地球人で転生!!~でも人間じゃないよ~   作:ねむ鯛

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第一話 転生を

「おぎゃあ!おぎゃあ!」

 

その日とある家庭で新しい命が誕生した。

 

「ほら見てあなた、可愛い女の子よ」

 

「ああ、そうだな……。ふむ、お前は今日からイナリだ。よろしくな」

 

夫婦は慈しみのこもった瞳で娘を見つめ、イナリと名付けた。

 

そのイナリと名付けられた娘はギャン泣きしながら心の中で悲壮感を漂わせていた。

 

(ああ、ドラゴンボールの世界に来てしまった……)と。

 

時は少し遡る。

 

 

 

「唐突ですが、あなたは死にました。今から転生していただこうとおもいます」

 

いや、ほんとに唐突すぎます。そして話を進めるのも早いです。

 

気がついたら上も下もわからない不思議な空間。そこで私は謎の存在と対峙していた。

いや、ほんといろいろ謎。

 

まあ予測くらいはできるよ。

テンプレな神様のミスで死亡!からのお詫び転生!って感じなんでしょ?

 

「いえ、あなたは普通に落ちていたバナナの皮で滑って転んで頭を打って亡くなりました」

 

いやあぁぁぁぁぁああ!?

やめてぇ!?古傷を抉らないで!恥ずかしすぎて死にそうになるから!!

 

「古傷っていうか生傷ですよね。こけたのさっきですし」

 

私のこと嫌いなの?虐めるために連れてきたの?そうなんでしょう?

 

「いえ嫌いもなにも会ったばかりですし。あれ?聴いてます?おーい。ちゃんと話聞かないと不利ですよ?」

 

くっ、まあいい。転生するんだからさっさと忘れよう。前世は忘れて来世に望みを。

 

「さて、話を続けますね。転生先はドラゴンボールの世界。地球人として転生してもらいます」

 

私の望みに黙祷――。してる場合じゃない!!

え!?ちょっと待った。地球人でドラゴンボールの世界とか、成層圏から生身の紐なしバンジーするようなものだよ!?

 

「すごいですね。あなたそんなことするんですか」

 

お前がさせようとしてるんだよ!!

なんでそんな不思議そうな目で見てるんだよ!?天然か!?

 

「私は天然ではありません。自然です」

 

……ほら、訳のわからないことを言って。だから天然なんだよ。

 

いやそれは今はいいの!チェンジ!チェンジで!

せめてサイヤ人にしてよ!戦闘力足りなくて死んじゃう。

 

「申し訳ありませんがこれは決定事項です。なにを言われても変わることはありません」

 

そ、そんな……おしまいだぁ……。

 

って遊んでる場合じゃない!

救済措置!救済措置を求めます!

 

「救済措置ですか。いいでしょう。転生してもらってもすぐに死なれては寝覚めも悪いですから」

 

よっしゃきた。救済措置をきた。これで勝つる。

 

「ではこの中から3つ選んでください」

 

選択制かぁ……。

 

「なんですか?文句があるのなら無しでもいいんですよ?」

 

いえ!なにもありません、マム!!

 

「よろしい。では選んでください」

 

言葉とともに情報が直接頭の中に送り込まれてきた。なにこれハイテク。

 

……むむ、見た感じではぶっ壊れ能力は見受けられない。見ただけで殺す魔眼とか、そんな類のやつ。バランス調整でもしてるんだろうか。

 

ここでちゃんと選んでおかないと後で泣きを見ることになる。

私には原作に介入しないという選択肢はない。

なぜなら放っておくと地球が何度も滅びる可能性があるからだ。いや、ドラゴンボールで生き返れるけどそもそも死にたくないし。

と言うわけでまじめに選ばないと……。

 

じゃあ1つ目!

NARUTO式忍術!

言わずと知れた修行チート、影分身の術がある。これだけでもう取るのは確定だ。

他にも役立つ術は沢山ある。

 

 

次2つ目!

BLEACH式死神の力!

 

選んだ理由は回道があること。

ドラゴンボールの世界で回復手段はほとんどない。そこで回復手段を持っておけば生存率は段違いになるはず。

それと始解と卍解が存在しているからってのもある。地球人として転生する以上、スーパーサイヤ人みたいな強化手段の確保が必須になってくる。

インフレの波に置いて行かれれば後は、断頭台の下の囚人よろしく全ての沙汰を待つしか無くなる。それは嫌だ。

 

そして3つ目!

 

HUNTER×HUNTER式念能力!

 

「ぼくのかんがえたさいきょーのねんのーりょく」が使えるようになる。きっと大きな力になってくれるはず!!

選択制の中にあって、その実自由に考案できる優秀な能力だ。

 

 

「わかりました。それで良いのですね?」

 

はい。これでお願いします。

 

「……ところで忍術の印や鬼道の詠唱はわかるのですか?」

 

……あ。ど、どうしよう!完全に忘れてた!

まずいまずい、どうすれば……!!

 

「はあ、仕方ないですね。既存の忍術の印と鬼道の詠唱の知識をつけておきましょう。それとおまけで、忘れないようにしておきました。特別ですからね」

 

うわあ!ありがとう!大好き!

 

「……チョロい」

 

喜んでいたら、なにか言われたような気がした。

あれ?なにか言いましたか?

 

「いえ、何でもありませんよ。さて、それではあなたには、早速転生していただきます」

 

うう、ついにきた。お腹痛い。

 

「いまの貴女にお腹はないでしょうに……」

 

気分!気分の問題なんです!

 

「はいはい。では、良い人生を」

 

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