気づいてないだけで、ロボットは実は人間で、人間は作り物なのかもしれない。

1 / 1
レイ ワ

チャイムが鳴ったからドアを開けた。

 

「どうも、令和になったので来ました。ロボットです。」

「出直してこい。」

 

起

 

「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ」

「水飲ませたら故障した。やったぜ。」

「んなわけないじゃないですか。頼みごとがあるんですよ。」

「ねぇが多すぎるんだよ。『ねぇ』と『はい』は1回って幼稚園で習っただろうが。」

「ワタシロボットアル。ジョウシキシラナイネ。」

「急な片言止めろ。心配するだろ。」

「壊れたら直してくれるんですか?」

「これからどうやって生きていけばいいのか。」

「あんた今までどうやって家事もせずに生きてきたんですか。」

「結局頼みごとって何?」

「水飲んだら一部濡れて誤作動起こしたんで直してください。」

「壊れてんじゃねぇか。」

 

承零

 

「最近世の中物騒ですね。」

「ああ、物騒だな。」

「包丁持った人が出歩いたり、老人が車で突っ込んできたり。」

「挙句戯言ほざきながらロボットが家に来たり。」

「私を犯罪者扱いするのはやめてください。」

「でも善良な人間でもないだろ。」

「まず人間じゃありません。」

「今日の晩御飯オイルな。」

「お前のな。」

「もし死んだら火で燃やしてくれ。」

「さりげなく他人も巻き込むな。」

 

承壱

 

「そういえばなんでお前俺ん家に来たんだ?」

「お前は行ったことのない土地で飯を食うとき、どこで食うか調べて行くのか?」

「つまり適当なのかよ。」

「まぁいいじゃないですか。こうしてあなたは生きていけてるんだから。」

「彼女できたらどうすればいいんだよ。」

「まず彼女できるんですか?」

「なめんな俺を。」

「さすが年齢=彼女いない歴が言うと重みが違う。」

「段違いで軽いよな。」

「自分で言ったらダメでしょ。」

 

承弐

 

「気になる相手ができた。」

「ドンマイ。また次頑張れ。」

「振られた前提で話すんのやめろ。」

「お前にOK出す酔狂な女の方が知りたいわ。」

「多分女だけど人間じゃねぇからいけるはずだ。」

「お前は全生命体から嫌われていることを忘れるな。」

「命に嫌われてんじゃねぇかよ。」

「大人しくルンバで抜いとけ。」

「ロボットに告るつもりだけどルンバは無理。」

「ん?ロボット?」

「俺と付き合ってくれ。」

 

承參

 

「いやーまさかロボットの私がこれを着ることになるとは。」

「おめでとう、初音ミク以来だから二人目だ。」

「幸せにしてくださいよ?」

「毎日オイルまみれに生活送らせてやんよ。」

「明日はオリーブオイルだけで料理でしてあげる。」

「も◯みちやめろ。」

「でも子供はできないですよ?」

「お前と俺が幸せならいいんじゃね?」

「それもそうですね。」

「じゃ、行こうか。」

 

承肆

 

「ところであなた?」

「急にあなたとか気持ちわる。」

「じゃあ子豚。」

「女王になるな。」

「夜では下僕ですもんね。ではご主人。」

「冷静に考えると、嫁でもロボットと夜の営みってちょっと心虚しくなるよな。」

「お前に精子ちょうだい。」

「なんで?まさか俺搾り取られて死ぬの?」

「お前のクローン10億体作って世界征服する。」

「もっと恐ろしいこと考えてたわ。」

「というか結婚して10年近くたつのに童貞って恥ずかしくないんですか?早く風俗で捨ててきてください。」

「旦那に風俗勧める嫁とか初めて見た。」

「魔法使いになりたいんですか?」

「バルス!」

「それは魔法じゃなくて呪文じゃね?」

「知らね。」

 

承伍

 

「ご主人ひま。」

「その呼び方で定着したんだな。」

「占いとか都市伝説とか面白い話ない?」

「666、悪魔の数字!」

「それ聞き飽きた。」

「お前の何を占うんだよ。誕生日?」

「正確に言うなら製造日。」

「んー。じゃあノストラダムスの予言知ってる?」

「何その昭和臭そうなやつ。」

「なんでも昭和臭いって言ってたらいいと思うなよ。」

「そういえば令和ももうすぐ終わりますね。」

「知ってたのかよ。」

 

承陸

 

「ところで。」

「ん?」

「明日世界が終わるとしたらどうしますか?」

「唐突だな。」

「ええ、唐突です。」

 

転

 

「そうだな。」

「ほら、あと数十分で終わりますよ、世界。」

「せめて昨日言ってくれない?」

「早く、早く!」

「あっそうだ。」

「思いつきました?」

「うん。でもどうしよっかなー。」

「焦らさないでくださいよ。あと数分ですよ?」

「わかった。言うからその鉄の体で殴るのやめて。」

「ほとんど錆びてなくなったからシリコンで包んだの忘れたんですか?」

「そうだったな。もう年だし。」

「あんたまだ40代でしょ。というか早く言ってくださいよ。」

「お前とこうやって過ごせるなら何でも良いよ。世界なんて。」

「…ありがとうございます。その言葉が聞けて幸せでした。おやすみなさい。さよならです。」

 

最後に、ロボットの女は男に接吻をした。

 

結

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『擬似文明生活シミュレーション、時代0−1、通称コード「レイ

ワ」体験いただきありがとうございました。またのご利用をお待ちしております。』

 

?

 


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。