そこは「魔法」というものが存在する世界。
その世界のある日のある夜、とあるライブ会場にて・・・・・・。
そこでは「シャイニィシャリオ」と呼ばれる魔女が本日会場に来てくれた人々の為に本日は彼女によるマジックショーが行われていたのだ。
勿論、マジックショーと言っても手品などの類ではなく本当の「魔法」によるマジックショーであり、観客席はほぼ満席。
そしてシャリオによるショーはスタートし、先ず最初にシャリオは幾つもの眩い光が会場に降り注ぎ、彼女の愛用の杖である「シャイニィロッド」が現れるとロッドは光を放ちながら独りでに動き出し、その光の中から1人の赤髪の女性・・・・・・シャリオが現れる。
「みんなー!! ようこそ!!」
シャリオがそう叫ぶと光は花弁となって舞い、彼女がロッドを床にかざすと幾つもの光が客席の周りに放たれると白い木が出現し、門のような形を作る。
「さぁ、魔法の国に出発よー!!」
そう言いながら彼女は踊るようにロッドを振るって今度は上空にロッドを向けるとそこから様々な色の動物や妖精のようなものが現れ、人々の顔は笑顔で溢れかえる。
その時、客席の後ろから鯨の身体とカエルの手足、蝙蝠の羽のようなものがついた魔物が出現し、シャリオはロッドを箒にするとその上に飛び乗り魔物に向かって行く。
シャリオは先ほど自分が作った門の上に着地するとシャリオは呪文を唱えながらロッドを今度は弓矢のような形に変え、それを構える。
「マクミル、ミクミル!! シャイニー・・・・・・!! アルク!!!!」
シャリオは矢を放ち、魔物はそれを飲み込むと身体が膨らんで破裂・・・・・・そのまま先ほどの魔物は花火となり、暗い空を明るくしたのだ。
「忘れないで。 信じる心が・・・・・・あなたの魔法よ」
「「わああ・・・・・・!!」」
そんな彼女のショーはとても幻想的で美しく、シャリオに憧れの視線を向ける目を輝かせた少女が2人いた。
*
それれから、10年の月日が流れ・・・・・・。
「ブライトンベリー」という街にて・・・・・・。
そこでは街の噴水の前でシャリオに憧れの視線を向けていた2人の少女・・・・・・1人は茶髪の「カガリ・アツコ」こと「アッコ」という少女ともう1人は胸に片翼のバッジをつけ、黒髪だが赤いメッシュの入った長髪の少女「正義(まさよし) ジュリ」が何やら興奮した様子で立っていた。
「遂に来たんだ! 世界一の魔女シャイニィシャリオが学んだ聖地に・・・・・・!」
「アッコ!! 記念写真撮ろうぜ記念写真!! 聖地に来たら先ずは写真撮影っしょー!!」
「だよねだよね!!」
ジュリは「夜は焼き肉っしょー!!」みたいなテンションでシャフ度をしながらスマホを取り出し、アッコと肩組みをしながらパシャリと自撮りし、2人は「ヒャホホホヒャッホイ!!」と元気にハイタッチ。
そのまま手を繋いで一緒にクルクル回っていると不意に2人は動きを止め、手で口元を押さえる。
「「うぇっぷ・・・・・・」」
どうやら回り過ぎて2人とも気持ちが悪くなったらしい。
「あたし達、ここで魔女になるんだ!!」
実はこの2人、幼い頃にシャイニィシャリオのショーを観て以来魔女になるのが夢であり、今日はその夢の第一歩として魔女を育成する学校・・・・・・「ルーナノヴァ」の入学式がある日なのである。
「さて、それじゃルーナノヴァの停留所へ・・・・・・しゅっぱーつ進行ーーーー!!!!」
「イエェーーーイ!!!!」
ジュリのかけ声と同時にアッコも元気に右手をあげながら2人でルーナノヴァ行きのバスの停留所を探すことになったのだが・・・・・・。
幾ら探してもなぜかルーナノヴァ行きのバスの停留所が見つからず、仕方が無いのでアッコは色んな人にルーナノヴァ行きの停留所を聞いて廻ることにしたのだが、誰に聞いても停留所の場所は知らないらしく、中々見つけられないでいたのだ。
「ってジュリも停留所の場所色んな人から聞いてよ!! なんであたしばっかにやらせんの!!?」
「しししし、知らない人に声かけるとか必要に無理だし。 そ、そういうのはアッコの方が得意じゃん」
「このコミュ障!!」
「なんとでも言え!! コミュ力お化け!! 知らない人と話すくらいならミミズにキスする方がマシだ!!」
アッコは指をつんつんしてるジュリに呆れた視線を向け、「あたしにはズカズカ来る感じのくせに」と文句を言いながらもアッコだけで停留所の場所の聞き込みを続けるのだが・・・・・・。
やがてこの町には停留所なんて存在しないということが判明し、取りあえず分かるところまで行くことになり、そこまで辿り着くと彼女達は一旦ベンチに座り、再び案内地図を見る。
「はぁ、おっかしいな。 確かに『停留所』ってあるのに・・・・・・。 大体この地図おおざっぱすぎだよ。 こんなんで分かる訳ないじゃん」
地図を見ながら文句を言うアッコだが、その時ジュリは「んっ?」とあることに気づき、アッコから地図を借りて少し先のところにある建物と見比べてみる。
「これあそこじゃない? シルエット的に一緒じゃん」
「えっ? おぉ、ホントだ!! みっけたみっけた!!」
「見つけたのは私だけどな!」
アッコとジュリは急いで停留所のある場所へと駆け出して行くのだが・・・・・・その時、アッコが前方不注意で反対方向を歩いていた1人の少女とぶつかってしまい、2人はその場に転けてしまう。
「ちゃんと前見ないからだぞ、アッコ」
「あいたた・・・・・・ご、ごめんなさ・・・・・・うぁ?」
その時、アッコの目の前に1枚のパンフレットが落ち、それは先ほどアッコとぶつかった少女が持っていたものであり、箒も持っていたことから彼女も自分達と同じルーナノヴァの新入生なのではと考え、アッコは興味津々な様子で先ほどの少女に詰め寄る。
「これあなたの!? ルーナノヴァの新入生!? 今から始業式に行くところ!? やったぁ! 魔女の学校にたった2人で乗り込むなんてちょっと心細かったんだぁ・・・・・・。 あたしアッコ! 6歳の時にシャイニィシャリオの魔法ショー見てから夢だった! っていうか、夢以上の宿命? 勿論知ってるよね、シャイニィシャリオ!!」
アッコはそう言いながらシャリオのカードを取り出して少女・・・・・・「スーシィ・マンババラン」に見せ、ジュリは「よく喋んなこいつ」と思うのだった。
アッコの後ろにビクビクして隠れながら。
「っていうかジュリは何あたしの後ろに隠れてんの?」
「い、いやだって・・・・・・知らない人と話すのとか・・・・・・無理」
「もー! そんなんでジュリの夢って叶えられるの!? あっ、この娘は私の友達の正義 ジュリ! 人見知りであたしと同じ日本から来て今日一緒に入学するの! あたしと同じようにジュリもシャリオのショーを見たのが魔女になろうと思ったのが切っ掛けなんだ!! まぁ、あくまで切っ掛けってだけでジュリの夢はあたしとは違うんだけどね」
そしてアッコはシャリオのレアカードを「あたしの宝物!」と自慢げにスーシィに見せつけるのだが、彼女はあんまり興味が無さそうだった。
「魔法界でもシャリオってすごいんだよね? あたしの周りだと、シャリオ好きな子ジュリくらいしかいなくて・・・・・・いつの話してんのって言われるんだけど、あんな凄いことできるのシャリオ以外いなくない? なんてたって月を・・・・・・」
するとスーシィはなぜかアッコが転んだ際に落っこちた鳥のぬいぐるみのような枕の元まで突然歩き出し、紫の液体の入った瓶を取り出すとその枕に紫の液体の一滴を落とす。
(えっ、何してんのこの人?)
するとアッコの枕はその液体の影響か突然動きだし、それにアッコとジュリは驚きの声をあげる。
「すごーい! 傀儡魔法! 初めて生で見たよ。 よーしよし、こっちおいで」
アッコは枕に両手を広げて「こっちへおいで~」と言うのだが、枕は嘴でアッコの左目を突いた。
「うああああああ!!!? 目が~!!? 目が~!!?」
「ちょっ、大丈夫アッコ!? なにすんのさアンタ!?」
コミュ障のジュリもこれには怒り、スーシィに文句を言おうとしたのだがスーシィはそそくさとその場から歩き去っており、2人は慌てて追いかける。
「あなた名前は? さっきのどうやるの? あたしも通販の魔法教材で習ったんだけどさっぱりで・・・・・・。 基本もできてるかよく分かんないし。 でも学校に入れたらシャリオみたいな魔法使えるようになるかなーって」
(ってかアッコの目がもう治ってやがる。 相変わらずどんな身体してんのさ)
ジュリはアッコの傷の回復力の高さに驚いている中、今度は橋の上で不意にスーシィが立ち止まると突然彼女はアッコに向かって手を差しのばして来たのだ。
アッコは戸惑いながらも「よろしくー!」とスーシィと握手するのだが・・・・・・今度は少女が服の下に忍ばせていた蛇がアッコの腕に絡みついたのだ。
「うわあああああ!!!!? やだやだやだ!!」
そのままアッコはバランスを崩して橋の下の池に落下してしまう。
「アッコー!!?」
ちなみに蛇の正体はただの縄であり、どうやら魔法で変身していたようだった。
尚、スーシィはそのままアッコのことなど放って置いて立ち去っていた。
*
「はぁ、はぁ、全く・・・・・・。 なんなの、あいつ・・・・・・」
「完全にからかわれてるね、アッコ」
その時、停留所に向かう為の階段を登っていると2人の目にルーナノヴァの制服を着た少女3人がいることに気づき、アッコはそんな彼女達に話しかけようと階段を駆け上がる。
「ルーナノヴァの制服!!」
「ちょっ、置いてかないでよアッコ~!!」
3人のルーナノヴァの生徒は春休み中のことを話していた。
「春休みどうだった?」
「どこへ行っても観光客でうんざり」
「ところで、今日来る新入生2人ほど魔女家計の娘じゃなんだって~」
それを聞いて生徒2人は「マジで~!?」と驚いた声をあげ、そのことに不満の声をあげる「ハンナ」という少女。
「まったく、最近一般人入れすぎ!」
「近頃学校が経営難で魔女家計でなくても入れないとやっていけないとか。 ルーナノヴァの品格が下がりますわ!」
ハンナと同じように文句を言っているのは「バーバラ」という少女であり、「もしかして箒にも乗れないんじゃない?」なんて話をしており、それを聞いてアッコはなんだか気まずくなり、いなくなるのをちょっと待とうかと思ったのだが・・・・・・。
「誰?」
気づかれてしまい、止むなく「か、カガリ・アツコ。 新入生の・・・・・・」と名乗り、ジュリに至っては速攻でアッコの後ろに隠れた。
「えっと、それでこの娘は正義 ジュリ」
「じゅじゅじゅ・・・・・・じゅえっぐ!?」
今回はなんとか頑張って名乗ろうとしたのだが、緊張のあまり彼女は思わず舌を噛んでしまい、涙目になってしまう。
「あ、あの・・・・・・早く来ると良いね、バス」
「バス?」
「えっ? ここがバス停なんでしょ!?」
すると3人の少女はそれを聞いて突然「あはははは!!」と笑い出す。
「何にも知らないのね!」
「こんなところにバスが来るとお思い?」
「「「ティアフレーレ!!!!」」」
3人は箒に対して呪文を唱え、ハンナが言うにはここはバスではなく箒の停留所「レイラインターミナル」という場所らしく、ルーナノヴァまではレイラインというもので結ばれており、レイラインには太古の昔から魔法のエネルギーが走っていてそのエネルギーに乗ればルーナノヴァまで飛んで行けるというのだ。
3人は箒に乗ると建物の中に入り、天井にあるトンネルのようなものに向かって浮遊する。
恐らく、あれが彼女等の言う「レイライン」なのだろう。
「急ごう!」
「始業の儀式に遅れたら魔法界から永久追放ですわ!」
そのまま彼女等3人はレイラインの中へと消えて行き、今の話を聞いてアッコとジュリは「どうしよう」と顔を見合わせる。
何せ、彼女等2人は箒を持っていないのだから。
「ええい!! 今更諦めきれるか!! 最後まで諦めないぞ私は!!」
ジュリはそう叫びながら一差し指を天井に向ける。
「一度故郷を離れたからにゃあ負けねぇ引かねぇ悔やまねぇ!! 前しか向かねぇ振り向かねぇ!! ねぇねぇ尽くしの男意地よ!!」
「ジュリって女じゃん。 胸ないけど」
「やかましい!! アッコだって大してないくせに!!」
「少なくともジュリよりはあるよ」
「クソッタレ!!」
何にしても、アッコもここまで来て諦めるなんて選択肢はなく、箒が乗れない以上ここから木の蔦を伝って這い上がるようにして登るしか手はなく、2人は蔦を掴みながらなんとかレイラインまで駆け上がろうとする。
しかし、蔦は途中で耐えきれずに千切れてしまい、2人とも落下して背中を地面に打ち付けてしまう。
「いったぁ~!?」
「うぅ~!」
2人が少し泣き出しそうになっていたその時、また別のルーナノヴァの制服を着た少女「ロッテ・ヤンソン」がこちらに向かって歩いて来ていることに気づく。
だが、ロッテは途中でつまずいて転んでしまい、持っていた荷物が幾つか飛び出してしまう。
「もぉ~! お母さんもヤンネさんもお土産持たせすぎだよ!! こんなに・・・・・・」
不満げな様子でそんなことを言っているとそこへアッコが彼女の帽子を拾い、ジュリも荷物から飛び出していた物を拾いあげ、顔を引き攣られせながらも「ど、ど、どうぞ・・・・・・」と物を差し出す。
「ありがとう」
そのままロッテはお礼を言ってから建物の中に入り、箒に跨がってレイラインに乗ろうとするのだが・・・・・・そんな彼女をアッコはジトっとした視線で見つめていた。
(えっ、なにその『ちょっと乗せてってくれないかな~』って視線?)
「あ、あなた達行かないの? 始まっちゃうよ始業式?」
ロッテがそう尋ねるとアッコが目尻に涙を浮かべ、ロッテは見ない顔だったので「もしかして新入生?」と不思議そうな顔を浮かべながら尋ね、それにアッコとジュリは頷く
「ルーナノヴァは校則に厳しいの。 遅刻したら学校に入れないよ? 即退学」
「箒がないの、あたし達2人とも。 あっても乗れないし・・・・・・」
「わ、私も多分・・・・・・」
ロッテは困った顔を浮かべ、少し考え込んだ後・・・・・・とても残念そうにしている彼女等2人を見かねたのか「乗る?」と尋ね、その申し出を受けてアッコとジュリの2人は「えっ?」と首を傾げる。
「3人乗りはしたことないけど、やればできるかもしれないし」
「ホントに!? ありがとう!! 親切な魔女もいるんだね!! あたしカガリ・アツコ!! アッコって呼んで!! この娘は正義 ジュリ!」
アッコはロッテに抱きついてお礼を言い、それに戸惑いつつもロッテも自分の名を彼女等に名乗り、もう時間が無いそうなので急いで箒に乗って欲しいと頼まれる。
「うん!!」
「あり! あがっ・・・・・・あざす!!」
「「あざす?」
ジュリもせめてお礼くらいちゃんと言おうとしたのだが・・・・・・緊張してしまい上手く言えず、変な言葉を口にしてしまうのだがジュリ本人は「よし、ちゃんとお礼言えた!」と満足げだった。
「いや、言えてなくない?」
兎に角、ロッテの言葉に甘えてアッコは箒に自分の手提げの荷物をかけ、ジュリは荷物は背中のリュックだけなのでそのままロッテの箒に一緒に跨がる。
「それじゃ行くよ!」
「「うん」」
「飛べ、我が箒・・・・・・ティアフレーレ!!」
ロッテがそう呪文を唱えると箒は浮かびあがり、荷物が多すぎて若干落ちそうになりはしたが・・・・・・なんとかレイラインに入ることが出来たのだ。
しかし、荷物が重い割に予想以上のスピードが出ており、アッコもジュリも叫び声をあげてしまう。
「なんかのアトラクションみたいこれ!? 私ジェットコースター苦手なのにいいいい~!!!!」
「なにこれなにこれなにこれ!? うわあああああ!!!!? やっぱ無理無理! 降ろして~!」
「少し大人しくして!」
騒ぐジュリとアッコにロッテは注意するが、その時突然強い突風が起き、それを受けた3人は吹き飛ばされそうになる。
なんとか持ちこたえはしたが、その際にいくつかの荷物を落としてしまい、その荷物の1つ・・・・・・もう動かなくなってしまった先ほどの枕が彼女等の後ろを飛びながら本を読んでいたスーシィの顔面に激突。
「伝説の森、アルクトゥルスへは並みの魔女では入ることはできない・・・・・・ってうっ!? なんなの、この枕・・・・・・?」
一方でジュリ達はというと・・・・・・。
先ほどから突風が吹いており、普段ならこんなことはないのだがロッテは「もしかしたら」と思い2人に「塩」を持っているかどうかを尋ねる。
「「塩?」」
「レイラインは塩分を嫌うの!」
ジュリは首を横にブンブン振って特に塩分のあるものは持って来てはいないと言い、アッコは少し考えた後、「これとか?」と小さな壺のようなものを取り出す。
「なにそれ?」
「梅干し」
「捨てて!!」
「えっ、でもあたし梅干しがないと生きていけな・・・・・・」
だが相変わらずレイラインから突風が吹き荒れており、ジュリも「捨ててアッコ!!」と懇願し、アッコも「分かった!!」と言って梅干しを捨てようとするのだが・・・・・・その際、彼女の持っていたシャリオのカードが飛び出し、どこかに飛んでいってしまう。
「あたしの宝物!!」
「「ちょっ、危ない!!」」
アッコがカードに手を伸ばしたせいでバランスを崩してしまい、アッコとジュリは箒から落っこちてしまう。
「「うわああああ~~~!!!!?」」
その時、アッコは丁度枕を顔から剥がしたスーシィと顔面衝突してしまい、4人はレイラインの突風に巻き込まれてしまうのだった。
*
「うぅ~・・・・・・」
次にジュリが目を覚ました時、そこは見知らぬ薄暗い森の中であり、丁度近くにいたのかアッコが「ジュリ大丈夫!?」と声をかけてきた。
「私は大丈夫・・・・・・」
「良かった。 あっ、私のお宝も無事だったよ!」
周りを見ればロッテやスーシィもおり、ジュリはスーシィの顔を見て一瞬「げっ」と少し嫌そうな顔をしていたが。
「ロッテ大丈夫? 怪我ない?」
「大丈夫だけど、箒が・・・・・・」
ロッテの箒は先が折れており、これではもう飛ぶことができなくなってしまったのだ。
「・・・・・・どうやら目的の場所に着いたらしいね」
「目的の場所? じゃあここがルーナノヴァ?」
「まぁ、魔女が住みそうなところではあるよね」
スーシィの呟きを聞いてアッコがここがルーナノヴァなのかと疑問に思うのだが・・・・・・ロッテ曰くここは全く知らない森なのだと言う。
「・・・・・・アルクトゥルスの森」
「アルクトゥルス・・・・・・。 嘘!? 禁断の森!?」
スーシィの呟きにロッテは驚きの声をあげるのだが、アッコとジュリは「なにそれ?」と首を傾げる。
ロッテが言うにはここは古い伝説の森であり、「魔法樹」と呼ばれるもので守られた神聖な場所で一度迷い込んだら魔女でも出るのは難しいらしい。
「そんな! 困るよ、始業式に間に合わなくなる!」
「それどころか一生ここから出られないかもね」
「ちょっと! 脅かさないでよ!!」
アッコはスーシィの言葉に怒り、またスーシィの言葉を聞いたジュリはこの状況をなんとかする為に胸のバッジを使うべきかと一瞬悩んだのだが・・・・・・。
(いや、こんなことでこの力を使う訳にはいかないか・・・・・・。 マジでここから抜け出せなくてダメな時は頼ろう)
するとアッコは先ほど自分が落とした荷物を発見し、急いでそれらを拾いあげるのだが・・・・・・。
木の上にあった巨大なワカメのようにぶら下がっていた植物・・・・・・「吸血植物 スフラン」が長い蔦を使ってアッコに襲いかかって来たのだ。
「アッコ!!」
「うぇ?」
紙一重でアッコはスフランによる一撃を避けるが、スフランは大量の蔦を使ってアッコ達に襲いかかり、一同は急いでその場から走って逃げる。
「なんなのあれ!?」
「吸血植物スフラン、名前の通り生き物の血を吸う植物さ」
アッコの疑問にスーシィがそう答え、彼女は「こっち!」とジュリ達を誘導すると崖の下に隠れ・・・・・・なんとかスフランから逃げ切ることに成功したのだった。
その際アッコが足を踏み外して身体を車輪のように回転して転んでいたが。
「・・・・・・うん、よし」
するとスーシィは何かを見つけたらしく、彼女の視線の先には巨大な鳥の足跡のようなものがあり、ジュリもそれに気づいて首を傾げる。
(なにこれ? 足跡・・・・・・?)
「ねえ、ちょっとこっち来て」
次にスーシィはロープをどこから取り出し、それを円を描くように置くと彼女はジュリ達を呼び、ロープの中央に立たせる。
「あっ!! ちょっと待ってアッコ!! なんか嫌な予感が・・・・・・!!」
最初こそスーシィの言う通りにしていたジュリだったが、先ほどのアッコとのやり取りを思い出し、もしかして何かよからぬことを企んでいるのではと不安になり、すぐにロープの外に出ようとするのだが・・・・・・。
「ジュラスハラスハラス」
時既に遅く、スーシィはどこからか瓶を取り出し、その中に入っていた液体をロープにかけるとロープはボール状になって彼女達を包み込んだのだ。
「なにこれ?」
「檻か? 檻かこれ!?」
「呪文唱えて」
スーシィの言葉に「呪文?」とアッコは首を傾げ、ロッテは「それで道が見つかるの?」と疑問に思うのだが、スーシィはそれには答えず呪文の言葉だけを伝える。
「クチュルカテラフラーラ」
「クチュルカテ・・・・・・フラ、フラフラ?」
「クチュルカテラフラーラ!! もっと腹から声出す!!」
スーシィにそう言われ、アッコは言われた通り今度は言い間違えもせず、しっかりとスーシィに教えられた呪文を大声で唱える。
「クチュルカテラフラーラアアアアアア!!!!!」
「キジャアアアアアアアア!!!!!」
「んっ? なんの声?」
すると、突然どこからか獣の鳴き声のようなものが聞こえ、後ろに気配を感じ、ジュリ、アッコ、ロッテが後ろを恐る恐る振り向くと・・・・・・。
「クエエエエエエエン!!!!」
巨大な鳥の怪獣、「火山怪鳥 バードン」が姿を現し、こちらに向かって来ていたのだ。
バードンはジュリ達を睨み付け、ジュリとアッコは「アハハハ、どうも」と苦笑いをしながら挨拶し、アッコはひっそりとスーシィにさっきの呪文は一体なんだったのかと尋ねる。
「『バカめ、悔しかったら私を食べな』って意味」
「はぁ!!?」
「お前もう怒ったぞ!! 下手に出てりゃ良い気になりやがって!! 私達をこいつの餌にするつもりか!!?」
流石のジュリもこれには怒り、先ほどと違ってスーシィに対しハキハキと喋り文句を言いまくる。
しかし、スーシィはそんなこと全く気にせず、箒に乗って空を飛び上がる。
「火山、もしくはアルクトゥルスの森にしかいないと言われている火山怪鳥 バードン、その口袋には猛毒があると言われてる。 猛毒コレクターにとっては超レアアイテム、その間に奴から毒を抜くから」
「つまり私達は囮かい!!」
「違う、生け贄! さっきのもう1度唱えて」
無論、アッコもジュリも「唱えるかーーーー!!!!?」と怒鳴り、バードンが嘴で彼女等を突こうと攻撃を行い、アッコ達は慌ててボール状の縄の折を中から転がすことで回避。
「そうそう気をつけて。 そいつの毒、嘴から相手に流し込むし、掠っただけでも人間には結構有害でさらには口から火も吹くから」
「毒に火って・・・・・・!!」
バードンは口から炎をジュリ達に放つが、右に曲がることでなんとか回避し、一方スーシィは注射器のようなものを取り出し、バードンに気づかれないようこっそりと口の毒袋に近づく。
スーシィはその毒袋に注射器を突き刺すと素早くそこから毒分を抜き取り、急いでバードンから離れる。
「へへっ、頂き・・・・・・」
しかし、人間が普段使うサイズの注射器程度では全くダメージの入らないバードンだったが勝手に注射されて毒を抜かれたのか鬱陶しかったのか、バードンは狙いをスーシィに変え、彼女に口から炎を吐き出す。
「おーっとと」
慌ててスーシィは火を回避するのだが、バードンはしつこくスーシィに襲いかかり、またジュリ達は坂道を走っていた為に止まることができず、木に激突して吹き飛ばされてしまっていた。
その際、アッコはなんとか崖から落ちそうになったロッテの腕を掴み、自分も崖に生えていた木に足を絡ませてなんとか落ちずに耐えていたのだが・・・・・・。
「あれ? ジュリはどこ!? ジュリを探して早くルーナノヴァに行かなきゃ。 グズグズしてたら始業式に遅れちゃう!」
アッコはロッテを引っ張り上げて自分も起き上がり、立ち上がろうとするのだが・・・・・・。
その時ロッテが「痛っ!?」と声をあげ、アッコが見ると彼女は膝を擦りむいており、こんな状況ではもう間に合わないと彼女は諦めかけてしまう。
「そんなことない!! 諦めないよ、絶対!!」
そう言いながらアッコはロッテに肩を隠して起き上がらせ、少しでも進む為にジュリを探しながらアッコ達は歩き始めるのだった。
*
その頃、そのジュリはというと・・・・・・。
先ほど牢が壊された際にジュリはアッコ達とは別方向に吹き飛ばされてしまい、彼女は後もう少しで崖から落ちるという寸でのところな場所で倒れ込んでおり、ジュリはそれに驚いて思わず飛び上がってしまう。
「うおっ!? ビックリした・・・・・・。 ってあれ? アッコー?」
ジュリは辺り一面を確認し、アッコがいないことに気づく。
その後、彼女はバードンに襲われているスーシィの姿を見つめると・・・・・・彼女は「はぁ」と溜め息を吐き出す。
「嫌な奴みたいだけど、放っておく訳にはいかないか。 アッコ達を守る為にも・・・・・・」
ジュリはそう呟きながら自分が胸につけていたバッジを取り外そうとするのだが・・・・・・。
「んっ? あれ? ない!!? どこいった!!?」
辺り一面をちょろちょろと探していると彼女は少し下の・・・・・・手を伸ばせば届くか届かないかくらいの距離がある崖下に生えた木の枝にバッジは引っかかっていたのだ。
「あんなところに!! ふにゅぅ~!!」
ジュリは必死に腕を伸ばし、バッジを手に取ろうとするのだが・・・・・・中々手が届かない。
「クッソ・・・・・・!!」
「「わあああああ!!!!?」」
その時、アッコとロッテの悲鳴が聞こえ、顔だけをバードンの方に振り向かせるとバードンは再びアッコとロッテを追いかけて襲いかかっており、それを見てマズいと思ったジュリはもっとバッジを取る為に手を伸ばす。
「アッコ!! ロッテ!! ぐぐっ・・・・・・もう少し・・・・・・!! 友達の1人や2人、助けられないでどうする!! それができなきゃ、私が目指す私になんてなることはできない!!」
彼女は小さい頃から・・・・・・苦しんでいる人や困っている人、多くの人を助ける仕事がしたいと昔から思っていた。
そんな時、彼女はアッコと一緒にシャリオの魔法ショーを見て思ったのだ。
『魔法を使えるようになれば、色んな多くの人を助け、守ることができるのではないか』と、そんな自分になりたいと。
誰かを救い、誰かを助け、弱きを助け強きを挫く・・・・・・そんな自分になりたいと。
「だから私は・・・・・・『正義の味方』になるんだ!!」
そして彼女のその手は・・・・・・バッジを掴むことに成功し、ジュリは立ち上がるとバッジ・・・・・・「ジャストランサー」の折り畳まれていた羽を展開し、2つにする。
それを胸に押し当てるとジャストランサーから光が溢れ出し、彼女はその光に包まれる。
*
「わああああ!!!? こっちくんなー!!」
未だにアッコとロッテを追いかけるバードン、バードンは彼女等に対して口を開き・・・・・・炎を放とうとするのだが・・・・・・。
『デェエヤァ!!!!』
「クエエエエエ!!!!?」
突然、何者かに蹴り飛ばされ、バードンは大きく吹き飛ばされる。
「あれは・・・・・・」
そこに降り立ったのは・・・・・・赤と黒のカラーリングが施された光の巨人、「ウルトラマンジャスティス スタンダードモード」が立っていたのだ。
『シェアアア!!』
ジャスティスは倒れ込んでいるバードンを起き上がる前に掴みかかって持ち上げると、ジャスティスはそのままバードンを投げ飛ばす。
「クエエ!!?」
「あれって・・・・・・やっぱり、ウルトラマンだ!! いたんだ!! ウルトラマンって、本当に・・・・・・」
アッコはジャスティスを見て目を輝かせながら彼・・・・・・彼女? を見つめ、そんなアッコにロッテは不思議そうに首を傾げる。
「アッコ、あの巨人のこと知ってるの?」
「知ってるも何も、日本じゃ有名な絵本のヒーローだよ!! 実在説とかあったみたいだけど・・・・・・まさか本当にこの目で拝める日が来るなんて~」
戦闘BGM「ジャスティス!」
起き上がったバードンはジャスティスに向かって火炎を放つのだが、ジャスティスは腕を交差して炎を防ぎながらも強引に突き進み、炎を振り払ってバードンに殴りかかるが・・・・・・バードンはそれを躱して右腕を振るい、逆にジャスティスを殴りつける。
『グウゥ!!? デヤァ!!』
しかし、ジャスティスも負けじとすぐに蹴りをバードンの腹部に喰らわせて反撃し、それによってバードンが怯んだところにバードンの嘴を掴みあげて膝蹴りをさらに腹部に叩きこむ。
『シェア!!』
「グルアアアアア!!!!」
バードンは首を振ってジャスティスを引き離し、嘴で突こうと何度もジャスティスに攻撃を仕掛けるのだが・・・・・・ジャスティスはそれらを全て躱し、バク転してバードンから距離を取る。
『ハアアア、シェアア!!』
ジャスティスは右拳から放つ光弾「ジャスティススマッシュ」を発射し、それに対してバードンも火炎を口から吐き、2人の攻撃はぶつかり合って間で爆発。
そんな爆発の炎から空中を飛行したバードンが飛び出し、体当たりを喰らわせてジャスティスを突き飛ばす。
『ウアアアッ!!?』
そのままバードンは旋回してジャスティスに向かって突き進んで来るのだが・・・・・・ジャスティスはそれを嘴が身体に刺さらないように気をつけながら両手で受け止め、そのまま地面に叩きつける。
『デヤアア!!』
「グアアア!!?」
ジャスティスはそのままバードンに追撃しようと駆け出して行くのだが・・・・・・その時、突然謎の音波が周囲に鳴り響き、ジャスティスはその音波に思わず耳を塞ぎ、苦痛の声を漏らす。
『グアアアッ!!?』
「っ、な、なにこの耳障りな音!!?」
「あ、アッコあれ!!」
ロッテが指差す方をアッコが見るとそこにはミツカドコオロギに似た巨大な怪人、「音波怪人 ベル星人」が立っており、ベル星人は自身から発せられる音波を使い、ジャスティスを苦しめていたのだ。
「なにあれ・・・・・・魔人?」
「クアアアアア!!!!」
そこへ、バードンにはベル星人の音波の影響があまりないのか、何事もないかのように立ち上がるとバードンは嘴でジャスティスを突こうと攻撃を仕掛け、ジャスティスは咄嗟に両手でバードンの嘴を掴む。
『グウウ・・・・・・!!』
だが、そこにベル星人がさらに強力な音波を発し、それによって苦しめ・・・・・・アッコ達も思わず耳を塞いでしまう。
そのままベル星人は身動きの取れないジャスティスの横腹に後ろから蹴りを叩き込んで蹴り飛ばし、地面を転がるがすぐにジャスティスは立ち上がって反撃しようとベル星人に向かって行く。
しかし、ベル星人は音波をジャスティスに向かって放ち、ジャスティスは耳を防いで動きを止めてしまい、そこにバードンの放った火炎が直撃。
ジャスティスは吹き飛ばされて地面に倒れ込む。
『グウウウ・・・・・・!!?』
そのままバードンは真っ直ぐ倒れ込んで苦しむジャスティスに向かって歩いて来るのだが・・・・・・それを見たアッコは「助けなきゃ!!」と叫び、バードンに向かって先ほどの呪文を唱える。
「クチュルカテラフラーラ!!!! やーい!! 悔しかったらこっこまでおいで~っだ!!」
スーシィに教えられた呪文を唱え、それによってバードンはアッコ達に視線を移して彼女を睨み付ける。
「よし!! あっかんべーっだ!!」
あっかんべーをしながらアッコはさらにバードンを挑発し、それに怒ったバードンは雄叫びをあげながらアッコを追いかけ始める。
「クアアアアアア!!!!」
『アッコ・・・・・・!!』
それを見たジャスティスは自分を踏みつけようとしているベル星人の足を掴み取り、持ち上げてベル星人を転ばせる。
『シェア!!』
倒れたベル星人にジャスティスは立ち上がって馬乗りとなり、拳を叩き込もうとするのだが・・・・・・寸でのところでベル星人は再び慌てて怪音波を発し、それに思わずジャスティスは耳を塞ぐ。
『グウウウ!!?』
ベル星人はジャスティスを押し退かし、横腹に蹴りを入れ、さらには回し蹴りをジャスティスに喰らわせる。
「ど、どうしよう・・・・・・このままじゃ、アッコもあの巨人も・・・・・・!」
アッコはバードンに追われ、ジャスティスはベル星人の音波に苦しめられて上手く反撃ができず、ロッテは一体どうすればこの状況を打開できるのかと思い悩む。
「・・・・・・毒キノコでもアイツに食わせてみる? 自衛の為に持って来てたやつが1つあるんだけど」
すると、いつの間にかロッテの隣に立っていたスーシィが紫色のキノコを1つ取り出し、ロッテは「それだ!!」と彼女からキノコを受け取り、彼女はベル星人の口(どこにあんだよとツッコんではいけない)に向かって思いっきり放り投げたのだ。
「いっけえええええ!!!!」
すると見事に毒キノコはパクリとベル星人の口の中に入り、するとベル星人は顔は青ざめ・・・・・・お腹が「ギュルルルル!!」と音を立て始める。
『・・・・・・!? ・・・・・・!!?』
ベル星人はお腹を押さえながら突然苦しみだし、ロッテは一体自分を何を食べさせたのだろうとスーシィに顔を向けるとスーシィ曰く、あれは「下剤キノコ」らしいのだ。
つまり、今ベル星人はお腹を壊している訳である。
「げ、下剤って・・・・・・」
「ちなみに人間が食ったら一生死ぬまでトイレから出られないくらい強力なやつだよ。 あんな巨大な生物にまで効き目があるとは思わなかったけどね」
「え、えぇ・・・・・・」
賞味期限切れの芋ようかん食わされたラスボスか。
何はともあれ、ジャスティスはチャンスだと思い、立ち上がってベル星人に向かってドロップキックを喰らわせる。
挿入歌「Touch the Fire」
「うわあああ!! ちょっとこっちも助けて~!!」
アッコの叫び声を聞き、ジャスティスはジャンプしてアッコを庇うように立ち塞がり、アッコを追いかけていたバードンに回し蹴りを喰らわせる。
「クアアアア!!?」
ジャスティスはそのままバードンに掴みかかり、アッコから遠ざける為に力尽くでバードンを遠ざける。
しかし、途中でバードンはジャスティスの腕を振り払い、嘴による攻撃を行うがジャスティスはそれを流れるように躱してバードンの首筋にチョップを叩き込む。
それによってフラつくバードン、そこにジャスティスはバードンに再び掴みかかり、バードンを逆さまに持ち上げてパイルドライバーを喰らわせる。
『ハアアア、デヤアアア!!!!!』
「キジャアアアア!!!!?」
頭を地面に思いっきり叩きつけられ、目を回したバードンはそのまま倒れ込み、気を失ってしまうのだった。
バードンが気を失ったのを確認するとジャスティスはベル星人に向かって駈け出し、勢いをつけたラリアットをベル星人に喰らわせる。
『!!?』
『シェア!!』
倒れ込んだベル星人の足をジャスティスは掴みあげ、フルスイングして投げ飛ばす。
それによって地面を転がるベル星人。
ベル星人はなんとか立ち上がろうとするが・・・・・・お腹がまたギュルルルと鳴って痛みのあまり膝をついてしまう。
そして、ジャスティス両手を前に突き出して放つ必殺光線「ビクトリューム光線」をベル星人に向かって発射。
『ハアアアア、シェアアアア!!!!』
『!!!!!?』
直撃を受けたベル星人は身体中から火花を散らし、倒れて爆発四散するのだった。
「やったぁ!! ウルトラマンが勝った!!」
ロッテ達の元に戻ってきたアッコはジャスティスが勝利したことに喜びの声をあげ、ジャスティスは彼女達の傍にまでやってくると右手を地面に向かってかざし、光の粒子を注がせるとその空間に1つの穴が開く。
「これって・・・・・・レイライン?」
ロッテの言うようにその穴の中は先ほどまで自分達がいたレイラインが存在しており、もしかしてここを通ればルーナノヴァに行けるのかとアッコはジャスティスに尋ねる。
するとジャスティスは頷き、それにアッコは「よし!!」とガッツポーズを取る。
『・・・・・・シェア!!』
そしてジャスティスは空中へと飛行して姿を消し、ロッテは急いでレイラインの中に入ろうとするのだが・・・・・・。
「待って!! まだジュリが・・・・・・!!」
「そっか。 置いて行くわけにはいかないね・・・・・・!!」
時間がないのは分かっているのだが、やはり放っておく訳にはいかない為急いでジュリをアッコ達は探そうとする。
だが、そこへ・・・・・・。
「おーい!!」
ジュリが手を振りながらこちらに向かって走って来ているのが見え、それを見てアッコ達は安堵の溜め息を吐くのだった。
「もう、どこ行ってたのジュリ!?」
「ごめんごめん! それより、これレイラインでしょ? これに通れば・・・・・・!」
「そうだね、急ごう!!」
そのままジュリ、アッコ、ロッテ、スーシィの4人は再びレイラインの中に入ってルーナノヴァを目指すのだった。
「ってこれなんか落っこちてない~!!!!?」
*
魔法学校、ルーナノヴァ・・・・・・。
そこでは丁度今から始業式の儀式が行われようとしていた。
「ではこれより、始業の儀式を・・・・・・んっ?」
丁度校長の話が終わったところで、突然部屋の真ん中に緑色の光が溢れ・・・・・・その光の中からジュリ達4人が飛び出したのだ。
「「「「うわわ~!!?」」」」
そのまま床に落っこちる4人。
(もうちょっと丁寧にやるんだった・・・・・・!!)
ジュリは時間が無かったとはいえ、もう少しまともなものを用意すべきだったと反省し、またアッコは周囲を見回してここがルーナノヴァであることを即座に理解。
彼女は「やったー!!」と両手を広げて喜ぶのだった。
「やったよジュリ!! ウルトラマンのおかげで間に合った~!! イェーイ!!!」
「ハッ!! い、い、い・・・・・・色んな人のしししし!! 視線がいっぱい・・・・・・。 うっぷ・・・・・・!」
またジュリは周りの生徒や教師からの多くの視線に耐えきれず、彼女は口元を押さえながらリュックから紙袋を取り出してそこに思わず吐いてしまうのだった。
「おげぇ・・・・・・!!」
*
その頃・・・・・・アルクトゥルスの森のとある場所。
そこでは巨大な円盤・・・・・・UFOが着陸しており、その中の黒い身体をした宇宙人、「悪質宇宙人 メフィラス星人」は「はぁ・・・・・・」と深い溜め息を吐いていた。
『ふむ、全く。 ウルトラマンがあんなところに現れるなんて予想外でしたよ。 戦力になる為の手駒の怪獣を捕獲する筈が・・・・・・』
『どうしますか? 手駒になる怪獣集めはまだ続けますか?』
そんなメフィラスにおかっぱ頭が特徴的でシマシマ模様の宇宙人、「三面怪人 ダダ」が尋ねるとメフィラスは首を横に振る。
『いいや、ただでさえ少ない戦力をこれ以上下手に失う訳にはいかない。 もうここには用はない、移動の準備に入れ』
『分かりました』
メフィラスの言葉に頷くとダダはその場から歩き去り、UFOを起動させて空の彼方へと飛んでいくのだった。
*
夜のルーナノヴァにて・・・・・・。
アッコとジュリは「フィネラン」という教師にこってり怒られながらこれから自分達が暮らす寮の部屋に案内されていたのだった。
「まったく、前代未聞の始業式でした。 あなた方は校長先生の特別なご配慮により入学を許可されたのです。 そのご恩を忘れないように」
「「・・・・・・はい」」
やがて部屋に辿り着き、フィネランがノックをして扉を開けるとそこにはロッテとスーシィがおり、アッコとジュリは驚きの顔を浮かべた。
「「あっ・・・・・・」」
「今日から3年間あなた達4人には特別に厳しい指導を与えることになるでしょう」
フィネランはそれだけを言い残して扉を閉めて出て行き、アッコとジュリは改めてロッテとスーシィに自己紹介をするのだった。
「あたしカガリ・アツコ!! よろしく!!」
「わ、わわわ! わた、私は・・・・・・正義・・・・・・じゅ、ジュリ・・・・・・でひゅ!!」
この作品では魔物の何体かはウルトラ怪獣に置き換わっています。
ちなみにスーシィが持って来ていた下剤キノコは実用で保管用と観賞用を持ってたりします。
この作品の世界観はアニメミライ版であり、なのでアッコはまだシャイニィロッドを持っておらず、アーシュラ先生も次回に出番が回ります。
1話だけ一応TVシリーズベースの話ですけど。
尚、注射器で毒を抜かれた程度ではバードンの毒は外に溢れないし逆流もしないです。
正義(まさよし) ジュリ/ウルトラマンジャスティス
女性
年齢 16歳
イメージCV 花澤香菜
黒い長髪に赤いメッシュがあるのが特徴の少女でアッコとは幼馴染み。
かつてシャリオのショーをアッコと一緒に見に行き、彼女の魔法にアッコと同じように魅了された人物。
だがアッコとは違い、シャリオのような魔女ではなく魔法で色んな人を助ける「正義の味方」になることが彼女の夢である。
若干コミュ障気味であり、基本アッコの後ろに隠れながらではないとまともに人と話せない可能性すらある。
だが怒った時や自分が「そんなの違う!!」と思うことは割とハッキリと喋ることができ、スーシィが自分達を生け贄にした時は普通に喋っている。
というか怒鳴っている。
なぜジャスティスに変身できるのかは不明。
ちょっとオタク気質部分なところもあり、アッコ以外の友達はかなり少ない。
ちなみに胸は絶壁で全く無い。