かき集めた部員が超次元な奴ばかりだった件について   作:低次元領域

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突然西日本に研修に行くことになった作者、慌てて準備していたのに行く数日前にやっぱりなしと言われ……次回、作者泣く。

嘘です

それはそうと、天河原中(てんがわらちゅう)と勅使ケ原(てしがわら)って語感似てますよね。
まぁ、あれだよ。仮にGOまで行けたら三国さんやばそうだなって




竜喰らい龍宿す日

 物心ついた時から俺は走るのが好きだった。

 駆けて駆けて駆けて、自分の知らない世界へ冒険していく感覚がたまらなく好きだった。昨日の自分よりも速く、明日の自分に追いつく。加速し、また新しい自分に進化していく。

 

 そんな毎日を繰り返していくうちに、周りの人は俺を天才陸上少年と呼ぶようになった。悪い気はしなかった。俺は特別な存在なんだという

 走れば走るほど賞賛が集まって、人も集まりまた噂が大きくなる。未来は日本の陸上を背負うとかも勝手に言われていたが、まぁそうなるだろうと自分でも思っていた。

 俺にとって、速さこそが全てになっていった。速いものは素晴らしきことで、遅いものは価値がなくなっていく。

 

 そんな中で、日に日に速さを増していくこの俺こそが……世界で一番価値あるものになると信じ切っていた。

 

 ──あの日が来るまでは。

 

「──ぁぁぁあああ!! 足が……っ!」

 

──早く担架!

 

 石につまづいたとか、転んだとかではない。ただ何時ものように、自分の最高速に挑んでいた時の事だった。

 ブチッ、と何かが切れる嫌な音がして、俺の足は急に動かなくなった。

 少しの違和感の後、襲い掛かってくる激痛に悶え地面を転ぶ。

 

 周りにいた大人たちは騒然とし、同年代は何が起きたか理解しておらずオロオロとしていたことを覚えている。

 なにせ、俺も何が起きたか全く理解していなかったからだ。

 

 病院に運ばれやがて、俺の身に何が起きたか暗い顔をした両親から聞かされた。

 ろくにアップもクールダウンもせず、少し疲労が溜まっている時も気にせず走り続けたツケが来たのだと知って俺は悔しがりながらも反省した。

 そうか、なら次からはキチンとしよう。次こそは更に高みへと、まだこの時は希望を抱いていた。

 

 その後、手術が終わり、リハビリも難なくこなした。

 スパイクを履き、グラウンドに対し戻ってきたぞと宣言をし、走り出した。

 

 ようやく、俺はそこで自分の歪さに気がついた。

 

 体は戻っている。医者からは後遺症も残らないと聞いていた。

 だというのに、それだというのに!

 

 まったく、俺は遅くなっていた。あの日の最高速の足元にも及ばず、50mのラインを過ぎていた。

 わからなかった、何が原因だ。筋量の衰えも少しはあるのかもしれない、けれどここまで差が出るはずがない。自分の体が今出せるはずであろう最高速に達する前に、どこかブレーキが掛けられているのを感じた。

 

 何度も何度も走って、クタクタになっても……何が原因かはわからなかった。そのうちやって来た大人に諌められるまで走り続けてもわからなかった。違う、俺はもっと速い筈なんだ! そう叫び、引きずられても決してグラウンドから離れようとしなかったのを覚えている。

 風を切る感覚が、周りが遅く見える風景が、依然として大好きだった。脳裏に焼き付いていた。

 

 だからこそ、その状態に酷く腹が立った。

 

 俺は、全力で走ることが出来なくなった。

 人の噂というものはこれまた簡単に広まるもので、走れなくなった天才陸上少年は、一人になった。遅いものに価値はない、そんな価値観を持っていたからこそ当たり前だと思った。

 けれど知っていたはずなのに、走れなくなった途端いなくなった者たちに対しての落胆は抑えることが出来なかった。

 

 

 

 

「……俺はもう全力で走れん。期待には応えられない」

 

 やがて小学生という肩書きから卒業し、中学生となった俺に話しかけてきた奴がいた。サッカー部を作ろうとしている。お前もどうだ? そんなことを言っていた。

 全力で走れないならただ落胆されるのみだと、俺は一度それを断った。

 

 断った、はずだった。

 

「──俺は、お前とサッカーをするために話しかけた」

 

 ……よくもまあこの男は、素面でこんなことを言ってのけるものだと呆けた口をした。

 

 ……逆にこっちが酔ってしまって、気の迷いで俺はボールを蹴ることを決めた。そうして仲間が出来た。

 全力で走れないとしても、まぁ常人よりかはまだ速い方だったからか、やつらは俺の事をソニックと呼ぶようになった。

 速い速いと言われても自分の最高速を求められない、不思議な空間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光陰如箭!」

 

 光となったボールが迫ってくる。いや、それは残像で次の瞬間には更に先にあるのだろう。

 俺はそれを知っている。感覚として理解できる。だから、だからこそ追いつけないことも理解している。

 自分の今出せるであろう理想の最高速なら辿り着ける。けれど、現実のスピードでは一歩も二歩も遅い。

 

 諦めるか? いいや、ここで通したらGKに一直線だ。つまり奴に負担を与えるだけ、それはつまらないから簡単に通すわけにはいかない。

 俺よりも速く動くボールに対して、いつのまにか芽生えていた対抗心がフツフツと湧き上がるのを感じた。

 今日この日まで、サッカー部として、ソニックとして、俺は走り続けていた。

 一人ならとっくに最高速に達せぬ自分に苛立ち、辞めていただろう練習が、仲間がいることで続けることが出来ていた。

 

 あの日の最高速などとうに超え、最高速一歩前の速さでも十二分に戦えていた。

 だからこそ、今この場で本来の限界に挑もうという気概が湧いていた。今なら行けるんじゃないかという、確証のない自信があった。

 

 一歩、二歩、踏み出して、速度の枷に辿り着く。

 なんたるものかと思い枷を壊す、

 

 ──壊そうとして心の手が奥底に触れて、気がついた。

 体が震え、足が痛みを訴える。周りの風景があの日のモノに勝手に移り変わる。

 当然幻覚、現実ではない。けれどそれらは、俺が最高速に辿り着けなかった意味を教えてくれた。

 

 ──あぁ、怖かったのか俺は

 

 突然走れなくなった恐怖と苦痛は肥大化し、本人でも気がつかぬところで根を張っていた。

 言わばセーフティ。二度と同じ怪我を負わぬように掛けられた保険だった。クタクタになるまで走れば余計に深層心理が働きかけ走れなくなる。

 人間として、生命として課せられた枷だったのだと知った。

 

 けれど勇気をもって、自信を持って探っていれば簡単に知れたのだろう。

 

「ふっ──」

 

 それが、今か。

 

「──フハハハハハッ!」

 

 この俺が、速くなることに怯えていただと!? 未来永劫の笑い話ではないかこれでは!!

 

 怒りが沸き立つ、愉快さも際立つ。

 破顔し、体の震えはエンジンの様に音を鳴らし加速を今か今かと待ちわびるものへと変貌する。

 今の今まで体を守ろうとしていた無意識を労いつつ、余計なことをするなと叱咤した。自分の体調管理は自分の意志でするものだ!

 

──ソニック

 

 俺は、俺を今この場へ誘い出した男に感謝をした。一人ならきっと知ることのなかった境地、これを教えてくれた者達への駄賃を支払わねばならない!

 今ここで、習合MFのソニックは! 名実ともに音速へとたどり着き──導いた貴様に追いついてみせる!

 

ストーム

 

 枷を踏み砕き身を屈め、前へ飛ぶ。地を蹴り出した音すら置き去りにし、空を駆け抜ける。追いかける風を引き連れ、ボールを覆い囲む竜巻を起こす!

 上から見れば、円を描き高速で走り抜ける俺が見えるやもしれん。目にも止まらぬ早業というやつだがな!

 

「──ブリンガー!!」

 

 突き抜けようとしていた光の矢はたちまち暴風の檻に閉じ込められ、巻き上げられ勢いを失い俺の足に収まる。

 流れる風に身を任せ、緩やかに着地を決めた。……まあ、及第点だな。

 さてさて、この技に対する感想でも奴に聞いてみるとするか!

 

「どうだ、これがこの俺の必殺技だ! 見たか部──」

 

「……」

 

 拳を高く掲げ、真の完全復活だと言わんばかりに叫びゴールを見た。

 ……けれど、そこにいたのはあの男ではなく、青い覆面をした……二号。度重なる練習ですっかりくたびれており、まだシュートが届かないことに気がつかず呆けていた。

 思わず首を戻せば、これまた膝に手をつき肩で呼吸をしている一号。

 

「……ソニックくん、リーダーは東京に行ったんだって……忘れちゃってた?」

 

 言葉を失っている内に反対側でドリブル練習をしていたメアが揶揄い、声をかけてくる。

 そうだ、今は単なる練習だった。何故か心が燃え上がりうっかり試合中の様な熱さを……。

 

「……ふはは! 遠くより見ているか部長!」

 

 俺は、とりあえず笑って誤魔化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんかソニックに呼ばれた気がする。っていう体でこの場を切り抜けらんないかな。

 駄目? 駄目か……もう右手が限界なんですけど。パトリオットシュートさん、真正面から殴りつけると爆発しやがるんですもん……。そもそもパトリオットって確か対空用の奴だよね……なんで地上のキーパーめがけて飛んでくるんですかね……。

 二発目からはもうやぶかぶれで握り拳振り落として地面に叩きつけてました……おかげでグラウンドボロボロだよ。誰が整備するんだこれ。

 

「……五本、止めたぞ」

 

「……協力感謝する」

 

 そんな感情のない顔で感謝しないでよ下鶴君。というかよく考えたら年上だから下鶴さん。一本目は感情はともかくもうちょい気合入ってたでしょ。

 あれか、三本目あたりから「どの角度が一番弱いか」とか計算し始めてたもんな。打ち破るの目的じゃなくなってたもんね。流石は最新設備によるデータサッカーチーム……けどね、俺もうボロボロなのにそれ察してない時点でちょっと怪しいよそのデータ……。

 

──御影専農のあんな必殺シュートを片手で……! あれが悪魔のキーパーって訳か……スカしやがって。この俺がぶち抜いてやるぜ!

──その自信は何処から湧いてくるんだ、染岡……

──んだよビビッてんのか風丸!

 

 違うんです雷門の……確か点取り屋さんとか異名あったっけ、染岡 竜吾さん。スカしてるんじゃなくてこれはHP瀕死による最期の微笑み的なモーションなんすよ。それはそうと見た目怖いっすね、グラさんが日本ヤクザだとしたら染岡さんはイタリアンマフィアっぽい風格ある。

 吹っ飛ばしてやるってシュートでってことですよね? ……そもそもシュートで人って吹っ飛ぶか普通?

 

──まだ情報はすくないが、現段階で確実なことのみ抽出しても評価はA+……

 

 そして味方のキーパーである杉森さんも乗ってきた車に乗り込んでカタカタパソコン動かしてないで……キーパー役代わって……。というか土手によくそのでかい車で入り込んだね。

 あと今撮った映像大丈夫? フェルタンとか映ってない?

 

──安心しろ、撮られていると分かれば我々も迂闊に映らぬ

──そーそー、いろいろ動けるのは楽しいんだけど扉開く感覚めんどいし~

 

 さいですか。

 さてと……俺はベンチに戻ってゆっくり休ませてもらうとするよ。……うぅ、足が重い。帰省した時に起こりうるかもしれないメアの襲撃用に重りなんか付けてくるんじゃなかった。

 でもこれないと御影のシュート防げなかったろうし……まぁよかったのか。

 えーと御影専農の攻撃は終わったけど、次は雷門がシュート役。御影が防御かな。

 御影のGKはかなり強いけど……今回のルールはお互いの強さ確認的意味合いで合体技も蹴る人の重複もありだし。雷門には合体技があるらしいからそれ使えば……ワンチャンあるかも。

 

 ……あれ、なんで下鶴さんがパソコン操作に加わりに土手を登って行ったのに杉森さんは降りてこないんだろう。おーい、出番ですよー……。

 駄目だ、カメラしかこっちに向けねぇ。くれぐれも何か映さないように注意な。

 

「──よぅし、次は俺達の番だ! 一番目は任せたぜ染岡!」

──染岡さん、ファイトでヤンスー

 

「任せろ!」

 

 ……あれ、俺もしかしてキーパー役続行なんですか? 今疲労困憊なんですけど。あれか、周りからは余裕綽々に見えるからこのままやっちまえってことか。

 声を大にして「疲れてます!」って叫べる人間になりたかった……格好悪いからしませんしできませんけども。

 

「……御影の奴らみてぇに簡単にいくと思うなよ!」

 

 落ち着け俺。雷門は確かに知名度急上昇中のチーム。その成長力は計り知れないものを感じるが、帝国より上なわけがない。

 つまり、下手をすれば御影よりも下の可能性もある……! ここを耐えれば勝負はまだ分からないから……御影とは引き分け確定したから帰りたい。御影と先にやってもらって、雷門が御影に負けたら習合=御影>雷門の式になるわけだからやらなくて済む……!

 でもそれは起こりえないifなんだよなぁ。

 

──……どこか、並行世界のどこかに悪魔も宿さず平和にサッカーをしているお前がいるかもしれん。だがそれは夢物語でしかない。

 立ち続けるのだ長久。ここまで来たら倒れることも許さんぞ。せいぜい仮契約の対価として苦痛を捧げるがいい。……それとも今、真なる契約を──

──美味しそうな気配……!

──……フェルがいる限りまともな契約が結べる気がせぬな

 

 美味しそう? フェルタン、頼んでもパトリオットシュートには見向きもしなかったのに……あぁ、確か目の前の染岡さんは動物系必殺技持ってたね。確か名前はなんだっけ。

 練習試合の尾刈斗中はもちろん、校風でデジタルなもの排除しまくってる野生中との公式試合の映像も手に入らなかったからなぁ。詳しく調べた感じ名前はなんちゃらクラッシュとか……。似たような技が昔の記事にあったけどそれもほとんど噂話で碌な情報なかったなぁ。

 ……やばそうな技じゃありませんように。

 

()()()()──」

 

 左足を踏み込み軸にして、思いっきり右足に力溜め込んで……ああそうだそうだドラゴンクラッシュだった。

 おおすごいなぁ、まだ蹴ってもいないのに背後に蒼い竜が……腕もないシンプルな一本竜が見えるよ。中華系統の髪が生えている奴だね。

 いやぁ見事見事……強そう。

 

──クハハ! これはいい体になりそうだ、しっかり取り込めよ我が契約者!

「──()()()()()!!」

──おっ、トロアっちおひさ~

 

 え、なんで急に別の人の声が……取り込め? 契約者とか呼ばれても契約結んだ覚えがないんですけれど。押し売りは困ります……。

 それとフェルタンも急に前の文字で会話し始めないで……翻訳し辛いから。この新しい子はトロアっていうんですか? へーもしかして知り合い? というか交友関係広いねフェルタン。こうなるとコルシアが逆に交友関係が狭いと考えるべきなんかな……?

 

──いや、こいつなら分かるが……そんなこと気にしている場合か? 貴様

 

 ……ってそうだよ!!

 今目の前に蒼い竜が口開けてこっちに喰らい付こうと迫って来てるんだよ! 新人さんいらっしゃいしてる場合じゃねぇんだよ!

 分析しろ俺のトゥルーアイ!

 

 ドラゴンクラッシュ……右足に込められた強力なキック力から繰り出される、速さと貫通力を兼ね備えた一撃か。

 ……威力はパトリオット並? コースとか角度を微調整できるのがあっちの良さだとしたら、こっちはスピードで防御の隙間を潜り抜けてゴールに突き刺さるタイプだな。

 

 光陰如箭と比べたら速度はない。エンゼルブラスターと比べたら貫通力もない。未熟だからこそ、これからどう進化するかがいろいろと想像できるな。

 ……よし、まだ期待の注目校レベルを逸脱しないレベル。けれど弱いわけでもない、可能性を感じさせるいいシュートだ。

 

 ……明日の練習では上二つを受け切んなきゃいけないのか俺。帰りたくねぇな……。

 ともかく、これならなんとか止められるか……? よーし覚悟を決めろ俺。腰に力を入れて、踏ん張れよ……。

 

 拳をぶつける狙いは竜の鼻先、から少し下に逸れた顎の位置。竜には逆鱗があるとはよく言われるが……前に突き進むこの一撃には、斜め下方向からの一撃で衝撃をずらすべきだと判断した。

 少し体を屈め、竜の下に潜り込んで右手を振り上げる!

   

「──フンっ!」

 

「──なんだと!?」

 

 ──っ(つう)……!? 思いのほか進行方向以外にも力ありますねドラゴンさん!?

 逆に光陰如箭が真正面以外に弱すぎたのか……? 頭突きで逸らすとか考えなくてよかった……間違いなく噛みつかれてるよ俺。

 ……くっもう少し力が入ればずらしきれるのに……なかなか飛ばない! 下手すると押し切られるぞ!? やばいやばいどうにかしないと。

 

「──フェルタン」

──わーい! いただきます

 

 臀部からすべすべとした感覚が現れ、伸びる。少し力が抜けるからなるべく肌に擦れない方向性でお願いしたい。

 次の瞬間には俺の顔の横を黒い蛇が通り過ぎていく……最初見た時よりちょっと大きくなった? 成人男性のより太くなっているような……うわ、めっちゃ口開いた。顎どうなってんのそれ? 脅威の拡張性。

 そのまま蒼い竜を……飲み込んだ。すごい、お腹ン中膨らんでツチノコみたい。あ、消化した。早っ。

 

 ……俺サッカーしてるんだよな? うん、ほら勢いが無くなったボールがその場に落ちたし。

 ほら、これで一本目終わったから……。うん、雷門とか御影の皆さま……そんな目で見ないで。ほら、人畜無害な蛇だから。確かに悪魔っぽいなぁとは最近思って来たけど今の所暴飲暴食と腕の治療をしてくれるいい蛇だから。

 

「俺の、ドラゴンクラッシュが……喰われた!?」

──……な、なぁ今のって

──ひぃ~~っ!! 出たー!!

──うわっ、暴れんなよ壁山!

 

 壁山君と言われた子がベンチで跳びはねたせいで雷門ベンチが地獄絵図になってる……。

 ……まぁ、明らか必殺技じゃないしビビるわな。消化し終わって元のサイズに戻ったのにまだ肩に首おいて舌チロチロしてるし。一つの生命体としているのが分かりやすいよね。

 ええと、どうしようかなこれ。なんかいい意見ありますか私の頭の中の悪魔さん達。

 

──プリプリの弾力のあるお肉……でもあじわいは淡泊。スパイス求む

──あと2,3本受ければ顕現まで行けるか……? よしそのまま喰らうがよい!

──……まぁ、続けるしかないだろうこれは

 

「……2本目、来い」

 

 いやーコルシアは頼りになるなぁ……ちくしょう。

 もうさっさとやって絶対帰ってやる……シュートなんか蹴らずにな! 絶対だぞ! で、次はだれが蹴るんだ!? 染岡さんか? それとも今さっきすごいジャンプ力を見せた壁山君か!?

 

「──あぁ、いくぞ」

 

「頼んだぞ豪炎寺!」

 

 あ、昨年準優勝を果たしたチームの炎のストライカーさん……居ましたね貴方。

 ……その、お手柔らかに。くれぐれも代名詞のファイアトルネードとかはやめて……アッ駄目ですね。完全にその体勢に入ってますね。

 記憶にあるとおり、今よりキレを磨いた回転で上昇していく……摩擦から生まれたのか、至極熱そうな炎と共に渦を描いていく。

 

「──ファイア

 

 ちなみになんだけどフェルタン、炎って食べられる?

 もし大道芸のインド人が如く食べられるなら食べて欲しいなぁって。

 

「──トルネード!」

──無理

 

 そっかぁ……無理かぁ。

 

 

 

 助けて!!

 







 オリジナル原作でメンタルクソ雑魚三下レズ小説とかありますかね。読みたい。
「〇●様よ~ギルドからたんまり金貰ってんだろぅ? どうかこの憐れな盗賊紛いの女にお恵みを~」とか揶揄ってくるくせに
「ただ渡すのは難しいが、君の力を貸してくれれば相場より多めに出そう。君の力が必要なんだ」って言われると
「──へ、へーふ~ん。ま、まぁしょうがないなぁ~」ってデレる奴。でも決して根元が浄化されるわけでもなく定期的に英雄思考から反した「自分さえよければ」論は振りかざす。でも反論されると泣く。

 ないんですか?
 作者は泣いた。



~オリキャラ紹介~

・ソニック MF 7番
 元陸上界の期待の卵。ソニックくんがこの場にいた場合、風丸が「あいつは……」的な感じで円堂君にソニックくんの過去を教えてくれる。
 一度手術する羽目になり、傷跡が気になるのか着替えの時はマキマキタオルの民。

 本人曰く自分の最高速に辿り着けなかったらしいが、練習から察するに十二分に速いぞこいつ。超次元的訓練でも問題がないため、もう怪我による退場とかは起きないだろうという安心感がある。

・トロア
 押し売りセールスマン。フェルタンとは仲良し。
 コルシア・エマは序列的に下。
 素質がありそうなやつがいたので憑いたら知り合いがいたので楽しい。


~オリジナル技~
 
・ストーム・ブリンガー ドリブル・ブロック技
 目にもとまらぬ早業で円を描き竜巻を起こす。中心にいるボールor相手を巻き上げ進む。
 それなりに強い。

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