エイジ461
「「武泰斗様!!」」
「む、亀、鶴。私は負けたのか……?」
「……はい」
「我々は……全くかないませんでした」
「そうか。まさかイナリ殿以外に破れる日が来ようとは……。しかもそれが、かのピッコロ大魔王になるとは」
「………………」
ある日突然現れたそいつはピッコロ大魔王と名乗り、眷属を使って街を、人を、次々に攻撃していった。
奇しくもその現場は武泰斗が訪ねていた知人の道場と近かったので、知らせを聞いた武泰斗達はピッコロ大魔王の討伐に向かった。
しかしその結果は芳しくなかった。
ここにいる三人ともが沈痛な面持ちをしている。それほどの強敵だったのだ。ピッコロ大魔王とは。
どれだけ攻撃しても致命打を与えることはできなかった。亀のかめはめ波ですら、奴を吹き飛ばすだけに留まった。
「私は奴を倒す奥義を生み出すため修行に入る。あの生命力は脅威だ。対抗する術を作り出さなくては。お前達もピッコロ大魔王をどうにかしようとは思わないことだ。無駄死にはゆるさんぞ」
「それは……」
「イナリ殿がいればあるいは……。いやそれは詮無きことか」
「…………」
(一体、一体どこにいるんだイナリ……。せめて無事でいてくれ)
『――ィ、――ナリ、イナリ!!』
(痛いイタイいたいイタい痛いイたイ痛い!!!)
体中を走る激痛に何が何だかわからなくなった。
なんだ、何があった。昨日は家に帰って布団で寝たはずだ。
激痛に耐え、薄らと目を開けると見えたのはなぜか地面だった。
薄暗い。まだ日は登っていないようだ。
身じろぎをするだけで、体中に痛みが走り思わず涙が溢れてくる。
『大丈夫!?』
「ッつぅ……」
だいじょばないかも……。
痛みに耐えるようにじっとしていると声が聞こえてきた。
「ふはははは、景気づけに街を1つ消してやったわ!!これで人間共も俺様の恐ろしさを思い知るだろう」
「凄まじいお力です。あの上空からの爆撃は実に見事でした、ピッコロ大魔王様」
「そうだろう。この力で今から俺様は世界を変えてみせる!!これが第一歩だ!!」
……ゆっくりと言葉を理解していく。これはピッコロ大魔王が攻撃をした為なのか。
あり得ない。何だそれは。
そんな、そんなことがあり得るのか。
たまたま私が寝ているときにやって来て、たまたま私の住んでいるところが一番最初の目的地で、たまたま街を消し去れるような攻撃をして、たまたまそれが私に当たった。
街に張っていた敵対者に反応する結界は?
この状況。一撃で爆破したのだろう。なら自分に被害が出ないように離れて攻撃を行ったはずだ。感知範囲に入る前に終わる。意味はなかった。
各街に待機させてある分身ネットワークは?
そんなもの意味はない。一番にこの街に来たのに知らされる訳がない。感知結界が作動しなかったのなら馬鹿みたいに寝ていた私に、感知する術もない。
本当なら。
ピッコロ大魔王がやってくれば、すぐさま分身が感知して私が駆けつけ、封印処理をする筈だった。
それで間に合うはずだったのに。
私は勘違いしていた。ピッコロ大魔王は真正面から攻めてくると。
それなのにピッコロ大魔王はその予想を裏切って奇襲を仕掛けてきた。
原作で西の都を破壊すると言った時だって、恐怖を煽るようなやりかただった。多くの人間に周知し、絶望を感じさせるようにしていた。
だから無意識のうちに、奇襲されることを除外していた。
それが、それが私の油断だったと気づけなかった。
普通にやれば勝てるはずだった。そのためにも修行はしてきた。
なのにこんな……。まともに戦うことすらできないなんて。
「さあ次だ。世界に絶望を知らしめてやる!!」
「ま……て……」
伸ばした手は宙を掻き、その言葉は誰に届くことなく消えていく。
やがてイナリは意識を失った。
……………
…………………………
……………………………………………
「う……ぁ」
がれきの山が形を崩す。下から傷だらけの女性が現れた。イナリだ。
「そんな……」
周りを見てもがれきの山、山、山。建物など何一つ残ってはいない。
自分の家も。だれも生き残ってはいない。自分以外は。
両親も、近所の人も、友達も、お客さんも。だれも、誰もイナイ。
――――――皆、死んだ。
誰がやった?そんなの決まっている。
「ピッコロオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」
どす黒い怒りが導くまま、傷だらけの体にむち打って腰にある刀に手を伸ばした。
『無茶よイナリ!!その傷で!』
うるさい!!!
「卍!!!!」
「解!!!!」
心に満ちる遣る瀬無さとともに名前を叫ぶ。
「来い!!闇夜綺羅星!!!!」
始解とは比べ物にならないほどの霊圧の奔流が周囲を駆け巡る。
舞い降りるは夜の星。夜空を照らす一番星。敵を殺し尽くす殺意の光芒。
纏うは黒衣。武器は我が身1つ。
その姿は既に死神が纏う死装束ではなく、バトルドレスと言える物になっている。
肩口から背中までが大きく開いており、足には膝上までのストッキングをガーターベルトで止めている。腰辺りから足下までを隠すドレスの裾の片側に大きくスリットが入り、そこから覗く健康的な足が艶めかしい色香を放っている。
だがそんな物が気にならないほどの濃密な殺意がその場に溢れていた。
「――墜ちろ」
遠目に見える、ピッコロ大魔王が生み出したであろう眷属に指先を向ける。
それだけで緑の化け物は地面のシミになった。
闇夜綺羅星。
司るは星の力。何者も逃れることのできない重力の楔。
「瞬閧……!!」
瞬閧。身に纏うはまたしても重力の力。破道の九十:黒棺。
その姿は黒く黒く染まっていく。肩口と背中から黒のもやが伸びる。
突如としてその姿が増えた。百、二百、いや三百か。
その全員がばらばらに飛びたった。
「お前ら全員皆殺しだ」
ピッコロ大魔王がどこにいるかはわからない。だが邪悪な気配はいやと言うほど周りに満ちている。
きっとそれは奴が生み出した眷属だ。
なら全部殺せば、いつかピッコロ大魔王にたどり着くはずだ。そしたら分身を消して私がそこに跳べば良い。
この日、各所で暴れていた魔族の活動に終止符が打たれた。
そして多くのものが口々にこう言った。黒衣の死神が現れた。それが魔族を殺し尽くしたのだと。
多くの人々が救われ、多くの人々がその強さに歓喜した。
だがイナリの心が晴れることは無かった。そもそもその被害は防げたはずだったのだから。
そして遂に。
「見つけたぞ。ピッコロ大魔王……!!」
ちなみにこの時期になっても亀と鶴は頭を丸めてはいません。
理由はまあ……。あれです、あれ。
ちなみにピッコロ大魔王と戦った武泰土佐達三人は結構善戦しています。
ナメック星人の生命力はずるい。
同等の戦闘力だった原作悟空の大猿パワー(10倍?)でようやく致命傷になったと考えればそれがわかるはず。
ー斬魄刀ー
卍解:闇夜綺羅星
能力は3つ。刀身一体・軽重操作・重力操作。
刀身一体:始解とほぼ同じ。ただ基準が卍解時の斬魄刀に変わっている。
軽重操作:始解と同じ。特筆することはなし。
重力操作:卍解時の新能力。重力を操ることができる。重力の向かう方向は上下左右どこでも可能。重力の倍率は本人の強さによる。今は15倍くらい?まだ完全には使いこなせていない。
瞬閧:鬼道を身に纏う。死神の使う白打(格闘術のような物)との合わせ技。今回主人公は、破道の九十:黒棺を使用した。他にも雷の鬼道や風の鬼道も使える。今は一部の縛道も練習中。
アンケート始めました。
ピッコロ大魔王編が酷い内容になってしまったので書き直しを検討中です。
良ければ回答お願いします。
ピッコロ大魔王編を書き直すかどうか。【1、2】と【3.4】は同じ票として計算する。なお、5を選んでもやめることはありません。皆さんの忌避のない意見を聞かせてください。(書き直す場合は何事もなく封印するルート。)
-
1.この展開は嫌。書き直す
-
2.もっとしっかり案は練るべき。書き直す
-
3.別に問題はない。そのまま
-
4.展開自体は嫌いじゃない。そのまま
-
5.へたくそ。書くのをやめるべき