プリンセスコネクト!Re:Dive エピソードファントム -夜空の記憶-   作:ツルギ@プリコネ

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プリコネ水着復刻ガチャ…いよいよ始まりましたね。
僕は2人とも持ってないのでぜひ当てたいのですが、
果たしてジュエルが持つのか…

水着エリコとか少し見たいかも…

と前置きはおいといて小説のお話。

前回いよいよ登場した今作の主人公ハギト。

もろエリコに八つ当たりされそうなタイミングで登場しましたが、

さて、彼がどう動くのか、お楽しみに!


第3話 一夜限りの逃避行

エリコ(この男が、「夜空の支配者」?)

 

エリコは驚いていた。

 

今となりにいるのは、

まぎれもなく、今自分が倒したい男だったからだ。

まさか助けられる日が来るなど、予想できるわけもなかった。

 

ハギト「さーてと。」

 

そう驚いているエリコをよそに、

 

「夜空の支配者」ことハギト・ジョーカーは

 

倒れている妖魔団たちの体を調べ始めた。

 

ハギト「うーん…」

 

エリコ(……?)

 

エリコが斧を拭き終わっても、

ハギトは妖魔団たちの体を調べていた。

 

ハギト「…やっぱりもってないか。」

 

調べは終わったみたいだが、どうも残念そうだった。

 

エリコ「あの、一体…なにを?」

 

ハギト「ああ、お宝を探しているんだよ。」

 

そう言って、ハギトはエリコに事情を説明した。

 

ハギト「俺はこいつらから「黄金の燭台」っていう

    お宝を、盗む依頼を引き受けていてね。」

 

エリコ「「黄金の燭台」…」

 

ハギト「でもこいつらが持ってないとなると、

    恐らくアジトにおいてありそうだな。

    アジトに案内してもらって探すか...」

 

ハギトは妖魔団たちの体を調べ終え、

アジトへ向かおうとした。しかし、

 

エリコ(…そういうことですか。この男も。)

 

エリコ「探すだけ無駄ですわ。その「黄金の燭台」は

    今、私が持っておりますので。」

 

エリコはハギトを引き止めた。

 

ハギト「なーんだ、そっちにあったのか。

    それ、こっちに渡してもらえないかな。」

 

エリコ「お断りします。」

 

いずれ自分の愛に、刃を向ける者を、倒すために。

 

エリコ「あれは、私が愛するお方への貢物、

    渡すわけにはいきませんわ。」

 

ハギト「…困ったな。俺も人から頼まれてるんだ。

    渡してくれないか…?」

 

エリコ「そう言うのなら、盗みに来たらどうです?

    怪盗さん…」

 

二人は、少しの沈黙の後、

 

ハギト(………)

 

エリコ(………)

 

ドゴォォォォオオオオオオオオオオオ!

 

エリコ「ちっ…」

 

ハギト「へぇ…」

 

轟音と共に、

 

お互いの刃を、

 

ぶつけた。

 

ハギト「中々強いんだな、君。」

 

エリコの攻撃を、ハギトは長剣で防いだが、

 

エリコ「あなたに褒められても、嬉しくないですわ…」

 

エリコは、力任せにハギトを狙い続けた。しかし、

 

ハギト「確かに君の斧に当たったら俺は死ぬ。だけど…」

 

ハギトは迫りくる彼女の斧を避け、

 

ハギト「当たらなければ…君は隙だらけだ。」

 

高速で彼女の肌を切り裂いた。

 

エリコ(この男、…強い‼)

 

押していたのは、まぎれもなくハギトだった。

 

ハギト「さあ、「黄金の燭台」を渡してもらおうか。」

 

エリコ「くっ…!」

 

エリコ(さっきと同じ状況になるなんて…!)

 

ハギト(あんまり好きじゃないんだけどな、

    女の子を傷つけるの…。ん?)

 

ハギトはエリコを追い詰めた。

 

しかしそのとき、エリコは目にしてしまった。

 

ハギト(美味そうな血だな。…いただき!)

 

ハギトが剣についたエリコの血を指につけ、

 

舌でなめてしまったのを。

 

エリコ「なっ…!!!」

 

ハギト(美味い。少し足しにはなったな。)

 

ハギト「さあ、早く「黄金の燭台」を…」

 

その瞬間、

 

 

エリコ(…今、この男は何をしたのです…?)

 

 

エリコの中で、

 

 

エリコ(…私の血をなめた?)

 

 

何かが、切れた。

 

 

エリコ(あのお方の血と一つになる、私の血を…)

 

 

エリコ「…サナイ。」

 

ハギトの長剣が、轟音と共に、

 

ドッッッッゴォォォォオオオオオオオオオオオ!

 

衝撃波によって破壊された。

 

ハギト(え!?)

 

ハギトは何が起きていたか、理解できていなかった。

 

ハギト(は?…何…今の……さっきとけた違いすぎるだろ…)

 

一瞬で粉々に砕け散った剣に呆気に取られてしまっていた。

しかしこのとき彼は気づいていなかった。

 

エリコ「ユル、サナイ…。」

 

ハギト「!?」

 

エリコ「ユル、サナイ…。ユル、サナイ…。」

 

血をなめられる。

 

エリコ「ユルサナイ……ユルサナイ……」

 

その行為が、

 

エリコ「ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……ユルサナイ……」

 

エリコの逆鱗に、触れたことに。

 

エリコ「ユルサナイッッッツ!!!」

 

ハギト「うおっ!?」

 

あまりのエリコの気迫に、ハギトは後ずさりした。

 

ハギト(…いきなり気配が変わった、

 

    それどころか顔まですごいことになってるけど…)

 

エリコ「あのお方と分かち合うための血を、

    よりにもよって、道を阻むあなたのようなゴミ虫なんかに!!!」

 

ハギト(!? まさかあれが理由でキレたのかこの人…)

 

ハギトは気づいた。

エリコの逆鱗を、知らないうちに踏んでいたことに。

 

エリコ「生きて、返しませんわ!!!」

 

しかし、もう遅かった。

 

エリコ「クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス!!!今すぐ…ここで消えなさい!!」

 

また轟音と衝撃波が、

先程の数十倍の大きさで、ハギトに近づいてきた。

 

 

 

ハギト「…まじかよ。」

 

 

 

 

ハギトにはもう武器がない。

 

 

もう逃げるしかなかった。

 

 

ハギト「こりゃだめだな。」

 

 

こうして、ハギトの、エリコからへの

 

この先でもう2度と起きない、

 

一夜限りの逃避行が始まったのだった。

 

 

ハギト「ぬううううううおおおおおおおおおわあああああああああああ!!!!!」

 

 

エリコ「クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス!!!」

 

 

夜は、まだ長い。

 


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