かき集めた部員が超次元な奴ばかりだった件について   作:低次元領域

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 更新遅れて申し訳ない……車の買い替えとか色々ごった返してしばらく遅れるかと思います。
その代わりツイッタではよく出没して二三言呟いてそそくさいなくなるようになりました

 ところで歌詞を引用できるようになったらしいですね。最終話とかの時に試してみたい気持ちが合ったりなかったり。ちなみにイナイレ3の「僕らのゴォール!」が一番合うんじゃないかなって思いがありますがどうでしょう

心を言葉にしないので一切部長の気持ちが伝わらないところとか((


部長、地獄の幕開けだってよ編
部室、別名地獄のお披露目の日


 夏、それは別れの季節だ。

 逆だろうって言われるかもしれないが……俺にとっては別れの季節だ。暑さは人をおかしくする。

 普段なら絶対にしないだろうミスだってしてしまうし、普段なら外に出さない感情だって出してしまう。

 

 いつの日か、神社の境内の隅に隠れ一人で泣いていたことを思い出した。

 行く気なんてなかったのに、いつの間にか彷徨い、寂しさに耐えきれず神頼みをした。何とも格好悪い日の事だった。

 祈って、祈って祈って……神なんていないんだとただ知って……今にして思えばあれは少々考え違いがあった。

 

 神と自称する超常的存在はもしやいるかもしれない。

 ……コルシア、フェルタン、エマにトロアが神を敵視している辺り、少なくとも過去には存在していたはずだ。

 けれど、信じるものをもれなく救ってくれる、そんな全知全能な神がいる訳ではないのだろう。

 

──……堕天使という存在そのものが奴らの全知全能に矛盾をもたらしているのに間違いはない!

まっ? 天使だった時よりも妾の力は増しているがな! クヒヒッ!

 

 トロアがそういってため息を吐く。腹の底より体が熱くなる。

 多分トロアがなにかしたというわけではない。どっちかっていうとフェルタン。ごはんならさっきエマ弁当食べたでしょ?

 

──うーんブドウが食べたくなった。ナガヒサ、帰り青果屋いこ

──……流れ的に、原罪の一場面でも思い出したのかフェルは?

 

 原罪……あぁアダムとイブに食べちゃダメな果物唆して食べさせたやつだっけ。

 そんで二人とも追い出されちゃって……失楽園? この間メアに「失楽園って技考えたんだけどどうかな!?」って提示されたこと思い出したわ。

 始動が俺で、ゴールでボール止めたら……ロアフェルドミネーションでゴールから打ち出して、上空でメアがエンゼル・ブラスター決めるんだと。距離考えたらメアが近距離でブラスターぶっばした方が強いよね。しかも俺はそれで足死ぬし。

 

 誤魔化し方? 「──失楽園……ならば、最後楽園から走り出す者……"人"が必要だ」とか言って今はまだその時ではないとか言って誤魔化しましたよ。

 そしたらね、そっかぁっ顔した後「それじゃあこれは三つの力を必要とするのかもしれない……僕はまだ未熟だ。最初は二つの力を合わせる事から始めよう!」とか言って新しい必殺技考えてくるって……地獄先延ばしにされただけな気がする。

 

 それで、ええと……ブドウか。高いんだよな。まぁ何とか両腕治してもらえたしお礼に買うか。エマの胃袋攻めと食堂の大盛りメニューとかでも少しエネルギーに変えてくれるから優しい……。

 なんか希望の品種あるん?

 

──シャインマスカット!

──む、なら妾はデラウェアを

 

 う、それなりにお高い奴だよなそれ……しゃーないか。買うって言っちゃったし。

 それとトロアは知りません。欲しいなら自分のお金で買ってください。

 

 ……? あれ、何の話してたんだっけ? 今日のお買い物の話じゃなかったことは分かるんだけど。

 なんで教室出て廊下の奥で一人突っ立てるんだっけ……。

 

──回答する、お前はメアたちを待っていた。そして廊下の窓から日差しにやられ……いきなり神がどうのこうの云々を始めた

──日向ぼっこじゃなかったけ~?

 

 ……サンキューコルシア。カバンから取り出したスポドリを呷り、一息つく。

 いやぁ……夏場の水分補給は大事ですねほんと。指摘されてようやく思い出せたよ。たった十数分近くでこんな考え始めるなんて普段より気が抜けてるな……気を付けないとほんと。

 せめて重りさえなければもう少し頭に血が行く気もするけれど。普段の生活で20kg持たされるのははっきり言っておかしい気がする。

 

「──リーダー! 待たせてごめん……それで用ってなにかな?」

 

「わりぃな部長……ったくセンコーが中々おわりにしてくんなくてよ……」

 

「フハハ……既に脚は温まっている、いつでも走り出せるぞ部長!」

 

 ……来たか、メアにトール。そしてソニック。

 じゃあ立ち話もなんだ。歩きながらしようじゃないか……うん。

 

「? で、話って何なんだよ部長。あれか? もしかしてもう次の対戦相手が決まったか!」

 

「いやトール、FF予選は終わりはしたけれどトーナメントの裁決は明日の筈だ。

──この四人で合体必殺技とかかな!?」

 

 メアの最近の思考って合体技のことしかないの?? そんなにせがまれても俺を入れる時点で多分単独より弱くなると思うよホント。

 

「いやFWとMF、DFにGKで何をするというのだ……?」

 

 ちょくちょく常識人になるよなソニック。ただお前の速さならどこのポジションにも加われそうだからいろんなところに関わっていけ。

 ……また話が逸れた。それでえーと話っていうのはだな……大変いいにくいんだが。

 うん、そんな興味津々に見つめられるとすっごい言いづらい。ちょっと恥ずかしいレベルだ。

 

「メア、トール、ソニック……

 

──練習への参加を一部制限する

 

 でもまぁ言わなきゃだよな。部長だし。

 

「……え?」

 

 絞り出した精一杯の声。

 クマゼミの声がかき消す様に響く校舎の片隅で、足が止まる三人をつき放し進んだ。汗ばむ暑さが一つ落ちるのを感じる。

 言葉を受けたメアたちはまだ何を言われたのか理解できないといった表情で目をぱちくりとさせていた。

 

「……じょ、冗談だよねリーダー? そんな、今日は部室が完成して……夏休みが始まって……もうすぐトーナメントの相手だって決まるじゃないか!?」

 

「メアの言うとおりだ。この俺を練習から外すだと!? 一体どういうことだ……!」

 

 話された事に気が付いた三人が近寄り、瞳孔が揺れ同じように両肩が揺らされる。

 メアやめて……昨日君のエンゼルブラスター食らって左手折れてるから……油断も隙もあったもんじゃねぇよほんと。一号が光陰如箭をパワーアップさせて、無理やり弾いてて痛がってたらいつのまにか天に浮いてたからね。

 あっこれ死ぬ……って思ったから無理やりサクリファイスハンドで勢い削いで、もう片方の手でパンチングすることでなんとか弾けたけれど。

 

 おかげで夜中コルシアにぶつくさ文句言われた……でもアイツ日付変わったら絶対黙るから優しいね。

 ってそうじゃない。

 

「怪我のことか? だが今の俺達の疲労に問題はない、休む必要性も何処にもない!」

 

「──嘘だろ部長?」

 

 ソニックの言い分ももっともだ。1号2号は正直かなりぎりぎりに挑んでいるがそれでも俺よりは余裕がある。最初の10人の方などいやー今日もいい汗かいたぜって安眠するレベルの疲労度だ。だからこそ、それは関係がない。

 トールはこういう時は怒らずただ呆けるんだな……。

 

「な、何か悪いことしたかな僕たち……もしそうなら謝るから……!」

 

 ごめんなさいですんだら部長はいらないんだよ……うんメア?

 肩から掴む場所が落ちたと思ったらお腹辺りに来るのやめよう。

 シャツが伸びたらすっごいカッコ悪くなるから……。あと涙目になるの早くない? 人泣かせるのすっごい罪悪感からやめてほしい。

 

 ……この間女子の落し物拾った時のこと思い出したよこんちくしょう。ブドウの香りがついていたせいでフェルタンが巻き付いて、女の子ビビッて泣いちゃったんだよなぁ……。

 あの後ハンカチは黒装束の変な集団が買い取ってたな……あいつらほんと何なの? 一人メアっぽいの居たし。

 また話が逸れた。

 

「じゃ、じゃあ何をすればいいのかな! 自主練──」

 

「駄目だ」

 

「え、えっと? 雑よ──」

 

「違う」

 

 あぁ違う、違うんだよメア。

 今お前たちがすべきなのはサッカーじゃない。今はお前たちに「サッカーしようぜ」とは言ってあげられないんだ。

 ……本当にすまない。

 

「──じゃあ、何でもする! リーダーのいう事ならなんでもするから……だから!」

 

「お、俺もだ!」

 

「この俺の足をこんなところで止めるなど天が許しても俺が許することではない……! 厳しい試練でも何でももってくるがいい!」

 

 ……今、何でもって言ったよね? いけないんだよ……迂闊にそんなことを言ってしまっては。

 人は自分の言葉に責任を持たなければならない……この言葉自体が俺に突き刺さってる気がするけど気にしない。

 

──お前の場合人の言葉を訂正しようとしないからこうなるんだがな

 

 お黙りコルシア。

 

「──その言葉を待っていた」

 

 じゃあ、してもらおうか………?

 カバンから紙を取り出し……メアたちに告げた。

 

 

 

「──地獄を味わってもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、メアたちは?」

 

「期末テストの成績が酷すぎて部長に勉強会に連れていかれたッス。あ、そういやカガは点数どうだったんスか?」

 

 ……流石にあの点数はなぁ……ひどすぎて教師に呼び出し食らって、部長の堪忍袋の緒が切れたのかな。それとも単に心配してか。

 メアなんて中間の頃はまだ上の下ってくらいの成績だったのに何があったんだ……って聞いたら「合体技について考えてて……」って笑ってたんだよな。

 

 さて、舐めてくれるなよバング。こう見えて勉強は出来る方でな……学年の中で20番目だ……。

 まぁ部長やワタリには勝てないけど。バングは確か……30位くらいだったか?

 

「……!」

 

「? あー、俺は国語と英語が苦手で……暗記物は得意なんすけど……ッス」

 

「僕もトールを馬鹿に出来ないレベルだからなぁ……後でしっかり復習しておこ」

 

 そういってウリ坊が顔を歪める。恐らく一歩間違えば連れていかれていたと自覚し反省しているようだ。いい心がけ。

 ……バングってたまに語尾忘れるよな。クラスが違うから分かんないけど、英語の授業の時は語尾をつけるんだろうか?

 

 まぁいいか。

 さて、今日は夏休み開始、終業式を迎えた日の午後。

 

 茹だる様な暑さがある日の事であった。

 FF予選が各地で終わりをつげ、部長が強くなるだろうと目星をつけていた雷門中があの帝国を相手に3-1で勝利。関東Aブロック最後の試合に決着がついたのは記憶に新しい。

 ……帝国との試合は映像をエマが仕入れて来てみんなに見せてくれたが──部長曰く「明らかに動きも強さも違う」そうだ。

 

 しかし部長が雷門に行った日からさほど時間はたっていない。それだというのに部長にそこまで言わせる進化を遂げるとは。

 一体どれだけ過酷な練習をしているんだ……と息を呑んだことを覚えている。

 

 調べようにもうまくいかない。どうやら、雷門は屋内の秘密特訓場を手に入れたらしい。そこで練習を続けている様なので碌に情報が手に入らない。

 せいぜい、毎日ぼろぼろになって帰宅しているらしいという事しかわからなかった。 室内で一体何が行われているのだろうか?

 

 全体的な強さは勿論、個々人としても彼らは一皮むけ始めているそうだ。

 

 皇帝ペンギン2号を相手に一度は破れるも、仲間達の声を受け両手でのゴッドハンドを見せペンギンを打ち破った……キャプテン、円堂。

 去年と比べれば回転数が格段に上昇し威力が上がっている、炎のエースストライカー豪炎寺。

 精度の高いパスとキック力で隙を狙いこじ開け突破する、もう一人のエースと部長に評されたドラゴンストライカー染岡。

 他にも、ソニックに興味を持たれる素早さを持った風丸、体格つながりでトールが目を付けていた壁山。

 

 ……ちなみに既に形になっていると思えたDFの土門という男。彼は部長とエマによれば元帝国の人間であった可能性が非常に高いそうだ。偵察代わりに送り込まれ、そのまま馴染んだのであろうか?

 うちはそれらしき人は来たが皆いなくなった。この違いは何なのか。おかげで活動部員は一号二号含めて13人しかいない。部長もこの事態を重く見て「かなり低負荷のメニューを組もう」と言い出したが……次に新入部員が来た時にどうなるか。

 

「よし、みんな揃ったな? 折角部室が完成したんだからみんなで入らないとな!」

 

 校庭に一度集められた俺達を先導するのはジミー。部長はあまりしゃべらないためか、こういった場ではジミーが音頭を取ることが多い。

 ……そう、今日は俺達は部室に入れる。

 明らかに早すぎる工程に、グラサンとバングの家がどれだけ頑張ったのかがわかる。

 

「ジミー、そんなこと言ってるが今朝はアルゴと二人で忍び込もうとしてたよな?」

 

「いやーやっぱり気になっちまってさ……って言わない約束だろグラサンー!?」

 

「う~新築っていうと入りたくなってさ~」

 

 グラサンはサングラスをきらりと光らせ、笑いながら犯人ににらみを利かせる。

 その視線を受け軽く笑う二人。反省のはの字も感じられない。特にアルゴは先ほどなど「メアたちの様子見てくるねぇ」などと言って甘酒片手に見物を決め込もうとしていたほど元気である。

 流石に皆に止められたが。もし向かっていればアルゴも勉強会に参加させられていたのではないだろうか。

 

「──遅くなった」

 

「お、待ってたぜボス。あの三バカは?」

 

 そうこうしている内に珍しく……本当に珍しい、息を切らしている部長がやってきた。

 その様子から、あの三人に勉強を教えるという行為がどれだけ大変だったのか……思わず息を呑む。

 

「……目標を決めさせ、今はワタリに任せている」

 

──ですから、今この数字をa,b,cと置き換えているだけであって別に他の概念に塗り替わっているわけじゃないんですよ!

──えぇい計算など面倒だ!

 

「……基礎練習の時は加えるが、目標を超えるまでは必殺技といった応用技術特訓はさせない」

 

 ……ワタリとソニックの叫び声が聞こえ、言い切る形で部長がため息を吐いた。

 勉強会に使われている教室、そこそこ遠いって聞いたんだけどな……。ほんと大変そうだ。

 

「ハハハ……それじゃさっさと済ませちまうか。よしジミー行こうぜ」

 

「おっ、了解! よしじゃあ行くぞ!」

──おーぅ!

 

 そんなこんなで、俺たち9人は仲間を置き去りにし新しい部室へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……す、すっごくでかい……!」

 

「地上三階、地下一階。部に必要な設備を詰め合わせた夢の部室……って話だ。

意外と面積が狭かったからな。上と下に伸ばす形で空間を確保したらしいぜ?」

 

 ……話し下手だからワタリいて助かったわ。

 しかし言い出しっぺとはいえ任せて本当に悪かった。後でジュースとか奢ってやろう。ワタリは何が好きなんだろうか。

 今週中にはアイツらの苦手分野に合わせた問題集を作っとかないとか。仕事は増えるが……メアを隔離さえできれば練習の危険度もぐっと下がるし問題はないか。

 いやー部長って大変だなぁ。

 

──部長なら部室の出来にも何か言うべきではないか?

 

 ……いやさ、想定以上過ぎて言葉が出ないんだよ。

 なんだよ計4階分の部室って。あと狭いとか言ってるけど普通の部室よりかなり広めのスペース貰えたんだからな?!

 なんだよ、なんだよこれ……やたら禍々しい装飾ついてるし。デザインセンスどうした。メアの親戚にでも頼んだか……いやこの感じはワタリの筋か。ユニフォームといいこういうの好きなのかアイツ。

 

 そのうち魔王城とか呼ばれそうだな……蝙蝠とか烏とか色々彫られてる。

 ラスダンかなにか?

 

「……あらいいデザインですね。兄さんにもピッタリ」

 

 エマの目は節穴か? 俺はどっちかって言うとこの城に転がってそうな冒険者の骨だよ。

 返事がないただの屍役。

 

「部員全員が使っても余る広さのロッカールームとシャワー室。倉庫にミーティングルーム。地下には……なんと、観客だって収容可能なスタジアム!」

 

「まじっですか!? ッス!」

 

「……!!」

 

「すっげーぜグラサン!! もう住めるじゃんこれ!」

 

 あの、俺としては全員分のロッカーとシャワーはその半分ぐらいあれば十分すぎたんですけど……。大丈夫これ?

 お金使い果たしてない? 次ワタリ父見たらすっごいしょぼくれてたりしないよね?

 というかスタジアムがなんであるんですかね……別に練習試合もしないのに、誘っても誰も答えてくれない。近くのサッカー部にメール送ってみたら「ゆるして」の四文字返ってきたし。

 

「だが目玉はこれだけじゃないぜ……!

エレベーターで三階へ行こう」

 

「まだあるのか……」

 

「ふへへ甘酒バーとかは……」

 

 ないです。知らんけど絶対ないです。

 あとサッカーマスクズは眩暈を覚えているようだけどそれが正しい反応だぞ。俺も眩暈起こしている。

 

「ないでしょそれは」

 

 ナイスウリ坊。

 そして次々エレベータに乗り込む。というかエレベーター広いな……サッカーの器具とかも乗せる予定でもあるのか病院とかで見るようなでかいやつだぞこれ。

 

 ……で、三階についたわけだが。

 あったのは……サッカーコート? 天井のドームはもうなんか薄紫色していて怪しく光っているのはツッコまないからな。

 地下にあるって言うスタジアムと比べると、観客席らしき場所がないし……練習のためのスペースかな?

 

「ここが天上、屋内練習場だ。天井を開けることも出来るし、雨の時でも当然練習が可能!

でも更に驚く要素があってな……ボス、良ければコートの中に入ってみてもらえるか?」

 

「グラさん、なんスかそのリモコン?」

 

 ……絶対入りたくない。いやな仕掛けありそうな感アリアリでござい。

 でもなぁ駄々こねたら格好悪いし……大丈夫だよね? 地雷が仕掛けられてるとかじゃないよね?

 入るか……。

 

──ここで入るのが本当にお前だよ長久

 

 お黙り。

 で、トコトコ歩いてフィールドに入ったけど。なんも起きないぞ? せいぜい芝の感触いいなぁってぐらい。土に比べると足の踏ん張り効かなそうだから気を付けよう。

 ……グラさん? なんかすっごいニヤニヤしてるんだけどなんなの?

 

「親父たちが建設計画を立てている時に、ある会社が声をかけてくれてな。

そこの会社で研究中の設備が取り付けられたんだとさ……こんなのがなっ!」

 

 そう言って勢いよくリモコンのボタンを押したグラさん……。

 

「……?」

 

 なんだろう。急に体が重くなってきたような……熱中症かな?

 ……あ、違う絶対違うぞこれ!? すっごい体が下に引っ張られる!? 重っ! え、なにこれ!?

 血が足の方へ流れていく感覚がして気持ち悪くなってきた……。

 

 グラさん、にやにやしてないで説明してくれ! あれか、屋内練習場の壁の四隅付けられているあのへんなアンテナみたいな機械が犯人か!

 というか重……重り持っているせいで更にひどく……足プルプルしてきたよ。

 でもふらついてたまるか……マジでなんなのこれ。

 

「おぉ……ボスじゃ流石に問題なさそうか。みんな、今あのフィールドの中は3G……重力が強化され三倍になってるんだ。

この装置を使えば最大20Gの環境下で特訓が出来るのさ」

 

「へー、よくわかんないけどすごそう」

 

 ……はい!?

 重力制御ってお前……ドラゴンボ〇ルか!? それサッカーにいる!?

 あれか、最近重りつける場所がなくなってきたからって空間ごと重くしちまえって事か! くそみたいに偉大な発想だよ!!

 

「これで更に全国のライバルに向けて鍛えられるって訳か……じゃあ試しに何倍まで行けるか試してみるか!」

 

「よし、部長つぎは5Gまでいくぜ」

 

 やめろ! そのレベルは普通一瞬とかだから耐えられるんであって訓練で使う強さじゃない……!

 くそ、言いたくても体が上手く動かな……あっ、もう始まった。どんどん頭が重く……意識が……!

 

 

 

 助けて!!!




体 重 3 0 0 0 倍(誇張)

今回はシリアス回でしたね……

 ついに部室が完成し「FF本戦」が開幕。
メア姉弟とのデートとかは皆で補完してほしい。
ちなみにデート理由は「弟が部長さんと合体(技を)したいとか言い出してやばいので探る」だそう。




~オリ技紹介~

・失楽園 ??技
 テスト時間を犠牲にしメアが考案。始動は部長、仕上げはメア……だったが、部長の逸らし技術により、もう一人「楽園から追い出される人」役が募集される。
 完成しないことを祈る。

・光陰如箭 改 シュート技
 文章内で進化してる不憫な奴。
 以前よりも更に素早さ、直線へ方向への勢いが増している。だから部長のスローモーション視界による側面パンチングに弱い(ただし痛くない訳がない)
 何気にかなり強い技だが文章内で防がれた不憫な奴(大事なことなので二回)

1/31 V進化させてましたすんません。改です光陰如箭は。

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