この作品は一話完結ものです。
暗い要素が七割ほど含まれております。
そしてこの話は艦娘になる前を勝手に想像して書きました。
それに、独自思考九割なので、そこはご了承下さい。
決して艦娘を侮辱するつもりはありませんので、ご理解とご了承お願いします。
それでもよろしいという方だけ見て行って下さい。
………………………何?
あたしの名前?
言わなくたって分かるでしょ?
はぁ…曙よ
第一、あたしが艦娘になる前の話なんて別に面白くないわよ
…だけど、どうしてもって言うなら教えてあげるわ
あたしは親が嫌いだった
それも大がつくほど嫌いだったわ
理由は艦娘を狂信的に信仰してたからよ
別に艦娘は神様でもなんでも無いのにね
だから別に面白くも無いのに、鎮守府公開日には必ず連れて行かれた
正直言って、艦娘なんて国の防衛費を無駄にしてるだけの謎のアイドルだと思ってたわ
だけど違った
命を掛けて深海棲艦から輸送船を守ったり、泊地から出撃して敵の本拠地を叩いたりと想像していたものとは大違いだった
今思うと、あのとき艦娘憧れてないって言ったら嘘になるわね
でもね、あたしには艦娘になるのに必要不可欠な事が欠乏してたの
実は泳げなかったのよ
艤装を装着した艦娘に泳ぎは必要無さそうに思えるが、実際のところ必須である
まず、転覆したら自力で泳ぐか、曳航してもらうしか無いのだ
それに、もしも漂流者を救助する際には、艤装を背負わずに泳ぎで救助する必要がある
だから、教育隊では最初に艦娘の心得として海難救助の為に泳ぎを教わるのだ
だけど、その前に泳げなかったら教育隊にすらなれない
だからあたしは親に泳ぎをみっちり教え込まれたわ
まぁ、案外簡単で三日ぐらいで覚えたけどね
そして、親が艦娘適性試験を受けるように言ってきた
親に言われたのは癪だけど、あたしは受ける事にしたわ
艦娘適性試験の審査方法は、面接で様々な事が聞かれる
その前に事前に自分の事が書かれた書類を送る事になっている
だから質問される事は大体決まっていて、どうして艦娘適性試験を受けようと思ったのか、どの艦種を希望してるのかなど簡単なものだ
そして、その場で身体検査をされて合否が判断される
あたしは迷わず駆逐艦を希望したわ
何故かって?
そりゃあ、あたしにはぴったりだったからよ
下っ端で、装甲が薄くて一発被弾しただけでも沈む事があるなんて、あたしの不運を発揮出来る最高の艦種よ
結果は見事駆逐艦だった
それも、駆逐艦では不運艦として有名な曙だった
元の名前より好きかもしれない
親とも離れられるし、とりあえず最高だったわ
これで自分の性癖も知られずに済む
主砲を撃つときの音は好きよ
だけど、あれが当たったらって考えたら…
うずうずしてどうしようも無いわね
戦艦クラスの一撃を一回喰らってみたいわ
それで沈むんだったら本望ね
あたしはよく、ツンデレとか言われるけどそんな事無いと思ってる
…え?あたしはツンデレだって?
だから違うって言ったじゃない
人を罵ったり罵倒するけど、実際は自分がされたい
本当よ?
潮があたしを貶す事がたまにあるけど、実はもっとやってほしい
…あたしっておかしいの?
まぁ、おかしくても、直す気は無いんだけどね
早く深海棲艦の砲撃でも爆撃でも雷撃でも良いから喰らいたいわ
そんな事を考えながら、今日もあたしは出撃する
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