「着いたぞ。ここが武泰斗様のいるトレインシティだ」
カリン塔を出て一週間程。遂にたどり着いた。
亀の修行もしながらだったからまっすぐ来るよりは時間がかかったけど、亀の言った通り一人で来るよりも格段に楽しかった。夜営したのだって初めてだったし、修学旅行とかキャンプみたいなノリでで楽しかった。
トレインシティと呼ばれたここは、当時最高峰の武闘家がいるとは思えないほどごく普通の街。
それでも私は少し楽しみだった。
「私ここ来たことないから、楽しみだったんだよね。案内よろしく」
「任せろ」
亀の案内でショッピングを楽しみながら、街の外れにあるという道場に向かっていく。
「所で武泰斗様ってどんな人なの?」
露店で買ったアイスを舐めながら、そう言えばと、武泰斗様の人物像について全く知らないことに気づいたので質問してみた。魔封波でピッコロを封印して、命を落としたことくらいしか知らない。
まあ私はそんなことさせるつもりはないけど。
魔封波じゃなくても私の持っている忍術や鬼道にも封印術はたくさんある。
わざわざ死んでしまうような大技を使わせる必要もない。
「そうだな……、一言で言えば厳格な人だ」
「うんうん」
命をかけてまで世界を救おうとした人だしね。
「あとは……強い。今思えばいくつかの技は気の技術を用いたものだったんだろうな」
「うんうん」
魔封波生み出したしね。途中までは飛び抜けて強かったんじゃないかと思う。
しかも多分独学でしょ?凄いよねぇ。
「それで?」
「…………………」
「え?そんだけ?」
情報量すくな。全部知ってるわ。
「仕方ないだろ!俺なんてたくさんいる弟子の一人に過ぎなかったんだから、特に話す機会なんてなかったっての」
まあそうだろうね。
でも今は弟子内ではトップなんじゃないかな。調子乗るから言わないけど。
そんなこんなで、道場に着いた。
でっかい扉に、丸に入った「武」の字が彫り込まれている。
さて。
「ノックしてもしもーし」
「はいなんでしょう?」
ドアノックを叩くと天津飯……じゃなかった、弟子の一人であろう人が出てきた。
「おっぱァアアーッ」って言えよ。
「お前なんか変なこと考えてないか?」
「ソンナコトナイヨー」
「なら何故片言に目反らしする」
お約束だよなぁ。
「あれ?おまえ亀じゃないか。今までどこ行ってたんだよ。心配してたんだぞ」
「ちょっと修行の旅にな」
「なあにが修行だよ。こんな美人連れてきて」
そこでちょいちょいと亀の服を引っ張る。
「亀、亀」
「なんだよ」
怪訝そうな表情で振り返った亀に、自分を指さして見せる。
「美人だって」
「……やかましい」
は た か れ た 。
「ええー」
「……お前ら爆発しろ」
イエーイ、ボンバー。……何で?
『ギリギリギリィ!!!』←メッチャ歯ぎしり。
「……帰ったか」
「はい、ただいま」
「実りはあったか……?」
「ええ、この上なく」
武泰斗様に報告する亀の横で一緒に正座していたのだが、私は結構暇だったので首を動かさないように気をつけつつ、キョロキョロしていた。
結構大きい道場だな。いろんな街には行ったけどここまでのは見たことない。
周囲の観察を続けていると、焦げそうなほどの視線を感じた。
なんかメッチャ見てくる奴がいる。頭に鳥のかぶり物をした男性。あれ若い頃の鶴仙人じゃね?
まだ仙人じゃないし鶴で良いか。
武泰斗様と亀が話しているのにその鶴がこちらに歩いてくる。
周りの弟子も騒然としているのでイレギュラーな事なのだろう。
そうこうしているうちに鶴が私の目の前に来た。
「む、鶴よ。何をして――」
「お嬢さん、アタシは鶴と申します。一目惚れしました。結婚してください!!」
「え、ごめん。むり」『ぶっころ』
即行で断った。え、だって無理じゃね?きらは落ち着いてね。
「MAXパワーかめはめ波ァ!!くたばれぇ!!!」
『ナイス!!』
オイィイイィィィ!!!?亀オイイィィイイイィ!!?ナイスじゃねえよ!?
突如気を高め、筋肉モリモリになった亀が、鶴に全力でかめはめ波を放った。殺す気か!?
鶴に向かっていくかめはめ波を咄嗟に掌に気を集中して全力で受け止める。
くっ、強!?何でこんな強いの!?これなら始解すれば良かった!
「う……おりゃあああ!!」
受け止めたエネルギーを上に持ち上げて受け流す。
道場の天井に穴が開くけどこの際仕方ないでしょ!!これ受け止めきれないから!!
ドゴォと音を立てて蒼いエネルギー砲が天井を抜けていった。せ、成功。
「はあ、はあ……。おま、どんだけ……」
「イナリ!?悪い大丈夫か!?」
「大丈夫大丈夫。手は気で守ったし――」
回道の三:
「ほら、怪我もないでしょ?」
『……………………チッ』
傷一つない両の掌を亀に見せてみる。
それでもまだ心配なのか、手を掴んでまじまじと見られた。……なんか恥ずいな。
「ごめんな……、俺……」
「大丈夫だって。ただ二度とすんなよ。死人が出るところだったんだからな」
「ああ、すまない」
どうやら突発的にやってしまったようだし、本人も反省している。これ以上はいいや。言い過ぎもよくない。
それに相手がいきなり結婚申し込んでくる変質者だったからね。甘くもなるよね。仕方ないね。
「それより……」
スッと亀から目を逸らす。
ちょっと顔が熱い。
「服着てよ……。破けてるって……」
「あ、すまん。だれか胴着の換えを!」
……何だろう。皆亀のことを凄いジト目で見てるんだけど。
胴着はすぐ届いたが、道場内にはなんとも言えない空気が漂っていた。
そして鶴は血涙を流したそうな。
『ギリギリギリギリギリギリィィ!!!!』←めちゃくちゃ歯ぎ(ry
道場がある場所の名前は調べても出てこなかったので作りました。
train(鍛える)からトレインシティです。
オリジナル鬼道
回道の三:
というか回道は作中で細かい描写されてないので全部オリジナルです。