、自分も魔術師(メイガス)としての魔力は一般人より少しある程度しかないので、探知魔術でもなければ魔力量による感知で見つかることは無いだろう。

 

 

コンテナの間で交戦しているのは二丁の槍を持った槍兵ともう一人。

もう一人のサーヴァントは、手元を注視しても武器が見えない。

恐らく、秘匿されているあの武器が宝具の可能性が高いだろう。

 

甲冑の騎士となると、印象はセイバー。月の聖杯戦争で戦ったガウェインを思い出す。

なら、彼と近い時代の英霊から虱潰しに調べるのもありだろう。

 

 

そしてあのランサー。相手が射程の分からない武器であるにも関わらず、ランサーは攻撃を捌いていく。

 

あれだけの手練。そして二丁の槍。高名な英雄であればすぐに調べが着くだろう。

 

 

「アサシン、どう?」

 

「真正面で戦うのは無理ね。あんなの、どうやっても勝てっこないもの」

 

 

やはり、アサシン自体の戦闘力は高くはない。

ともなればスキルか宝具で有利に戦っていくタイプだろうか。

 

 

「アーラララララララララァイ!!!」

 

 

遠くから猛り盛った叫び声が聞こえる。

声の方角へ視線を向けると、2頭の牛が操る戦車(チャリオット)が戦闘の最中へ駆け込んでくる。

 

てか、あれ浮いてない?サンタクロース?

 

 

「双方矛を収めよ。王の前であるぞ!」

 

 

戦車に乗っていた巨漢が口を開く。赤髪に髭を蓄え、豪快に口を開き戦闘中のランサー達を引き留める。

 

 

「我が名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争においてはライダーのクラスを得て現界した----」

 

 

次に口を開いた言葉は、自身の真名とクラス。

サーヴァントが真名を自ら明かす行為は本来あってはならない。その名前からスキルや宝具が探られてしまう場合があるからだ。

 

自分は一度だけ似たような状況に覚えがある。月の聖杯戦争で戦ったレオとそのサーヴァント『ガウェイン』だ。

あの2人の場合、真名を明かしても絶対に勝つ自信があるからこそ対戦相手に真名を明かし、その悉くを打ち破ってきた。

 

だがあのライダー、イスカンダルは勿論自らの力に絶対の自信があるのは間違いなさそうだが、真意は別にあると推測する。

 

 

「ひとつ我が軍門に降り、聖杯を余に譲る気はないか?

さすれば余は貴様らを朋友として遇し、世界を征する愉悦を共に分かち合う所存でおる」

 

 

思案している内に状況が変わった。イスカンダルは「共に世界を征服しよう」と提案してきたのだ。

横で観察していたアサシンも「あんなのに世界は一度征服されかけたのね・・・」と頭を抱えている。

 

 

距離が遠い所為かよく聞き取れないが、イスカンダルの表情は芳しくないのを察するに交渉は決裂のようだ。

 

 

「アサシン。あのサーヴァント達、どう思う?」

 

 

アサシンの感想を聞くため、質問をする。岸波白野が感じている状況とアサシンが感じている状況は全く違うはずだ。

戦う時を見誤らないように、意見を求める。

 

 

「どうもこうも、真正面で戦ったら勝ち目なんてないわ。そもそも私は人なんて----」

 

 

「この我を差し置いて王を名乗るなど、不敬極まるぞ、雑種」

 

 

アサシンが何かを言いかけた途端、殺意が言葉を纏って放たれるのを感じた。

黄金の甲冑、かき上げた金髪。唯我独尊を体現した振舞い。

 

月の裏側で助けてくれた、共に戦った英雄『英雄王ギルガメッシュ』

 

街灯の頭頂部に立ち、セイバー達が放っていた一触即発の空気を一言で凍らせる。

 

 

「ふむ、貴様も王であると言うならば、名乗り上げたらどうだ!」

 

 

イスカンダルは怖気づく事無くギルガメッシュを挑発する。

いや、恐らくイスカンダルは単純に聞きたかっただけだろう。

 

だがギルガメッシュにとってはそれこそ逆鱗に触れるはずだ。

原初の英雄。王の中の王。それを知らないことは許されない。

 

故に、イスカンダルの質問は自らを無知であるといわしめている様なものだ。

 

 

しかし----

 

 

「・・・我が拝謁の栄に浴してなお、この面貌を見知らぬと申す輩を生かしておくに値しない。

だが、我は今機嫌が良い。貴様らの厚顔さに免じて一度のみ許そう。

 

 

----そうだろう?雑種?」

 

 

背筋が凍り付く。

 

"見られている"。ギルガメッシュの視線は下にいるセイバー達にも、恐らく彼のマスターにも向けられたものでもない。

確実にこちらに向けて興味の視線を首元に突き付けている。

 

 

「良いか雑種ども。我は今忙しい。同じ不敬を働かぬよう疾く注意せよ。二度は無いぞ?」

 

 

ギルガメッシュが話を続ける。その間にも鋭い殺気がこの場にいる全員を留めさせる。

瞬間、この空気を断ち切ったのは一筋の黒い閃光だった。

 

 

鼓膜を破かんばかりの大きな破壊音が周囲に響き渡る。

ギルガメッシュがいた地点の地面がひび割れ、小規模なクレーターが発生する。

 

 

黒い靄に包まれた"何か"が生き物の様に蠢く。

シルエット然として判断はしにくいが、恐らくはサーヴァントだ。

 

 

「ハッ。獣風情が我の肢体に傷をつけられると思うなよ?

ではな雑種共。我は忙しいのでな。」

 

 

その一言を残し、ギルガメッシュは姿を消す。霊体化だ。

このままだと、恐らくこっちに来るのは自明の理だろう。何を言われるか分かったものじゃない。

 

 

「アサシン、撤退するぞ!」

 

「・・・?ええ、分かったわ。」

 

 

アサシンはいまいち把握しきれていないみたいだが、少なくともこの場にいることだけはしない方がいい。

説明をするより先に、さらに人気のない場所まで移動することにした。

 

 

「ねぇ、どうしてあそこから離れたの?」

 

 

コンテナ置き場から離れて5分ほど。大きな橋の付近にある、小さな広場で腰を落ち着けていたところに

アサシンが質問をする。

 

 

「あの4騎のサーヴァントから逃げるためだよ。今にも戦闘を行うところだったから、巻き込まれない様に。」

 

「そう・・・

でも、お陰でもっと危なそうなのが来たみたいだけれど。」

 

 

アサシンはすでに気づいていたらしく、彼がいるであろう方向に目を向ける。

 

 

「ほう、いくら霊体化しているとはいえ、我の存在感(オーラ)は防ぎきれぬか。」

 

 

霊体化を解いて現れたのは、やはりギルガメッシュだった。

防ぎきれない存在感とか、何言ってんのこのAUO。

 

 

「なぜ英雄王である貴方がここに?こっちは一介のマスターとサーヴァントだ。

尻尾を巻いて逃げる相手を追うほど、価値のあるものではないと思うけれど。」

 

 

ギルガメッシュに問う。答えは大体予想はつくが、念のために聞いてみる。

 

 

「愚問だな、雑種。余興より面白いものを2つ程見つけた、それ以外の何があろうよ。」

 

 

やはりというべきか。ギルガメッシュの眼はその人の過去を見る。

岸波白野の過去に数多の英霊が、何よりギルガメッシュの姿を見れば興味が湧く。

 

英雄王は元よりそういった人物であることはわかってる。

 

・・・待て。今ギルガメッシュは"2つ"と言ったか?

 

 

「・・・2つか、3つか離れた次元のマスター。そして、そも我々とは埒外な次元から招来されしサーヴァントか。

全くイレギュラーにも程がある。」

 

 

ギルガメッシュは少し呆れながらも、愉悦を帯びた視線で自分とアサシンを見る。

 

 

「あのサーヴァントはあなたの知り合い?」

 

「うん。英雄王ギルガメッシュ。古代ウルクを治めた最古の英雄。」

 

「そう、不思議な知り合いがいるのね。・・・貴方がゲームのキャラ名で良く使われる有名な人ね。お会いできて光栄だわ。」

 

 

アサシンは姿勢を崩さず、敵意の視線を向けつつ言葉を放つ。

 

 

「フハハ、そうであろう?よいぞ!髪色も瞳も我の範疇には少し遠いが、貴様のその目と

比類なき肉体に免じて無礼は許そう。」

 

 

AUO流のセクハラ発言。アサシンは発言の意味を理解したのか、怪訝な視線をこちらに投げる。

如何にも助けて欲しそうだが、ここはスルー。

 

 

「さて、戯言はここまでだ。岸波白野とやら。何をもって貴様の魂に我の姿が映っているのか、それを確かめ貴様がマスターとして値するかを見てやろう。

何、加減はしてやる。死なれたら困るのでな。」

 

 

そういうと同時にギルガメッシュは王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から一振りの黄金剣を取り出す。

 

 

「マスター、下がってなさい。」

 

「頼む、アサシン!」

 

 

 

「さあ、少し遊んでやろう。我自らが余興に買って出るのだ、せいぜい楽しませろよ雑種?」




アサシンの情報は少しずつ小出しにしていきますが、次回で真名が分かってしまう方はいるのではないかと。


何しろ、宝具を開帳しないと戦闘できないので。


次回は対ギルガメッシュ戦、そしてあの猟奇犯と相対します。


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