地球人で転生!!~でも人間じゃないよ~   作:ねむ鯛

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第三話 一歳

転生して早一年。

ようやく歩けるようになり、世界が少し広がった。

とは言えまだ私は1歳児の赤子。

筋トレは不可能だ。そういうわけで惰眠を貪りながら、ゆるゆる過ごしている。

 

瞑想の修行は迷s……ゲフンゲフン、難航している。まあ生後一年のお子ちゃまが目を瞑ってじっとしてたらどうなるかなんて明白でしたね。

 

まあ成果が全くないって訳じゃないし。爪の先が引っかかっているような感じがしなくもない。

 

「イナリー、これお客様の所にもってってー」

 

「はーい」

 

おっと呼ばれてしまった。行かなくては。

 

お父さんとお母さんが作り終わった料理を、一歳児ボディでとてとてとお客さんが待っているテーブルまで運んでいく。まだまだ弱々な私の体はあっちへフラフラこっちへフラフラ。

それを手に汗握りながら見つめるお客さんに、温かい目で見つめるお客さんもいる。温かい目とは決して青狸の不気味な瞳のことではないぞ。

 

それはともかく手汗掻くくらい心配するなら私に頼まなきゃ良いのに。

結構恥ずかしくて、頬に熱が集まってしまう。

 

もうわかったと思うけど私は両親がやっているお店で、臨時看板娘をやっている。

臨時なのはたまにやっているだけだから。いつもやってたら流石に体力が持たない。

 

なんとかテーブルまで到着し、お客さんに食べ物がのったお盆を差し出す。なお身長が足りないのでお客さんに受け取って貰う形になる模様。

 

「おまたせしました。おしゃかな……ていしょくです」

 

はい噛んだーーーーー!!!!!!

はずかしぃぃぃ!!!

 

おいこらなんだお前らその目は!こっち見るな!あっち向いてろよ!

しかたないだろ、こっちは幼児なんだよ。舌っ足らずなの!!まだ成長してないの!!

 

「~~~~~~ッ!!!!!!!!」

 

あーもうこれ顔真っ赤になってるよ。だってめっちゃ熱いもん。

あまりの視線の生煮え具合に耐えきれなかったので、ダッシュして奥に引っ込んだ。

不貞寝してやる!!

 

 

おはよう。

不貞寝から起きて窓の外を見ると、外は茜色だった。

お手伝いしていたのがお昼頃だったので結構寝ていたと思われる。まあ幼児だから仕方ないね。

 

「ねえあなた、その話は少し早いんじゃ無い?」

 

おっとお話中かな?空気が読める幼女イナリはささっと隠れるのだ。

 

「そうか?俺としてはイナリに店を継いでもらいたいんだが」

 

「たしかにあの子は大人びていて、頭が良くて、世界一可愛いけど」

 

めっちゃ親バカですやん。やめて。なんなの、今日はどうしても私を恥ずか死させたいの?殺しに来てるの?

 

……それにしても私に店を継いでほしい……か。

私は死亡プラグをへし折るために、修行しなくちゃいけないから他のことをやってる時間はないんだよね。気持ちは嬉しいんだけどさ。

 

「それは俺も同意する」

 

しないで。

 

「だが……そうだな。俺も少し焦りすぎたのかもしれないな。これもイナリが可愛すぎるのが悪い」

 

「そうね」

 

ちげぇよ。なんで二人して真顔で頷いてるんだよ。どんだけなんだよ。

 

「そうだな……。とりあえず今は料理を教えて10歳になったらに一度話してみるか」

 

「そうね。それが良いと思うわ。10歳なら9年後ね。9年後なら……エイジ426年ね」

 

ん?待って。

9年後がエイジ426年?なら今は?エイジ417?

原作開始っていつだったっけ?

エイジ737じゃなかった?

 

あれ、今ってめっちゃ昔なんじゃ無いの?

……どうしよう?

 

 

 

あれからいろいろ考えてみた。

 

今がエイジ417だという衝撃の事実が発覚したわけだけど……。

 

つまりそれって何もしなければ私は原作前に死ぬってことじゃん。

生き残る方法はドラゴンボールくらいだけど、それなら私は無理して生き延びようとは思わない。

だってわざわざ死にに行く必要ないし。

原作始まる前なんだから寿命で死んだ方が多分気楽だと思うんだよね。

あの世もあるし、消えるわけじゃない。

つまりなんの問題もない。

 

これなら無理に修行だけして生きる必要はないよね。

お母さんとお父さんが継がせてくれるっていうのなら、考えてみようかな、お店。

 

それとは別に気づいたことがある。

まず私の記憶力。

 

生まれ変わってから物を覚えるのがすごく得意になっていた。

幼少期は記憶力がいいって聞いてたからそれのせいだと思っていたんだけど、どうやら違うみたい。

さっき年代を確認した時に気づいて、そして確信した。

私、完全記憶能力がある。

 

だって私前世で記憶力が良かったわけでもないし、ドラゴンボールの年代だってさらっと流しただけだ。転生前の私だったら絶対に思い出せるわけがない。

なのに思い出せたのは、転生した時にもらった、忍術と鬼道を忘れないようにしてくれるおまけのおかげだと思う。

 

そうじゃないと説明がつかないし。

おかげで記憶がスラスラと思い起こすことができる。

勉強とか楽そう(小並感)。

 

まあ時代についてはいろいろとヒントはあった。

ホイポイカプセルの話を全く聞かなかったし。

私はここが田舎なせいだと思っていたけれど、それがホイポイカプセルがまだ生まれてないせいだとしたら説明がつく。

 

そんなわけで瞑想の修行は続けつつ、料理の修行もすることにした。

継ぐかどうかは後で考えれば良いしね。

 

まあ私はまだ一歳児だし、料理はさせてもらえないけど。

 

 

 

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