「カァァァァァッ!」
「化け物め!」
突如ピッコロ大魔王が口から光線を放った。
不意は突かれたものの避けるのに問題はない。
強い。が逃げに徹すれば問題ない。こちらの勝利条件は武泰斗様と鶴がやってくるまで持たせること。
倒せるなら無論そちらの方が良い。しかし、倒せなくても時間を稼げれば問題ないのだ。
何よりピッコロ大魔王は既にボロボロだ。
おそらく、というかほぼ確実にイナリが追い詰めたのだろう。
前に一度対峙した時よりも遥かに弱っている。
それでも敵が強大なことに変わりないのだが。
「隙だらけだぞ!!この前の勢いはどうした!?」
「き、貴様ア!!」
ひたすらに避け続け、ピッコロ大魔王が無様な隙を晒した瞬間だけ反撃をする。
そうすれば苛立ちによってさらに動きが雑になる。焦るな落ち着け。イナリとの修行を思い出せ。――あの地獄の日々を。
あ、なんか死にたくなってきた。
「そこだ!!」
「あっぶね!?」
思わず遠い目になった瞬間、ピッコロ大魔王の拳が飛んできた。
今ので死んでたら末代までの恥だ。イナリのところに化けて出てやる。いや待てよ?
幽霊って透明だよな?気配とか気もないよな?それって気づかれないって事だよな?
それってつまり風呂場が覗き放題……?
「死ねぇ!!」
「ぬおお!?」
雑念を入れるな!死ぬわ!
それから幾度と反撃を加えてしばらく。何故かピッコロ大魔王が構えを解いた。
まだ余力はあるはずだ。奴が諦めるようなタマか?
警戒しつつも亀が訝しんでいると唐突にピッコロ大魔王がギロリと睨みつけてきた。
「ちっ、これは使うと寿命が縮むから使いたくはなかったが仕方ない。これで終わらせてやる」
「なに?」
「はああああああ!!」
突如としてピッコロ大魔王の気がさらに高まり始めた。
「ば、バカな……!?」
「オレさまにこの力を使わせた罪は重いぞ」
既に余裕は完全にない。
「ちぇあ!!」
「くっ!?」
目から、指から、口から次々と光線が放たれる。
ピッコロ大魔王からの猛攻に必死に避け続けていたが……、遂に。
「ぐうッ!?」
光線が亀の左腕を貫いた。
体勢を崩した亀をピッコロ大魔王が見逃すはずもなく。
「もらったァ!!」
地面が爆発するほどの踏み込みでピッコロ大魔王の拳が迫る。
その威力は死を覚悟するほど。
(避けられない!!死――)
「ぬおっ!?」
だが覚悟した死は訪れなかった。
ピッコロ大魔王が突如として飛来した雷撃に弾かれたからだ。
「イナリ!?」
「はあ……、はあ……」
電撃がやってきた方向には、筋斗雲にうつ伏せになってこちらに指を向けているイナリの姿があった。
無理をしたのか脂汗をかいて非常に苦しそうだ。
「この小娘が!!何度も邪魔しやがって!!死ね!爆力魔攻!!」
何度も邪魔をするイナリに怒りの限界を超えたピッコロ大魔王の爆撃が襲いかかる。
目を見開くイナリ。咄嗟に筋斗雲を動かすものの――――間に合わない。
爆発四散。
筋斗雲とイナリがいた場所にはなにも残っていなかった。
「うはははははは!消し飛びおったわ!残念だったなァ、人間!」
「そんな……。イナリが」
心に絶望が忍び寄ってくる。
イナリが死んだ……?それなら俺は……どうしたら……。
そこで亀が弾かれたように顔を上げた。
「まだ、まだだ!イナリの気を感じる!」
そちらに首を向けると、ジャリと土を踏みしめる音がした。
「――――どうやら間に合ったようだな」
そこにはイナリを抱えた武泰斗様の姿が。イナリは……無事だ!
「武泰斗様!」
「亀、下がっておれ。よくぞここまで弱らせたな」
「いえ、ピッコロ大魔王は元から弱ってました。きっとイナリが……」
「そうか。流石だイナリ殿。筋斗雲は呼べるか?」
コクリと頷くとイナリの筋斗雲が飛んできた。それに武泰斗様がイナリを乗せる。
「鶴よ。それをこちらに」
「はい、お師匠様」
「あっ」
筋斗雲の上から何かに気づいたように声を上げるイナリ。どうしたんだ。
「ダメ……、鶴、亀、止めて……!!」
イナリが立ち上がろうともがくがそれに体はついてこない。言うことを聞かない自らの体にイナリは思わず歯噛みした。
「ふっ、わかってしまうのかイナリ殿。貴女との勝負楽しかったよ。鶴、亀。これは師匠命令だ。何があっても手を出すな」
なんだ?何が起ころうとしているんだ?
考えても答えは出ない。その間に武泰斗様は鶴から渡された電子ジャーを地面に放り投げた。
「ピッコロ大魔王よ。これから行うのは私の生涯最後の大技だ。たっぷり食らっていけ」
「なにぃ?貴様程度の技がこのオレさまに効くと思うのか?」
なんだ、さっきの言い方だとまるで武泰斗様がこれから死ぬかのような……。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
その時イナリは焦りとともに全力できらに頼み込んでいた。
『きら!!力を貸して!!』
『は!?無理よ!何回言ったらわかるの!?死ぬわよ!』
『ここでやらなかったら生き残ったところで私は死ぬほど後悔する!!だから……!!』
『ああもう!!死んだら許さないからね!』
『ありがとう……!』
行くよ……!!
「照らせ……綺羅星……!!」
「む!?」
「なに!?」
弾ける霊圧。
その余波に、今にも術を発動しそうになっていた武泰斗様が思わず止まっていた。
なけなしの霊力をかき集め、無理矢理きらに発動してもらった始解。発動だけで霊力は尽き、維持に他の何かが喪われていっている感覚がする。
……でもやめない!!やめられない!!
軽重操作を使って、重くなった体を軽くして無理矢理動かす。今にも崩れ落ちそうになる足を叱責し、筋斗雲の上で遮二無二立ち上がる。
「ちぃ、しぶとい!さっさと死ねい!!」
怒りと、そして隠しきれない恐怖をない交ぜにした表情のピッコロ大魔王。
こちらに腕を伸ばすが……遅い!
――――瞬身の術!!
これなら体力は関係ない。
制御の難しい術を切っている今なら、無理を押し通してなんとか使うことができる。現れたのは視界内のピッコロ大魔王の真上。この術ならマーキングの必要はない。
「
「……がッ!!?」
既にイナリに殺意はない。それよりも魔封波を使わせてしまうかもしれないという焦燥感が怒りの炎に水を掛けたのだ。
術の発動とともに腕に鎖のような刻印が現れた。
頭上に転移したことに気づいていないピッコロ大魔王の頭をすぐさま鷲づかみにする。
すると鎖の刻印が腕から移動していき、ピッコロ大魔王の体中に巻き付いて拘束した。もはやまともに動くことはできない。
この術はNARUTOの封印術である四象封印を尾獣用から魔族用に手を加えた物だ。
ただ私の実力では術の完成にはほど遠く、本来なら必要ないはずの封印用の媒介が必要になる。まあ、ピッコロ大魔王を体内には入れたくないから、丁度良いといえばそうだけど。
ピッコロ大魔王を殺すつもりでやって来た私は封印用の媒介はもちろん持ってきていないので、武泰斗様の電子ジャーを使う。
これに入って大人しくしてろ!!
「はあァァァァァァアアア!!!」
「嘘だァァアア!!!」
体重を軽くし、ピッコロ大魔王の頭を掴んだまま開かれた電子ジャーに叩きつける。
僅かな抵抗すら許さずピッコロ大魔王は顔面から電子ジャーに吸い込まれ、カポッという音とともに蓋が閉じられた。
「せい……こう……」
「イナリ!!」「イナリ殿!」「イナリさん!」
そして私は意識を失った。
これがダイナミック封印!!
ちなみにイナリは死神の力を持っているので幽霊は見えます。
そしてボコボコにされます。
爆力魔攻はオリ技です。
ー忍術・封印ー
四象封印を改造した術。魔族特攻。
未完成の術で、手で鷲掴んでいる間は動けないが離すとすぐに解ける。封印の強度は結構な物で中から破るのは非常に難しい。媒介に入れた場合は封印の力が物に宿るので離しても大丈夫になる。物を使っての封印なので、媒介が壊されると結構簡単に封印は解けてしまう。
感想やメッセージでたくさんの励ましの言葉を頂いて、とてもうれしかったです。
アンケートの推移を見るに恐らく進行はこのままになるでしょう。
とは言えもう少し様子を見ます。
リアルが少し忙しいのでアンケの様子見と合わせて一旦ここで切ります。切りも良いので。
必ず戻ってくるのでしばしお待ちを。このまま進めるにせよ手直しはしたいですし。
……多分一週間くらい?
最後にもう一度確認しておきますが、「そのまま」ルートはもう少しキツめの展開が続きます。最終的にはそこまでキツくならないようにはしますが。
ピッコロ大魔王編を書き直すかどうか。【1、2】と【3.4】は同じ票として計算する。なお、5を選んでもやめることはありません。皆さんの忌避のない意見を聞かせてください。(書き直す場合は何事もなく封印するルート。)
-
1.この展開は嫌。書き直す
-
2.もっとしっかり案は練るべき。書き直す
-
3.別に問題はない。そのまま
-
4.展開自体は嫌いじゃない。そのまま
-
5.へたくそ。書くのをやめるべき