「たはは、してやられたの」
「恐縮です」
超聖水を手に入れる事に成功した亀はかしこまっていたものの、心底嬉しそうだった。
「おめでとう亀。よく頑張ったね」
「まあ、お前も手伝ってくれたしな」
ふふ、そう言ってくれると嬉しいな。
「ではカリン様。これは……」
「うむ。飲んで良いぞ」
「……いただきます」
意を決して一息に煽る。
そして――
「感じる、感じるぞ!!ふはははは、俺は今究極のパワーを手に入れたのだーっ!!」
ピッコロ定期乙。
「勝負だ!イナリ!」
「綴雷電」
「あばばばばばばば!!」
『こいつバカでしょ』
調子のんな。
「はあ……。亀、せっかく気の使い方を覚えたんだから自分に使ってみてよ」
「くそ……、わかったよ。……ん?変わってない?」
「そうそう、そゆこと」
「………………」
「………………」
「はあ!?マジで!?今までの修行だったのか!?」
「そうそう。ってか頭良いなお前」
今のでわかったのか。普通無理だぞ。頭の回転速い。さっすが。
「はあ……、じゃあお前との差は縮まらないのか……」
「まあ、そういうことだね。修行あるのみ」
肩を落として項垂れる亀。肩を叩いて慰める。
まあ、パワーアップが望める超聖水が手に入れたらただの水でしたってのは結構堪えると思う。
私は知ってたから良かったけど。
「ふむ、そう思うなら……イナリよ。あれを付けてやったらどうじゃ?」
「あれ……?」
「あれかぁ」
別に良いんだけど、亀耐えられるかなぁ。
「カリン様換えのリストバンドはある?」
「うむ、あるぞ」
「ありがと」
カリン様からリスとバンドを4つ受け取り、亀に投げ渡す。
「これは?」
「良いから良いから。ほら、手首と足首に付けて」
「あ、ああ」
亀は言われた通りいそいそとリストバンドを付ける。
「よし、じゃあ……」
腰から提げている斬魄刀の鯉口を切る。
「照らせ、『綺羅星』」
「な!?」
解合を口に出し、霊圧を解放。斬魄刀を始解させる。
『綺羅星』。それが私の斬魄刀の名前。この世界で悟空達のように輝いて、一緒に歩んでいく道を照らしたいと願った私の結晶。
私から吹き出した霊気が渦巻き、解放された斬魄刀が光にほどけて消え去っていく。別に失敗ではない。これが始解した姿。
やがて渦巻く霊圧が収まると、私の服装が変わっていた。
BLEACHの死装束を基調にして、それの肩と背中を露出した特注品だ。斬魄刀を解放するとこの服装になる。
夜一とかのぴっちりタイツでは無いのであしからず。
『綺羅星』。
始解の効果は軽重操作。簡単に言えば触れたものの重さと軽さを自由にできるというものだ。ちなみに開放状態を戻しても効果は続く。この効果で私は自身の重さを増し、擬似的な重力修行を行っていた。
そして効果はもう一つある。
剣身一体。
つまり――私が斬魄刀になることだ!!
……まあおおむねその通りだ。
私が斬魄刀と一体化することで、体の強度に始解した場合の斬魄刀のそれが加算される。
私の防御力に斬魄刀の堅さが追加された訳だ。
ちなみに肌を押しても硬くはない。ごく普通の肌だ。しかし攻撃を受ける場合は普通に刃物も弾く。原理は謎。
「お前……その気の大きさ……」
「どうした。怖じ気づいた?」
「ッ!そんなわけないだろ。絶対追いつく。そして追い抜く」
そうそう、その調子。
亀が持っているリストバンドに触れていく。
「じゃあ重くするから気をつけてね?」
「は?……おもぉ!!?」
ズシリとリストバンドの重量が増え、亀が地面に押しつけられる。
まるで犬夜叉のお座りのようだ。
『ふん。滑稽ね』
まあまあ、そう言わないで。
「おま……何だよこれ」
「便利な修行。重さを増して自分にかかる負荷を四六時中上げるの。私もいつもやってるんだよ?」
ちなみにカリン様も付けてる。それは言わないでおこう。
「……はっ!上等」
亀がゆっくりとだが起き上がるのを確認して、開放状態を解く。特注死装束から普通の村娘の服装に戻った。
「それにしてもさっきの服装、肩と背中が露出してて……エロかったな。お前の趣味か?」
さっきの服装を思い出したのか、亀が若干顔を赤くして視線を逸らした。
え、エロ……!?趣味!!?
「は、はあ!?仕方ないでしょ!あれじゃないと、本気でやったら服破けるんだから!!趣味ではありません!!!!」
瞬閧は背中と肩に霊圧を集中するからしかたないし。
「そうか。結構かわいかったと思ったんだけどな……」
「……ッ!!?う、うるさい!!もう亀の前では使わないからね!」
「何でだよ!?……いや、まあいいか……」(今から人がいるところに行くんだし、他の奴に見せてたまるか。俺も見れないのは残念だけど)
「うん?」
なんか急に納得したんだけど。解せぬ。
『……ギリィ』←歯ぎしりの音。
「よそでやってくれんかの?」
どうしたのカリン様?
「お世話になりました、カリン様」
「うむ。結構楽しかったぞ。たまには遊びに来いよ」
亀とカリン様が別れの挨拶をしている間に私は両親に亀と旅をする旨を話していた。
やることは今までとあまり違いはない。ただ夜に亀を一人では残しておけないので、影分身出したりしに帰るのが朝の少しだけになることだけだろうか。
両親は凄くうるさかった。喜んでる方で。何でだよ。あとそんなのじゃないって言ってるだろ。
「じゃあ行こうか亀」
「おう」
「これでやっと平和になるの……」
「そうだねー。亀が勝負しかけてくる事もなくなるし」
「……はあ」
『はあ……』
「?」
え、なんで私をそんな呆れたような目で見るの?
なんか変なこと言った?
ちなみに。
「ほら、頑張れ亀」
「何でお前だけその不思議な雲に乗ってるんだよ!!」
「仕方ないじゃん。貰ったのに亀乗れないんだから」
「クソッ!この重りのせいで全然進まねえ」
「どうする?私が抱えて下ろそうか?それとも重り外そうか?」
「……いい。このまま降りる」
……ふーん。頑張るじゃん。ちょっと見直したよ。
塔を降りるのは二日かかりました。
原作で亀仙人がけっこう参謀みたいなことをやっていたので勝手に頭良いのかなと思っています。
ー斬魄刀ー
始解:綺羅星
解号:照らせ
始解と同時に刀はなくなり、服装が肩と背中が露出する特注死装束に変わる。
能力は2つ。剣身一体・軽重操作。
剣身一体;始解した斬魄刀の強度が主人公の強度に上乗せされる。でもお肌は柔らかい!原理は謎。……え?カチカチの方が喜ぶ方、います?
軽重操作:触れた物の重さと軽さを自在に変化させる。変化させた状態のまま始解を切っても重さは戻らない。主人公はこれを使って修行をしていた。
他の人はリストバンドを重くしているが、主人公は自身を重くしている。これは、自分は能力を解くことができるが、他の人はできないため、咄嗟の時に外せるようにするためである。
剣身一体型斬魄刀のの元ネタは夜一さんに関する勘違いから。
あの人斬魄刀使わないから勝手に、
「斬魄刀を使うそぶりが見えないのは、既に使っているからなのでは?そして一度も斬魄刀を見せないのは常時始解型だからなのでは!?」
と、剣身一体常時始解型斬魄刀説を提唱していましたw
本人の口から違うことが証明されましたが。