かき集めた部員が超次元な奴ばかりだった件について 作:低次元領域
イナイレの新作まで生き延びます
突然だが、合宿といえばカレー、という認識はあるだろうか。
俺はといえばない。テレビや漫画やらで見るが実際に合宿した経験も無いし、
むしろなんでカレーが多いんだ? と疑問に思う時だってあった。
それは全て、目の前の惨状が物語っている。
「──ジャガイモの"眼"ってどこにあるのかな。いくら切っても見えないけれど
最初はあんなに凸凹だったのに、今じゃこんなにきれいな形になれた……その行程に意味を見出して……」
「なぁメア。細かくしすぎだろそれ……」
「んーそうかな……トールは逆に大きすぎないかなそれ?」
「あの、食べやすいようにじゃがいもは6等分でですね二人とも……」
みじん切りとぶつ切り(皮付き)のジャガイモと作り出すはメアとトール。
その二人をたしなめつつ、ワタリがこちらにsos信号を目線で送って来ている。受信したくないなぁ。
「バング分隊長! 玉ねぎの皮全部剝きました……結果は無です!」
「フハハハバング! オレは既に全て切りおわったぞ! やりすぎて散らばり飛んでったがな!」
「これ自分の責任ッスよね、タハハ……」
とことん最後まで実行し虚無へ猪突猛進に、あるいは包丁さばきで超局地的サイクロンへとたどり着いた探索者たち。
その二人の暴走に気が付けず全てが終わっていた様を見て涙を零すバング。
玉ねぎが染みた手で目を擦ったのかな? ……うん頑張れ。
「…………」
「ぃよしっ完成……ん、んん? あれ、おかしくねーか」
「うへへ~♪ おいしー」
ニンジン班のグラサン、カガ、いつの間にか帰ってきていたアルゴの三人は手際よく料理を完成させていた。
……ニンジンの酢の物を。途中から過ちに気が付いたらしいカガが青ざめているし、誘導した犯人らしい甘酒飲みはつまんでいる。
「カレー、存外難しいのか?」
「いやそんな訳ないだろうが織部! この惨状はなんだ?」
「お腹すいた……」
マネージャー達に米の準備の指示をして戻ってきた俺は、そんな地獄と、床にはいつくばりながらもプライドを無くさない一号達に出迎えられた。
二人とも宿泊しないはずだったが……どうやらアルゴが戻ってくるついでに引きずってこられたようだ。二号などは腹の音を大いに鳴らしているし、放っておくわけにもいかない。
肉調達係のエマに、食べ盛り二人追加と連絡を送っておこう。あとニンジンも……。
──……いやぁ、酷くないかのうこれ
──カレーまだ~?
トロアすら真面目に困惑している。俺だってだよ。
一応、各班に包丁使ったことある人を配備。安全面の為セラミックの持ちやすい奴を持ってきたりと気にしていたはいたが、これはひどい。
──合宿という行事中に気の高ぶった学生たちを集めたらこうにもなるであろう。
気が抜けているんじゃないか長久さっきから
お黙りコルシア。責任が俺にあるのはわかっているから……。
「キャプテン、ええとどうしましょうか」
「部長~! すみませんでしたッス……」
「なあボス、オレ達なに作ってたんだっけか」
「……指示を出す」
とりあえずジャガイモはトールが切った半分サイズのはワタリに三等分にしてもらう。
メアのサイの目切り状のはあくだけ抜いておき最後に入れればいいか。
虚無と竜巻になった玉ねぎは、虚無までの過程で剥かれた玉ねぎはまだ使えるのでカット。
竜巻は自然にお帰りしてもらった。明日は玉ねぎの雨が降るかもしれない。
──あめ……玉ねぎ……あめ色……飴……
なにか引っかかったらしいフェルタンは放っておいて、最後はニンジン。
まずアルゴとグラサンを買い物が増えたエマの荷物持ちとして派遣。
エマごめん。
「皿は借り物だ。……投げたりするなよ?」
「わ、わかってるよ部長ーやだなーもー、アハハ……」
最後はとりあえず手が空いたトールたちに共に使ったものの片づけやら皿などの準備をさせた。
ウリボウがうずうずしていたので奴には行き倒れの一号達を運ぶ仕事を与えた。
「織部」
担がれ運ばれていく際に、一号はただそうつぶやき、
ジェットコースターの如き勢いで運ばれていったことはよく覚えている。
まあ耳はほとんど聞こえていないのだが。南無。
「あの、部長さん。本当に量はあってますよね?」
「問題ない」
途中、不安になってマネージャーさんが確認しに来たが、特に問題はなかった。
指示された米の量が多すぎないか心配してくれた辺りかなり料理はできるに違いない。
──お前が食べすぎなだけじゃないか?
コルシア。人は食わねば生きていけないんだ。
回復のためのエネルギーとしてな。
後はエマが追加のニンジンと玉ねぎ、肉を持ってきてくれればそれの処理をして寸胴鍋に。といったところまで来たのだが、エマ達がなかなか帰ってこない。
はて……と空の寸胴鍋を見ながら考え込んでいると、野菜の入った段ボールを抱えてグラサン達が帰ってきた。
しかしその近くにはエマは見当たらない。
「たらいま~。ねぇ部長、これすっごい重いんだけどこれ~」
「……? お疲れさまだが、エマはどうした」
「いやな、合流場所についたら野菜とメモ書きがあってな。
お肉はもうすぐ届くから、先に野菜だけでも持ってってくれーって書いてあってな?」
不平を漏らすアルゴにとりあえず段ボールを置くよう指示し、グラサンから事情を聞く。
……届く? 配送サービスでも使ったのだろうか。いやそれならエマも帰ってきていいはずだが……。
そう、不思議に思っていた時だった。
遥か遠くのかなたから調理室まで響く雄たけびを感じ取り、振り返る。その視線の先、窓の外のグランドの先に何かがいる。
グラウンドの端っこから、土煙を上げて迫って来るナニカがいる。
──長久、いやな予感がするぞ我は
──妾も
ギョッとして目を凝らし、凝らしたのを後悔する。
次いで聞こえた頭の中のコルシアたちにそれなと思いつつ、グラサンたちに背を向ける。
向かうは窓のほうへ、上靴だけどまあ時間ないししゃーないと窓を開ける。
「外に出てくる」
「えっ、いやボスあれ……牛、だよな? なんか羽生えてるけど」
「なんか豚っぽくもない?」
「出てくる……!」
お肉の種類の指定をしない俺が悪かったんだ!!
まさかあんな魔界生物みたいなのをお届けされなんて思ってもみなかったけど!!
──今の地獄ってあんな奴がいるのか……
──……おどり食い
だめだぞフェルタン。みんなが食べる分の肉もアイツから取らないといけないんだからな。
……だけど、できれば俺が突進止めたらすぐ喉元食らいついて動きを止める方向性でお願いします。
じゃないとうん、あんな化け物をまともに相手したら俺は死ぬので。
『コケプギョォォォォオオ!!』
さあ地獄の豚……牛? 鳥? よくわからないが生物よ、飛び込んでくるがいい。
そう意気込み、ダークネスハンドの体勢を……
──で、どう止めるんじゃ。右腕どころか左腕も回復しきっとらんじゃろ
あっ。
そうだった。今のオレは右腕が死んでいて、左腕も疲労していて……。
えっ、そうじゃん俺何してんだ。力を入れようとした腕が、鉛のように重いまま、ようやく負傷し過ごしていたのを思い出す。
『ゴゲプギョォォゥォオオ!!』
しかし悲しいかな。目の前の牛豚鳥はこちらの事情など知ったことではない。
憤り猛った力を奮うべく、突進する準備を進めている。後ろ足で何度もグランドを蹴り、狙いを定めている。
……えーとコルシア。悪魔らしいライフハックとして、あいつをどうにかできないだろうか?
──長久、土下座というものは知っているか?
生きることとプライドの両方は諦めたくはないのでどうにかそれ以外で頼む。
というかこんな化け物相手でも土下座って効くんだ?
──いや無理だが
お前ここ生き延びたら覚えておけよ。
サクリファイスすんぞ無理やり。
──威嚇でもしてみたら案外動き止まるんじゃないか?
少し脅してようやく建設的意見が降ってきた。威嚇いいね。
よしそれじゃあ中学一年織部 長久、地獄の生物を頑張って脅かしてみせま
『ゴゲゴゲプギョォォゥォオオ!!』
いや無理ですねこれ!!
なんかこう、なんかこう咄嗟にできてめっちゃ怖そうな奴!
怖いやつお願いします!!
助けてぇ!!
久々に更新したら新年近いと言うバグが発生しています。
解消には作者のアップデートが必要です。自動ダウングレードはするのにね。
~オリキャラ紹介~
・織部 長久 GK
監督責任の結果、闘牛?をすることになった人?
そろそろ価値観アップデートしたほうがいいともっぱら噂。
現在、右腕の感覚がなく鼓膜もあまり戻っていない模様。(隠すため両腕をコルシアの闇で覆っている)
・地獄肉覇獣 ミノブタトリス
星四 攻守2000/500 地属性
おすすめの部位はモモ