現在エイジ421。転生して五年の月日が経過した。
三年目の誕生日に目が覚めると自分の枕元に斬魄刀が突き刺さっていたのは良い思い出だ。
いや良くねえよ、危うく首切って死ぬところだったよ。
ちなみに斬魄刀は天井裏に隠してありますはい。いつ見つかるかと毎日戦々恐々している。
なんやかんやでこの五年間は瞑想を欠かさなかった。
おかげで斬魄刀が出現した三年目辺りから、エネルギーに関する感受性が高まり、なんとなくだが動かせるようにはなってきた。
同時進行で簡単な運動もしている。ランニングとか腕立て伏せとか簡単なものだが、おかげで同年代の中では運動は得意な方だ。
料理に関する練習も最近始めた。今は簡単な皮むきとかだけど、もうちょっとしたら簡単な炒め物を教えてくれるらしい。結構楽しみだ。
そして五年目の今日、とある術を試すために家の裏に来ている。
それは皆さんご存知、影分身の術!
影分身の術とはNARUTOに出てくる忍術の一つで、原作主人公のナルトが得意としていた忍術の一つだ。
NARUTOの忍術はチャクラというエネルギーを使い、術を発動する。
この術は少々特殊で出した分身にチャクラを等しく分配するのだ。
簡単に説明すると、一体の分身を出したら自分と分身でチャクラを等しく分け合って、チャクラ量は自分が二分の一、分身が二分の一となる。三体なら、自分のチャクラが四分の一で、分身一体も四分の一のチャクラ。それが三体出てくる。百体なら、自分が百一分の一のチャクラで、百一分の一のチャクラを持った分身が百体出現することになる。
唯一の弱点が強い衝撃が加えられるとすぐに消えてしまうことだろうか。
しかしこれを補ってありあまるチートさがある。
この影分身、消えるときに出現してからの経験が全て本体に還元されるのだ。
もう一度言おう。
影分身は消えるときに出現してからの経験が全て本体に還元される。
この意味がわかるだろうか。
分身を一体出して本体と一緒に修行すればそれだけで修行量が二倍になる。
百体出せば百一倍の修行効率となる。
修行チート影分身を使って効率よく強くなってやる!
「ふはははは、スーパー修行ライフの幕開けだ!影分身の術!!」
ポフン!(出た音)
ポフン!(消えた音)
ドサッ!
…………
……………………
………………………………
「あらイナリったら天気が良いからってこんな所でお昼寝しちゃダメよ、全く」
チャクラが足りなかったよ(白目)
はい、というわけでチャクラを増やす訓練も並行して行います。
いや、影分身が大量のチャクラを使うことは知っていたけどここまでとは思わなかったんです。まさか、一体もまともに運用できないなんて……。
はあ、とりあえずチャクラ木登りの訓練でもするかなぁ。
チャクラ木登りとはチャクラを使ってする木登りのことだ。
チャクラのコントロール技術を大きく高める修行として知られている。
やり方は簡単。足の裏にチャクラを集めて吸着力をあげ、まるで木の幹が地面かのように歩いて登って行くだけ。手を使ってはいけない。
やり方は簡単だが、実はやるのは難しい。
この木登り足の裏のチャクラコントロールがキモで、込めるチャクラが強すぎると木から弾かれ、弱いとくっつかずに普通に落ちる。
最初は走って登ろうと思うけど、最終的には歩いて自由自在に動けるようになるのが望ましい。
よし、やってみるか。
近場の森にやってきたので、早速木登りをしようと思う。
印を組んで足の裏にチャクラを集めて木に片足を近づける。
「おっと」
バキッという音ともに足を乗せた木が砕けた。
ちょっと強すぎたかな。
今度は少し弱めて近づける。砕けた。
もう少し弱めて近づける。今度は足が滑り落ちる。
少しずつ微調整していき、遂に砕くことも滑ることもなく、足の裏がくっついた。
よし、じゃあ登ってみよう。
「ダッシュ!」
助走をつけて木を駆け上っていく。さて、何歩進めるかな?
一歩二歩と順調に駆け抜けていく。これ結構楽しい。
五歩、十歩と順調に歩数を稼いでいき……。
あれ?てっぺんについた。ちなみに今は立ってるだけだけど、落ちる気配はない。
ん〜、こんなに簡単にできるわけないと思うんだけど……。
やり方間違えたかな?
少し考えて、理由にたどり着いた。
完全記憶能力のせいだこれ。
必要なチャクラの量を頭が覚えているし、必要なチャクラの量を練る感覚を体が覚えている。
完全記憶能力つぇー。いや、頭いいやつがスポーツもうまい理由がわかった気がする。
理由がわかったところで今度は歩いて降りてみようかな。
なんの問題もなく、降りる事ができた。よしよし、順調順調。
そう言えば、足の裏にチャクラを集めすぎると木の表面が砕けたけど、手でやったらどうなるんだろう。
……やってみよ。
手のひらを木の幹にくっつけ、そこそこ強くチャクラを込める。
触れている手を中心に蜘蛛の巣状に亀裂が入り、いとも容易く木がへし折れた。
……人には使わないようにしよう。