闘気魔法の使い手……魔法が全ての世界に武の達人が降り立つ。 作:ハッタリピエロ
王貴界に来て一週間が経った。
俺に用意された部屋は狭いが豪華ともいえる造りだった。
この一週間ミモザと特訓したりこの国の法律や文字、他国との状況や魔法騎士としての心構え、魔力の使い方などを学んだりしていた。あとグリモワールも授与された。俺の魔法は闘気魔法というらしい。まさにドラゴンボールだな。
今俺はミモザと魔力の特訓をしている。
ミモザの魔法は植物魔法というらしく補助向けの魔法だった。
例えば回復とか探索とかのサポートに適しているらしいのだが
「攻撃魔法を覚えたいのか?」
「はい!私回復とかは得意なのですが……それだけだと見ているだけになってしまいますし……それにカイさんの力になりたいですし……」
「ん?なんか言った?」
「いえっ!ななな何も!!」
「そっか……んじゃそろそろ再開しますか!」
「はいっ!」
俺はミモザとともにマナのコントロール、魔力回復率の底上げに魔法の精度をあげるに加えてマナスキンからの体術をミモザに教えていった。こうして魔法騎士団入団試験合格のために日々を修行に費やした。
今日はバルコニーで彼女を待っている。
「お待たせしました」
振り向くとそこには赤のドレスを纏ったミモザがいた。その気品も持ち合わせる華美やかさに思わず目を奪われてしまった。
そして俺の真正面に座ったので俺も座ると
「ほ、本日はお日柄もよ、よく」
その美しさに見惚れていたせいか舌を噛んでしまった。情けない……
「ふふっ、緊張してらっしゃるのですか?」
少し笑う彼女に見られると羞恥心がさらに増す……ううぅ……
そしてミモザが俺の席まできて体を触って文字通り手取り足取り教えてくれるので血流が波打つように早くなる。
「固くならずに…体の力を抜いてください…そう……」
耳元で囁かれる彼女の声がまるで天使の声に聞こえてきた。
そして無事に座った俺だったが未だに胸の鼓動が止まらない。
下手をするとズボンが恥ずかしいことになりそうだ。
「久しぶりですね。こうしてお互いのことを見つめ合うのは」
この子は天然なのだろうか時々こういった不意打ちをしてくる。
まあそういったところも含めて好きなのだが……この子は王族、付き合いたいのなら死ぬ気でもがいて地位を手に入らねば……
「変なこと考えてらっしゃいますね?」
見抜かれた……まったく頭が上がらないな、ミモザには
「王族だから私と付き合えないとか……思いませんよね?」
「すみません……でも……」
「でも!じゃありません!例え貴方が下民だろうと私は!貴方が!」
そこまで言ってミモザの顔が赤くなる。
情けないな……俺は。そしてお互いの顔を見るが恥ずかしくてお互い目を逸らしてしまう。わかってるんだよ……俺はミモザが好きなことぐらい……ミモザが俺を好きなことぐらい……でも……俺たちは結ばれていいのだろうか?そう思っていたら
「……貴方と結ばれないのなら……私はこんな王族の地位ぐらい捨ててみせます!」
「ちょっ!?ミモザあ!?」
なんかトンデモ発言をした彼女に対して俺はツッコむ。
「私は……貴方と一緒になりたいのです!今言わせてください!私は……カイさんが」
それを言う前に俺はミモザの口を塞ぐ。
「カイさん……?」
「それは違うよ……ミモザ」
「どういうことですか……?」
「俺は……確かにミモザと違う。だからといってミモザが地位を捨てるなどダメだよ。女の子にそんな決断をさせるなんて男としてやっちゃいけないことだ」
「……じゃあどうしろと?」
「待っててくれないかな……俺が……ミモザの隣に立つにふさわしい男になるまで……勿論ただの自己満足かもしれない……随分と勝手な我儘かもしれない……でも……俺はミモザにナニカを捨てて欲しくない」
「…………ふふっ、確かに我儘ですね」
「そこは否定してくれよ……」
「ええ、待ってます。貴方と隣に立つ日を」
「ああ」
本当にミモザには頭が上がらないな……
「じゃあさ?指切りげんまんしない?」
「指切りげんまん?もしかしてカイさんの故郷の……?」
「うん」
ミモザは俺が異世界人であることを知っている。俺が教えたからだ。彼女になら俺の全てを話せる。そう誰に対しても優しい彼女だから……
「「じゃあ指切りげんまんウソついたらハリセンボンのーばーす!指切った!」」
こうして指を切ると
「必ず……来てくださいね。待ってます」
「うん……」
こうして俺たちは誓いを立てた。