かき集めた部員が超次元な奴ばかりだった件について 作:低次元領域
返信遅れるかもしれんがすまない……すまない
しかし、感想欄で「世宇子中はでますか?」「化身世代突入しますか?」「帝国学園は?(五条さん)」などと色々聞かれるのですが、
みなさん部長に対しての殺意高すぎませんかね……(笑顔)
一先ず短編からの見切り発車なので、目標はFF出場。余力があればその後
エイリア学園とかはそれらが終わってから考える! 方向で行かせていただきたい。
だからひとっ走りつき合ってほしい(峠を曲がり切れず転落)
あ、ちなみに今回は流石に章の終わり間近だからシリアスっぽいかもしれぬ。
俺は、一人が好きだった。
誰かと群れていてもイラつくことばっかりで、自分と比べてひ弱な奴は扱いにも困る。少し力を入れれば簡単に傷ついちまって、泣いて、喚いて、もっとムカついた。
静かな、誰もいない場所ならイラつきもムカつきもしない。けれど、不思議とムズムズする。柔らかい毛先でずっと全身を撫でられる様な不快感があった。
だから、自然と俺は騒がしい場所に向かう様になっていた。
昼夜問わず騒げるような輩が集まる、どうしようもない場所へ。
暗い路地裏、
ごちゃごちゃとしたゲームセンター、
駅の裏口、
少なくとも、そこでムカついて暴れても……壊れるのは
弱い奴からカネを集ろうとしている奴にムカついた、
効果もよく分からない薬に酔っていた奴にイラついた、
同類じゃない奴に絡んでいる奴にムカついた、
俺の威を借りようと媚びへつらって来た奴にイラついた、
暴力を振るうとスカッとする。自分の胸に渦巻く感情を表に出す方法を、それしか知らなかった俺は暴れまくった。
暴れて、暴れて、暴れて……
「……クソッ」
──俺は激しく降りしきる雨の中、路地裏で倒れていた。
何が起きたんだっけか、とぼんやりとする頭の中で考えていてもいまいち纏まらない。
確か、タイマン張ろうぜってやたらイキのいい奴がやってきて……応じて場所を変えてやったら、そいつの仲間が待ち伏せしてたんだ。
気が付いたら囲まれてて……あぁ畜生、負けたのか。
負けた事に対して、簡単に騙された自分に対して怒りを覚えているはずの体はどんどんと冷えていく。
歯が震える。力が抜ける、入れようとしても穴の開いた風船のように膨らまない。
駄目だ。また意識が……ここで、俺は死ぬのか。
いいかどうせ、一人で暴れて、独りで死んで……きっと、お似合いだ。
ただ……腹が減っていた。喧嘩の前に飯ぐらい食べればよかった。
「……おい、大丈夫か」
「──」
誰かの声が聞こえる。
雨が体を打つ感覚が、途切れたのを感じた。
◇
俺は喧嘩は嫌いだ。いい事がない。お互いが傷つけあって、何も生み出さない。
……ってのは表向きな理由だ。実際はどうでもいい。なにも意味は無いけど楽しい、みたいなことがこの世には多いってのはよくわかっている。
単に見てて怖い、それが主な理由だ。あと血も苦手。
「……すいません」
俺の横で深々と頭を下げる彼を見て、ふと過去を思い出していた。
トールに出会ったのは、放課後。まだサッカー部のメンツを探している途中だった時の話だ。
顔面が血と涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた集団が横を走り去っていくのを見た。
何事かと好奇心から逃げてきた方向に歩いて行ったら倒れていた。
思わず傘を貸し救急車を呼ぼうとする俺を、トールは何もしゃべらずに足首を掴むことで止めたのをよく覚えている。
……かなり重症に見えたのに、たまたま学校に持ってきたのに食べなかった弁当をあげたらすぐに元気になってたのは笑ったなぁ。
腹が減っていたから助かった、とか言われてさ。
ギャグマンガの人間かよって。
「PK戦、ルールは簡単だ。3本勝負、キックする奴は固定だ!」
「負けた方は文句言わずに出て行ってもらうってのを忘れてるぜ」
俺もそうなりたかったなぁ……。
いやさ、何勝手に決めてくれてんの。俺がトールのパンチの痛みに耐えてるうちに何があったの?
無理だぞPKなんて。
俺今両手火傷して左腕骨折(推定)してるんですがそれは。ヒビであってくれヒビであってくれ……と祈ってはいるがこっそりと押すと尋常じゃなく痛い。
まだ腕動かせるから麻痺は起きてないんだよな。
日常生活これからどうしよう。あ、これから死ぬから問題ないのかいっけねぇ。
問題あるわ。でも仮に口挟みでもしたら…
『いや、待て……』
『なんだと3本で足りるのかだって!?(言ってない) いいだろう、ならば5本勝負だ!』
『部長さっすがー!』
今グラさん達に口挟んだら何となくだがこうなりそうな気配がする。
よくわからないが確実にこうなる。
三回耐えれば生き残れることを柱に頑張ろう。
「……トール、手の手当てはしておいた方がいい」
「……あぁ」
どうにかして、火傷した右腕で耐え抜かなきゃなんない……。
痛覚が少し戻って来たから多分火傷は軽度だ。脳内麻薬かなんかでガードしてくれてたのかな、ありがとう俺の脳みそ。
よほど握りしめたのだろう、拳から血が垂れていたトールに注意し、その場を離れた。
「(いきなり土砂降りが来たりしないかな……)」
そして、ゴール前に立つ。
目の前にはボールを手にこちらを見て笑っている高天原の……どっかでみたことあるなこいつ。何だっけな、雑誌か?
「──いくらお遊びの習合でも、流石に部長は俺の事をご存じだったらしいな。俺は高天原中学2年、
「……高天原の、FWだったな」
思い出しちまったよ。こいつ昨年の高天原中学でいきなりエースストライカーになった奴じゃねぇか!?
何でそんな奴が二軍連中に混ざってるんだよ! いろよ一軍と! 勝てるわけねぇだろこんな奴!! お前確か必殺シュート持ってたよな!?
死じゃん!! 死、あるのみじゃん!
「その通り、お前は運が悪い。絶対に勝ち目のない戦いに挑まされるんだからな……」
そう言うと、真経津は少しだけ首を傾け、奥にあるもう一つのゴールの方を顎で指した。
当然、そちらには俺達とは逆の立場……攻撃側の習合FWのメアと、防衛側の高天原学園のGKがいる。
幸いなことに、あっちのは正GKではないけど……、
「今日はサブゴールキーパーがいる。そちらのへなちょこFWじゃあいくら撃っても無駄だ……何せ、俺の弟だからな。
経験さえ重ねれば今年中に正ゴールキーパーにだってなれる器だ」
兄弟でサッカーとか仲いいかよお前ら。少しうらやましいわ。
交代要員と言うと弱そうに聞こえるが、要は二番手、チームの中で二番目に強いキーパー。
超次元のシュートを受けまくって鍛え上げているだろうあの体は、俺とは比べ物にならないものの圧を感じる。必殺技が未完成とか言い張っているメアをしても、突破は出来ないだろう。
「よかったのか? 一応チームにはまだアイツよりかはマシそうなFWがいたが……」
確かに、ジミーのシュートは強力だ。もう一人のFW、背番号十番のワタリ(カラスが好きらしいのでワタリガラスからとった)の方もメアよりはキック力は上だろう。
けれど、この二人はまだ必殺シュートの糸口もつかめていない。そもそも直ぐに練習を止められたせいもあるが。
ちなみにワタリはドリブル技の開発を考えていたそうだ。
未完成とは言え、まだ必殺技の体をなしているメアが一番可能性があったのだ。メアに頼めば、他二人も納得した。
唯一、メアだけは不安になっていたが……俺はもっと不安なんだ。お前は特に生命の危機ないだろ、いけるいけると背中を叩いて励ました。めっちゃ痛かった。
……まぁ、この辺は言う意味もないだろう。
というかいつまで話をする気だコイツ、先行だぞお前。まさかこいつも俺と同じく超次元に巻き込まれた者で時間切れを狙っている……訳がないな。
ちゃんと必殺技を決めている写真だって撮られていたぞ。知ってんだからな。
「……蹴らないのか?」
「──っ蹴るさ! バカにしやがって……お前なんざただのシュートで終わりだ!」
あ、やっぱ蹴るんですかごめんなさい許してください。
やめて、そんなに足を振りかぶらないで……多分すっごい軽く撃っても決まると思うんですよはい。
「──くらえっ!」
助けて。
◇
「エンゼル・ブライト──
無謀だった。
相手はフットボールフロンティアの常連校。この地区で一番サッカーが強い学校だった。
力の差なんて、リーダーが一番わかっているはずなのに、何故彼は僕をストライカーにしたのだろうか。
「──八咫鏡」
わからなかった疑問は、易々と止められた僕のシュートを見てますますわからなくなった。
その手に出現したのは全てを吸い込み跳ね返す、強大にして巨大な鏡。
光を放っていたシュートは、幾分とずれることもなく僕の足元に帰って来ていた。
「くっ……これでも駄目か」
「……これで
一度目は、技も何も使われずに止められてしまった。
リーダーに放った時よりも改良を加えていた。溜めるコツが分かって、同じ時間でより多くの力を溜め込める様になっていたのに。
二本目は更に改良を加え、ボール自体の威力を保ったままゴールにたどり着くようになっていた。
それでも、駄目。真経津弟の必殺技の前に、少しも通用しなかった。
「……ふふふ、これで2本目」
どうすればいい。どうすれば威力をこれ以上高めることが出来る。どうすればあの鏡を打ち破ることが出来る。やはり、やはり僕じゃ才ある人には立ち向かえないのか?
駄目だ、分からない、辿り着けない。
わからない、わからない……駄目だよリーダー。やっぱり僕みたいなやつじゃ……。
下を向いて諦めようとしていた時、
──光の流れを感じた。
フィールド全体の全ての光が流れていき、僕たちにはただ陰のみが残る。
これは、なんだ? こんなことがあっていいのか。
恐怖心から後ろを向けば、
力をその手に集め、煌びやかでありながらも神々しさを併せ持つ、光の弓矢を作り出していた真経津兄がいた。
「なっ!?」
高天原のエースストライカー、敵キーパーから聞かされていたその意味が分かった。
同時に理解した、あれは危険なんて言葉で収まるものじゃない。
「へぇ、あれを出すんだ兄さん(……二本もシュート止められたからって、やり過ぎじゃないかな)」
真経津弟はそれを見て、意外だと呟く。
それを知ってか知らずか、真経津兄は弦に掛けていた指を動かし
「──
──光の矢を解き放った。
いや、その光の軌跡が残留し見えただけ。僅かな時間で僕はシュートを見失う。
けれどそれが向かう先は、その対象は、二度の強力なシュートを受け、既に体をふら付かせているリーダー。
両腕は垂れ下がり、構えすら取れていない。どう見ても、万全ではない。
「──っ、リーダー!!」
最悪を、想像した。
◇
俺もしかして何か悪いことしたのかな。
迫りくる光の矢とは対照的に、思考はゆっくりと動いていた。
右腕は動かない。左腕も同様だ。
一本目のノーマルシュートで右腕が限界に達していた。
二本目、更に強くなったシュートを止めるために無理やり左腕を動かしたツケが来ている。これ左は完全に折れたね。疑惑が確信に変わったよ。
もはや腕はピクリとも動かない。
最初にジミーのシュートを止めた時の様に腹で防ぐか。無理だな、抑えきれずに吹き飛ばされそうだ。
じゃあ蹴り返す、直ぐ足首折れそう。サッカーじゃねぇんだから……サッカーだったわ。
なんでボールが光の矢になってるんだろう。マジでどういう仕組みなんだよ。多分世界ビックリ人間とかに出られるよ君。
というかいい加減コース狙うとかしてくれませんか。ムキになって正面突破狙わないでほしい。真経津兄の目からしたら構えを解いた=効かねぇよ、みたいな風に映ってるのかな。
眼科に行った方がいいと思う。効いてんだよ、体力からっぽ、瀕死なんだよ。
いっそ、避けちゃ駄目かな。駄目だな、キーパーがボールから逃げるなんて言語道断。永遠のお笑い種だ。
──じゃあ、力を抜くってのはどうだろう?
最初は強くぶつかって後は抑えキレナイーとか言って後ろに吹っ飛べば、まぁバレないんじゃないかな。
大丈夫、こんな凄い必殺技が相手なんだぜ。きっとみんな「しょうがない」って許してくれるさ、しょうがないしょうがない。
高天原だって多分「よく頑張ったが、この必殺技が相手では仕方がなかったな下郎」とか言うさ。
あぁいいね、そうしよう。力抜いちまおう。めっちゃ痛いだろうけど、嗤われるよりはマシだ。
──ふと、部員たちに目が逸れた。
焦り、絶望、そんな感情が混ざった目で俺を見ている。
誰も、目を瞑ったりなんてしていない。あぁ違う、グラさんだけサングラスかけてっからわかんないし、メアは向こう側のゴールの方にいるから小さすぎる。
……でも、きっと見てくれているんだろうな。
他のみんなの目に宿った、ほんの少しの「期待」の感情が、俺にそう思わせた。みんな、俺に抱いてるイメージに期待しすぎなんだよ……ただの格好つけたがりなのに。
例え違っても、なんてたらればは出てこなかった。
「
一番遠くに居たはずのメアの声が、なぜかはっきり聞こえた。
そっか俺は……リーダー、部長だもんな。
……、
…………、
……………格好、悪いよな。
もう少しだけ、頭使うか。
◇
──着弾すると同時に、光が弾ける。
陰に落とされていたフィールドを今度は光が支配し
その事象を知覚した瞬間、習合サッカー部はみな結果を悟った。
少しの期待は崩れ……視線は下がろうとし、
「……なん、だと?」
それを制したのは、真経津兄の驚愕に彩られた声であった。
慌てて視線を戻し、光が晴れたその先に僕は見た。
ゴール内でネットを揺らしていたのは……寄りかかっていたリーダーだった。
その姿はまるで、仕事は終えたと言わんばかりに見えたのは気のせいだろうか。
いや、きっときのせいなんかじゃないだって、
ボールは、
決して、割っていない。
「ありえない……」
真経津弟は震えていた。
自慢の兄の技を受け切ってなお、彼はゴールを守り切ったのだ。
「リーダー!」
ありえない、どうやった。何故あんな離れた場所に……まさか、この土壇場で必殺技でも使ったというのか?
「……
その一連の流れを見てただ一人確認できていた男、真経津兄は、信じがたいものを見たと言った口調で語る。
「やつは、頭突きでボールを支えたかと思ったら……! 最後、突き上げる様にして軌道を逸らし、上のポストに当てたのだ……!」
「そんな馬鹿な……!?」
自分たちのエースの混乱が混じった声に、高天原の一同がざわつく。
理屈は分かる。ボールはゴールにさえ入らなければ点にはならない。止めなくてはならないという理屈はない。
けれど分からない。
必殺技にただの頭突きで立ち向かうその意味が、分からなかった。
……でも、そうまでして彼は勝ちを諦めなかったことは理解できて、
「──……これで0-0、だね」
どこか、吹っ切れた自分がいることに気が付いた。
丁寧に返してくれたボールに、足をかける。
ここから僕の番だと、声をフィールドに響かせた。
「っ、なめるな! 君のシュートなんてなんてことはない、ん……だ?」
「光よ」
光を集める。
天から、地から?
「──
世界を照らす光を借りていては意味がない。
自分で生み出すんだ。僕だけの強い輝きを集めて集めて集めて、誰にだってマネできない僕の光を今ここに!
「救いを求める人々へ」
信じろ、僕はきっとやれるって。
諦めるな、歩き続けていれば、走り続けていればいつか辿り着き、越えられる!
光で二枚の翼を作り出し、高く飛ぶ。頬を切る風が心地いい。
「エンゼル」
蹴った衝撃で光が漏れるというのなら、溜め切って爆発しそうなボールに対し僕の光を更に、着火剤代わりに流し込めばいい!!
ゴールを見下ろし、足を高く上げた。
──これがきっと僕が求めていた一撃だ。
「ブラスタァー──!!」
「ひっ……や、八咫かが──!!」
鏡が現れるとほぼ同時に割れた、違う。
僕が割ったんだ。
光弾となったシュートはゴールネットを突き破った。
頭を使う(物理)
なお単に弾いたらうまくいっただけな模様(台無し
一応知っている方はいると思うのですが、高天原中学はFFトーナメントで名前だけあった? と思わしきところです。確認した手段が画像だったのでもしかしたら違うかもなんですが。
なので選手とか全部ねつ造です。同じ名前の奴とかゲームにいても関係ないですすいません……。
-オリ技紹介
・八咫鏡
かの天照を映したとされる鏡を顕現させどんなシュートも跳ね返すパンチング技。
・光陰如箭
光陰矢の如し的な技名。フィールド内の光を全て集めて射るシュート技。直線的過ぎたが故か軌道ずらしなどに弱かったが、威力は十分に超次元級。速度だけならかなりのもの。
流石に無限の壁とかは破れないけど。
・エンゼル・ブラスター
エンゼル・ブライトなんてシュート技はいなかったんや!
という事でついに完成したメアの必殺シュート技。
自分を天使に見立て、天高くから蹴り落とす一撃である。
~選手紹介~
・グラさん DF 2番
目がコンプレックスだそうでいつもグラサンをしている。だからグラさん。
暴走しがちな部員を抑えてくれる役割を持つ。なお部長は無茶しているとは思っているけど「ボスなら何とかなるだろう」という信頼がある。
※修正点
・真経津兄の名前を灯夜→光矢に変更。それに伴い、台詞もやや変更。前話の方はトール怒らすためにわざと口汚くしてるので無変更。
・メア覚醒シーンちょこっとだけ修正