次の目的地は現実ー現実―

皆さん、目的地をめざして頑張っていきましょう!

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さて、次の目的地は? 【桃鉄→現実】

 神様はダイスを振らない。

 それはそうだろう、運命と呼ばれる物を決める神様が、確率を生み出す側であるはずの神様が運という不確かなものを頼るというのはおかしな話だ。

 確定されているはずの運命が、確定されない不確かに変わるのはお揃いいことだと思う。

 

 ――だが、どうやら俺が住むこの世界では運命を決める神様という者がいなくなってしまったらしい。

 

 というか、バグったといったほうが正しいのかもしれない

 

 

 

『皆様ご覧になっていますでしょうか!、見渡す限り道路という道路に線路が敷かれております。 このような事態は昨日まではなかったはずです。 私も昨日はここら辺の道路を歩いて帰っていたのです。 決して電車に乗って自宅まで帰っていたわけではありません!!』

 

 朝起きていたら、至る所に線路が敷き詰められている。

 朝から空にはテレビ局のヘリコプターが飛び交っていて騒がしい。

 

『今い入った情報によりますと、この線路は地球上すべてにを引かれている様です。 これにより海路や空路が閉ざされてしまい海外からの輸入品が贈られることが不可能になってしまっており、食糧問題をはじめとする様々な問題が巻き起こると予測されます』

 

 ……どうやら結構深刻な問題と化しているようだった。

 自分も学校に行くために家から出ようしたら線路に阻まれてしまって出ようにも出られない。

 なので、家でテレビを見ていたのだけど解決策と呼ばれる具体的なものは全く出てはこなかった。

 ひとまずわかったことはあまり不用意に『線路内に入るな』、それと『線路に触れるな』ということだけだ。

 

「でもなぁ……これ”あれ”に見えるんだような」

 

 空を飛び回っているテレビ局のヘリコプターが撮影して放映されている映像は、どうにも自分の中にある”とあるゲームの画面”を彷彿(ほうふつ)とさせた。

 足りない物は選択コマンドやカード、それとプレイヤーの駒である赤青黄緑の機関車ぐらいだろうか。

 

「……」

 

 学校の方もさっきかかってきた電話で自宅待機だということになったらしいのも聞いたし、このまま家に引きこもっているのもいい。

 つんでるゲームで一日を潰すのもいいのかもしれない。

 だが、それではつまらないと思っている自分もいるのだ。

 相も変わらず中二魂という者は消えないのだ。

 そんなわけで、

 

「てい!」

  

 素手で線路に触れてみた。

 すると、

 

「うお、眩し!?」

 

 触れたあたりから光があふれ出し、眼前の線路上に何かが現れた。

 現れたものは、先頭から客車まで真っ赤に染まった機関車だった。

 機関車にはピンク色の桃のマークが描かれている。

 どう考えてもあれである。

 

「まじで桃鉄かよ!?」

 

 父さん母さん、現実に出てきたファンタジーはボードゲームだったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ご利用ありがとうございまーす! それではさっそく目的地を決めさせてもらいます。 コロココロと…‥・這い出ました! あなたの向かう目的地はあなたの高校になります! ほかの生徒さんや先生たちと競争になりますが、一位になればご褒美があるので頑張ってくださいね! それでは!】

 

「なんだ今の……」

 

 光が晴れた後、強制的に客席の中にいた。

 そして、あたふたする間もなく客席の中にあった画面に映像が流れだして目的地が決まってしまった。

 ちなみに画面にはゲームで見慣れた夜叉姫と桃太郎が映っていた。

 

「……とりあえず行けばいいのか? 学校に」

 

 映像が流れた画面の右上には目的地はあなたの学校! と書かれており、そのほかにはここら一体の地図、目的地までのマス、そして画面の目の前にはサイコロがあった。

 目的地までは36マスらしい。

 

 おそらくれ振れば動き出すのだろうが、機関車のほうを見ても操縦主はいない……不安だ。

 

「カードもないし、ほいっとな」 

 

 転がるサイコロ、出た目は……4だ。

 

「うおっと」

 

 目が出たと同時に機関車が動き出した。

 どうやらやることは本家と同じらしい、そして止まったマスは、青。

 

【プラスマスだ!】

 

 プラスマス。

 ゲームでは資金を得る事ができるマスだが、実際に手に入るのだろうか。

 画面にゲームで見慣れたルーレットが現れる。

 回転を目で追っていくと、書かれている金額はそこまで高くない様で最大5000円となっていた。

 

【1000、あなたは1000円を手に入れた!】

 

 画面にそう出ると真上から1000札が降ってきた。

 ……使って大丈夫な奴なのかこれ? 。

 

「ん?」

 

 手に入れたお札をペラペラと上下に振っていると、画面に自分が乗っている色とは違う機関車の駒が現れた。

 客席から外を見て見れば、見慣れた学生服を着た高校生が乗っている。

 もしかしたら自分と同じことをしたのかもしれない。

 

「競争って言ってたし、ゲーム通りなら一位には賞金が出るのかもしれないな」

 

 目的地に一位でゴールすれば、プレイヤーは高額の資金を獲得することができる。

 プラスマスで実際にお金が降ってきたわけだし、お金という者はいくらあっても困ることはない。

 だから、

 

「6出ろ! 6!」

 

 こうなってしまうのも仕方ないはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして全世界に桃太郎電鉄というルールが張り巡らされた。

 世界中の人間がサイコロを振り、徳政令カードやら持ち金0カードなどが使われたり。

 超巨大なうんちが現れたり、キングボンビーが隕石を落としたり、リニアカードで167万9616分の1を狙ったり、千両箱カードで約269日8時間36分も待ってやっぱりピンゾロを狙ったりとする者もいるだろう。

 

 神様はダイスを振らない、だがこの世界の彼らは神になど祈ることなく。

 たった一つのサイコロに命運をかける。

 

 

今日もどこかで、何かを転がす音がする。 

それは偶然と必然、相反するものが同列する不可思議怪奇な世界。

 

 

――あなたもサイコロを振りませんか? そうすればきっと自分が行きつく目的地へたどり着くかもしれませんよ?

 

 

 

【さーて 次の目的地は?】


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