突然だが、自己満でロマン兵器について解説してみようと思う〜紅茶でも飲みながらフィッシュチップス感覚でお読みください〜   作:ELDIAN

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ファイルNo.9.幾多もの妨害で潰えた、日ノ本の翼 1 (挿絵有)

 中の人はメキシコにて、ピッケルを用いて粛清されました!

 理由はもちろんお分かりですね!?

 共産主義の世界への布教、そして、それに伴う世界革命を画策したからです!!!

 そしてその反動で共産主義は滅びました(は?)。

 

 —

 ——

 

 共産主義者は滅びた。押し寄せる民主化の波に耐えきれず、瓦解してしまったのだ。

 時代は原始共s……資本主義者である(カンボジア政府発表)。

 

 ——

 —

 

 リューゲル「祝!」

 

 中の人「社会主義崩壊!!!」

 

 パチパチ

 

 中「わーわー」

 

 リュ「まさに平和な世界!!! 私の母国も無事東西統合されて、とっても嬉しいです!!!」

 

 中「ん……あ。そうだな」

 

 リュ「あれ、嬉しくないんですか?」

 

 中「あー……いや、何。社会主義が崩壊したんだから、どうせだしもう一度第二次世界大戦時代に目を向けようと思って……」

 

 リュ「えっ……せっかく平和が訪れたこのご時世、平和を謳歌したりは……」

 

 中「ありません。それにもう次解説する兵器の絵も描いちゃったし……ね?

 てかお前兵器なんだし、ラブ&ピースな世界になったら暇だろ」

 

 リュ「あっそれもそうですね、はい!!! ……って、絵ですか? あなた絵なんか描けたんですね」

 

 中「ま、趣味でな。最近もよくあの世界(ツイッタランド)で描いてるし。今回はその一環で描いた」

 

 リュ「うーん驚き……って、ハッ!!! まさか私も描いてくれたり……」

 

 中「あ、多分描く」

 

 リュ「やったぁ!!! ……って、本題からずれちゃってますね。とりあえずその絵、見せてくれませんか?」

 

 中「ん、これだ。我に刮目せよ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 リュ「おぉ……チープな感じがしていいですね。ところでトリープフリューゲルは飛んで無いんですか?」

 

 中「黙れ!!! これはみんな大好き日本の戦闘機とB-29しか描いてないんだ!!! あと三日もかけて描いた絵を侮辱した貴様にはスターゲイジーパイ(パイに刺さった空を崇めるアジ)を食わせるぞ!!!」

 

 リュ「えっ……さっき描いてくれるって約束してくれたんじゃ……。あ、それとスターゲイジーパイ(パイに刺さった空を崇めるアジ)はいりません」

 

 中「仮にそうだとしても短時間で描けるわけないだろ! あと勘違いもいい加減にしやがれ!!! やっぱりスターゲイジーパイ(パイに刺さった空を崇めるアジ)食いたいか!!!」

 

 リュ「うぅ……(燃料ポロリ)」

 

 中「あっ、燃料漏れてる。SR-71*に進化した?」

 

 リュ「(進化)してません!!!」

 

 中「あっそう……(しょんぼり)」

 

 リュ「と、というかですよ! この如何にもオランダの香りがする*緑色の戦闘機は何なんですか!?」

 

 中「名前左下に書いてるだろ! 『Ki-94-1』だ!!!」

 

 リュ「あっこれ名前ですか……」

 

 中「もちろん。今回はこの『Ki-94-1』の解説として、まずはその開発経緯を辿っていこう(感情がログアウトしました)。

 ……ま、開発経緯なんて絵を見ただけでわかるとは思うが。リューゲル、わかるか?」

 

 リュ「いやいやわからないですよ……。背景に飛んでるのは……確か彼の国の開発した、『空の要塞(フライングフォートレス)』ですよね?」

 

 中「ああ。一般的には『B-29』の名前で知られる、日本を文字どおり更地にしたファッ*ントンデモ超重爆だな」

 

 リュ「そして、手前にいる『Ki-94-1』……見た感じでは、『Do335*』同様エンジンを串型に配置している……ということは、その大馬力で上昇力おばけ、かつ速度おばけと考察します」

 

 中「ま、そんなところだ。君の母国にも……似た機体、いるよな?」

 

 リュ「高速かつ、上昇力おばけ……『Me262*』ですか!!!」

 

 中「そそ。世界初の実用ジェット戦闘機、こいつはレシプロだから……まあ色々と違うといえば違うが。そいつは主に何を喰っていたかと言えば、答えられるだろ?」

 

 リュ「『B-17*』に『Halifax*』、それらに共通するのは、爆撃機……あっ、まさか!」

 

 中「気づいたか。この『Ki-94-1』は、遥か高高度を悠々と飛んで意気揚々と脱糞(爆撃)する『B-29』の迎撃専用に開発が企図された、高高度防空戦闘機だ。

 そういえば、ドイツもその方面では大変だったらしいな?」

 

 リュ「いや、私たちは実質物量に殺されたようなものですから……その結果私たち(トンデモVTOL)が生まれましたし」

 

 中「うーん、窮地は頭をおかしくするってことか。やっぱドイツ最高だな」

 

 リュ「そりゃ当たり前じゃ無いですか!!! ドイツは科学力(だけ)なら世界一ですよ!!!」

 

 中「うん知ってる。ついでに高性能故に量産性うんちで物量負けしたこともな。それは日本も同じだが」

 

 リュ「類は友を呼ぶ……ってやつなんですかね」

 

 中「実質そう。っと、話が脱線したな。

 この『Ki-94-1』が高高度防空戦闘機として開発された理由についてまずは話すとしよう。

 この『Ki-94-1』の開発元は立川飛行機。超長距離飛行機の『Ki-77(A-26)*』や『九五式一型練習機(赤とんぼ)*』を開発したことで有名な航空機会社だ」

 

 リュ「あれ、著名な戦闘機などは開発していないんですか?」

 

 中「ああ。一応『Ki-43()*』の3型を生産していたようではあるが、それ以外で目立った戦闘機は開発していない。

 それでも1943年、軍部からの指令により、立川飛行機は長谷川龍雄技師を中心として自社での戦闘機開発を開始したんだが……」

 

 リュ「何か問題があったんですか?」

 

 中「いや、よくよく考えてみろ。周りには『Ki-61(飛燕)*』を作った川崎航空機に、あの『零式艦上戦闘機*』を作り上げた中島飛行機がいるんだぞ? そんな中『ぼくはじめて戦闘機作ります!』なんて言ったところで……」

 

 リュ「確かに、信頼と安全の大手を差し置いてわざわざ新参企業に依頼する軍部なんてそうそういませんね……」

 

 中「そゆこと。だから立川飛行機は『戦闘機は無理ンゴ……せや! 今作ってる『Ki-24』と、以前試作した『ロ式B型試作高高度研究機*』のデータ使って高高度戦闘機作ったろ!!!』的ノリで、陸軍軍部の指令に従いこいつを作った」

 

 リュ「えぇ……戦闘機の自主開発すっ飛ばしてそれしちゃったんですか……」

 

 中「しちゃった。まあ立川飛行機の技術陣的には『戦闘機作りたいなあ作りたいなあ!』なんてムードだったらしいし、当時並行して開発されていた『Ki-83*』と『Ki-87*』に搭載されていなかった与圧室の技術なんかを『Ki-77(A-26)』やその爆撃機型である『Ki-74*』に搭載していて、結果として与圧室に関する経験を持っていたわけだから、陸軍的には『与圧室積んだ戦闘機作らせてみっぺ』とか考えてたんだろ」

 

 リュ「それなら納得……にしても、与圧室が無いってそれもどうなんですか?」

 

 中「技術大国は黙れ!!!」

 

 リュ「あっ……は、はい」

 

 中「ま、何はともあれ設計が始まった『Ki-94-1』だが、その性能は以下の通りだ」

 

 型式:低翼・単葉・引込脚・串型双発

 乗員: 1 名

 全長: 13.05 m

 全幅: 15.00 m

 全備重量: 8800~9400 kg

 動力: ハ-211ル 空冷複列星型18気筒エンジン×2

 離昇出力: 2200HP×2

 最高速度: 780 km/h /高度10000 m

 実用上昇限度: 14000 m

 武装: 37mm機関砲×2 30mm機関砲×2 50kg爆弾×2 (JPwikiより抜粋)

 

 リュ「おお……まさしく『重爆絶対殺すマン』を彷彿とさせるスペック……」

 

 中「全備重量8.8t~9.4tって数値は単発機としては日本最大だ。まぁ、与圧式キャビンに排気タービン、自動操縦機器とかをこれでもかと言わんばかりに積んでエンジンを2基積んでることを考えれば、妥当な数値だな。

 あと双ブームに串型、前脚を持ってる。初めての高高度戦闘機でこれだけ色々突っ込むって、明らかに挑戦的すぎるとぼく思う」

 

 リュ「武装も十分な火力を誇りそうですね!

 ……でも、一ついいですか?」

 

 中「ん……あ、いいぞ?」

 

 リュ「最高速度……見間違いですかね? 明らかにおかしいと思うんですけど」

 

 中「どどどどど、どこがおかしいのかな???」

 

 リュ「いやいや、高度一万メートルで最高速度780km/hですよ? 

 スペック・エンジン配置のレイアウトでこの機体と肩を並べる、我がドイツの誇る超技術の粋を結集して作られた『Do335』ですら、高速を発揮しやすい液冷エンジンであるDB603エンジン(出力1750馬力)を2基搭載して、6400m地点で最高時速763km/h。偵察機型でようやく780km/hに届くというのに、いくら高出力エンジンを搭載しているとはいえども、前面面積が大きい他ただでさえ空気の薄い高度10000メートルにおいて最高速度780km/hなんて、排気タービン装備でも日本の低い工業力を加味すれb」

 

 中「おっとそれ以上はやめようか(『赤い悪魔』片手に)」

 

 リュ「いや流石にそれ使ったら貴方も無事じゃすみませんよね!?」

 

 中「おっそうだな……(『赤い悪魔』をしまいつつ)

 取り乱してしまったが……はっきり言おう。リューゲル、お前の言った事は確かに正しい。事実として、大日本帝国の開発した排気タービン搭載機はそのほとんど(Ki-83や、一点物として試作機に搭載されたもの)が(悪い意味で)ぶっ壊れ性能だった。

 その意味では、確かにこの『Ki-94-1』も、試作機はよくとも量産なんてした暁には……ま、とてつもないことになっていただろうな。不幸中の幸いか、はたまた残念というべきか、それは実現しなかったが」

 

 リュ「えっ? それはどういう……」

 

 中「この機体は設計を無事完了し、モックアップの製作“まで”は、行われた。だがまぁ……逆にいえば、そこまでだった(・・・・・・・)

 順を追って説明していくと、まず『エンジン配置』。これが曲者だった」

 

 リュ「串型配置の何が問題なんですか? 素晴らしい設計だと思いますが……」

 

 中「お前らは水冷式エンジンしか使ってないだろ!!! こちとら信頼性と工作精度その他云々の問題で空冷式エンジン使ってるおかげで、エンジン冷却の問題が残ってるんだよ!!! それに、不時着した場合パイロットが前後のエンジンにサンドウィッチされる可能性も指摘されたからな!!!

 そうじゃなくても脱出時にパイロットが後部エンジンにミンチにされる可能性に、機体の設計的に排気タービンの装備が難しいなんて考えられたわけだよ!!!」

 

 リュ「あっ……」

 

 中「ということで、軍部の人が『何これやばくね? 計画変更するわ』って言った」

 

 リュ「えっあっ、はい」

 

 中「結果新たに『Ki-94-2』の製作命令が出されたものの、中島が『Ki-87』の改造仕様(与圧室装備)を出してたから、後発の『Ki-94-1」は不採用の可能性高いと感じて『もうええわ』ってことで計画から離脱した」

 

 リュ「えっ、えぇ……?」

 

 中「でも中島飛行機から『ワシ中島飛行機。立川飛行機くん、至急、与圧室に関する技術教えてくれや』って言われたから、立川飛行機が『あっ、ふーん(『Ki-94』の開発難航してるのね)』って考えて独自に『Ki-94-2』の設計を開始した」

 

 リュ「あら急展開……」

 

 中「ってことで、次は『Ki-94-2』について解説します! また見てね!」

 

 リュ「いっいやいや終わりが適当すぎじゃ——あの、あのー……!!!」

 

 

 

______

参考サイト

http://ktymtskz.my.coocan.jp/J/JP/aki3.htm

https://ja.wikipedia.org/wiki/キ94_(航空機)

https://ja.wikipedia.org/wiki/SR-71_(航空機)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ドルニエDo335

https://ja.wikipedia.org/wiki/ロ式B型

https://ja.wikipedia.org/wiki/キ87_(航空機)

https://ja.wikipedia.org/wiki/キ83_(航空機)

https://ja.wikipedia.org/wiki/キ74_(航空機)

 

 *SR-71

 最速のアメリカ製有人偵察機。前例(U-2墜落事件)を避けるべく、マッハ3とかいうとんでもない速度でバビューンっと飛ぶことで、ミサイルを回避しようってことで作られた。もっとも、そもそも敵地上空を飛行するなんて危ないこと極まりないので、偵察衛星の普及とともに1989年に全機退役。

 秘密裏に作られたってところが『F-117』と『A-12』同様ロマンを感じさせる。

 

 *オランダの香りがする

 オランダの『フォッカーD.23』のこと。前のエンジンを外したらスウェーデンの『サーブ21』です(嘘)。

 

 *Do335

 ドイツの串型戦闘機。なんだかんだ言ってドイツ機で一番かっこいいし、スペック的にも(コスト? 生産性? そんなもん知らねえよ)ドイツ機最強候補だと思う。

 

 *Me262

 ドイツのツバメ。初期のジェット機なのはもちろんあるけど、なんなら資源不足な大戦後期に生まれたものだから信頼性なんて捨ててるし、工場ズタボロで生産もままならない状況だから戦局打開の鍵には全然ならなかった。あとヒトラー、何でもかんでも攻撃兵器にするのはやめろ。

 それでも機首に炸薬たっぷり弾頭を発射する4門の『MK108』30mm機関砲を集中配置してたし、対重爆としては結構使える。

 

 *B-17

 アメリカのうんちっち重爆。ドイツを焦土に変えた罪は重い。

 

 *Halifax

 イギリスの紅茶たっぷり地震爆弾専用機(は?)。

 

 *Ki-77(A-26)

 日本の生み出した超長距離を飛行可能なすっごい飛行機。その航続距離は驚愕の18,000km(300km/hで滞空55時間)。前紹介してたわ。

 

 *九五式一型練習機(赤とんぼ)

 一般的な練習機。これでも特攻で250kg抱いて戦果上げたりしてるあたり、『白菊』同様色々おかしい。

 

 *Ki-61(飛燕)

 日本の工業力の低さに呪われた機体。性能自体は十分な日本製の水冷式戦闘機です。MG151搭載機は強い。

 

 *零式艦上戦闘機

 みんな大好き零戦。正直解説する必要はない。でも後継機に恵まれなかったのは泣くべき。

 

 *ロ式B型試作高高度研究機

 本来ならキ番号が付けられるわけだけど、この機体は機密中の機密、特秘扱いなので、キ番号はない。

 ロッキード L-14 スーパーエレクトラのライセンス生産機であるロ式輸送機を元に改造して製造された機体。色々問題はあったりしたものの、得られた経験は無事に『Ki-74』や『Ki-97』に生かされたとか。

 

 *Ki-83

 日本で最速と言われている双発機。防弾もしっかりしてるし、武装も充実。日本側での飛行試験では680km/h、アメリカ側での飛行試験では驚愕の760km/h台を叩き出した。あとついでに排気タービンの問題に悩まされることが少なかった。よかったね……(量産された場合に目を瞑りつつ)。けど空襲と東南海地震の影響をもろに受けて、結局量産できず。悲しい。

 

 *Ki-87

 クソデカ排気タービンを搭載する試作高高度戦闘機。他の日本機の例に漏れず排気タービンの不具合は多発したし、主脚は90度曲げて格納する(主翼に主武装や燃料タンク棟のスペースを確保するため)方法を採用したものの、当時の日本にそれを実現できるだけの小型・高出力モーターがなく苦労したらしい。

 でも、機動性はクセもなく『Ki-84』よりいい感じだったとか。

 

 *Ki-74

 長距離爆撃機。もともとソ連のバイカル湖西部に達するほどの航続距離を持った長距離偵察機として計画されていたものの、(どこかで見たことある流れで)陸軍が仕様要項を変更。高高度偵察爆撃機として改めて開発が開始され、いつも通りそもそも仕様要項にない装備を追加で要求したため、結果として試作1号機の完成は1941年から1944年、3年もずれ込んだ。

 その後てんやわんやあり、やれ『パナマ運河爆撃』だとか、やれ『サイパン島のB-29基地爆撃』だとか色々話し合われたけど、それが実現する前に無事終戦。

 視界や与圧室の運用の悪さを除けば、運動性は大型機としては良好だったらしい。


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