かき集めた部員が超次元な奴ばかりだった件について 作:低次元領域
・元ブラック鎮守府提督と潔白すぎる職場
贖罪を求めワーカーワリックになった提督を救うお話。え、家に帰っていいんですか? 26時間執務室か現場にいますよ?
・光の巨人ですがこのたび、右腕がフォークになりまして
死にかけて地球に不時着したら改造されまくり、実験されまくりの日々になったウルトラマンの話。グドンおびき寄せるんですか。
……えっ、囮として俺の腕をツインテールに?
・大逆転ざまぁ裁判
「もう遅い」「婚約破棄して幸せになりました」彼らの発言に思い当たる節がない、やってしまったと頭を抱えた者に訪れるやりなおしの機会。
怪しい発言する者にゆさぶりをかけたりハッタリをしたりなどして(都合のいい)真実へ向かえ
・奴隷を買ったが返品したいと思う
奴隷に夢見るご主人と返品を受け付けたくない商人、交渉を仕掛ける奴隷。三者の戦いは続く。
たいてい返品できない。
・俺は四天王の中で最もルーキー
才能芳しく夢を目指した男。チャンピオンにはなれなかったけど、数年後に旅立つ10歳の少年少女に絡み指針を示す四天王のお兄さんにはなれました。
そんな君にはこのバルキーの卵を上げよう。あとガントル進化させていたから交換してくれ。
やや腐りつつあった男がマフラーたなびかせもう一度頂点を取りに行く話。
・鼻毛の悪魔
ところてんが喋っている
・フーリー・ポッターと安酒5Lボトル
これは知らん。多分昨日あたりにやけくそ書いた
鳥は動き雲は流れ出す。グラウンドの方からは歓声が聞こえる。
かくして時間停止は解かれた。
破損し転がるボールが割れ、ネジやら導線やらが火花を散らしている。素人目であるが……もう使い物にはならなそうだ。ついでとばかりに破壊された通信機も散らばる。
「……」
──クハハハ! いい顔しとるのぅ、帰還手段はそれだけか? 仲間に伝えられず、人知れず過去で老いていくのだ!
それを死んだ魚のような目で見つめるベータちゃんからしてもそう思う。弁償とかはできない、すまん。
トロアがいるとは言え時間停止中に色々と考え事出来たのってなんでなんだろうか。
──今お前の左目はトロアのものに近しい。その影響だろう。一応我も抵抗した
──あとフェルのせいかも、むずがゆくてパーンって弾いたから
悪魔との契約は便利だなぁ。おりべ。
マインドコントロールもコルシアがどうにかしてくれるし、策はエマが封じてくれたし。おかげでベータちゃんの企みはほぼほぼ壊滅したと言って間違いないだろう。
「さて、俺が質問する番だ」
……時間が動きだした今、有限となった時間をかみしめるべく一歩踏み出す。
少しばかりベータがたじろいだが流石は時間旅行者、肝が据わっているようですぐに気を取り直す。
水色の髪が揺れて覚悟の決まった目になった。
「まず、お前の
【吐いた方が楽だぞ小娘】
トロアがまた足元より這い出る。
今度は人間大の大きさではあったがやはり間近で見ると動物のそれとは違う質感。神秘的なのに何処か気味の悪い鱗のきめ細やかさなどがよく見える。フェルタンが黒一色、コルシアは滅茶苦茶凶暴そうではあるが現実的な狼なのを考えると随分と悪魔間でも違いは出るものだ。
──さりげなく貶していないか貴様。力を取り戻せばもっと凶悪な見た目にだってなれるのだからな?
気のせい気のせい。愛くるしい見た目だよコルシアは。
だからハウス。腕から滲みだし闇の力を震わせて抗議しないでくれ。急に腕がプルプル震え出したらアル中かなにかだと思われるだろう。まだ未成年です。
「……それを言って、私の命が助かるかもしれない以外に何のメリットが?」
内側のやり取りに気づかないベータちゃんは……違うな、腕が震え出したせいで「答えなくばこの手で貴様を」みたいなイメージにとられたようだ。
眉を一段と吊り上げこちらをにらみつける。すごい、命がかかっているのにこの胆力とは。さっきのトロアの脅しも予想できていればかわせたかもしれないな。
メリット、メリット……と言っても相手のことが何もわからんからな。顔を見ても未来人故か全然読み取れん。
賢い人の顔見ても考えや答えが理解できないような物だろうか。だがどうしてだろうか。
「……こちらの邪魔立てをしないものであれば、もう一つの目的にある程度協力しよう。帰す方法についてもな、トロアがやり過ぎたようだからな」
「っ、心を読んだのですか……?」
「そんなたいそうなものではない」
尋ねれば、隠し事は出来ないのかと歯噛みした。どうやら当たっていたようだ。
「二兎を追うもの一兎も得ず」、俺に対しての目的意識ともう一つなにかがある。感じ取れた。だから提案した。
──おい契約者? 妾は反対だぞ。未来の者が時間を書き変えるなど虫唾が走る
トロアはステイ。そもそも未来人をこの時間に取り残したらそれこそ未来変わるでしょ。彼女に家族とか知り合いが居たら絶対悲しむだろうし。
コルシア、時間を跳ぶ悪魔とか知らない?
──時間の跳躍は……生憎レガースぐらいしか思い当たらんな。しかも奴のはペテンであるし。
我の知人であるハマルファス、死んだラムーは空間の転移を力として持つ。可能性としてはあり得るだろうか
──レガース……あぁ、逃げた奴を呼び戻させて「彼の時だけ戻しました」とか、わざとその時よりも昔の言葉を使ってらしく演出してたあのワニもどきか
悪魔にもワニとかいるんだな……少し前にヤンスヤンス言ってた鯨もいたし当たり前か。
じゃあとりあえずハマルファスさん探してみようかな。どんな見た目か分かるか。
──マチマチだな見た目は。鶴だったりフラミンゴだったり……やたらでかいからわかりやすいが。前会ったのはエマに捕まる前、数十年以上前だから場所は知らん
──鳥の悪魔の子たちはおいしそうだよねー。デラビっち、ダンダリー、ドレアルにラムー……あ、ダンダリーは食べちゃったんだっけ
さりげなく同族食いが起きていたが聞こえないものとした。人間だって争うのだ、食物連鎖ぐらい可愛いものだろう。
鳥の姿をした悪魔のうち既に死んだのはダンダリーとラムーか。伸ばし棒が死亡フラグか何かなのだろう。
──ちなみにだが長久よ。デラビアは五芒星の模様が付いたツバメ、ドレアルは孔雀。ダンダリーは八咫烏、ラムーは小柄な烏だった。後はラットスか。やたら脚の長いフクロウの
サンコル。ツバメとクジャクは可愛いかもしれないなぁ。フクロウは少しキモそうだ。……八咫烏?
そういやうちのチームのマークは八咫烏だったな。何かご利益あるかもしれないしあったら感謝でもしておこう。
……なんだか、ダンダリーという言葉がよく頭に残った。
コルシアがよくしゃべり、トロアは俺をにらみつけフェルタンはウネウネしている。
はたから見れば異様な状態で考えていると、
「……分かりました、降参します」
ベータちゃんが何を思ったのか肩の力を抜いてそう答えた。腕を組み最初にあった頃の余裕を取り戻したようにも見える。
ようやく事件の全容が分かるかもしれない。
半ば安心した。
何故未来人に狙われたのか、知れば役に立つだろうとも思えたからだ。
◇
「未来では進化し超能力じみた力を持った『
止めるために未来意思決定機関『エルドラド』所属であるベータがこちらへ出向いた。
SSCは驚異的なサッカーの流行が原因と考えられるからこそ、その契機となる今年のフットボールフロンティアに手を加えることが必要と判断した……と?」
「ご理解が早いですね。流石はデビルキーパー」
……SSC遺伝子? セカンドステージチルドレンにフェーダ?
すまねぇ日本語で話してくれ。ちんぷんかんぷんだ。正直君が話してくれた情報羅列しただけだぞ。
サッカーが原因で人類滅びかかってるの??
「……それで、俺に何度も関わってきたのは?」
でもその理由なら俺にサッカー止めさせたりする必要ないよね。フットボールフロンティアぶっ潰したいのにいち出場校の部長を止める意味とは。
「SSCの多くは優秀なサッカー選手の遺伝子が関わっているとされています。その道筋を辿る上で、エルドラドは織部長久を「発展途上だがSSCの素質を開花させている」と判断。可能な限りサッカーから遠ざける。もしくは管理、排除せよというのが
「? 俺がSSC……だと。身に覚えがないな」
未来の組織に危険人物認定食らってるんだが泣いていいかコルシア。いやいや、SSCってサイコキネシスしたりテレパシーしたり人の何倍の身体能力もある化け物集団なんでしょ?
みんなの練習に喰らい付くのが精いっぱいの俺がなんでやのん。どっちかというとみんなの方が認定出てもおかしくないと思うよ。
ほらごらん、私はこの様に単なる人間でございまして。
しかしそう言うとベータは「は? 何言ってんだコイツ」という顔をした。
「でも普通の人は悪魔と契約したり人の心読んだりしませんが」
──残念だったな長久。10割お前の負けだ。
哀しい。何も言えねぇ。
で、でも心を読んでるわけじゃないんだよ。単に皆の顔見て何となく考えてるだけで……事実SSCの話とかなんてベータちゃんから聞くまで知らんかったし。
でもそうか、それ知らずに伝聞の形で残ってたら疑われてもしゃーないのか……。
「あとフェーダに貴方そっくりの人が居ますし」
……ちなみにSSCの特徴とかって他にあります?
「寿命が極端に短く二十歳程度で死にます」
つら。
そう言えば前フェルタン辺りが寿命伸ばすとか言ってた気がする。原因これかもしかして??
ちょ、ちょっとそのフェーダにいるそっくりさんの写真とかあります? そう聞けばフェーダの何人かが集まっているのを隠し撮りした写真を見せられる。
……うわ、そっくりっていうかほぼ本人じゃん。せいぜいトロアと契約してないからか目が普通の色してるぐらいだ。
なにしてんだ遺伝子を継ぐ者よ。おじいちゃんおこりますよ。
──あくまで遺伝子を継いでいるだけで、子孫とは確定してないからな?
ハウスコルシア。
「……それで、もう一つは?」
「はい、こちらがメインミッションですが……単純にフットボールフロンティア開催を中止させてもいいのです。しかし「サッカーの人気を落とす」ことを目的とした時、よりひどい理由で二度とフットボールフロンティアを起こさせない。その為に世宇子中を強くすることとしました」
さりげなく中止とか言わないでくれ。サッカーに対して普通の好感度の俺はともかく、他の命かけている連中からしたら憤怒するぞそんなもの。
しかしそうか、世宇子中を強くし俺達の邪魔をするということは……決勝ブロックで雷門とぶつかりたいのか? 人気を落とすのが目的なら序盤より締めでやらかした方がでかいだろうし。
「ええご名答! 習合を操れるならそちらでもよかったのですが、貴方もいましたから」
──あの機械の精神操作。雷門のようなサッカー馬鹿どもには効かないだろうな
彼女は語る。
この時、どうしてか俺の方から目線を外しグラウンドの方へと歩いていく。屋上のてすりに体重を預けと話す様はさながら美少女だ。
「影山さんを帝国学園から早期に離れるよう唆し、狩火庵中に曰く付きの海図を渡し、世宇子中には未来の技術をふんだんに使い……」
「そこまでして、決勝でどうする気だ?」
「──潰すんですよ。選手の一人一人を、観客を、テレビの前にいる人たちの心を」
だが決して美しいという言葉を付けていい程の所業で収まる彼女ではなかった。
「圧倒的力で、残虐なプレイで、執拗に悪烈に。誰が止めようとしても止まらずに。試合を見たものがボールを見ただけで身を震わす程に。なんてものを見に来てしまったんだと、何故こんな物に熱くなっていたんだと。そうすれば世界のサッカーに対する熱は冷え切ります。
これがエルドラドの決定なんです」
残念ながら。と彼女は最後に付け加えた。その声色に嘘はなかった。だからこそ未来の荒み具合が脳裏に浮かぶ。
しかしさせるわけにはいかない。とはいえ確かにSSCの暴走は止めなくてはならない。俺は何と言うべきだろうか。
突如として目の前に現れた未来救済の問題は重い。思わず憂鬱になる程。
皆の試合を見て少し考えよう。そう思い俺も彼女の方へ向かう。
「……でも、あれは止めた方がいいかもしれませんね」
向かった。手すりに身を乗り出して、見下ろした。
変だ、絶えず聞こえていた歓声がやんでいた。観客が半数……それ以上に減っている。
「なんだ……アイツは!?」
雷門の皆が倒れていた。
習合の皆も体をふら付かせていた。
異常事態。
グラウンドの中央に一人、黒い翼を持ったものが居た。メアか?
違う。メアの翼よりもより鳥の羽に近い。だが大きい。
三対の翼は彼自身を優に包み込むほどに一つ一つが大きく、放つ黒い光は見るものを絶望へと染め上げるだろう荘厳さを持っていた。
「──真・ゴッドノウズ」
極光は収束、球体となりボールを締め付ける。電撃に近い力の奔流。
離れた位置の俺にも伝わる。
ただ足を添える様に蹴り出され、二号の元へと向かって行く。
二号は逃げない。破れたマスクを脱ぎ捨てて、一瞬たりともボールから目を離すものかと身構えている。
見ればゴール付近には倒れ伏した一号がいた。大事な兄弟に対して動かない体を震わし、少しでも近寄ろうとしていた。
「っ! コルシア、トロア、フェルタン!! なんでもいいから飛べそうなの頼む!!」
だから、俺は屋上から飛び降りた。
次回、メアちゃんくんの元ネタが暴れます
~オリキャラ一覧~
・織部 長久 GK 1番
彼の両親はとある神社に良く寄っていたらしいっすよ。
そんでそこに祀られているモノに対して子供が出来ますようにとか末永く健康になりますようにとか色々お願いしていたそうです。
なおこの神社は長久君が夏祭りで迷ったところであり、アルゴの実家でもあります。
SSC遺伝子があるのかどうか寿命との関連は不明。本人試合中にいなくなっちゃったからね、仕方がないね。
・悪魔たち
レガース ワニ。詐欺罪により刑務所にぶちこむ楽しみにしている。裁判も起こされます。
ハマルファス コルシアとは知人ではあるが契約の裏をかくことが多いので好いてはいない。巨鳥として動物園にてぐうたらしているのは内緒。
ダンダリー フェルタンに食われた後残りカスはその辺に捨てられた。泣いていい。
デラビア フェルタンの部下。五芒星ツバメ
ドレアル 変態
ラムー 何でもないようなことで致命傷を負った後体を引きずり何処かに消えた。
ラットス ハリーポッターブーム時は餌に困らなかったらしい
不和を招くことを得意とする