かき集めた部員が超次元な奴ばかりだった件について 作:低次元領域
ちなみに主人公たちの地域は私の勝手なねつ造により、高天原中学などがいると思われる(??)奈良県としています。
エイリア編だとまぁまぁ初期のイベントから参戦が出来る……なお
もし次で試合始まると思っていた方は申し訳ない……会話回なんだ。
・以下別に読まなくてもいいところ
以下 文字数稼ぎ
またFFは各地区大会を優勝した一校が集う大会で、16校の出場が確認されていることから地区大会は15ある(残り1は昨年優勝校枠)と仮定。
すっごい単純に北海道,東北,関東,甲信越,東海,近畿,中国,四国,九州の9つの地区に分けて考えると、雷門と木戸川の存在から関東は2枠確定?
ので、地方によって2枠あるか1枠なのかがまちまちと思われる。
今作では近畿地方は2枠あるものとし、東部と西部で一校ずつと定めました。
東部近畿地方で去年FFに出場したのが高天原、西部近畿地方突を|雌斗路≪メトロ≫学院としており2枠存在。
ただし東部近畿地区大会は「参加校が多いだけでレベルは関東等と比べると多少下がる」位置づけ。(漫遊寺中とかいう木暮属するところもあるが、FFには未参加)
高天原が強いため、サッカーを日本一目指す東部近畿っ子は高天原にあつめまっている。だからまた高天原が勝つ。そんなループ。
「……来週の土曜日、奈良の習合中学との練習試合を行うこととなった。
先程配った紙に記載されているメンバーは、当日の早朝4時には指定の場所に集まるように」
突然集められて、突然練習試合が決まったと告げられて、いつかと聞かれれば来週の土曜日。
どこだと聞かれれば、車を使っても六時間はかかるだろう遠方。
「最後に──これは総帥のご命令だ。決して失敗は許されない」
普通なら、普通なら誰もが疑問を抱き反発し、説明を求めるだろう状況下において……彼らは誰も異を唱えなかった。
「……ハッ!」
ただ、彼らの指示者に対しての揃った返事を返す集団。知らない誰かからすれば、酷く不気味としか言いようがなかった。
それこそが帝国、それこそがトップをひた走る学園。
都内に在する、全てにおいて上に立つものを目指す者達の日常風景だった。
「……鬼道さん」
「佐久間……どうした?」
ミーティングは終わり解散、みなすぐに移動をし始めていた時だった。
少し考えることがあり、着席したままだった俺の前。
指示者に──総帥と呼ばれる男から受けた言葉を伝えていた俺達のキャプテン、
決して抗議の声ではない。
片方の目は眼帯によって隠されてはいるが、もう片方の目から窺えるその感情は憧憬。つまり、憧れた者の心を、その真意を詳しく知ろうとする知的好奇心と言えるものだった。
「一体なぜ急に奈良へ……しかも相手は出来て一月も経っていないサッカー部だなんて」
不可解だとは、疑問だとも確かに思っていた。けれど従う。
帝国学園の歪みを正しく表した男の問いに対し、鬼道は自身のゴーグルの位置を直しつつ答える。
「佐久間──高天原中学の、あのFWを覚えているか?」
「あの……? あっあぁ、真経津のことか……チーム自体は大したことはなかったが、アイツの必殺シュートは曲者だったな」
眼帯の裏に浮かぶのは、光をその手に集めていた男の姿。
貫通力と素早さをウリにしたその一撃に対し、帝国は苦戦を強いられた。
威力だけならば、帝国のものならば防がねばならないものだ。
しかし、いかに強力な必殺技を帝国側が備えていようとも……それを使うタイミングを計ることが難しい「単純な速さ」がどれほど厄介だったか──。
「……習合のGK、キャプテンの男はそれを『単なる頭突き』で防いだそうだ」
「──なんだとっ!?」
何の冗談だ。それまで冷静でいた佐久間の顔は一気に崩れる。
確かに、実力がかけ離れている者の必殺技をキーパーがそよ風が吹いたとでも言いたげな顔で止める。それは彼らの様な強者の立場なら偶に聞く出来事だ。
高天原が、ではなく習合が止めた? あの一撃を頭突きで?
佐久間の中にあった弱小校「習合」の存在は崩れ去り、突如として湧いた……ダークホース。そのような言い方が当てはまるだろうものに変わっていくことに耐えられなかったのだろう。少したっても未だ、佐久間の顔が戻っていない。
……俺もかもしれないが。
その様を見て、鬼道は「これを先ほどのミーティングで話さなくてよかった」と口にした。普段は参謀役、司令塔である佐久間でこれだ。さっき口にしていれば、ミーティングは混迷していただろうことは間違いない。
「まだ本腰を入れて調査はされていないが、そいつはこれまで然程サッカーと関わってこなかった人間だ。少々家庭環境は特殊とも言えるが、その強さとは何ら関係がないだろう」
そう言って、鬼道は自分が持っていたファイルから一枚の紙を取り出し見せてくる。
話の流れに逆らうことのない、習合の正ゴールキーパーについての仮調査書……と言ったところだろうか。
「……また、奴の指導を受けていると思われる部員たちの殆どは、クラブの経験もない素人ばかりだ。
それだというのに先週の時点で一人、強力なシュート技を披露したそうだ。二つとも噂だが……高天原中学を中心に広まっている」
そんな噂を高天原が流すメリットがないことが、増々信憑性を高めている。
一瞬「奈良の学校の噂がもう帝国に……?」と疑問に思ったが、なんてことはない。大方「高天原中学の中に、
重要なのはそこではない。
「……下手をすると、今はもっと……か」
「中学生になったばかりの、碌に鍛えても来なかった男が作ったチームが僅か一週間程度でフットボールフロンティア常連校に並ぶ実力にまで手が届く。それどころか、本人は必殺技すら使っていない……。
この間の雷門には木戸川清修の天才ストライカーだった豪炎寺がいた。ゴッドハンドを使った円堂は一年以上の練習があった。
そういった要素が、不思議なほどに習合にはない」
不気味だと、思わないか?
鬼道は言外にそう伝えてきていた。僅かながらだが、その頬から汗が滲んでいる気がした。
「だからだろう、我らが総帥は直ぐに動き……試合を組んだ。
その男がどんな男なのか……もし、万が一帝国の脅威になるようであれば」
潰す。
これは伝える必要すらなかった。三人とも、そうなるだろうという確信があった。
自分たちのサッカーをもって、完膚なきまで叩き潰す。佐久間と俺の拳は、いつのまにか固く握りしめられていた。
「……説明は以上だ。当日のコンディションにもよるが、今開発している技もいくつか試す予定だ。
特に──源田、お前の新技があれば俺達の優勝も更に盤石のものとなる。頼んだぞ」
「……任せておけ」
警戒対象と同じポジションである俺は、帝国正GK──
◇
「帝国学園か……いずれ当たるだろう相手だけど、まさかもう来るなんて……! 部長、どうします!?」
「速いのはいい事だが……気が早いこととはまた別ともいえるか。しかし何故いきなり帝国が……」
「試合に負けたとこの校舎が破壊された、なんて話すらあるようなところが部室すらないうちになんだってんだ?」
「というかここまでくんの~? それともこっちが東京に~? ふへへ~、なんか楽しくなってきちゃったな~僕」
混乱。
部員たちは突然のトップが襲来すると言われ、思い思いの言葉を口にしていた。
一先ず言えることは、ウリ坊は取り敢えず落ち着いてくれ。
俺の足元で頭を振り回しているせいで髪がビシビシ当たっている。髪質が硬いせいなのかそこそこ痛い。まぁ最近の怪我を考えれば蚊に刺された様なもんだけど。
後アルゴは気持ちはわかるけど新しい瓶の蓋取るのやめなさい。今日三本目だろそれ。
しかし、なんで本当に帝国学園なんか来るんだよ……。帝って名前付いてるんだから、もう少しどっしりしといてくれよ。
メアか? メアの才能が轟いたのか?
確かにメアならもしかしたらフットボールフロンティアでも通用するFWになれるかもしれないけど。下手すりゃもうなってるけど。
「……? どうかした、リーダー?」
とぼけてんじゃねぇよ。お前狙いだぞ確実に。
そんなニュアンスなことを言った。
「──いや、部長の方だと思うんスけど」
「買ってくれているのは凄く嬉しいんだけど、僕もバング君に賛成かな……」
バングが名推理、みたいなポーズで指摘してきた。メアが便乗してきた。
ありえないって。仮に帝国が俺狙いだとしたらとんだ節穴だぞ。……超次元サッカーやると皆節穴になるのか?
「そうかぁ? 結構もうこの辺りじゃ噂になってるぜ色々」
「……」
納得がいかない俺に対してグラさんとカガも加勢四対一で勝てるわけがないな。諦めて受け流すか。
これ以上やっても謙遜してるとか言われて終わりそうだ。
そうかぁ、噂かぁ。
……噂? 噂ってなんのだ?
頭突きのことなら、弾いてポストに運よく当たっただけだ。仮に誰か勘違いしてても誰か訂正するだろ。帝国が気にかける理由にならん。
……ダークネス・部長の方か?!
あれもう東京まで広まってるのか!? ふざけんなよ、何かの間違いでFF出れた時観客皆「あれがダークネス・部長かぁ」って思うって事か!?
確実にモテないじゃないか!! せいぜいちょっと暗そうな「俺と一緒に真の闇へ」みたいな勘違い厨二が近づいてきて終わりだろそれ!
泣きたい。メアの情報拡散能力どうなってるんだ、スピーカーってレベルじゃないだろう!
あっでも、ルシフェルとかサタンよりはマシか……? いやほぼ変わんねぇか。
……落ち着け、落ち着くんだ俺……流石に、流石にそんな訳がない。
仮に帝国のキャプテンが「お前がダークネス・部長だな。今日はよろしく頼む」とか言ってきたら瞬時に降参してやるけど。
「……それで部長さん、どうしますか? 正直に言いまして、うちに勝ち目はないと思いますが」
「ちょっ、ちょっとワタリ! いくらなんでもそんな言い方は……!」
そうだなワタリ。やっぱりお前、
だからこそ、部活作ろうとしてた俺がほぼ確実に失敗するだろうって思って来てくれたんだもんな。なんか偶々部活づくりは上手く行っちゃったけど。
今の本音を言えば、部室は一回諦めて何とか断れない? ってのがある。情けない?
確か全員必殺技持ってるようなバケモンエリート校だぞ、当たり前だろ?!
「……」
……けどなぁ、そこで勝てない。負けるのは確実だが実りあるものになるだろう……とか、怖いからどうにか断れないか、とか言えないんだよ俺。
だって、他の人たちめっちゃ期待籠った目で見てくるんだもん。裏切ったら最低最悪の部長だよ。それこそサタン部長だよ。
……アルゴは期待の目って言うか、「おツマミまだ?」みたいな目だけど。
「……やるぞ」
まぁでも、なんかうまい事が言えるわけじゃないんですけど。
けど、誰かの尻は叩けたようだ。少しだけだが、重苦しい雰囲気が晴れた。
「──っ、そうだ。帝国だかなんだか知らねぇが戦う前から逃げる奴なんていねぇよな部長!?」
「わっトールさん、なんかすごい気迫……けどそうッスよね! 俺も必殺技身に着けましたし、なんなら帝国相手に暴れてやりますよ!」
「お、おう! やるぞバング!」
……しゃーない、しゃーなくないけど。
なんだかんだ言って一週間でバングが必殺技編み出したんだ。来週の土曜にはもう何人か使えるようになってるかもしれない。ともすれば、GKの負担も減るかも……。
流石に練習試合で格下相手にそんなに本気出さないよね帝国さん……? 頼みますよホント。
今から帝国の情報集め直して、どうすれば一番死ににくいルート行けるか対策立てないとなぁ……また腕壊れそう。
「……ははっ! みんなすげーやる気だな。こうなりゃ俺もウカウカしてらんないな。よーし部長、特訓再開しよーぜ!」
……ジミー達のシュート練。そろそろ俺が参加するのやめて、DFだけに止めさせる特訓とかさせたほうがいいよな、うん。断じて、最近ジミーのシュートが怖くなってきたわけじゃない。
ノーマルシュートだし。
……ただ受け止めるとすっごい体の芯に響くんだよジミーの。めっちゃ重たいの。蹴った瞬間にボウリングのボールとかにすり替えてない?
「ああそうだね、ジミーくん! ……あっ部長、僕のシュートについてまたで申し訳ないんだけど……なにか改良点とかあったりしないかな?」
あ゛!? 翼でも増やせばいいんじゃね!?
これ以上進化とかマジで死ぬからやめろ! トール達が毎回死ぬ気で威力減衰してくれてなきゃ右腕も死んでるわ!
「あ、僕も部長に話が! 次の帝国に向けて、強化週間ってことで練習量か重りどっちか
やめて!?
なに両方はあれだから片方だけにしましたよ的雰囲気だしてんだ!
最近俺への感情が殺意なんじゃないかと疑いを持ってきたぞウリ坊!!?
「……どうして」
なんて言ったかよく聞こえなかったけど、ワタリくんは静かに目を伏せるのやめて!?
四文字くらいだから「さよなら」とかかな。お別れの挨拶が出来るなんていい子だね!
──ちなみにこの後、重りは増えた。
助けて。
「──あっ、出来たよリーダー! 一瞬だけど、三枚目の翼が……!」
助けて。
エ ン ゼ ル ・ ブ ラ ス タ ー 己
エンゼル・ブラスター改になるのは時間の問題か。
帝国組は佐久間が初期は鬼道さん呼びだったのは覚えている。多分このころ皇帝ペンギン一号が封印されたのかな。
次回は練習風景を挟んでキックオフの前まで行きたい
遅くなるかも
~選手紹介~
・ソニック MF 7番
かき上げたオールバックと、よく日に焼けた小麦色の肌がニクい"元"天才ランナー。
別にハリネズミは関係ない。部長はそっちで付けたけど。
~頂き絵紹介~
大変うれしい事に、クラネスハインドさんよりメアちゃんの絵を二枚も頂きました!
短編から始まった子がこんな風になるなんて本当にうれしい……とくに肩だしは肌綺麗な子にしか許されない所業。
ありがとう……ありがとうございます。
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