初めて書いた小説とは程遠く、改変し過ぎて処女作とは全く別物となりました。
本来だと、主人公は絶望のあまり自殺行為に走るのですが、それだと話が長くなるので、早く切り上げた次第です。
妹ではないですが、恋愛から抜け出せない。これは俺自身が経験した事です。
自傷行為も…
自分が誰かを好きになる様に、相手も誰かを好きになってしまう。
自分にその自由があるなら、相手にもその自由がある。
独りよがりより、幸せになってほしいという気持ちは正しい、はず。
視点を遠くに切り替えると相手は相手。自分は自分。
実際は、自分の方が大切である事も、思い返す必要もあります。
全ては、健康な体があってこその恋愛です。人を助ける事も、自分自身を助ける事も。
ナルシストではないが、苦しい時は自分を大切にしてあげてください。
~桜公園~
~午後~
今回ばかりはさすがに、余裕は微塵もない。
精神がおかしくなったせいか、自傷的な行為に走りたがっている。
いつものベンチには行かず、桜公園の大木にまで来ていた。
このままでは危ない気がする。
すぐに寝ようとせず、もう一度考えを整理する事にした。
今は、何か一つでも救いか希望か、自分を救いだす方法を見出しておかないと危ない。
何度か、深呼吸して目をつむる。
何かないだろうか、何でもいい……
自分自身に素直に問いかけてみた。どんな恥ずかしい答えでも、素直に出す事にした。
ことり……
ことりと会う事しか思い浮かばない。
しかし、こんな状態で会っても迷惑をかけるだけじゃないのか。
せっかく、素直に答えを見つけても、今度は堂々巡りが頭の中で始まってしまう。
考えがまとまらず、衝動的に木を殴りつける。
ウロウロしては、また木を殴ったり、蹴ったりしている。
……自殺でなくても、腕を少し切るくらいなら。
『………』
何かに支配されたかの様に、その辺にある尖った石を探した。
手ごろで尖った石を拾うと、制服とカッターシャツをめくる。
自制心は既に無く、自殺を連想させる様な自傷行為ばかりになる。
後で、転んで怪我をした事にすればいい。
刃物ではないから、普通にやっても切れない。
振りかぶって、思いっきり突き刺す事にした。
……
…
『もしもだけど、もしまた悩む事があれば……』
『あれば?』
『一人で悩まず、私を頼ってね』
……
…
腕を切る直前に、ことりの言葉が再生されてすんでの所で思いとどまった。
自制心が戻ると、すぐに石をその辺に投げ捨てて、寝転んだ。
今のは、今のは危なかった……
夜眠れなくなってもいいから、今は寝ていよう。
今の状態で、思考させてはダメだ……
とにかく、眠ってしまえばいい。
……
…
『朝倉君、起きて下さい』
『……、ことり』
ようやく、眠ろうとしていた所に、ことりの声で起きた。
理由は分からないが、なぜか怒っている。
空を見る限り、時間の変化はあまりない様だ。
授業の終わりは、いつも夕方になっているので、天候を見る限りまだまだ夕方になりそうにない。
……まさか、授業をサボって探しにきたのか。
『持ち物を確認させて下さい』
『持ち物?携帯と財布だけだよ』
『いいから』
『じゃあ……』
ポケットを裏返してとまで言うので、かなり念入りに調べられた。
全て調べ終えると、安堵した様子を見せた。
『もう、本気で心配したんですよ』
『ごめん。でもなんで……』
『いえ。音夢さんの思い過ごしだったなら、別にいいんです』
『……鋭いな。思い過ごしではなく当たっていると思う』
『それは、どういう意味ですか?』
『その辺に、さっきまで持っていた尖った石がある。直前で思いとどまっただけだ』
ことりが手で口を押さえながら、投げ捨てた石を探した。
すぐに、さっきまで握っていた尖った石が見つかる。
後ろから見ると、ため息ばかりしている様に見える。深呼吸でもしてるのか。
刃物ではないとはいえ、ショックだったかも知れない。
『どうして、こんな事を……』
『ご、ごめんなさい』
……本気で泣いている。
ど、ど、どうしよう。
後ろから見る分には、深呼吸だと思っていたのに。
黙っている訳にもいかず、言葉を繋げる事にした。
『言い訳しようがないが、判断が効かなくなったんだ』
『……言い訳してるし。ちょっとそこで正座して下さい』
『正座?』
『正座して!!』
『はい。こんな感じ?』
『ずっとそうしていて下さい』
……
…
話す事もしないまま、ずっと正座をさせられっぱなしで、足の感覚は既に限界まで麻痺していた。
ことりはメールをしたり、本を読んだりしている。
こちらから話しかけても無視を決め込み、何も返そうとしてくれない。
夕暮れにはなっているので、授業は終わったようだ。
『もう限界』
『痛いなら生きている証拠です』
『痛いんじゃなくて、麻痺しているから』
『………』
また、さっきまで読んでいた本に目を戻す。
これでは、終わりそうにない……
これだけ足が痺れたら、一人で帰れるか不安になる。
一人で喋る事になるが、話を続ける事にした。
『……切るのを思いとどまったのは、前に話してくれたことりの言葉なんだ。』
『………』
『一人で悩まず私を頼って、という言葉で我に返ったんだ。これからは頼るから』
『……もういいです』
ようやく、正座を許してもらえたが、血の循環に強烈な足の痺れ。
……しばらく、立てそうにない。
『私に相談してくれたら怒らなかったのに……』
『そうだけど、色々考えてしまうんだ。こんな状態では会っても、つまらない思いをさせるだけだって』
『細かすぎます!友達なんだから、そんな小さい事を気にする必要ないです』
『……気を付けるよ。今度から素直に頼るから』
『それでいいの。もう立てそう?』
『何とか回復してきた感じ』
『次、こんな事をやったら一日中正座をやらせるから』
『ことりって怒ったら怖いな』
『大切な人だから、怒る時は本気で怒ります』
『……ありがと。何だか嬉しい』
桜公園のいつものベンチに戻ると、薄暗くなり夜になりかけていた。
俺自身、精神状態はかなり回復していたので、今は思考もまともに働いている。
帰っている間に暗くなるし、ことりを家まで送る事にした。
『家まで送るよ』
『大丈夫ですよ。それより、家に帰ったら早く休んでください』
『もう大丈夫。大切な人だから、家まで送りたい』
『……じゃあお願い』
……
…
家まで距離があるのだろうか。
結構、歩いている気がするが、中々着かない。
しかし、人一人だと、本当にモロいものだと痛感した。
友達を作っておくというのは、自分を救ってくれる事の方が意味としては大きい。
楽しいという価値だけで友達を作ると、深みのある人物と交流する機会を失うかも知れない。
それを知るには、やはりその人と付き合ってからでないと分からない。
事実、最初の俺は、アイドルとしか見てなかった。
後から知ったが、これだけ自分の事を見てくれているなんて思いもしなかった。
ことりと友達になって、本当に良かった。
自分も負けない様に、この恩は返していかないと……
人はこういう助け合いがあってこその人生だと思う。
『ことりに助けられっぱなしだな。今日は本当にありがとう』
『大した事してないですよ。私もともちゃんとみっくんに助けてもらっているし。だから、人を助ける大事さが分かるんですよ。それと……』
『何?』
『やっぱり大切な人だから』
『ありがと。その考えは泣ける……』
『じゃあ、盛大に泣いてみてください』
『また極端な……』
『冗談ですって』
『でも俺の中では、ことりの好感度が全快だから、いつ告白されても付き合うと返事するよ』
『……何を言っているんだか』
自分の心は既に晴れていて、暗黒面に落ちた自分は既に居なくなっていた。
どういう人間と付き合うかで、人生をどう過ごすかの大半が決まる様な気がした。
音夢に恋してから、ずっと思い悩んできた。
……思い悩む時間が無かったら、こんな考えもしなかった。
過酷ではあったが、思い悩んだ時間が無駄にならないようだ。
これからは自分にとって、最上の価値を守りながら生きていくのだから。
優しいだけでなく、情熱をもって生きていこう。
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